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お砂糖豆知識[2001年3月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識

[2001年3月]
●てん菜のあれこれ   ●砂糖のあれこれ


てん菜のあれこれ

てん菜の特徴

(社)北海道てん菜協会

てん菜と食用ビート (赤ビート)
 てん菜の起源はわずか200年前であるが、ビートの歴史は古く、紀元前より利用されていた。文献によれば最初は野生種のハマフダンソウの先祖型に当たる植物を薬草として利用していたらしい。地域としてはシシリー島が中心であり、ギリシャ人、ローマ人により栽培が始まったといわれている。その後地中海沿岸に広がり、近東地方を経てやがてアジアにも広がっていった。
 日本に紹介された最初のビートは、葉を食用とするフダンソウである。フダンソウは現在ではあまり見かけなくなったが、江戸時代から栽培されており、昭和の中頃までは路地裏の空き地などに植えられて、葉を摘んで日常の野菜として食べていた。
 フダンソウはホウレンソウによく似ているが、ホウレンソウが暑さに弱く、夏期栽培が難しいのに対して、いつでも栽培が可能で簡単に育てられるのが特徴である。 これらのことから不断 (普段) 草と呼ばれるようになったといわれている。
フダンソウは、古くは唐苣 (トウジサ)、軍■菜 (グンタツナ)、■菜 (テンサイ) などとも呼ばれており、■と甜は同音であることから、砂糖用ビートを「甜菜」と呼ぶようになったと思われる。
 葉を食べるビートは総称として葉ビートと呼ばれているが、東洋で発展したフダンソウとは別に西洋ではチャドと呼ばれるやや葉の縮れたフダンソウより大型の葉ビートが一般的である。チャドの中には葉柄を食べるものもあり、中でも葉が著しく縮れ、葉柄が赤、黄色の鮮やかな色をしている品種は鑑賞植物として花壇などに植えられている。
 日本でも、カラフルな西洋野菜が栽培されるようになり、葉柄が赤、黄、白の3色を示すスイスチャドの種子が市販されている。このものはフダンソウ同様1度庭に種子を播いておくと、その後こぼれ種が残り、消えることがないので、それを摘んで食卓の彩りに添えることができる。
 食用のビートとしては葉を食べるより根を食べる方が主流である。根を食べるビートは、ガーデンビート、テーブルビート、あるいはビーツとカタカナで呼ばれていることが多いが、和名は火焔菜 (カエンサイ)、錦大根 (ニシキダイコン) などである。また、鮮やかな赤色をしていることから赤ビートと呼ばれることもある。これらは葉ビートから発達してきたものと思われるが、中世にはヨーロッパ各地でいろいろな料理法の記録が残っていることから野菜として普及していたと思われる。
 現在では、サラダをはじめ西洋料理の彩りに用いられていることが多いが、有名な料理としては赤ビートを肉や野菜と煮込んだ、赤い濃厚なスープのボルシチ (ロシアの家庭料理) がある。赤ビートはてん菜と同様収穫後の貯蔵性がよく、地面が凍結するような寒冷地では冬野菜としてサラダの彩りから煮物料理まで広く重宝されている。

赤色のもの
もっとも一般的な赤色のもの
黄色のもの
黄色のもの
白色のもの
白色のもの
写真 根部を食べるビートの仲間
(日本甜菜製糖株式会社提供)

 根を食べるビートは赤色のものが一般的であるが、写真に示したようにゴールドタイプと呼ばれる黄色のものからてん菜と同じ白色のものまであり、いずれも食感、味においては変わりがない。これらのものは彩りが鮮やかであるので、サラダの飾りにすると食卓が華やかになるのではと思っている。中世においては、赤ビートの絞り汁が現在のにんじんジュースのような感覚で飲まれていた。青汁ならぬ赤汁健康ジュースである。現在でも赤ビートは市販の野菜ジュースの中に成分の1つとして加えられており、ラベルの中にも赤ビートが描かれている。
 これらの食用ビートが飼料用ビートとなり、その中からてん菜が誕生した。赤ビートもてん菜も根を利用しているが、利用部位は全く異なっている。
 てん菜の根を説明するときに冠部、頸部、根部に分けることが多い。冠部は葉がある部分であり、頸部は最も下の葉の付け根から側根が生えているところまでの1〜2cmの部分を指している。この下の13〜15cmの部分が根部であり、砂糖を蓄えている。赤ビートはこの頸部に当たる部分が大きくなったもので、てん菜の根部に当たるものは写真に示した丸まった底から突起している部分である。頸部は地上に飛び出ているのが普通であり、根部が太るてん菜が大きくなるに従って土の中に潜っていくのに対して赤ビートは地上に飛び出るように太るのが特徴である。
 本州から北海道を訪れた人が、畑に大きなホウレンソウが栽培されていると勘違いされることが多いと聞くが、てん菜の葉はごく若い時期を除いてアクが強く食べることができない。また、根部を飼料にすると馬の歯が欠けるともいわれるように、到底人間の歯が立つようなものではない。また、特有の臭いもあり食用にはならない。
 てん菜の品種改良の方向として、今でも砂糖の結晶を妨げる、製糖上有害な窒素とカリウム、ナトリウムの含量を少なくするよう努力している。製糖上有害性窒素と呼ばれているものは人間にとっては有益なグルタミン酸などのうま味成分が主体である。これらは「化学調味料」の成分と同じで、一時製糖工程中より回収して天然の調味料として販売されていた。現在も調味液として市販されている。
 てん菜は野菜としてのビートを先祖に持っているが、野菜のうま味やミネラル分を取り除く方向で発達してきたものであり、また糖分を高めるとそれに比例して水分含量が低下するので、根部は堅くなった。これらのことから、てん菜は元の野菜である赤ビートなどとは全く異なった砂糖原料として特化した独自の作物と言える。

○参考文献 最新園芸大辞典 誠文堂新光社 1968

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砂糖のあれこれ

コーデックス規格と砂糖(2)

精糖工業会

 前回は、コーデックス規格の概略について紹介しました。今回は糖類部会 (Codex Committee on Sugars) について紹介したいと思いますが、ここでは砂糖以外にもブドウ糖、水あめ、はちみつ、乳糖、果糖についても議論されます。今回は「砂糖類」に関わる部分について、紹介したいと思います。

砂糖類のコーデックス規格
 砂糖類を区分する上で必須となる要件は
 ・糖 度
 ・転化糖の含量
 ・灰分 (ミネラル分)
 ・乾燥重量 (水分)
 ・色 価
があり、その他、「食品添加物」、「衛生」、「表示」、「分析及びサンプリング法」についての規定があります。それでは、分類別に見ていきましょう。
1.白糖 (ホワイトシュガー White Sugar)
 白糖とは、「精製された結晶状のショ糖」と定義づけられていて、これは当初、糖度、転化糖、灰分等の成分量の違いから、「区分A」と「区分B」に分類されていましたが、「区分A」は「白糖」、「区分B」は「耕地白糖 (プランテーションホワイトシュガー、ミルホワイトシュガー:Plantation White Sugar, Mill White Sugar) に改められました (1995年の総会にて)。
2.ソフトシュガー (Soft Sugar)
 ソフトシュガーとは「粒子の細かい、精製されたしっとりした砂糖」と定義づけられています。これも当初、白糖と同様成分量の違いから「区分A」と「区分B」に分類されていましたが、1995年の総会で「ソフトホワイトシュガー (Soft White Sugar)」と「ソフトブラウンシュガー (Soft Brown Sugar)」に改められました。
 ソフトシュガーについては、前述した必須要件の「糖度」について「ショ糖+転化糖」と改められました。これは、転化糖を多く含むソフトシュガーの場合には、糖度が実際のショ糖含量より低い数値になるため、ショ糖と転化糖を別々に定量し、それを合算する方法を採用したわけです。
 その他、粉糖 (Powdered Sugar) についても規格が設けられています。また、精製糖の原料である甘蔗原料糖 (Raw Cane Sugar) については、定義づけはされていますが、規格案は現在審議中で、これについては2000年7月にジュネーブで開催される総会において、ステップ8 (国際食品規格委員会 (CAC) 総会最終論議) に進むことになっているようです。

日本とのかかわり合い
 日本で現在製造されている砂糖は、甘しゃ原料糖 (国産、輸入) を原料とする精製糖と、北海道で製造されているビート糖に分類できます。
 精製糖については、グラニュー糖、白ざら糖、角砂糖、氷砂糖は前述したうちの「ホワイトシュガー」に分類されます。また、上白糖は「ソフトホワイトシュガー」、三温糖は「ソフトブラウンシュガー」に分類されます。
 一方、ビート糖は、上白糖やグラニュー糖が主な製品ですが、原料糖の過程を経ることなく、直接作られます。このように、原料産地の工場で原料から一貫製造される砂糖は、「耕地白糖 (プランテーションホワイトシュガー)」に分類されます。
 しかし、日本のビート糖の品質は、精製糖と比較しても遜色なく、「ホワイトシュガー」の規格に充分適合するものです。
 砂糖についていえば、コーデックス規格は、現在世界で製造されている砂糖の品質がその基礎になっています。日本の製糖技術は世界でもトップレベルですから、コーデックス規格の最高位に位置することは間違いありません。

今後の問題点
 前述した砂糖類の必須要件については、これまでの論議の中でほぼ各国に受け入れられるものになったようです。
 しかし、コーデックスでは各国固有の砂糖で、国際的に流通することが少ないものについては規格を設けていません。ですから、黒砂糖などの含みつ糖、椰子糖、メープルシロップ (かえで糖) などについては対象品目になっていません。ただ、これらも少量ではあっても国際取引は現に行われており、今後、これらについても規格の対象とすべきとの議論が起こってくると思われます。
 また、加糖調製品についても、コーデックス規格はありません。しかしながら、80%以上の砂糖を含む製品について何の規定もないままでよいのか、今後の議論の待たれるところでしょう。
 また、近年の自然志向に合った製品としてオーガニック食品が輸入されはじめており、砂糖もその例外ではありません。これらは今後需要が増えることが予想されます。オーガニックと称されている砂糖の中には、衛生面で問題があると思われるものもあるようですので、当然、コーデックス規格の対象として検討されていくべきでしょう。

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