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地域だより[1999年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[1999年2月]
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札幌事務所



○平成11年産北海道の畑作物作付指標面積の設定

 北海道の畑作物の作付面積については、道が毎年畑作物の作付指針を示し、これに呼応して農業団体が畑作物作付指標面積を設定し、計画生産を推進している。
 北海道農協畑作対策本部委員会は、12月10日、札幌市のJAビルで会議を開催し、平成11年産畑作物の作付指標を決定した。
 それによると、基本指標面積の変更は行わず、実践指標面積の調整に止められた。11年産の実践指標面積は、各畑作物の需要に見合った生産量確保を基本として、前年の作付指標を1,400ha上回る307,200haと設定された。
 品目別では、自給率向上に向けた作付け誘導が進む小麦・大豆が増えて、輸入品との競合が厳しいバレイショは減少した。
 なお、輪作体系の主軸となるてん菜の実績指標面積は、10年産に引き続き70,000haに設定された。

平成11年産畑作物作付指標面積の設定
(単位:ha)
平成11年産畑作物作付指標面積の設定
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東京事務所



○「チョコ博〜パッケージに包まれた甘い思い出〜」の開催

 TOTO・食の情報館 RECIPE 5階「食のギャラリー」において、同館主催、江崎グリコ(株)・(株)不二家協力による標記イベントが1月7日(木)〜2月28日(日)の間、開催されている。
 この催しは、住宅設備機器のTOTO が食の文化活動の拠点として、96年6月に「TOTO・食の情報館 RECIPE」を銀座7丁目に開設したのに伴い、毎年(年6回)開催している食をテーマにした展覧会の一環として開催されたものである。
 今回はバレンタインデーに合わせて、チョコレートとキャラメルにスポットを当て、昭和初期から現在までの国内・外のお菓子のパッケージの数々やおまけが展示されている。そのパッケージに包まれたチョコレートとキャラメルは、私たちを楽しませてくれるだけでなく、その時代の甘い・苦い思い出をよみがえらせてくれる。
 主催者側によると初日にもかかわらず、まずまずの出足であるとのこと。なお、6階では「チョコレート誕生」のビデオを放映している。

(参考)
【会  期】1月7日(木)〜2月28日(日)
【休 館 日】1月20日(水)・2月3日(水)・2月17日(水)
〔毎月第1・3水曜日〕
【開催時間】11:00〜19:00 《入場無料》
【会  場】TOTO・食の情報館 RECIPE 5階「食のギャラリー」
【住  所】中央区銀座7−8−7 TEL03(3573)1009
【最寄り駅】地下鉄銀座線、日比谷線、丸ノ内線「銀座駅」徒歩5分

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名古屋事務所



○東海農政局「消費者の部屋」における甘味料展示会の開催

 東海農政局(名古屋市中区三の丸1−2−2)では、11月30日(月)〜12月18日(金)の19日間、東海農政局1階「消費者の部屋」において、昨年に引き続き『甘味を正しく理解していますか?〜天然から作られた甘味、「砂糖」と「異性化糖」の紹介〜』というテーマで展示を行った。
 砂糖や異性化糖に対する消費者の正しい知識と理解を深めるために、それぞれの原料、製造工程、特性、用途及び東海地区におけるメーカー等をパネル、パンフレット、写真等を使って紹介しており、当事業団を通じ精糖工業会を始め、関係各社の協力のもとに実施された。なお、会期中は当事業団が作成した広報パンフレット「砂糖のあれこれ〜お砂糖Q&A〜」の配布やビデオテープ「不思議な魅力〜砂糖〜」の上映も同時に行われた。
 展示物のうち、特に、砂糖の原料である北海道のビート(品種:ハミング)と鹿児島県喜界島のさとうきび(品種:農林8号)の展示は、物珍しいこともあり注目を集め、また、異性化糖を便用した食品の展示コーナーでは、飲料だけでなく色々な食品に使われているということを知り、驚きとともに見学者の関心を集め、手にとって内容表示を確認する人も多数見受けられた。

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大阪事務所



○徳島県上板町「技の館」における阿波和三盆糖に関する展示

 徳島県板野郡の阿讃山麓に立地する板野町、上板町及び土成どなり町の三町は、地域の伝統や資源を生かし、人・自然・文化・産業との「ふれあいの場」の創出を目指した地域振興と活性化策の一環として、平成7年から「あさんライブミュージアム(略称:ALM)」構想を推進している。
 同構想は、フランスのエコミュージアムの手法を取り入れて、三町全体を「巨大な青空博物館」として位置付け、三町に広がる各地域の誇りや資源がその中に展示されているという設定に基づいている。
 各町の特性は、「彩(さい又はいろどり)」(板野町)、「技(ぎ又はわざ)」(上板町)、「餐(さん又はもてなし)」(土成町)として表わされ、それぞれの町には、これらをテーマとして、情報発信基地としての役割を担うテーマセンターが設置されている。
 三町の一つである上板町では、同町のほぼ中央に「技の館」が、平成10年3月28日にドーナツ型・2階建てのテーマセンターとして開設され、同施設の広さは3,508u、オープン以来今日まで入場者数は約8万人を数える。
 館内には、水引細工などの伝統的工芸品や藍染など、同町に古くから伝わる特産品の展示室や製作体験工房などが設置されている。中には、現在でも同町を中心に生産が続けられている阿波和三盆糖関連の展示施設も設けられており、その概要は、次のとおりである。
1.アトリウム(温室ガーデン)
各種の藍、四季折々の草花と並んで、竹糖(阿波和三盆糖の原料となるさとうきび)を始めとする世界に分布する各種のさとうきびを見学できる空間になっている。
2.砂糖のしめ小屋
昭和24〜25年頃まで使用されていた牛に引かせて動かす石のローラーを中心に、人形を使って昔ながらのさとうきびの圧搾作業について説明する施設である。
3.アイスクリーム工房
上板町内で生産された生乳を原料に、阿波和三盆糖を加えてアイスクリームを製造している。出来上がった製品は、館内のレストランで販売され、夏場には1日約500個も売上げるほどの人気だという。
 なお、上板町は明治時代から石垣島と製糖事業を通じて交流があり、同町で保存していた石垣島製のさとうきび搾汁装置を、数年前に同町から石垣市の民俗資料施設に寄贈したこともあって、両地域の交流が一層深まり、平成11年7月には、「技の館」において石垣島の物産展の開催が予定されている。
 「技の館」を運営する上板町企画開発課では、「今後は、町の特性についての情報発信をより幅広く行い、種々のイベント等の実施を通じて、地域性を生かした町の振興を図っていきたい。」と話していた。

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福岡事務所



○奄美地域における若年層の就業及びUターンに関する意識調査について

 福岡事務所では平成10年8月号から6回のシリーズで鹿児島県各地域でさとうきび栽培に積極的に取り組んでいる農業後継者13名を紹介した。
 紹介した人の多くがUターン者で、経営感覚を十分に持っており、40歳代の方の中には後継者がいる人もいる。ただ、さとうきびを栽培している者同志の意見・情報交換の不足、地域外(島外)の人との情報交換も必要ではないかと感じた。今後の活躍を期待するとともに、そのまとめとして、鹿児島県地域雇用開発協議会が同9年9月に「奄美地域におけるアンケート調査」を実施し取りまとめているので、その一部を紹介する。

1 調査の目的

 奄美地域(奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島)は、隔絶性の強い外海離島でかつ台風の常襲地帯に属すること及び雇用力のある企業が少ないことなど自然的・経済的に厳しい条件下にあることから、新規高校卒業予定の就職希望者は、例年、そのほとんどが地域外に就職しているのが実状で、また、大学・短大等の教育機関が整備されていないため、進学希望者も全員地域外へ出て行かなければならず、30歳未満の若年層の地元への就職や定住は非常に少ない。
 そこで、若年層が進んで地元に就職したくなるような魅力ある雇用環境や生活環境の整備をより一層図っていくため、新規高校卒業予定者及び一般求職者の就職やUターンに対する意識等について調査・分析を行った。

2 奄美地域における雇用環境(略)

[1] 雇用動向
 奄美地域を管轄する名瀬公共職業安定所管内の労働力需給動向をみると、同8年度の有効求人倍率は0.26 倍(月間有効求人数4,812人、月間有効求職者数18,283人)で県全体の0.52倍を大きく下回っている。
 一般求職者の就職状況をみると、同年度の就職者数は566人(県外105人、県内461人)で、県外就職の割合は18.6%と県全体の割合を10.2ポイントも上回っている。
 Uターン労働力総数は360人(男性197人、女性163人)で県全体の5.8%を占めている。
 同9年3月の新規高校卒業者のうち就職者数は571人で、県外就職者数は451人、県内就職者数は120人と県外就職の割合が79%と非常に高く、これは県全体に比べても高水準にある。なお、県内就職者のうち奄美地域での就職者数は53人で就職者全体の1割に満たない。

[2] 所得状況
 奄美地域の同6年度の1人当たり市町村民所得は1,624千円で県平均(2,303千円)の70.5%に当たる。市町村別にみても県平均を上回るところはなく、半数の町村は県平均の70%未満で、県の中でも所得水準が厳しい環境下にあるといえる。

3 新規高校卒業予定者の就業意識

 平成9年9月に奄美大島本島内の同10年3月卒業予定の全高校生990人(回答者数883人)を対象にアンケート調査を実施したものである。
※回答の性別内訳:男性389人、女性484人、不明10人

[1] 就職に対する希望

 就職する際に重要視する項目は、(1)仕事内容55.5%、(2)給与43.9%、(3)自分の希望する業種32.9%、(4)休日数29.2%、(5)「自分の能力を発揮できるか」20.4%となっている。これに対し「会社の規模」や「会社の知名度」という意見を挙げる生徒は少なく、会社のイメージよりは仕事内容や労働条件が重要視されている。
 希望する業種は、(1)製造業16.0%、(2)卸売・小売業13.7%、(3)情報サービス業11.3%、(4)医療・衛生業9.0%、(5)公務8.1%の順となっている。農林漁業については0.3%であった。(「時期的に早いため、よくわからない」が12.2%あった。)
 希望する業種は、(1)技能・作業系21.6%、(2)営業・販売系21.4%、(3)専門・技術系20.5%となっており、事務系希望は比較的少なく14.5%であった。
 希望する勤務地は、8割以上が地元(奄美地域)以外を希望しており、(1)関東(東京、横浜など)29.4%、(2)関西(大阪、神戸など)26.8%、(3)地元14.7%、(4)地元以外の県内11.0%となっている。地元以外の県内のうち3分の2は鹿児島市を希望している。
※重要視する項目に対する回答は、 複数回答である。

[2] 地元以外を希望する理由と将来のUターンの見込み

 地元以外を希望する理由は、(1)「都会で働いてみたい」53.1%、(2)「都会で自分の可能性を試してみたい」39.0%、(3)「地元に希望する会社がない」26.7%、(4)「現在の居住地を離れて自由な生活を送りたい」26.4%の順となっており、地元に希望する会社がないことに加え、都会への憧れが非常に強いといえる。
 しかし、Uターンについては、48.3%の生徒が将来的にはUターンを希望し、そのうち4割は4〜5年後に、3割は10年後くらいまでにUターンすることを希望している。一方、Uターンをするつもりはないと答えた生徒は12.0%であった。
 Uターンを希望する理由は、(1)「自然が豊かで住みやすい環境だから」65.3%、(2)「地元に愛着を持っているから」51.4%、(3)「地元で自分の技術や経験を活かしたいから」32.6%、(4)「家族などの世話をするため」31.3%の順になっている。
 なお、希望する勤務地に地元を選択した生徒(14.7%)はその理由として、「生まれ育った故郷に愛着がある」51.9%、「自然が豊かで住みやすい環境にある」44.2%、「現在の居住地から通勤できる」44.2%を多く上げている。
 地元に対する魅力(生活の場あるいは就業の場として)については「魅力がある」24.8%、「魅力がない」27.0%、「どちらともいえない」48.2%となっている。魅力がないとする理由は、(1)「遊戯、スポーツ施設が少ない」39.2%、(2)「求人企業数が少なく、勤める業種・職種が限られる」34.1%、(3)「自分を高める機会(専門学校など)が少ない」32.8%、(4)「買い物の便が良くない」30.2%、(5)「文化的刺激(コンサートなど)があまりない」28.4%の順になっている。
※理由に対する回答は複数回答である。

4 一般求職者の就業意識

 名瀬公共職業安定所に求職登録している奄美大島本島に居住する15歳から45歳までの求職希望者448人を対象(回収数195人、回収率43.5%)に、平成9年9月から同年10月にかけてアンケート調査を実施した。

5 若年層の地元就職・定住及びUターン促進のための課題と方策

 鹿児島県地域雇用開発協議会は、上記2つのアンケート調査の結果を踏まえ、奄美地域における若年層の地元就職やUターンを促進していくための課題と方策について、次のとおり整理、検討している。

[1] 就業環境に関する課題
○地元企業の魅力向上
 若年層の求めているニーズを踏まえて、地元企業の魅力向上を図り、少しでも都会のレベルに近づけていくような取組みや体制づくりが望まれる。
○就業機会の拡大
 既存企業の新たな事業展開や企業の誘致など、若年層の受け皿となるべき企業あるいは就業機会の拡大を促進していくような取り組みやその体制づくりが望まれる。
○情報交換体制の拡充
 若年層や企業が求めているニーズの把握等により情報内容の充実を図り、更に両者間の情報交換がスムーズに行えるような取り組みや体制づくりが望まれる。

[2] 生活環境に関する課題
○地元の魅力向上
 若年層が地元に求めている施設整備等のニーズや意見を反映させ、また、地元の良さも活かしながら、生活環境の基盤整備や充実を図っていくような取組みや体制づくりが望まれる。

[3] 若年層の地元就職・定住及びUターン促進のための支援方策
 魅力的な就業環境を作るために (1)企業交流会の開催、(2)人材交流・育成の促進、(3)新規事業研究会の発足、(4)企業の誘致促進、(5)就業体験機会の提供、(6)情報交換・発信体制の構築が上げられる。
 魅力的な生活環境づくりに向けて (1)生活環境基盤の整備・充実、(2)地域づくり交流機関の設置が挙げられる。

 以上、同協議会が取りまとめた「奄美地域における若年層の就業及びUターンに関する意識調査」から、奄美地域の求人・求職等の現場における雇用環境、生活環境、若年層の意識などの状況を把握することができるが、それらの状況の中で若年層が抱いている奄美地域に対する愛着心や自然環境に対する認識、情報交換や交流会の開催及び人材交流・育成の促進などの課題等については、さとうきび栽培における後継者の育成においても同じように重要項目であると考えられる。
 既に紹介したように、「徳之島さとうきびジャンプ会」、沖永良部島の「我らキビ仲間の会」等、Uターン者も加わったさとうきび作農家グループの結成、活動においては、Uターン者が積極的な役割を果たしている。このようなグループ活動を各地で広げ、さとうきび農業の振興に併せ、後継者確保、Uターン促進にもつなげていくことが期待されよう。

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○平成10年産甘しゃ分みつ糖の製糖開始状況等

・さとうきびの生産見込み
 沖縄県の平成10年産さとうきびの生産量(含みつ糖向けを含む)は、926千トンと対前年34千トン、4%の増加が見込まれている(沖縄県農林水産部調査・平成10年10月1日現在)。
 沖縄地域(本島、伊江島、伊是名島、久米島及び南北大東島)は、気象条件が良かったことから、510千トンと対前年79千トン、18%の増加が見込まれているが、宮古・八重山地域は6月下旬から8月中旬にかけての干ばつの影響によって、宮古地域では296千トン(対前年40千トン、12%の減)、八重山地域では119千トン(対前年4千トン、4%の減)と減少が見込まれている。

・製糖開始状況(平成11年1月13日現在)
 前年に比べてさとうきびの増産が見込まれる南北大東島では、北大東製糖(株)が前年より1ヵ月余り、大東糖業(株)が前年より20日余り早期の製糖開始となった。
 一方、さとうきびの減産が見込まれる宮古製糖(株)、沖縄製糖(株)は、前年より1週間から10日程度遅れての製糖開始(開始予定)となっている。
 なお、翔南製糖(株)は労働争議による操業の遅れから、当初予定より4日遅れて製糖が開始された。

各社製糖開始状況等
平成11年1月13日現在
各社製糖開始状況等


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