一方、従来から導入されている大型ハーベスターは、南・北大東島、石垣島地域を中心に稼動していますが、機体重量が重いため株出し栽培への影響が大きく、雨天時の稼働率が低いなどの欠点があります。このため機動性に優れ、国内のさとうきび栽培に適した小型さとうきび収穫機が開発されました。その結果、沖縄本島でも機械収穫が増えてきました。
機械化収穫率をみると、南・北大東島では100%ですが、県全体では35%程度となっています。
今後さらに小型機の導入により機械収穫が増えていく可能性が高いと考えられます。
1 収穫時期
さとうきびの収穫時期は12月中旬から翌年の4月中旬まで行われています。さとうきびの品種は早熟性、中熟成、晩熟性があり、登熟の進み具合から収穫時期を考慮する必要があります。
2 収穫時の注意点
(1) 手刈り
手刈りの場合、梢頭部は無出穂茎で5葉目の下から、出穂茎で7葉目の下から切除します。基部の刈り取り位置は地際から5cm程度の位置で深刈りします。
(2) 機械収穫
収穫期は枯葉や梢頭部がついたまま収穫するグリーンタイプのさい断式(チョッピング式)のため、トラッシュ(梢頭部、枯葉、枯死茎、土砂、石礫等)の混入は品質を低下させるので、可能な限り除去するよう適正なスピードで収穫します。さい断されたさとうきびは、切断された面から品質劣化が起こるので、なるべく早く工場へ搬入するよう努めます。
3 株出し管理
株出し栽培は収穫後の萌芽茎を再度収穫する方法です。沖縄本土復帰前は20回程度の株出しもありましたが、現在は2〜3回程度が主流となっています。収穫後は直ちに施肥し、耕耘機や中耕ローターで耕し、土壌の物理性を図ります。
機械収穫ほ場では、刈り取った高さが不揃いになっている場合、株揃え機(スタブルセーバー)で刈り取った高さを揃えた後に管理作業をします。また、収穫機で土壌踏圧を受けるので、サブソイラー等の土壌破砕機で心土破砕して、その後に管理機で施用中耕ロータリします。平均培土は追肥と同時に行い、最終培土は6月までの梅雨に入る前までに行います。