多収実現のために(その2)


3.糖度の向上について

糖度の高いさとうきびをつくるポイントは?

(1)糖度を高める    

さとうきびは、葉の光合成によってショ糖をつくり出します。このショ糖が茎の生長の糧となるわけですが、茎の生長が一段落する頃になると、光合成でつくられたショ糖は生長に使われなくなり、茎内に蓄えられます。
糖度が上がる条件は、葉の光合成は続いているなかで、「気温が低くなる」「乾燥」「窒素の低下」により茎が伸長しない条件となる時です。糖度を高めるため、適正な初期管理でしっかりと茎・葉の生長を確保するとともに、倒伏にも注意しましょう。

  葉数と一茎重およびブリックスの関係
大城・伊敷・昭和63年度農業試験場さとうきび成績概要書/
肥料は大塚1号500倍液、同5号1000倍液、50L容量のポリ容器を使用してガラスハウス内で水耕栽培/品種=NCo310/
植え付け昭和63年4月1日〜収穫昭和64年2月6日/葉数は出葉のたびに切り取った
(2)施肥も重要なポイント    

生育期間が長く生育量も大きいさとうきびは、多くの養分を必要とします。追肥の時期が遅れたり、追肥の量が多くなると糖分上昇が遅れる原因になります。

  NCo310とNiF8の施肥効果
平成6・7年春株合計/徳之島支場
   
 施肥基準(沖縄)

施肥基準(奄美・熊毛地域)
4.良好な萌芽と株出しによる多収の実現

株出し多収を実現するために大切なことをご存じですか?


(1)収穫作業に十分な配慮を    

刈り取り作業は、次の株出しに悪影響が出ないように行いましょう。刈り取り高さは、地表面から地中に5cm程度が目安です。カッターの切れ味が鈍いと地下の株や根を傷めますので注意します。また、ハーベスタなどの機械を使う場合、踏圧で土壌が硬くなるので、サブソイラや土壌破砕機等を用いて心土破砕を行いましょう。

(2)株出し管理について    

収穫後はできるだけ早く株出し管理を実施しましょう。種子島では、圃場のある部分を収穫すると、すぐに株出し管理を行うことによって日本一の多収を実現しています。
早めの株出し管理を

  株出し管理時期と収量及び品質
場所=鹿児島県農業試験場徳之島支場/土壌=琉球石灰岩風化土/
栽培条件=施肥は鹿児島県基準量・灌水なし/
品種=NiF8、F177、Ni17/
収穫時期=12月〜4月/放置期間=1ヶ月〜4ヶ月

5.品種の選択について

地域ごとに適した品種を選びましょう。


さとうきびは、栽培環境、栽培条件に適した品種を選んで作付けすることで、はじめて品種の本来の特性、能力が発揮されます。
品種の選択を誤れば、安定生産はおろか減収につながることさえありますので、品種選択は重要です。
品種の特性を踏まえた上で、作型、収穫方法、栽培の環境(土壌条件や灌水の有無など)に配慮して品種を選択することが生産の安定につながります。
また、複数の品種をうまく組み合わせて栽培することは、作業の軽減(早・中・晩性品種の組合せによる収穫時期の分散)や気象災害、病害虫による被害の軽減にもつながります。

主な奨励品種