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食育基本法の制定について

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最終更新日:2010年3月6日

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今月の視点
[2005年10月]

【今月の視点〔食育〕】

内閣府 食育推進室 参事官補佐   小野寺 慎司

食育を推進する目的
これからの推進体制
基本法が制定された背景
食育の具体的な取り組み
最後に

 平成17年6月10日に第162回国会で成立し、同年7月15日に施行された食育基本法(以下、「基本法」という。)とその施行後の動きについて紹介します。

食育を推進する目的

  国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性をはぐくむため、基本法では、食育を次のように位置付けています。
● 生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの。
● 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること。
また、基本法は、
● 食育に関し、基本理念を定め、国や地方公共団体などの責務を明らかにすること
● 食育に関する施策の基本となる事項を定めること
によって、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって、現在及び将来にわたる健康で文化的な国民の生活と豊かで活力ある社会の実現に寄与することを目的としています。
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これからの推進体制

 ―国の体制―
 基本法では、国は、食育に関する基本理念にのっとり、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、実施する責務を有することが規定されており、内閣府に「食育推進会議」が設置されました。
 この「食育推進会議」は、
● 「食育推進基本計画」を作成し、その実施を推進すること
● 食育の推進に関する重要事項について審議し、食育の推進に関する施策の実施を推進すること
をつかさどることが基本法で規定されています。
 また、「食育推進会議」は、会長(内閣総理大臣)及び25名以内の委員によって構成されることとなっており、本年8月25日に同会議の委員が指定・任命されたほか、専門委員として7名の方が任命されました。今後、第1回の「食育推進会議」が開催され、「食育推進基本計画」が検討・作成されることとなります。

○ 食育推進会議の構成



 「食育推進基本計画」は、次の事項を定めることとなっています。
● 食育の推進に関する施策についての基本的な方針。
● 食育の推進の目標に関する事項。
● 国民等の行う自発的な食育推進活動等の総合的な促進に関する事項。
● そのほか、食育の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項。
 なお、「食育推進基本計画」が作成された時や変更された時には、その要旨が公表されることとなっています。

―地方公共団体の体制―
 地方公共団体については、国との連携を図りつつ、その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、実施する責務を有することが規定されています。
 このため、都道府県及び市町村には、「食育推進会議」が作成した「食育推進基本計画」(都道府県食育推進計画が作成されている時は、食育推進基本計画及び都道府県食育推進計画)を基本として、当該都道府県及び市町村の区域内における食育の推進に関する施策についての計画を作成するよう努めることが求められています。
 なお、地方公共団体(食育推進会議が置かれている場合には、当該食育推進会議)が「食育推進計画」を作成した時や変更した時は、その要旨を公表しなければならないことが規定されています。

―食育推進運動の展開―
 国及び地方公共団体は、
● 国民、教育関係者等、農林漁業者等、食品関連事業者等その他の事業者もしくはその組織する団体、消費生活の安定及び向上等のための活動を行う民間の団体が自発的に行う食育の推進に関する活動が、地域の特性を生かしつつ、相互に緊密な連携協力を図りながら、あまねく全国において展開されるようにする
● 関係者相互間の情報及び意見の交換が促進されるよう、食育の推進に関する普及啓発を図るための行事の実施、重点的かつ効果的に食育の推進に関する活動を推進するための期間の指定など必要な施策を講じる
こととなっています。
 また、国及び地方公共団体は、食生活の改善といった食育の推進に関する活動に携わるボランティアとの連携協力を図りながら、その活動の充実が図られるよう必要な施策を講じることが規定されています。

基本法が制定された背景

  基本法が制定された背景は、同法の中で次のように具体的に述べられています。
● 社会経済情勢がめまぐるしく変化し、日々忙しい生活を送る中で、人々は、毎日の「食」の大切さを忘れがちである。
● 「栄養の偏り」、「不規則な食事」、「肥満や生活習慣病の増加」、「過度の痩身志向」などの問題。
● 新たな「食」の安全上の問題。
● 「食」の海外への依存の問題。
● 豊かな緑と水に恵まれた自然の下で先人からはぐくまれてきた、地域の多様性と豊かな味覚や文化の香りあふれる日本の「食」が失われる危機にある。

図1 エネルギーの栄養素別摂取構成比(平成15年、性・年齢階級別)
 男女別・年代別にエネルギーに占める脂質の割合をみると、30歳代男性と30〜40歳代女性で
目標上限値である25%を超えています。

資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成15年)
 注:「日本人の食事摂取基準(2005年版)」における脂肪エネルギー比率の目標量は、1〜29歳 20〜30% 30〜69歳 20〜25%である。


図2 朝食の欠食率
 朝食の欠食率については、男女ともに20歳代が最も高く、次いで男性は30歳代、女
性は15〜19歳が高くなっています。

資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成15年)
 注:「欠食」とは、調査日において「菓子・果物などのみ」、「錠剤などのみ」、「何も食べない」に該当した場合をいう。


図3 児童生徒の朝食の欠食(平成7年度→平成12年度)
子どもが朝食をとらない割合が増加傾向にあります。

資料:独立行政法人日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活等実態調査」
 注:「欠食」とは朝食について、「1週間に2〜3日食べないことがある」、「1週間に4〜5日食べないことがある」、「ほとんど食べない」と回答した場合をいう。


図4 BMIの区分による肥満、普通体重、低体重の者の割合
 30〜60歳代男性、60歳代女性の3割以上に肥満がみられます。男性では30〜60歳代まで肥 満の割合が横ばいであるのに対し、女性では60歳代まで年齢とともに肥満の割合が高くなっています。一方、低体重(やせ)の者の割合は、20歳代女性で約4人に1人となっています。

資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成15年)
注:BMI(Body Mass Index)は「体重kg/(身長m)の2乗」により算出。
BMI<18.5は、低体重(やせ)。18.5≦BMI<25は、普通体重(正常)、BMI≧25は、肥満を示す。(日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会、2000年)



図5 糖尿病有病者の推移(推計値)
糖尿病については、「強く疑われる人」、「可能性が否定できない人」を合わせると1,620万人(全人口の13%)にのぼっており、増加傾向にあります。

資料:厚生労働省「糖尿病実態調査」(平成14年)

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食育の具体的な取り組み
  食育を推進するに当たっては、実践する方の目的やその対象、居住する地域などによって、取り組まれる内容が異なってくると思いますが、基本法では次のような取り組みが進められることが規定されています。

―家庭における食育―
● 親子で参加する料理教室など、望ましい習慣を学びながら食を楽しむ機会の提供。
● 健康美に関する知識など、適切な栄養管理に関する知識の普及及び情報の提供。
● 妊産婦に対する栄養指導、乳幼児など子どもの発達段階に応じた栄養指導。

―学校、保育所等における食育―
● 食育の推進のための指針の作成。
● 食育の指導にふさわしい教職員の設置など、食育に関する指導体制の整備。
● 学校、保育所等又は地域の特色を生かした学校給食等の実施。
● 農場等における実習、食品の調理、食品廃棄物の再生利用など、様々な体験活動。

―地域における食生活の改善のための取り組み―
● 健全な食生活に関する指針の策定や普及啓発。
● 食育の専門的知識を有する者の養成や資質の向上とその活用。
● 保健所、市町村保健センター、医療機関等での食育の普及や啓発活動。
● 医学教育等における食育に関する指導の充実。
● 食品関連事業者等が行う食育の推進のための活動。

―生産者と消費者との交流の促進、環境と調和のとれた農林漁業の活性化―
● 生産者と消費者との間の交流の促進等により、生産者と消費者との信頼関係を構築し、食品の安全性の確保、食料資源の有効な利用の促進及び国民の食に対する理解と関心の増進を図る。
● 農林水産物の生産、食品の製造、流通等における体験活動。
● 地場農産物の学校給食への利用などの地産地消の促進。
● 創意工夫を生かした食品廃棄物の発生の抑制や再生利用。

―食文化の継承のための活動―
● 伝統的な行事や作法と結びついた食文化や地域の特色ある食文化など、わが国の伝統のある優れた食文化の啓発や知識の普及。

―食品の安全性、栄養その他の食生活に関する調査、研究、情報の提供及び国際交流の推進―
● 食品の安全性、栄養、食習慣、食料の生産、流通及び消費、食品廃棄物の発生及びその再生利用の状況についての調査と研究。
● 国民の食生活に関する必要な各種情報の収集、整理及び提供、データベースの整備など、食に関する正確な情報を迅速に提供。
● 海外における食品の安全性、栄養、食習慣等の食生活に関する情報の収集、食育に関する研究者等の国際的交流、食育の推進に関する活動についての情報交換など、国際交流の推進のために必要なこと。


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最後に

 これまでも、自発的に食育に取り組んできた諸団体や地方公共団体がありました。また、食育を推進するため、文部科学省、厚生労働省、農林水産省などが中心となって様々な取り組みを進めてきました。
 これからは、「食育推進会議」が中心となって、多様な関係者の連携を図りつつ、これまでの取り組みを一層充実、発展させ、食育を国民的な運動として総合的かつ計画的に推進していくこととしています。
 国民一人一人が、まさに自分や家族の問題として食生活を見つめ直し、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野における食育の活動に参加、協力していただくとともに、生涯にわたって健全な食生活を実践していただきたいと考えています。


農畜産業振興機構においてもホームページの消費者コーナーで食育に関するさまざまな情報を紹介しています。(http://www.alic.go.jp

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