多収実現のために(その1)欠株を無くして分げつを増やすだけでも収量は向上します。

茎収量=原料茎数×1本当たりの茎重

1.原料茎数について

原料茎数を確保するために大切なことをご存じですか?


(1)株が生育しやすい状況をつくる    

ポイントは、深耕と適正な畦幅・株間の確保です。30cm以上を目標にできる限り深く耕し、土を柔らかくしましょう。畦幅が狭すぎると十分な培土が困難になり、倒伏や枯死茎が発生しやすくなります。一般的な畦幅の目安は120cmですが、生育期間が長く1茎を大きくする場合には畦幅は広く、1茎が小さい春植え・株出しの場合には畦幅は狭くなります。また、作業機械のことも考え、中型ハーベスタを使う場合は140cm以上の畦幅が必要です。
株間についても、地域や作型によってその目安(一般的には25〜30cm)が異なりますので、地域や品種に応じて適正な株間を確保しましょう。
また、植え付けが極端に遅れたり、苗質不良により、密植が必要な場合には、株間を調整する方法をとりましょう。

  耕起の深さと収量およびブリックスの関係
琉球政府農業改良課/甘蔗栽培要領(1965)/
夏植え(1956年9月20日〜1958年1月7日)/品種NCo310/泥灰岩土壌

畦幅と原料茎数およびブリックスの関係
沖縄県農試業務年報(1963)/
夏植え/植え付け本数1800本/10a/品種NCo310/サンゴ石灰岩土壌
(2)十分な量の苗を植え付ける    

出芽数を増やすためには、まず十分な量の健全な苗を投入することが重要です。たとえば畦幅120cm、株間25cmだと約3,400本/10aが目安になりますが、欠株が出やすい圃場では多めに投入しましょう。(分げつ力が旺盛な品種はやや少なめでも構いませんが、分げつが弱い品種では2割程度多く植え付けましょう)

  植え付け本数早見表
(3)欠株をなくそう    

大きな欠株は圃場の湿害等が原因と考えられ、小さな欠株は種苗の不良や土壌の力不足(痩せ地)等が原因と思われます。また、枯死茎が多い理由としては、伸長過多、培土不良、台風被害等が考えられます。

  株出し栽培の場合
     
2.茎の伸長について

茎の伸長に必要な条件をご存じですか?

茎の伸長不良には次の二つのケースがあります。「節数が少ない」という状態は、日照・養水分の不足が原因で、生育時期などを考慮しながら初期管理を改善しましょう。「節間が短い」という状態については、平均的に短ければ生育期間全体を通した養水分の不足が原因だと考えられ、節間が部分的に詰まっていれば干ばつ、潮風害、病害虫等が原因だと考えられます。

(1)梅雨の雨や夏の日照を上手に利用    

干ばつの被害は、「圃場の保水力不足」「作物の吸水力不足」によって一層甚大なものになります。干ばつは毎年のように繰り返されますので、夏の干ばつ期前までにさとうきびを大きく育てることが重要で、そのためには早めの植え付け、適正な管理が必要です。そして根を十分に張らせ、梅雨時期の雨を利用できるようにしましょう。

(2)初期管理を適切に    

梅雨の降雨を最大限に活用するため、梅雨の始まりまでに腰の高さを超え、圃場の表面がさとうきびで覆われているようにすれば、栽培の半分は成功です。それには、種子島は6月初頭、奄美以南の地域では5月初頭までに大きくしておくことです。最終培土までを含む初期管理が時期・内容とも適切であれば、順調に茎の伸長と肥大が進みます。


単収が良い畑でも

  植え付け時期による単収
場所=鹿児島県農業試験場徳之島支場/土壌=琉球石灰岩風化土/
作型=春植・夏植/品種=NiF8/
栽培条件=施肥は鹿児島県基準量、栽培期間の潅水は無し
データ=春植(平成3〜5年)・夏植(平成5〜6年)


場所=鹿児島県農業試験場徳之島支場/土壌=琉球石灰岩風化土/作型=春植/品種=NiF8/栽培条件=施肥は鹿児島県基準量、栽培期間の潅水は無し