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ブラジルにおける砂糖およびエタノール関連調査結果(速報)〜リヒト主催の砂糖・エタノールセミナーの参加と現地調査を実施して〜

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

機構から
[2006年5月]

調査情報部 部長 加藤 信夫
国際情報審査役 付審査役 岡崎 裕司
調査情報部 調査情報第3課 課長代理 竹中 憲一


<世界の砂糖とエタノールの需給事情>
<ブラジルの最近の情勢>
<生産構造等>

 平成18年3月21日〜22日の日程でサンパウロで開催されたリヒト主催の砂糖・エタノールセミナーに参加し、併せて昨年6月に実施した現地調査のフォローアップを実施したので、その概要を報告する。なお、詳細な報告については別途行う予定である。 


<世界の砂糖とエタノールの需給事情>

◎砂糖事情
1.2005/06年度の砂糖の生産はアジアで伸びたものの、世界全体では対前年比3.3%増の見込み。
2.過去3年間、世界の砂糖消費量は生産量を上回っており、在庫率も39%に低減(過去10年間で最低水準)。この傾向は来年もしくは数年間続く。
3.2015/16年の世界の砂糖消費量は、現在より3,200万トン増加することが予想されるものの、すべての需要をみたす生産量は望めない。
4.砂糖価格の堅調要因は、キューバとEUの砂糖産業の縮少(downsizing)、およびさとうきびのエタノール向け需要の増加。
5.ブラジルは世界の砂糖輸出の4割のシェアーを占め、2010年には50%以上となる見込み。EUは砂糖制度改革により2013年には輸入地域に転換。アフリカ、アジア、中東は引き続き輸入地域。ブラジルのみが有力な生産国。
6.世界の砂糖の需給バランス上重要な短期要素は、どの国がEUの砂糖の輸出減少分を補うか。
7.今後は仕向け国(消費国)での精製糖工場の建設が進む。VHP糖の取引は活発化。

◎エタノール事情
1.2005年下半期からエタノール価格が上昇したが、これは前兆。今後数年間は砂糖とエタノール価格は堅調。一方で、エタノール生産はインフラと政策により左右。
2.バイオマスエタノールの原料は農産物が中心であることから、今後農業生産の拡大が見込まれる。
3.エタノール価格は、燃料価格とブラジルの在庫量がキーポイント。
4.ブラジルでは予想を上回る勢いでフレックス車が普及しており(2月の自動車販売台数(バス・トラックを含まない)の77%を占める)、世界各国で普及する可能性あり。
5.バイオマス燃料の需要はアジア(中国、インド、タイ)で高まる。
6.EUは、バイオマス燃料の取り組みに遅れをとる。エタノールよりもバイオディーゼルに関心があり、エタノールの市場はそれほど大きくはならない。
7.カリブ諸国では10億リットルの生産が可能となる。しかも2012年までには20億リットルの生産が可能となる見込み。

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<ブラジルの最近の情勢>

1.2005/06年は深刻な干ばつ(特に北東部)により、当初のさとうきび生産予定よりも生産量が減少し、その結果、砂糖とエタノール生産量・輸出量とも減少か伸び悩み。
2.さとうきび生産の端境期に入り、昨年の10月頃からエタノール価格が上昇。
  これを冷やすため、(1)ガソリンへのエタノール混合率を3月1日から25%から20%に緩和、(2)さとうきびの収穫を2ヶ月前倒し、(3)エタノールの輸入関税(20%)を暫定的に無税とする対策を実施。
3.ブラジルには農業に適した未利用地が広大にあることから、さとうきび生産の拡大に不安はないと言われてきたが、その生産量は伸び悩み。しかしながら、ブラジル第2位の砂糖・エタノール生産州であるパラナ州では、肉牛生産の集約化に伴い余った放牧地がさとうきび、大豆、とうもろこしに転作されており、さとうきびの面積は着実に拡大。
4.砂糖・エタノール生産工場(USINA)の新たな投資は増えているものの、一方で経営難に陥っているUSINAがCOSANグループなどに買収されるケースも散見。
 (参考)UNICA(サンパウロ製糖協会)によれば、2006年には19工場、2007年には25工場、2008から2010年間に45工場が建設予定。
5.現在さとうきび1トンから85リットルのエタノールが生産されるが、技術革新により120〜135リットルの生産が可能。
6.USINAでの砂糖とエタノールの生産配分は、それぞれの相場をみて決めるという単純な話ではない。USINAでの砂糖とエタノールの生産体制は多様化しており、能力も大きく異なっていることから、工場の稼働率を最大にすることが最重要課題。多数の要因が複雑に絡み合っているので、一定の方程式はなく単純な経済モデルで砂糖とエタノールの生産配分が決まるわけではない。結果的にほぼ50対50になっており、その変動幅はごくわずか(以上、UNICA、パラナ州関係者の話)。
 (過去4年間におけるブラジル中南部における砂糖とエタノールの生産割合はピーク時でも砂糖52%であり、砂糖の価格が高くても基本的に砂糖の生産割合が50%以上にならないと思っている。:セミナーにおけるカーギルシュガー・アレクサンドル部長の話)
7.エタノールの輸送は昨今の原油高を受けて、トラック(ローリー)での輸送費が高騰。一方で、鉄道輸送への期待が高まっているものの、十分な線路網が未発達であり、民営化して間もないこともあって不確定要素あり。
8.石油に使われているパイプラインは多数あるも、エタノール専用のパイプライン建設はこれからの課題(現在は石油用が主で総長約1万キロ)。現在、ペトロブラス社による中東部での投資計画がある。
9.サントス港でのエタノール貯蔵施設の増設(TEAS)、砂糖ターミナルのシップローダーの能力増強(COSAN)、パラナグア港でのエタノール・ターミナルの新設計画など、ターミナルの能力増強計画が進展中。


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<生産構造等>

1.USINAへさとうきびを供給しているサプライヤーのほとんどが「個人」(自然人)であるが、パラナ州、サンパウロ州の多くは協同組合方式の形態をなしている。サンパウロ州には約1万のサプライヤーがおり、ブラジル全体のさとうきび生産量の25%(約1億トン)を賄っている。全国の平均作付面積は20ヘクタール、サンパウロ州には10万ヘクタールの者もいる。サプライヤーの組合として「ORPLANA」があり、UNICAとはよい関係。
2.サンパウロ州およびパラナ州のさとうきび支払い方法は「CONSECANA」というルールがある。これは、政治的な要素は排除して、純粋にUSISAからサプライヤーへの支払方法などについて定めたルールである。(経済的な要素のみを含む)。具体的には、国内や海外の砂糖、含水エタノール、無水エタノールなど一定の価格について両者で合意をして結果を公表している。通常、合意価格の7割が前払いされ、糖度や市場価格を勘案し、残りの3割が後払いとなる。ただし、ルールは各USINAでばらつきがある。5年毎に見直しをしていて、今年が見直しの年。


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