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年頭に当たって:年頭所感[2004年]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

今月の視点
[2004年1月]

【年頭に当たって】
年 頭 所 感
独立行政法人農畜産業振興機構
 理事長  山本 徹
理事長 山本 徹


 平成16年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 最近の国際情勢について見ますと、世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は、昨年9月にメキシコで開催され、貿易以外のテーマである投資などのシンガポールイシューについての交渉が決裂したため、交渉の大枠、いわゆるモダリティを確立できませんでした。
 また、自由貿易協定(FTA)については、日本は既にシンガポールと結んでいますが、メキシコをはじめタイ、マレーシア、フィリピン、韓国などとの交渉が進められる情勢にありますが、農産物の取扱いが大きいテーマとなっております。
 WTO、FTA交渉に当たってわが国は、国内の農業改革との整合性を保つとともに、農林水産業の多面的機能への配慮、食料安全保障の確保など、各国が持つそれぞれの事情を踏まえた上での多様な農業が共存できるよう、厳しくかつ強力な折衝を行うことになります。
 農林水産省においては、昨年、平成17年を目途に新たな食料・農業・農村基本計画の策定に向けて見直し作業が開始されました。 この見直しに当たっては、農業構造のさらなる改革、食料の安定供給の確保、環境保全を重視した農政の実現、食の安全・安心等消費者の視点に立った施策の強化が検討されることとなっています。
 わが国の砂糖生産について見ますと、平成12年に施行に移された新たな砂糖制度のもとで、砂糖の自給率の引き上げ、生産コストの低減、生産量の維持増大、消費の拡大等に努力が払われてきました。
 具体的には、国内の甘味資源作物対策では、安定生産およびコスト低減に向けた土層改良や優良品種の育成、適時・適切な肥培管理の徹底等による品質・単収向上、機械化一貫体系の導入、担い手農家の育成による規模拡大等の取り組みが行われてきました。
 国産糖企業対策としては、製造・流通コストの縮減を図るため、原料受入れ体制の合理化、効率的な製造・流通施設の整備等の取り組みが行われてきました。
 精製糖企業対策では、砂糖の価格競争力の強化を図るための企業の合併や製糖の共同・委託生産化を実施するなど、生産コスト低減に向けた系列を超えた積極的な取り組みが行われてきました。
 こうした中、平成15年産の甘味資源作物の国内生産について見ますと、てん菜は、作付面積の増加と夏場の低温、秋から収穫までの期間中好天に恵まれ、昨年を上回る415万2千トンが予想されています。これに加え根中糖分の増加もあり、産糖量は昨年を上回る74万2千トンが見込まれています。
 平成15年産のさとうきびは、収穫面積は昨年並となりましたが、干ばつによる生育停滞と台風10号、14号等の襲来による折損等の被害はあったものの、これら台風による降雨等により、昨年を上回る生産量138万7千トン、産糖量15万4千トンが見込まれています。
 一方、砂糖の消費は、消費者の低甘味嗜好や砂糖に対する誤解、加糖調製品の輸入増加等を背景として減少が続いておりましたが、砂糖需要の維持・増大に向けたシンポジウムの開催や各種広報媒体を活用した普及啓発活動のための取り組みによって、平成14砂糖年度においては、229万6千トンと、12年振りに前年を0.8%上回りました。しかし、平成15砂糖年度は、229万2千トンと前年を0.2%下回ると見込まれています。
 今後とも、依然として大きい内外価格差、国際化の進展等を踏まえますと、原料作物の生産から製造・流通に至るまで、なお一層のコスト削減が求められるとともに、砂糖需要の維持・増大に向けた各分野での取り組みが重要です。
 このことにつきましては、農林水産大臣から機構理事長に示された中期目標の中で「国内産糖と輸入糖との価格差、てん菜・さとうきびの生産の省力化の遅れ等の課題に対応し、てん菜に関しては、直播栽培等による生産の省力化(基本計画に掲げる労働時間の2割程度の減少)等を通じた計画的な生産、さとうきびに関しては、機械化一貫体系の導入等による生産の省力化(基本計画に掲げる労働時間の6割程度の減少)、優良品種の導入や新たな技術の普及等による生産性の向上(基本計画に掲げる収量の1割程度の増加、生産コストの3割程度の低減)等を通じた国内生産の維持増大に資するよう、」砂糖の価格調整に係る業務及び砂糖に係る補助業務を実施することとされています。
 この目標に沿って機構といたしましては、輸入糖等の売買業務、国内産糖交付金の交付業務等を着実に実施することはもとより、砂糖生産振興資金を活用した補助業務として、てん菜・さとうきびの生産・流通コストの低減を促進するための事業、国内産糖企業・精製糖企業における製造コストの低減等を促進するための事業および砂糖に対する理解の促進のための事業について、今まで以上に適正、かつ効率的に取り組んでまいる所存です。
 砂糖は肉体と精神に活力と安らぎをもたらし、国民の健康な体づくりに貢献する重要な食品です。
 砂糖の摂取は、肥満や糖尿病の原因となると言った誤解が依然として根強く残っていますが、砂糖は炭水化物の一種であり、1グラム当たりのカロリーも米麦とほぼ同じ4キロカロリーです。
 このような様々な砂糖に関する正しい知識、情報をできるだけ分かりやすく消費者に提供していくことが機構の重要な使命です。
 このため、砂糖と食文化講座の開催、地域情報モニターから収集した消費者意識に応える的確な情報提供の実施、糖業関係者に対するモニターからの消費者意識の提供も併せて実施します。また、科学的なデータに基づく情報提供を実施するため、医学、栄養学、心理学、社会学などの幅広い研究者を対象とした公募による砂糖に関する学術調査を実施します。
 当機構は、昨年10月、野菜供給安定基金と統合し、わが国の畜産、野菜、砂糖、蚕糸の振興業務を担うこととなりましたが、発足以来3ヵ月、皆様方のご支援、ご協力により、業務の運営も順調に進めることができたと考えております。改めて御礼を申し上げます。今後とも業務の執行、組織の運営に当たりましては、皆様方のご意見を踏まえつつ、なお一層、適正、効率化、透明性を確保し、農畜産業および関連産業の健全な発展と国民消費生活の安定に努力してまいる所存です。
 今後とも、皆様方の格別のご支援、ご指導を賜れば幸いでございます。本年が皆様方にとって希望の持てる年となりますことをご祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。

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「今月の視点」 
2004年1月 
年頭所感
 独立行政法人農畜産業振興機構 理事長 山本 徹
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