皆さまの疑問・お困りごとにお答えします

質問1 湿害や乾燥が発生しやすく大きな欠株が出やすいのですが…。

排水が悪いと欠株が多くなりますので、プラウ、パワーショベルによる深耕や、サブソイラ、プラソイラ耕などにより圃場の排水対策をしっかり行いましょう。欠株は、排水不良のほか、苗の不良なども原因となって起こりますので、無病健全な種苗を投入してください。芽子が硬化しているものは避けましょう。植溝の改良も重要でしょう。また、ハリガネムシの多い圃場では防除対策を行わないと、大きな被害が発生します。
乾燥による枯死を防ぐためには、降雨の後に植え付けることや、夏植えでは深耕とともに少し覆土を厚くすること等も効果的です。

ハリガネムシ
ハリガネムシ
乾燥してひび割れた圃場
乾燥してひび割れた圃場

質問2 圃場に小さな欠株がたくさん出やすくて困っています。

小さな欠株が多いということは、種苗不良や土壌不良等によって発芽率が低下しているということです。土壌や種苗の状態はどうでしょうか。まず、深耕するとともに、地力を高めるため基肥を入れてみてください。欠株が出にくい無病健全な種苗を少し多めに投入することも大切です。植え付け後には填圧するようにしましょう。

二芽苗プランターによる良質苗の投入
二芽苗プランターによる良質苗の投入
質問3 初期の生育に元気がないのですが…。

出芽・株立・分げつの不良は、病害虫被害ではないとすれば、温度・水分・養分の過不足が原因だと考えられます。良好な生育の条件は「苗の栄養」「土の環境」「茎根発達」の三要素ですので、これらが今どうなのか見直してください。土壌の改良や良質苗の投入、雨に合わせた植え付けなどで、元気に育ってくれるようになると思います。基肥の施用も重要ですので、植え付けと同時にしっかりと行いましょう。

初期成育不良
初期成育不良
質問4 分げつが、いつも少ないので何とかしたい…。

さとうきび栽培には30℃以上の高温が適していますが、分げつは地温20℃以上で、土壌に肥料分があれば起こります。基肥と追肥の実施でかなり改善できると思われますが、場合によっては堆肥の投入も検討してみましょう。また、培土は土壌を柔らかくし、通気性、透水性を高めることにもつながり、これによって根の活力が高まって分げつが促されます。ただし、雑草が多いと栄養分を取られてしまいますので注意しましょう。中耕・培土することで雑草の防除にもつながります。また、太めの品種で収量を増やすという手もあります。

イメージ
質問5 夏になっても、茎があまり伸びません。

伸びが悪いのは、水分、地力、作物の吸水力、気温、光などの不足が原因です。土壌改良と深耕、かん水、基肥、追肥、中耕、培土といった基本的な作業内容を見直しましょう。梅雨時の十分な雨水と、夏の十分な光を上手に活かすことが大切ですので、植え付け時期の改善も望まれます。地力がなかったり干ばつのためにどうしても茎が伸びない圃場では、畦幅を縮めて栽植密度を高め、茎数の増加で対応するという方法もあります。

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質問6 茎が伸びすぎて倒伏が激しく糖度が低いのですが…。

伸びすぎるくらいのほうが望ましいのですが、倒伏して折れるようでは困ります。倒伏は、茎の重さを根が支えきれなくなったり、強風や雨などの要因で起こります。まず、深耕に努めるとともにきちんと培土を行い、強い根を張らせるようにしましょう。また、倒伏に強い品種を選ぶようにすると良いでしょう。


倒伏イメージ
質問7 毎年雑草が繁茂し、対策に困っています。

適期の中耕や培土を組み合わせることで雑草防止ができますが、適期に作業できず雑草が大きくなると、中耕・培土のみでは雑草防止は困難となります。必要に応じて除草剤の活用も必要になります。除草剤には、雑草が発生する前に使用する土壌処理用の除草剤と、雑草が発生した後に雑草に直接かけて枯らす茎葉処理用の除草剤、そしてその両方を処理できる除草剤があります。使用目的、雑草の発生状況により使い分けることが必要です。
また、新植前にプラウ耕での天地返し(下の土を上にあげるので土壌の種子密度が下がる)を行うことも有効です。

質問8 園芸作物等も栽培しており適期にさとうきび作業ができません。

適正な時期に適正な作業内容を行うなど、基本技術を確実に行うために年間作業計画を立て、その時に「機械の利用」「雇用」「作業の委託」を検討しましょう。新植栽培では全茎式プランタ、株出し栽培では株出し管理機の一貫作業機の利用、機械作業オペレータ等の臨時雇用による作業分担、収穫・植え付け・株出作業の委託などがあります。新植時の競合回避には移植苗栽培も有効です。地域や圃場の条件、自分の営農体系を考慮して検討してください。

作業イメージ
質問9 働き手が高齢者ばかりで、キビ作りは作業がたいへん。

最近では、国産の小型ハ−ベスタも出回っています。また、多忙な農家やご高齢の農家を支援するため、栽培作業の受委託を組織的に行う仕組みづくりも進んでいます。農家の皆さまが組織化することで、各種機械の共同利用ができるようになり、栽培作業もたいへんラクになることでしょう。



作業イメージ
質問10 これまでの植え付け時の基肥を入れずに栽培してきましたが、なぜ必要なのですか?

さとうきびは2芽苗を植え付け、萌芽に必要な養分は十分持っていますが、萌芽と同時に地下部の各節から根も出て肥料を吸収します。早い段階で肥料を施しておくと大きく育ち、重要な分げつも早くから出ることになります。
また、基肥は植え付け時に施せば、地下部の根が伸びるところに施肥できます。植え付け後の施肥では地表面の施肥になってしまい、さとうきびの肥料吸収率が悪くなります。基肥には窒素・リン酸・カリの3要素の入った肥料を使います。


植え付けイメージ
質問11 最近「肥効調節型肥料」という言葉を聞きますが、どんな肥料ですか?

緩行性肥料と呼ばれることもあります。施した肥料成分(主に窒素肥料)がゆっくり溶け出すことにより、肥料の効果が長続きする肥料のことです。溶け出す期間は製造段階でいろいろ変えることができます。さとうきびの肥料では140日間や270日間など長時間肥効が続く肥料も作られています。
このような肥料を利用することで、追肥が省けたり、追肥の回数を減らすことができ、省力につながります。また、肥料成分の溶け出す早さがゆっくりなので、さとうきびの肥料吸収率も高まります。このための肥料の流亡が少なく、環境にもやさしい肥料と言えます。

肥効調節型肥料イメージ