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お砂糖豆知識[1999年12月]

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最終更新日:2010年3月6日

ALIC砂糖類情報
お砂糖豆知識

[1999年12月]
●てん菜のあれこれ
●砂糖のあれこれ
●コラム



てん菜のあれこれ

ビート種子の話

(社)北海道てん菜協会 前専務理事 秦 光廣

1.新品種の誕生と種子増殖
 どの作物も同じですが、ビートもたくさんの素材の中から交配や選抜を繰り返して成績良好のものを選びだし、試験機関の何段階ものテストをクリアしてやっと新品種が生まれます。優良品種の誕生と種子増殖について触れてみましょう。

〔試験〕
●予備試験
 現在わが国で栽培されているのは、ほとんどが外国育成品種です。ビート糖業者がスウェーデン、オランダ、ドイツなどで開発された優良種を輸入し、北海道の気象・土壌に適応するかどうかを年50種類ほどテストし、有望種をセレクトします。一方、国産品種は、農林水産省北海道農業試験場(芽室)が開発育種を行い、年30種類ほどを振るい分け選抜しています。
●品種検定試験など
 予備試験で有望とされた品種は、北海道立の農業試験場などで、既存品種と3ヵ年以上にわたり比較検討する品種検定試験や耐病・耐湿性等をみる特性検定試験、地域適合性をみる全道18ヵ所で行う現地検定試験を行います。

〔品種認定と増殖〕
●優良品種の認定
 数ヵ年にわたる検定試験の結果を、研究サイド・普及サイド・行政関係者が総合的に検討し、成績優秀と認めると、知事は種苗審議会の意見を聞いた上で、優良品種に認定します。
 認定された品種は、将来これに替わる優良品種が出るまで栽培されますが、最近このサイクルが短くなってきています。これはビートに限らず他作物も同傾向にあるといえます。
●種子の増殖
 原則的には品種認定後、原々種を生産し、次いで原種の生産、さらに農家用種子の生産と各段階ごとに2年、計6年を経て採れた種が一般畑に播種されます。
 しかし、6年もかけて増殖したのでは、良い種子が生産者に行き渡るのが遅れるため、栽培の大宗を占める輸入品種の場合は、業者が後年の廃棄リスク(優良品種不合格)を背負い、検定試験の経過を注意深く観察しながら、試験と並行して予備増殖を行います。通常は1、2年で一定程度の量が生産者に行き渡るよう手筈を整えています。

〔ビート種子の特異性〕
 ビート種子が、稲・豆・麦・じゃがいもなど、他の一般作物の種子と大きく違う点が3つあります。
●増殖年数が2倍
 1つは、豆やいもなど、一般の作物は原々種、原種、農家用種子と3年で種子増殖が行えるのに対し、ビートは2年生草本のため、越冬した母ぼ根こんから春に再び茎葉が出て、夏に抽ちゅう台たい(とう立ち)し開花して実を結ぶことから、増殖に倍の年数を要し、6年先を見通しながら増殖する必要があることです。
●食べられないビート種子
 2つ目は、豆やいもなどは万一凶作で種子が不足しても、緊急避難的に生産商品を種子に回すことができますが、ビートはそうならないので、常に余裕をもった種子増殖が必要となります。また、余剰が生じた場合、豆やいもなどは薬剤処理前に食用に回すことができますが、堅いコルク質のビート種子は家畜の飼料にもならず、廃棄のための費用がかさみます。
●自家採種ゼロで毎年更新
 現在のビート品種は全て一代雑種で、他作物と違い自家採種できないのが3番目です。毎年全量の種子更新が必要ですが、輸入品種の場合は元もと種だねの特許(品種登録)が育成国にあるため、国内生産できるのはその都度外国原種の輸入を必要とする採種の段階だけなのです。

 輸入に頼る種子生産、余裕ある増殖と余剰の処理という矛盾した掛け増しコスト、増殖年数のハンディなど、ビート種子は他作物にはない問題を数多く抱えています。

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砂糖のあれこれ

お砂糖の摂取量とは?

精糖工業会

 最近、農畜産業振興事業団助成事業の「砂糖普及啓発事業」や「お砂糖“真”時代」の活動など、お砂糖に関する様々なPR活動が行われるにつれ、一般の消費者の方々からお手紙やお電話、あるいは「お砂糖“真”時代」のホームページへのメール等でのご質問をいただくことがあります。この中で良く訊かれるのが「お砂糖は1日にどの位食べて良いのですか?」という質問です。一般の方々にすれば、最も知りたい疑問の1つであることは良く分かるのですが、我々としては一番答えに困る質問なのです。
 これまでに掲載してきた通り、砂糖は食品分類上、炭水化物(糖質)です。つまり、栄養という面でみれば、ご飯やパンなどと同じ範疇の中で語られるべき食品といえます。ですから、食塩のような「1日○○gまで」などという言い方を、砂糖に当てはめることはできないはずです。
 ところが、「甘いものの摂りすぎは太る」といった漠然としたイメージはまだまだ強いですし、お医者さんや栄養士さんの食事指導においても、「糖尿病だから、砂糖は控えなさい」とか、「太り気味だから、甘いものは控えなさい」といった言い方をされることがまだまだ多いようです。ですから、「お砂糖が体にとって大事であることは分かっていますが、1日どの位までなら摂って良いのですか?」という疑問・不安が出てくるのは、ある意味では当然と言えないこともありません。
 このほど発表された「第6次改定 日本人の栄養所要量〜食事摂取基準〜」をみると、1日の摂取カロリーのうち、炭水化物(糖質)から少なくとも50%以上を摂取すること、脂質からの摂取量は20〜25%の間にとどめることが良いとされているようです。しかし、厚生省の国民栄養調査等のデータをみると、このところ脂質の摂取割合が増え、砂糖を含む糖質の摂取量は減少しています。ですから、まず「日本人が砂糖を摂りすぎている」ということは考えられません。
 もともと、砂糖は炭水化物(糖質)で、エネルギー源になる食品です。エネルギーの消費量は、その人のライフスタイルによって大きく異なってきます。したがって、厚生省の栄養所要量の指針をみても、エネルギーをはじめとする各栄養素の所要量については、男女別、年齢別、体型、生活強度(ライフスタイル)等によって細かく記載されています。しかし、当然のごとく、そこで砂糖の摂取量についてことさらに言及されていることはありません。
 つまり、我々が言えることは、3大栄養素である炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質にビタミン、ミネラルを加えた5大栄養素をバランス良く摂る食生活が大前提であること。そして、その人のライフスタイルに合わせたエネルギー摂取をする。つまり、エネルギーの収支バランスを考慮すること。その上で、ご飯やパンなどの主食を含む炭水化物(糖質)をどのように摂っていくかという問題である、ということです。砂糖を全く摂らなくても、ご飯やパンを食べ過ぎれば全く同じことですし、もっと広い目でみれば、タンパク質でも、脂質でも全く同じことが言えるわけです。
 また、世界的にみても、日本の砂糖摂取量は決して多くありません。昔から「砂糖の摂取量でその国の発展度が分かる」と言われており、今でも、発展途上国の中には、砂糖の自給を重要政策に掲げている国もあります。いわゆる先進国の砂糖消費量をみてみると、日本は最も少ないと言っても良いくらいです。
 しかし、日本より砂糖消費量の多い他の国で、砂糖が原因で健康に害があるという話など、聞いたことがありません。また、ご存知の通り、FAO/WHOをはじめとする公的機関においても、「現状の消費量で、砂糖が肥満や生活習慣病等の直接的原因になることはない」と結論づけられています。ですから、現在の日本人の通常の砂糖の摂り方で、健康に何らかの問題があるとは考えられませんし、上手に使えばプラス面の方が大きいのではないでしょうか。
 最近、健康情報の氾濫で、どんな食品でも「1日g」といった摂取量がマニュアルのように言われていますが、食生活全体をみなければ、そのようなものは全く意味がないように思います。我々も「砂糖はいくら食べても良い」などというつもりは毛頭ありません。なぜ、砂糖がこれほど長い歴史をもち、食生活に浸透してきたかを知っていただき、安全でおいしい、自然の甘さであることをもっともっと訴えていきたいと思います。

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コ ラ ム

ヒット商品に隠された原料事情 

食品産業新報社社長 長江龍城

 時代の移り変わりとともに人々の生活様式が変わり、嗜好品の分野でも様々なヒット商品が生み出されている。『おやつ』として広く愛好されるお菓子は、豊かな生活に潤いをもたらし安全で安心、さらに健康をキーワードにメーカーがヒット商品開発に凌ぎを削っている。ヒット商品にはヒットするべき理由が存在するのは当然であるが、戦後間もない頃、名古屋菓子業界で大ヒットし空前のブームとなった『バラキャラメル』は、当時の原料事情をも映し出して興味深い。
 太平洋戦争が終わり、菓子原料が統制経済下の時代である。砂糖も水も小麦粉も主原料のすべてを政府から割り当ててもらって菓子製造業を営むことができた時代である。当時の政府の原料割り当ての方法として、農林省(現・農林水産省)が製造業者へ直接原料を割り当てる『中央割当て』と府県を経由して割り当てる『地方割当て』の2つの方法があった。農林省は比較的大規模な製造業者を対象に割り当てた『中央割当て』の最低基準を100点として、次の基準を定めていたという。
従業員1人につき 1点
キャラメル日産 1トン70点
ドロップ30点
もち20点
チューインガム10点
その他20点
 この基準にしたがって採点し、100点以上の製造業者へ『中央割当て』を割り当て、農林省の指定工場としたそうである。
 しかし、この採点によるとキャラメルが他の菓子に比べて極端に優位にあることから、原料割り当てを有利に運ぼうとするキャラメル製造業者を多数輩出することとなった。
 昭和25年頃から名古屋菓子業界ではキャラメルを手掛ける業者が50社を超え、相乗効果とも相まって1個売りのバラキャラメル時代を形成したのである。そこには原料の入手が極めて困難な時代の業者のしたたかな計算、限られた原料を活かす職人の意気を垣間見ることができるといえよう。
 ちなみに現在、同地のキャラメル製造業者は五指に満たない。

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