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お砂糖豆知識[2002年6月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識

[2002年6月]
●砂糖のあれこれ


砂糖のあれこれ

砂糖の歴史 4

精糖工業会

明治以降の砂糖産業

 砂糖の歴史について紹介してきましたこのシリーズも最後の回を迎えました。今回は、明治時代以降の砂糖産業について、日本を中心に見ていきたいと思います。

明治の始まりと砂糖
 江戸末期から明治時代を迎え、マーケットとしての日本は万国に開放されました。海外諸国と結んだ不平等条約のもと、価格の安い海外の砂糖(白糖)が国内に流入しました。
 もともと、一部の地域を除きさとうきびそのものの栽培に不向きである日本ではコストも高く、品質も劣る国産の白砂糖は競争力がなく、一部西洋型の製糖工場が建設されたものの、結局、1900年前後には、国内の製糖業は消滅してしまいました。
 一方、北海道では、当時の松方正義内相が、ヨーロッパ視察の際に知ったてん菜糖生産の試みが始まりました。1880年代に製糖工場が建設されましたが、てん菜そのものの凶作や経営面の失敗が重なり、1890年代半ばには生産が中止されました。
 こうして、一旦は厳しいときを迎えた国内糖業ですが、これを救ったのが 「日清戦争」 でした。1895年に終結した日清戦争での勝利により、日本は領土として台湾を手に入れます。この台湾の経済の中心に据え置かれたのが製糖業だったのです。これが今日の近代的製糖業の基礎になったと言えるでしょう。
 1900年に、台湾で最初の近代的分蜜粗糖工場として 「台湾製糖」 が設立されたのを機に、10年余りの間に相次いで製糖工場が進出しました。同時に、内地にもこれを精製する精製糖工場が建設され、粗糖を運搬する貿易業者を含め日本の砂糖の生産体制が確立しました。
 一方、一旦打ち切られたてん菜糖業も、軌道に乗り出した製糖業者の事業拡大構想のもと、再び注目されました。1920年前後に、最新鋭の工場が建設され、第1次世界大戦後の経済不況で厳しい時期もありましたが、1930年代後半には、4万トン以上の製糖量となりました。また、精製糖も順調に生産を伸ばしてピーク時には台湾全土で8社約50工場が割拠、1938(昭和13)年には砂糖生産は137万トン余りに達し、国内砂糖は自給され、庶民にとっても砂糖は身近な存在として定着しました。

第二次世界大戦勃発と敗戦
 しかし、1941(昭和16)年に始まった第二次世界大戦により、状況は一変します。政府は国家総動員体制のもと、生活必需品の配給制度が採られ、砂糖も配給制になりました。砂糖そのものの生産は決して減少してはいませんでしたが、砂糖消費税の徴収(1901年〜)など、「砂糖は贅沢品」 という政府の認識もあり、真っ先にやり玉に上がったようです。その結果、ピーク時に一人あたり16kg近くあった砂糖消費量は、1944(昭和19)年には約3kg、敗戦の年の1945(昭和20)年には0.64kgとなり、砂糖は全く流通しなくなりました。
 敗戦により台湾も失い、日本の砂糖産業はまさに 「ゼロ」 になりました。戦後すぐは、主食の1つとして、原料糖の配給が行われましたが、その量はわずかで、国民は甘いものに飢え、サッカリンやズルチンといった人工甘味料がもてはやされました。事実、戦後から数年間は、人工甘味料の消費が砂糖を上回っていました。

日本の精製糖産業の復興と現在
 日本の精製糖産業の再生は、前述した配給原料糖の一部からわずかな精製糖をつくることから始まりました。その後、衛生上の問題から原料糖が精製糖に切り替わったことや、配給制の撤廃が相まって、精製糖業は徐々に復興していきます。当時は粗糖輸入のための外貨が割当制であり、各精糖会社の生産能力に応じて割り当られたことから設備増強が進みました。また、外貨割当が必ずしも需要に見合ったものでなかったことから慢性的な品不足により小売価格は高くなり、売上も順調だったことから、当時の 「三白景気」 の1つに数えられました。1人あたりの砂糖消費も伸びつづけ、1962(昭和37)年には16.8kgとなりました。
 しかし、1963(昭和38)年に、粗糖輸入が自由化されてからは、状況は一変、1965(昭和40)年以降、糖価安定法に基づいた体制になり、今日に至っていることは皆さんご承知の通りです。砂糖の1人あたり消費量は、昭和40年代後半に約30kgとピークを迎えましたが、その後、異性化糖や加糖調製品の出現により減少、現在は20kgをやや下回る水準になっています。
 一昨年10月の糖価調整法による制度改革により、現在の砂糖業界も大きな転換期を迎えています。業界の地図がどのように変化するかはわかりませんが、食生活において欠かせない砂糖を安定的に供給するため、今後も業界の役割は重要であることは変わりないでしょう。

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