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お砂糖豆知識[2005年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識
[2005年1月]

糖アルコ−ルについて (1)

サンエイ糖化株式会社
〜糖アルコ−ルとは〜

糖アルコ−ルの紹介
 糖アルコールと聞くと、みなさんどういうものがあるのか、すぐには思い浮かばないかもしれませんが、チョコレート、キャンディー、チューインガム、清涼飲料などの成分表示の中で、キシリトールやエリスリトールといった表示をみかけたことはありませんか?
 それらは糖アルコールの仲間です。
 糖アルコ−ルには様々な種類のものがあり、食品だけでなく、医薬品、工業原料にも利用されており、用途も多様です。
 本シリーズでは、糖アルコールの効用や最新の研究情報など、3回に分けてご紹介したいと思います。

糖アルコールとは
 糖アルコールは、還元基を有する糖類にニッケル触媒を使用し、高温高圧下で水素を反応、還元して製造(接触還元)されたもので、ソルビト−ル(ソルビット)、マルチト−ル、還元水飴のような鎖状多価アルコ−ルの総称です。
 その代表例としては、ソルビト−ルがあげられます。
 ソルビトールは主に、医薬品、食品および工業原料に利用されており、ぶどう糖を原料として接触還元して製造されます。

図 ぶどう糖とソルビトールの構造式
構造式

ソルビトール液
ソルビトール液のサンプル
 接触還元(水素添加)は油脂を硬化してつくるマ−ガリン、ショ−トニングの製造法として古くから知られています。
 国内では1942年にビタミンCの製造原料であるソルボ−スの原料としてソルビト−ルが本格的に製造されました。
 更に終戦後、医薬品、食品のみならず工業用原料としての用途が開拓され、新しい食品素材としてのソルビト−ル、マルチト−ル、還元水飴が製造されるようになりました。
 これら糖アルコ−ル類は爽やかな甘味を有し、保湿性、耐熱性やメイラ−ド反応(アミノ酸との加熱による褐変反応)を起こし難いなどのすぐれた性質から加工食品の素材として利用されるようになりました。
 また、その後、パラチニット、ラクチト−ル、キシリト−ル、エリスリト−ルなどの糖アルコ−ルが開発され、近年、これら糖アルコ−ル類の低エネルギ−性、非う蝕性(虫歯の原因になりにくい)などの生理的特性が確認され利用されてきています。

表 主な糖アルコールの種類と原材料
原材料 糖アルコ−ル 原材料起源
ぶどう糖 エリスリト−ル (醗酵法) 澱粉
キシロ−ス キシリト−ル キシラン(樺の木など)
ぶどう糖 ソルビト−ル 澱粉
果糖(フラクト−ス) マンニト−ル 蔗糖など
麦芽糖水飴(マルト−ス) 還元麦芽糖水飴(マルチト−ル) 澱粉
パラチノ−ス パラチニット 蔗糖
乳糖(ラクト−ス) 還元乳糖(ラクチト−ル) ホエ−(乳清)
分岐オリゴ糖 還元分岐オリゴ糖 澱粉
直鎖オリゴ糖 還元直鎖オリゴ糖 澱粉
低糖化水飴 低糖化還元水飴 澱粉
高糖化水飴 高糖化還元水飴 澱粉


糖アルコ−ルの製造法
 原料糖液を接触還元して製造しますが、その原料により各種の糖アルコ−ルができ、精製および濃縮工程を経て製造されます。

原料糖液
  ぶどう糖液、麦芽糖水飴、乳糖など
 
接触還元
ニッケル触媒存在下で高温、高圧で水素添加
 
精製工程
 
色、不純物を除去(脱色、脱灰)
濃縮工程
 
 
貯槽
 
 
出荷
ローリー車、コンテナ、ドラム、缶(18L)

H2ホルダー
H2ホルダー
コントロールルーム
コントロールルーム
ローリー車積み込み
ローリー車積み込み