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平成18年度 消費者代表の方々との現地意見交換会について

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

機構から

総括調整役 大澤 教男


1 株式会社徳倉
2 米屋株式会社

 当機構は情報提供業務の一環として、消費者の方々に、生産現場を実際に見ていただき、生産者や関係者の方々と話し合うことにより、相互に理解と認識を深めることを目的として、現地意見交換会を平成18年9月29日(金)、千葉県内において、開催した。
 今回の現地意見交換会は、砂糖を加工する粉糖工場と和菓子工場を視察し、砂糖の加工品の安全性や、砂糖の持つ効用などを理解していただき、関係者と意見交換を行った。
 全国的な消費者組織において活躍されている方々をはじめ、砂糖についての理解を深めるため、大学で栄養学を学んでいる方々にも参加いただいた。また、今回は、専門家として、精糖工業会からも参加いただいた。
   


1 株式会社徳倉

(1)バイオエタノールの生産拡大の背景
<会社の概要>
・(株)徳倉は大正8年にみつ屋(あんみつ、わらび餅などの上に掛けるみつ)として創業した。
・戦後、砂糖の製造を始めたが、小規模であったため、「何か特徴を出そう」と砂糖から粉糖を作るようになった。
・昭和58年になると精糖業界は不況に陥ったため、精糖設備を処分し、粉糖加工に特化した。

<工場の概要>
・平成12年にISO9002を、平成15年にはISO9001を取得した。
・平成18年5月に東金工場が稼動開始した。(東京都江東区から千葉県東金市に移転)
・敷地面積は約9,340m2で、工場の延べ床面積は3,890m2である。
・従業員は55名(うち20名女性)で稼動している。

工場の概要について説明

<粉糖の紹介>
・粉糖は、0.5〜0.8mmのグラニュー糖を粉砕して0.03mm程度にしたもので、シュークリームの上にかけたり、ガムの表面に付けたりする。また、洋菓子類に練り込むこともある。
・砂糖の粒が小さくなればなるほど吸湿性が高まり、固まりやすくなる。コーンスターチを混ぜると砂糖の粒子の間に入り込み、コーンスターチ自身が吸湿する。コーンスターチはでん粉なので水に溶けにくいため、凝固を防止できる。この性質を利用して、平成2年に凝固防止法の特許を取得した。
・また、顧客の要望により、粉糖のまわりをデキストリン(でん粉の一種)でコーティングして「溶けにくい粉砂糖」を開発した。
・さらに、水にも油にも溶けにくい(口の中の熱で溶ける)商品も開発した。この粉糖は、デコレーション向けで、上に乗せて溶けると商品化価値が下がってしまうものに使用される。このような商品はフランスやベルギーが先行している。
・これら以外にも固形甘味料の粉砕や、ココア、抹茶などのコーティング加工も行っている。

<意見交換の概要>
 (株)徳倉の粉糖工場を見学して、まず、参加者の多くは、徹底した衛生管理を見て安全性について好印象を持ったようである。粉糖は、普段ケーキなどに振りかけられ身近に見られるものであるが、粉糖にもたくさんの種類があることに驚き、また、砂糖以外の原材料も粉砕して製品にしていることも新発見であったようだ。従来では考えられなかった水や油に溶けにくい粉糖が、この工場で作られていることに感心していた。

質疑応答
Q:配合材料のマルトデキストリンの原料は何か。
A:タピオカでん粉(キャッサバ)である。キャッサバには遺伝子組み換えのものは存在しないので安心である。
Q:工場のドアや窓ガラスを黄色にしているのはなぜか。
A:虫を寄せつけない光に変えるため、黄色のフィルムを貼っている。
Q:粉砕の50ミクロン、70ミクロンといった注文は、どうやって加工するのか。それとも篩(ふるい)で選別するのか。
A:2種類の装置で行うが、2種類とも衝撃でたたく方法なので、大きさを機械で制御するのは難しく、分析してやっと大きさが分かる。注文でも「30ミクロンだけ」とか「すべて30〜20ミクロンの間」というのは難しく、今後の我々の課題である。
Q:粉糖にも色々種類があって驚いた。どのくらい種類はあるのか。
A:われわれもこんなに多くの種類を作るとは思っていなかったが、顧客の要望で増えた結果、60種程度の商品がある。
Q:工場内は騒音が大きいが、従業員への対策はどうしているのか。
A:工場内の騒音については、過去に高周波の音を取り除くヘッドホンを付けさせた。しかし、従業員から「かえって汗をかくのでやめて欲しい」との声があり、やめてしまった。騒音の対策については現在考えているところである。

白衣に着替えて工場見学の準備

参加者の方の感想
・工場内はとても清潔で、従業員も白衣の下にフードの付いた衣服を着用して、髪の毛の落下防止も徹底されていた。また、自然の多い場所であるので工場内に虫が入らないように工夫もされていた。衛生管理も行き届いた工場で、消費者が安心できる商品の製造しているのがよく分かった。
・大量の砂糖がパイプを通り抜けていく際、万が一削られて金属の欠片が紛れた場合、徹底的に取り除くために1000ガウス以上の非常に強力なマグネットを製造過程に3箇所も設置していたことに商品の安全性を感じた。

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2 米屋株式会社

<会社の概要>
・米屋(株)は明治32年の創業。代表銘菓である栗ようかんの由来については、創業者の母が、精進料理の栗かんに成田名産の柴栗を入れたのが始まりであった。
・この工場は、昭和49年に完成したもので、最近は和菓子屋としては珍しいISO9000とHACCPを同時に取得した。建物が古いため、工場の中に工場を造る、いわゆる2重、3重構造となっており、安心を買ってもらう体制を取り入れている。
・工場設立当初から、小豆を煮たときに出る煮汁を自社の排水処理場で処理するなど、環境対策についても配慮がなされている。

<意見交換の概要>
 工場見学の中でも排水処理施設に興味を持った方が多く、処理施設に入ってくる小豆色をした水が透明な水に変わるその変化に感動しているようであった。意見交換会では、商品開発、原材料、環境問題など意見がとりかわされた。

廃水処理施設(汚水取入口)
排水処理施設(清浄水排出口)

質疑応答
Q:新商品を次々と出しているが、そのアイデアはどうしているのか。
A:直営店では、成田のお土産として「成田に来ればようかん」と言われるよう昔からのものを提供している。百貨店のテナント店では、季節展開(節句)があり、甘さを抑えたり、味を少しずつ変えたりして新しいものを出している。全国展開しているスーパー、コンビニなどでは、新しいものでないと扱ってもらえないので、要望を聞きながら商品を提案し、選択してもらっている。当社はこの3市場をうまく展開する形で商品を提供している。
  一般的に新しい商品が出て行くのはスーパー、コンビニなどが多いが、全く新しい商品というものはない。今、当社で一番売れているのはどら焼きで、特にコンビニで一番売れているのが、あんの量が通常の2倍のどら焼きである。この購入者の約60%はドライバーである。二番目の大福も通常の倍の大きさの110〜100gのものが出ており、この購入者も約60%はドライバーである。こうした販売動向をとらえて作り出している。
Q:どのようにニーズを把握しながら商品開発を行っているのか。
A:商品開発、品質管理、製造の3者で行っている。通常はお客様と日々対話している営業・販売サイドからユーザーのニーズが寄せられ、それを具体化していくのが我々のやり方になっている。
Q:小豆は日本産だけで足りているのか。
A:日本産だけで足りている。北海道(ホクレン)から買っており、北海道の中でも帯広産が一番良いとされる。昨年は豊作だったので1年半分の小豆を持っている。自社で小豆を大量に買うことによって価格交渉をしている。
Q:調製あんは以前から使っていないのか。
A:試験をしたことはあるが、やめようという話になった。今、小豆が余っている状況であり、和菓子と北海道はつながりあるので、このままの方針でいくことにした。
Q:最近、砂糖の価格が値上がりしているがその影響は。
A:昔は業務用砂糖の方が高く、消費者向けの砂糖の方が安く買えた。しかし、今では消費者向けも安く買えなくなった。当社の砂糖の購入量は中堅の上くらい。競争させて買っており、大手と同じくらいの価格で入ってくる。先般のニューヨーク市場では1ポンド当たり10セントを割った。昨年暮れは6セントであったので元に戻りつつあるが、いったん上がった価格はなかなか下がらない。砂糖年度は10月〜9月であるので、10月以降の価格がどうなるかは様子見である。
Q:個別包装するとごみが大量に出るが、包装の省資源化への取り組みはどうか。
A:百貨店と打ち合わせながらやっている。和菓子は昔から見て楽しむものであり、日本の風習として包装の上にさらに包装する。要望があれば対応するが和菓子業界として昔からの慣わしは完全には崩せない。

製品倉庫を見学

参加者の方の感想
・常に小豆の国産の小豆を使用するという、食材へのこだわりが感じられた。
・一つ気になったのは、今はごみ問題や環境汚染のことが注目されるが、お菓子の個別包装や缶についてである。どうしても、和菓子は個別包装のため余分に包装紙が必要になり、その分ごみの量も増える。最近になって、環境に配慮して作られた製品などに表示が認められる「エコリーフマーク」の付いた缶があることを知った。そういった食品という部分だけではなく、関わるものすべてに対して、様々な取り組みが行われるようになってきている。食品なら食品のことだけを考えていたのではいけない現状になってきていると思う。
・あんが2倍入ったどら焼きや重量の多い大福がトラックのドライバーの方などに好まれているということは、長時間の運転で疲れたときに「甘いものが欲しくなる。たくさん食べたい」という消費者の声を聞きながら商品開発をしていることが伺えた。
・米屋(株)の第2工場は、ISO9000やHACCPを取得している会社で、消費者が安心して食べることができる商品を製造している会社であるとわかった。
 環境を配慮した排水の浄化を自社で行っていることからも地域貢献の気持ちを感じた。

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