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お砂糖豆知識[1999年11月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識

[1999年11月]
●てん菜のあれこれ
●砂糖のあれこれ



てん菜のあれこれ

3社8工場までの道のり(2)

(社)北海道てん菜協会 前専務理事 秦 光廣

[オイルショックと砂糖の大産地]
 甘味資源特別措置法(甘味法)等の制定でビートの作付けは大きく伸びましたが、地域的な偏りがあり、集荷区域が規制されている中にあって、工場ごとの原料確保は一様ではありませんでした。
 昭和44(1969)年、日甜は、恒常的な原料不足に悩まされていた釧路・根室管内が集荷区域の磯分内工場をホクレンに譲渡、ホクレンは地域の生産拡大が図られるまで工場の操業を休止するとして、機械施設を中斜里工場に移設しました。酪農と結び付いたビート栽培の流伝(りゅうでん)、道東開発の拠点という2つの大きな期待を担って根釧原野に立地した磯分内工場は、35年間で歴史の幕を降ろしたのです。翌45(1970)年、日甜は、生産拡大が進む十勝中央部の芽室町に大型工場を建設し、数年を経た後、十勝平野の開拓と足跡をともにしてきた隣接の帯広工場を閉鎖しました。
 この頃、国が掲げていたビートの作付目標面積は、43(1968)年策定の「農産物生産長期見通し」が70,000haでしたし、糖安法の「目標生産費」も44(1969)年が66,400ha、49年は70,000haと策定され、当時の畑作環境としてはかなり高水準でした。道内関係者の間では、当面到達可能な面積として年々歳々6万の達成を念願としてきましたが、やっと48(1973)年にこの宿願をクリアできたものの、この年の収穫期には「来年は激減」の兆しがはっきりしました。原因はオイルショックに伴う狂乱物価の中で、春先決定のビート価格と収穫時期に決定された他の畑作物価とのバランスが崩れ、相対的に極めて低廉(ていれん)との感覚が耕作者に横溢(おういつ)したことでした。  翌49年には10年前の水準まで作付面積が激減し、畑作の根幹にかかわる輪作の保持などが心配されましたが、生産奨励金の交付や重厚な振興施策の実施、さらには水田転作の強化などにより、面積は急速な回復をみせました。その後は、砂糖の需要動向等も踏まえた抑制的なガイドポストを設定し、耕作者を指標に沿った作付けに誘導しています。
 オイルショック時は、スーパーの店頭から砂糖やトイレットペーパーが姿を消し、パニックになりましたが、時期が秋だったこともあって、新聞記者会見に望んだ堂垣内道知事は「北海道は大産地、砂糖は心配ない。」と発言、記者の質問に応えて、ビート担当係の庁内電話番号を公開しました。“道庁内に砂糖110番”の見出しが翌日の朝刊紙面を飾ると、道内各地から電話がくるわくるわ…。中には「ザラメが欲しい」との照会に、「当面はグラニュー糖で代用しては…」と応えると「あなた、料理を知っています?ザラメの代わりにグラニュー糖なんてとんでもありませんわ。甘ければ良いと言うわけには参りませんのよ。料理というのは……」とお上品な言葉遣いの御婦人から長々と講釈を受けたこともありました。
 「一次大戦で大陸からの英国向けビート糖供給が中断した時、英国最上級のジャムとビスケットはビート糖でなければ、と英国の食品加工業者から不満が沸き起こった。このためロンドンのThe International Sugar Journal紙が『多くの食品加工業者には甘蔗糖に対する偏見がある。ビート糖の用途に甘蔗糖が代用できないか、近く公的機関が研究し、疑問を明らかにする』という論説を掲載してその騒ぎを静めた。」と米国甜菜協会の“The Beet Sugar Story”に紹介されています。ビート糖オンリーの欧州にあって、英国は今も30数%が輸入甘蔗糖です。上品そうな奥さんも、当時の英国食品業者も、共通するのは思い込みの大き過ぎではないでしょうか。
 帯広、磯分内の両工場が閉鎖され、道内の製糖工場は日甜の芽室・美幌・士別、ホクレンの中斜里・清水、北糖の北見・道南・本別と8工場になりました。各工場とも規制された原料集荷区域の中でビート生産者ともどもコスト低減に努めるとともに地域農業の確立を思い千辛万苦を重ねて現在に至っております。

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砂糖のあれこれ

砂糖の特性3

精糖工業会

1.褐変反応
 砂糖を使ったクッキーやパン、カステラなどは、香ばしい焼き色が食欲をそそります。実はこれも砂糖の力によるものなのです。
 このように、食品を加工したり、保存したりしているときに褐色に色がつくこのような現象を「褐変」と呼びます。  砂糖による褐変反応は「メイラード反応」あるいは「アミノ・カルボニル反応」と呼ばれます。これは、材料である小麦や牛乳などに含まれるタンパク質やアミノ酸と砂糖を一緒に加熱・加工することにより、メラノイジンという物質ができ、褐色に着色するのです。なお、この反応は、砂糖(ショ糖)がブドウ糖と果糖に分解した状態(転化糖と呼びます)のときに起こるもので、ショ糖のままではこの反応は起きません。したがって、成分的に転化糖の多い上白糖の方がグラニュー糖より着色しやすいのです。

2.発酵の促進
 パンを作るときにはイースト菌(酵母)を使いますが、これはイースト菌の働きによって糖を発酵させ、それにより発生する炭酸ガスにより、ふくらませるためです。
 もちろん、生地にも糖分は含まれていますが、これだけでは充分にふくらみません。そこで活躍するのが砂糖。砂糖により糖分が補われることで、ふっくら、おいしいパンができあがります。また、砂糖を加えることで、1.で述べたメイラード反応が起こりますので、焼き色もよくなり、まさに一石二鳥というわけです。
 また、シャンパンを作るときの2次発酵の際にも、砂糖を使って気圧を調整しています。これにより、栓を抜いたときの快音がうまれるのです。

3.加熱による変化
 これまでみてきたように、砂糖は調理上、多くの優れた働きがありますが、砂糖そのものも、加熱により様々な形状に変化し、活躍しています。
 砂糖の煮詰液は、温度により下記の状態に変化していきます。

4.「さ・し・す・せ・そ」の原理
 調味料を入れる順番として、「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(しょうゆ)・そ(その他)」というのを聞いたことがあると思います。これは、砂糖の分子の大きさが関係しています。
 砂糖の分子は塩の分子に比べて大変大きいので、素材の組織の中に入りづらいのです。ですから、砂糖と塩を両方使う料理の場合、塩を先に入れてしまうと、組織の細かいところまで素早く入り込んでしまい、砂糖の入る場所がなくなってしまいます。その結果、砂糖を入れたのに、甘味のない、塩辛い味になります。「調味料は砂糖を最初に入れる」と覚えておいてください。
 最後に煮物のコツを1つ。砂糖を入れるとき、一度に入れてしまうと、煮汁が急に濃くなるため、浸透圧の関係で素材の水分が外に出てしまい、仕上がりが固くなってしまいます。例えば、豆を煮るときに、ふっくら仕上げるには、何回かに分けて入れて、煮汁を徐々に濃くするようにしてください。
 
5.まとめ
 これまで見てきた通り、砂糖は単なる甘味料ではなく、料理やお菓子をおいしくするたくさんの役割を担っています。科学的な裏付けまではわからなくても、昔から体験的に受け継がれてきたものですが、それなりに理にかなっているのです。
 食べることで大切なのは「バランス良く」、「楽しく」食べること。砂糖は決して目立つ存在ではありませんが、食べにくい食材の味を整えたり、見た目の美しさを演出したりと、上手に使うことでまさにバランスの良い、楽しくおいしい食生活に大いに役立ちます。何より、砂糖は安心な天然の食品。毎日の料理に、お菓子作りに、もう一度見直してみてください。

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