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地域だより[2004年7月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[2004年7月]

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札幌事務所


「体験テスト講座」〜甘い世界をのぞいてみよう!

講演中の島谷氏
講演中の島谷氏
 平成16年5月27日(木)、札幌市消費者センターはセンター内の体験テスト室において「体験テスト講座〜甘い世界をのぞいてみよう!」を開催した。同センターでは4月に子供を対象にした講座を開催したが、今回は大人を対象としたものであり、私たちの生活にあふれている“甘み”について体験テストを通じて再確認するとともに、新甘味料の特徴について理解を深める講座である。講師には同センターテスト室の島谷氏が担当した。
 まず、参加者は4月に行われた子供を対象とした講座と同じ実験(市販のオレンジジュースの糖度計の測定、実際に感じる甘さと糖度計の測定値がなぜ異なるのか)を体験した。子供同様、大人の参加者も実際に感じる甘みと糖度が異なることに驚いていた様子であった。
 次に、島谷氏からオレンジジースなどの容器に表示されている「濃縮還元」や「果糖ぶどう糖液」、「香料」など表示内容について解説があった。砂糖については、鹿児島県の南西諸島や沖縄県で栽培されているサトウキビと地元北海道で栽培されているてん菜から作られるなどの説明があった。また、砂糖が白く見えるのは漂白剤を使っているからではなく、砂糖はサトウキビやてん菜(砂糖大根)からショ糖という無色透明な結晶だけを取り出したものであり、その結晶が雪と同じように光の乱反射により白く見えるだけであるなどの解説があった。
 最後に、島谷氏から最近よく耳慣れた存在として一般の人々にも定着しつつある合成甘味料のアスパルテームとサッカリン、天然甘味料のステビアについて説明があった。糖アルコールの特徴のひとつとして、砂糖にはない冷涼感がある。参加者にはそれを実際に体験するために、糖アルコール成分が含まれているキャンディーを舐めるとともに、それを証明するための実験を行った。
 その結果、糖アルコールには溶けるときに熱を奪う作用があるため、糖アルコール成分が含まれているキャンディーを舐めると口の中に冷涼感が広がる。これ以外にも糖アルコールには非う触性、緩下作用といった特徴が説明された。さらに他の糖アルコールの種類が紹介され、講座は終了した。
 同センターテスト室によると、「参加者の方々に今回の講座や講座中に行われた実験等を通じて砂糖の持つ自然な甘さと糖アルコールの特徴・違いについて理解することで、わたしたちの日常にあふれている“甘み”について再認識し、これからの食生活に役立ててほしい」とのことであった。
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東京事務所


梅シロップ講習会の開催

 毎年、青梅の季節に全日本氷糖工業組合は「梅酒・梅シロップ講習会」を全国各地で開催している。東京地区では平成16年6月6日(日)に東京一ツ橋の毎日ホールで「梅シロップ講習会」が開催された。主催は毎日新聞社、協賛は全日本氷糖工業組合、石塚硝子(株)、和歌山県農業協同組合連合会の各社・各団体で、あらかじめ応募した100名が参加した。当日会場には各参加者に青梅1kg、氷砂糖(ロック型)、ホワイトリカー(35度)、ガラス瓶(4リットル)が用意され、講師は西尾勝正氏(中日本氷糖(株) 氷砂糖資料館館長)がつとめた。以下、講師の西尾氏の講演内容と梅シロップ作りの模様を紹介する。

はじめに
 今回、用意した梅は和歌山県産の南高梅で、香りが非常に良いことで知られる高級品です。氷砂糖は「ロック型」と呼ばれるもので、グラニュー糖を自然結晶させたもので2週間かけて作られます。ロック型とは製法が異なり、短い日数で作られる「クリスタル型」もあるが、ロック型のほうが溶けやすいので漬け込む期間の短い梅シロップには早く溶けるロック氷砂糖が最適です。氷砂糖は砂糖の種類の中でも最も純度が高く、ショ糖分100%の高級品です。梅シロップを作るには、発酵を防ぐためにホワイトリカーまたは酢のどちらかを加えます。ホワイトリカーはクセのないものがよく、殺菌効果を高めるためにアルコール度数は35度が必要です。梅1kgに対して200cc(コップ1杯程度)を使い、飲む時はさらに7〜8倍に薄めるのでノンアルコールです。酢が苦手でない方なら酢を使ってもよいと思います。酢にはとても強い殺菌力があります。

梅シロップ作り
青梅と氷砂糖を瓶の中へ
青梅と氷砂糖を瓶の中へ
[1] 梅は流水で洗い、布巾で水気を取る。(講習会当日は洗った梅が用意された)
[2] 爪楊枝で梅のヘタを取る。(梅に穴を開ける必要はなく、穴を開けなくても氷砂糖による浸透圧で梅はシワシワの状態になり梅のエキスは十分抽出される)
[3] 瓶の中に梅と氷砂糖を1/3ごと交互に入れる。
[4] 瓶の中にホワイトリカーを入れる。
[5] 瓶の蓋をしっかり閉め、梅がホワイトリカーで濡れるように瓶を横にして回す。
 家に持ち帰って目に見えるところに置いて、梅がシワシワの状態になる様子を観察してください。また、氷砂糖が溶けるまで時々瓶を振ってください。約3週間でできあがります。

梅シロップ作りのポイント
 梅シロップ作りの大切なポイントは、いかに発酵させないで作るかです。そのためには (1) シロップを作る前に梅の汚れを取ること(梅を流水で洗い、水気をふき取る)、(2) 瓶に梅、氷砂糖、ホワイトリカーを入れてからは空気に触れさせないこと(瓶を密封して空気を遮断する)、(3) 梅を殺菌すること(ホワイトリカーまたは酢を使う)が大切です。また、甘いのは苦手だからといって、適量の氷砂糖を入れないと梅がシワシワにならず、梅からエキスが十分に抽出されないので氷砂糖の量は守ることも大事です。今年作った梅シロップを美味しく飲めるのは今年の夏頃までです。

参加者からの質問
・氷砂糖ではなく蜂蜜は使えないのでしょうか?
 何故、氷砂糖を使うかと言えば、梅の持つ風味を生かすには純度が高くクセのない氷砂糖が最も適しているからです。蜂蜜には独特の風味があり、それが梅の持ち味を損ねる可能性があります。蜂蜜の風味がお好きな方は、梅シロップを薄めて飲む際に蜂蜜を加えることをお勧めします。
西尾氏
指導中の西尾氏
・今日作った梅シロップは、できあがるとどの位の量になるのでしょうか?
 約1.6リットルの梅シロップができますが、飲む際には7倍に薄めるので相当の量が飲めると思います。是非スポーツドリンク感覚で飲んでください。夏バテ防止にも最適です。
・梅シロップができた後、残った梅は食べられないのでしょうか?
 残った梅は食べられないことはありませんが、梅のエキスも果肉も溶け出してしまい、種と皮だけしか残っておらず、食べても味がなく美味しくはありません。
・梅酒と梅シロップの作り方に何か違いはありますか?
 梅酒はホワイトリカーの量を増やし、できあがるのに約6ヶ月かかります。作り方は同じです。梅酒はお酒ですが、梅シロップはノンアルコールですから子供からご婦人、さらにはお年寄りと幅広い方々に飲んでいただけます。このため、最近梅シロップを作る方が増えてきています。梅シロップは牛乳で割ったり、ヨーグルトにかけたり、家庭で梅ゼリーを作るときに使ったり、かき氷にかけたりと様々な用途で、お好みの味で美味しさを楽しめます。
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千葉事務所


ifia JAPAN/HFE JAPAN 2004の開催
〜第9回国際食品素材/添加物展・会議、第2回ヘルスフードエキスポ〜

 平成16年5月26日(水)から28日(金)までの3日間、東京都有明の東京ビッグサイトにおいて第9回国際食品素材/添加物展・会議(ifia JAPAN 2004、主催:食品化学新聞社)が開催された。9年前に、新食品素材の開発が新しい食品を生み、古い食品を活性化するという考えから始まった同展示会であるが、今回は「パワー全開!フードテクノロジー」と題して、展示会場の西1・2ホールに国内外の食品添加物・素材メーカー等から出展があった。また、2年前までは同展示会の1コーナーであった健康食品・機能性食品部門が消費者の高い健康志向を受けて、前回ifia JAPANから独立したヘルスフードエキスポ(HFE JAPAN 2004)も2回目の開催を迎え、「見つけよう!元気の処方箋」をテーマに同時に開催された。合計で約360社の出展となる過去最大の規模での開催となり、3日間を通じての来場者数も過去最高の26,176名にのぼり、5年連続で2万人を突破した。
 今年は従来のアメリカ、韓国に加え、中国(昨年はSARSの影響で中止)やオーストラリアの海外パビリオンが新たに設置され、より商談の機会が拡がる、国際色豊かな展示会となった。また、会場入口付近のスペースを利用して、特設パネル展示コーナー「我が社の戦略商品」や、香料メーカーのパネル展示とセミナーを組み合わせた特別テーマ展示「フレーバーワールド」が設置され、来場者で賑わった。例年通りワークショップセミナーや出展社によるプレゼンテーションも実施され、会議及びシンポジウムにおいても「食の安心科学」「おいしさの科学」など、昨今特に関心の高いテーマを取り扱ったセミナーが多数開催された。
 出展傾向は、例年通り健康志向や安全性を前面に押し出した素材・添加物が中心となり、出展製品としてはコエンザイムQやカルチニン、イソフラボン(注)等、最近のヒット商品に関連するものが目立っていた。
 精製糖メーカーでは塩水港精糖(株)、新三井製糖(株)、大日本明治製糖(株)、東洋精糖(株) 及びフジ日本精糖(株) の5社が、各ブースに自社製品を展示し、PRを行っていた。その他の甘味料及びそれに類する製品の出展については、精製糖メーカー、異性化糖メーカー及びその他の企業から糖アルコール・オリゴ糖を中心に出展されていた。以下精製糖メーカー、異性化糖メーカーからの出展製品の一覧を紹介する。

精製糖及び異性化糖メーカー 出展製品
塩水港精糖 (株) オリゴのおかげ・乳果オリゴ糖
新三井製糖 (株) パラチノース・さとうきび抽出物・シュガーレスS
大日本明治製糖 (株) 有機JASオーガニックシュガー・イヌリン
東洋精糖 (株) 酵素処理ステビア
フジ日本精糖 (株) イヌリン
サンエイ糖化 (株) オリゴ糖アルコール・マルトトリオース水飴
三和澱粉工業 (株) L−アラビノース
(注)
・コエンザイムQ
 酵素の働きを助ける「補酵素」の一種で、細胞のミトコンドリア内においてエネルギー生成を行うための必須成分。体内でも合成されるが、20歳を過ぎると年齢とともに多くの臓器で減少する。欧米ではビタミン剤のようなサプリメントとして普及した。日本では医薬品だったため普及が遅れたが、2001年からはサプリメントとしても扱えるようになった。ダイエットや慢性疲労に効果が期待されている。
・カルチニン
 血液中に流れ出た脂肪酸を燃焼させるのに不可欠な栄養素として注目されている。カルチニンが不足すると代謝が低下して全身のエネルギー生産が少なくなり、肥満の原因になるといわれる。カルチニンを摂取することにより脂肪消費量(発熱量)が増え、理想的なダイエットに効果を発揮することが期待される。
・イソフラボン
 大豆に含まれる成分で、特に大豆の発芽する部分「胚芽」に多く含まれる。最近の研究により、胚芽に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」に非常に良く似た働きをし、骨粗鬆症やガンの予防など、人間の健康にとって非常に優れた機能を持つことが分かってきた。
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大阪事務所


関西砂糖特約店協同組合が講演会を開催

 平成16年5月27日(木)、関西砂糖特約店協同組合は、大阪市中央区のアークホテル大阪において第49期通常総会を開催し、総会終了後に同ホテルにおいて講演会を開催した。
 今回の講演会は、農林水産省生産局特産振興課の久保田一郎課長補佐を講師に招き、「食料・農業・農村基本計画の見直し並びに砂糖制度の課題と対応」と題して講演が行われた。
 久保田課長補佐は、まず「食料・農業・農村基本計画」に関して、個別の品目ごとに全農家を対象として行われている現在の政策から、品目を越えて、農家の経営・形態に着目する「品目横断的政策への転換」という視点で見直しの作業が進められており、この点が砂糖制度についての議論においても意味を持ってくる可能性があるのではないかと言及した。
 WTO農業交渉に関しては、国内支持に対する国際規律の強化が検討されており、農業協定上支援の削減を約束させられることのないような施策体系の確立が必要であるとしたうえで、今後の交渉の過程で、貿易や生産への影響がない施策へ転換していくこととなった場合、現在の日本における生産性の保持、自給率の向上に重点を置いた政策とは矛盾する点があり、砂糖制度においても、わが国における事情と、どのような形で整合性をとっていくことができるのか、という点を課題としてあげた。
 FTA(自由貿易協定)に関しては、日本、相手国ともにそれぞれ重要と位置付ける品目、自由化された場合に脅威と感じる品目があるなかで、双方にとってメリットがあるような形での決着を目指して交渉を行っていくことが必要ではないかとの見解を示した。
 今回の講演会には、関西地区の特約店、代理店及び精製糖企業等から計95名が参加し、この問題に対する砂糖関係者の関心の高さを伺わせるものとなった。
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神戸事務所


明日に伝える熟練の技〜神戸マイスター制度〜

 神戸市では、市内に在勤または在住するすぐれた技術・技能者を「神戸マイスター」として認定している。「マイスター」とは、「親方」「名人」「大家」を意味するドイツ語で、神戸市内はもとより全国的にも通用する卓越した技術・技能者に対し、この称号を与えている。
 技術・技能職はともすれば若い世代に敬遠されがちであるが、この制度は、ものづくりに携わる職業のイメージを高めることによって、技術・技能者の励みとなるべく平成5年度に創設された。併せてマイスターに後進の指導に当たってもらうことにより、優れた技術・技能の継承を図ることを目的としている。この制度が創設されてから、これまでにマイスターとして認定を受けたのは73名である。
 マイスターとして認定された人たちの職種は、建設関係、機械金属関係、衣服・靴関係、飲食関係等非常に幅広く、48職種にわたっている。洋菓子、和菓子もこれに含まれており、なかでも洋菓子業界からは、職種別の認定者数としては最も多い4名がマイスターとして認定されており、洋菓子が地場産業として神戸と強く結びついていることをうかがわせる。菓子関係マイスターの多くは神戸市内の菓子メーカーで活躍しており、各種博覧会、コンテスト等でも多数の賞を受賞している。
 この制度の特徴は、単なる業界功労者の表彰だけにとどまらず、マイスターが後進の指導を行い、高いレベルの技術・技能を若い世代に伝えていく点にある。具体的な活動内容は、マイスターの所属する各業界内での研修会等での指導や(財)神戸市産業振興財団(神戸市の外郭団体)が主催する一般市民向け講習会での指導である。また、市内の中学校における生徒向け講演等も行っており、これらの機会を通じて積極的な人材育成活動が行われている。各マイスターの活動回数は、平均年10回以上にもなるという。
 中でも洋菓子関係マイスターは、毎年1回実施されるケーキ作りの講習会で一般市民を対象に指導を行っており、参加者からは毎回好評を博している。また、市内の中学校で講演を行う機会も多いとのことであり、各マイスターは菓子関係技術の継承にさまざまな形で貢献している。
 今後もこれらの活動を通じて菓子作りの高度な技術が若い世代に伝えられ、菓子に対する市民の認識がいっそう深まることを期待したい。
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福岡事務所


「平成16年度さとうきび生産振興対策会議」を鹿児島市で開催

会議の模様
さとうきび生産振興対策会議の模様
 平成16年5月19日(水)、平成16年度さとうきび生産振興対策会議(鹿児島県農政部、社団法人鹿児島県糖業振興協会主催)が、鹿児島市の鹿児島県市町村自治会館において開催された。この会議は、年度当初に、さとうきび生産に関して指導的立場にある県内の関係者が一堂に会し、前年産の生産実績や当該年産の作付進捗状況等について検討・協議を行い、参加者それぞれの立場で、地元に協議結果を持ち帰り、その年のさとうきびの生産振興に寄与することを目的に毎年開催されているものである。当日は、鹿児島県、市町村、農業試験場、農業改良普及センター、甘しゃ糖企業、関係団体、農協等などの担当者53名が参加した。
 開会にあたり片平博之鹿児島県農政部農産課長は、「平成15年産さとうきびの生産は、関係機関・団体・生産者等が一体となって、春植・株出栽培面積の拡大等の取組を積極的に推進した結果、収穫面積は、小幅ではあるものの着実に増加してきている。しかしながら、生産量は不安定であり、今後は単収向上が最大の課題となっている。特にここ1、2年の生産量は、甘しゃ糖企業の操業率を考えると満足のいく数字ではない。平成16年産のさとうきびについては、前年産以上の収穫面積の確保はもちろんのこと、栽培基本技術をしっかりクリアし、少々の台風・干ばつ等の気象災害には負けない足腰の強いさとうきび作りを実践し、今年産の製糖開始が迎えられるよう、それぞれの立場で最大限の努力をしていただきたい」と激励の挨拶があった。
 平成15年産のさとうきび生産実績は、種子島及び奄美地域の農家の6割以上に当たる10,800戸、普通畑面積の5割にあたる12,195haで栽培されており、収穫面積は、さとうきび・糖業再活性化計画に基づく、関係者一体となった取組みにより、増加傾向にあり9,885haとなった。近年、ハーベスタの普及に伴い、営農集団の組織化が進むとともに、農地流動化の推進が図られつつある。また、経営規模の大きい担い手農家も着実に増えてきており、4ha以上の栽培農家は294戸となっている。一方、畑地かんがいの整備、土作りの推進、優良品種の普及等により、単収向上が図られつつあるが、平成15年産は相次ぐ台風や干ばつにより、5,642kg/10aとなり、生産量は史上最低となった平成14年産よりも41,402t増加したものの、557,666tにとどまった等の報告があった他、一部地域では、メイチュウ類による被害を受け、さとうきびの品質が低下したことから、各島での対応策等についての意見交換が行われ、適期の薬剤散布で防除の徹底を図ることなどが確認された。
 また、甘味資源特別措置法に基づき、鹿児島県は平成16年のさとうきび生産について、収穫面積9,883ha、10a当り収量6,563kg、生産量648,626tの生産振興計画を定めている。この数字は、各市町村からの報告をベースに作成されたものであり、会議では、同計画との比較を中心に、各市町村の担当者より直近の作付進捗状況等について報告があった他、平成16年度に国・県・市町村が実施するさとうきび関係の事業についての説明やさとうきびの優良種苗供給体制の確立等について意見交換が行われた。
 平成11年9月に農水省で決定された「新たな砂糖・甘味資源作物政策大綱」に基づき、鹿児島県をはじめとする関係機関・団体は、甘しゃ糖企業独自の合理化努力のほか、地域の生産者、生産者団体、市町村など関係機関・団体との役割分担の見直しによる効率的なさとうきび生産、出荷体制の構築を通じ、安定的な原料供給と甘しゃ糖製造コストの縮減を図ることを基本とし、特に重点的に検討すべき事項をガイドラインとして示している。この役割分担の見直しについては、単年度で終了するものではなく、継続して実施することが肝要である。このため、同会議の場においても、各島のさとうきび生産対策本部及び糖業振興会から平成15年度の検討会開催実績及び検討推進状況、平成16年度の検討会の開催計画について報告を求めた。
 鹿児島県の関係機関・団体の一体となった取組が実を結び、平成16年産さとうきびの生産が高品質かつ安定したものになることを期待したい。
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