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年頭に当たって:新年のごあいさつ[2006年]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

今月の視点
[2006年1月]


独立行政法人農畜産業振興機構
理事長   山本 徹
理事長

 平成18年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 昨年1年間の農業をめぐる動きを振り返りますと、まずは、昨年3月、新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定されたことがあげられます。
 この基本計画では、平成27年度における生産努力目標に対し農業者その他の関係者が積極的に取り組むべき課題として、てん菜は、高性能機械化体系の確立、直播栽培技術の改善などにより、生産コストを1割程度低減、需要動向に応じた作付指標の作成とこれに基づく計画的生産を推進、さとうきびは、担い手の生産規模の拡大、機械化一貫体系の確立などにより、労働時間を2割程度低減、優良品種の育成・普及、収穫作業の平準化による適期植付、早期株出管理の実施などを通じた単収の向上・安定化により、生産コストを2割程度低減することが掲げられています。
 基本計画では、併せて、食の安全と消費者の信頼の確保、担い手の明確化と施策の集中的・重点的実施、経営安定対策の確立、農業生産環境施策の導入など重点的に取り組むべき事項を明らかにしております。
 農林水産大臣から当機構に示された中期目標においても、てん菜およびさとうきびについて基本計画に掲げる各課題に資するよう、砂糖の価格調整業務および砂糖の補助業務を実施することが明示されました。
 当機構は、この目標に沿って、砂糖の価格調整業務については、国内産糖交付金の交付業務および輸入指定糖・異性化糖等の売買業務の着実な実施、砂糖の補助業務については、国内産糖企業・精製糖企業における製造コストの低減などを促進するための事業、てん菜・さとうきびの生産・流通コストの低減を促進するための事業および砂糖に対する理解の促進のための事業について、今まで以上に、適正かつ効率的に取り組んで参る所存です。
 情報収集提供業務については、中期目標において、望ましい食料消費の姿、食品の健康に果たす役割などについての理解を深めるとともに、農業生産に関する問題の解決、食品安全に係るリスクコミュニケーションの充実などに資するよう実施することが示されており、これについても、効率的に取り組んで参ります。
 さらに、砂糖に関する施策については、昨年3月に、砂糖及び甘味資源作物政策の基本方向およびでん粉及びでん粉原料用いも政策の基本方向、10月に、経営所得安定対策等大綱、12月に、さとうきび・でん粉原料用かんしょに係る支援方策が取りまとめられました。
 これにより、平成19年産より、てん菜については、品目横断的経営安定対策へ、さとうきびについては品目別経営安定対策へ移行し、その際、現行の最低生産者価格は廃止し、市場の需給事情を反映した取引価格が形成される制度に転換するとされ、また、糖価調整制度は、基本的な枠組みは維持した上で、各課題に対応した見直しを実施することとされました。
 今年は、これら施策の具体化の作業が進められることになりますが、当機構は、これら施策の方向に沿った業務の積極的な展開に努力して参る所存です。
 昨年は、精製糖企業においても、砂糖の価格競争力の強化を図るため、生産コスト低減に向けて、系列を超えた企業の合併や製糖の共同・委託生産化が実施されてきました。
 一方、砂糖の消費は、砂糖需要の維持・増大に向けたシンポジウムなどの開催や各種広報媒体を活用した普及啓発活動のための取り組みにもかかわらず、消費者の低甘味嗜好や砂糖に対する肥満や糖尿病の直接的な原因となるといった誤解が根強く残っており、その誤解を解消する必要があります。
 今後とも、依然として大きい内外価格差、国際化の進展などを踏まえますと、原料作物の生産から製造・流通に至るまで、なお一層のコスト削減が求められるとともに、砂糖需要の維持・増大に向けた各分野での取り組みが重要です。
 砂糖は、炭水化物の一種であり、1グラム当たりのカロリーも米麦とほぼ同じ4キロカロリーと、即効性のあるエネルギー源であり、心身の素早い疲労回復に有効です。砂糖の摂取により、試験の成績がよくなる、スポーツの記録が上昇するなどの研究報告があります。さらに、ストレスの緩和やうつ病の予防に有効であるとされています。
 このような心と体に活力と安らぎをもたらし、国民の健康な体づくりに役立つ重要な食品である砂糖に関する正しい知識、情報をできるだけ分かりやすく消費者に提供していくことが機構の重要な使命です。
 このため、機構ホームページ、刊行物を通じた情報の提供とあわせて、食に関するフォーラム、各種セミナー、消費者代表との意見交換会などをより一層充実して参ります。また、科学的なデータに基づく情報提供を実施するため、医学、栄養学、心理学および体育学などの幅広い研究者を対象とした公募による砂糖に関する学術調査を実施します。
 一方、国際情勢では、WTO交渉が進められるのと並行して、FTA(自由貿易協定)締結に向けた動きが非常に活発化していることが大きな特徴です。
 WTO農業交渉については、わが国のような食料輸入国と多くの輸出国という対立だけでなく、先進国と途上国との主張が対立していますが、EPA(経済連携協定)・FTAは、シンガポール(平成14年11月発効)、メキシコ(平成17年4月発効)、マレーシアとの間で協定を締結するとともに、フィリピン、タイとの間でも同協定の締結につき大筋合意に至ったところです。
 このような大きな流れの中、砂糖の国際価格については、昨年は、従来にない新しい動きが見られました。
 原油価格の高騰に伴い、エタノール需要が増加し、世界最大のさとうきび・砂糖生産国ブラジルでは、ガソリン代替燃料としてのエタノール生産が増加し、砂糖生産が減少するとみられています。一方、EUでは、農家に払う最低保証価格の36%引下げという砂糖制度改革の合意がなされたことにより砂糖輸出が減少するとみられており、国際砂糖相場が高値で推移しています。
 このような、海外の砂糖の生産状況、需給動向等を的確に把握するため、当機構では、昨年、アメリカでのASA(全米砂糖連盟)シンポジウムへの参加、ブラジルでの砂糖とエタノール生産の現状把握、イギリスでのISO(国際砂糖機関)セミナー出席などにおいて積極的に情報収集提供に努めるとともに、これらの報告会を開催しました。
 こうした動きについては、今後とも注視して参る所存です。
 これら山積する国際的課題などに対応した海外情報収集体制を充実するため、当機構は、昨年10月、国際情報審査役を新設したところです。
 同時に、大阪事務所と神戸事務所を統合いたしました。神戸事務所において実施しておりました諸業務につきましては、引き続き大阪事務所が実施しております。神戸事務所においてご高配を賜りましたことに感謝しますとともに、従来にも増してご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 当機構は、業務の執行、組織の運営に当たり、今まで以上に適正、効率化、透明性を確保しつつ、農畜産業および関連産業の健全な発展ならびに国民消費生活の安定に努力して参る所存です。
 今後とも、皆様方の格別のご支援、ご指導を賜れば幸いでございます。本年が皆様方にとって希望の持てる年となりますことをご祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。

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