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お砂糖豆知識[2010年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

お砂糖豆知識

[2010年01月]



糖の適切な摂取量について

実践女子大学 生活科学部 食品学研究室 教授 田島 眞

 私たちは、食べ物から栄養素を摂取している。体を動かしたり、生命活動を維持するのに欠かせないエネルギーをはじめ、炭水化物、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンなどである。これらの栄養素のうち、炭水化物、たんぱく質、脂質は、体内でエネルギーを発生することができる。私達はこの栄養素から体を動かすのに必要なエネルギーを得ている。

1.PFC比率

 問題はエネルギーを炭水化物からどれだけとっているか、たんぱく質からどれだけとっているか、脂質からどれだけとっているかのバランスである。このバランスが大切である。とくに脂質の過剰摂取は、メタボリック・シンドロームの原因となる。動物性の脂質は、血中のコレステロールレベルを上昇させる。そこで、このバランスをPFC比率と名づけ、栄養素摂取の目安としている。Pはたんぱく質の英語名(Protein)、Fは脂質の英語名(Fat)、Cは炭水化物の英語名(Carbohydrate)のそれぞれ頭文字を取ったものである。

 現在の栄養学の知識では、Pから12〜13%、Fから25〜30%、残りをCから取るのが理想的といわれている。発展途上国では、PとFの摂取が不足、Cの摂取が過剰である。PとFは、肉や魚といった比較的高価食品に多く、発展途上国ではこれらの供給が十分でないからである。Cの過剰摂取は、一方でPとFの栄養不足を意味する。一方、先進国では、Fの摂取が過剰である。肉の摂取量が多いからである。その国の国民所得と肉の消費量との間には比例関係がある。ヒトは食物を購入するお金があれば、穀類よりも肉を選択する。肉には、食べると気分が高揚する成分が含まれているからである。買えるお金があれば、人々は肉を購入して食べる。その結果、肉に含まれる脂質のせいでFの摂取が過剰となる。

 日本でも例外ではなく、昭和40年代まではCの摂取が過剰であったが、現在ではFの摂取が過剰である。理想的なPFCバランスをとっていたのは昭和50年代で、この時代の食生活を日本型食生活という。日本型食生活とは、現在の日本の食生活のことではなく、昭和50年代の日本の食生活のことである。現在の食生活では、Fの摂取を減らし、Cの摂取を増やす必要がある。

2.炭水化物をでん粉からとるか、糖からとるか。

 Cすなわち炭水化物を摂取するには、でん粉として摂取するのと糖から摂取する2つの道がある。米、小麦、いもといった主食には、炭水化物はでん粉のかたちで含まれている。一方、糖は、果物、菓子、飲料に含まれている。そのほか、糖は砂糖としてコーヒー・紅茶の味付け、料理の味付けに利用されている。

 1日の炭水化物の摂取量は、厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば264グラムとなっている。その大部分はでん粉である。糖の摂取量は6.7グラムである。しかし、この国民栄養調査の糖の摂取量は、直接、砂糖として消費された糖で、このほか、加工食品に含まれた形でも砂糖は消費されている。それを知るには、農林水産省の食料需給表による砂糖の供給量がある。食料需給表によれば国民1人当たり1日に砂糖類を52グラム供給している。この量と摂取量との差が、加工食品に使われている砂糖類とみなされる。炭水化物に占める糖の割合は52÷264=19.7%となる。

 栄養的な面から、炭水化物をでん粉からとるか、糖からとるかを見てみよう。でん粉は摂取すると、消化管で消化酵素によって消化される。消化されたものはぶどう糖でぶどう糖のかたちで腸管壁から体内に吸収される。体内に入ったぶどう糖は、血液に流れ込み血糖値を上昇させる。そして体組織に運ばれ、代謝されてエネルギー源になる。一方、砂糖はやはり消化管で消化酵素によって消化される。消化されたものはぶどう糖と果糖である。そして腸管壁から吸収される。つまりでん粉も糖も同じに吸収される。従って炭水化物をでん粉でとろうと糖でとろうと栄養的には変わりはない。

 ただ、でん粉だと分子が大きく、場合によっては結晶構造をもっているので、消化に時間がかかる。ご飯が腹持ちが良いのはこのためである。消化されてしまえばでん粉も糖も変わりはない。だから炭水化物をでん粉でとっても糖でとっても変わりはない。炭水化物として、どれだけとるかが問題になるだけである。

3.糖の摂取を制限すべきか。

 前述したように糖は炭水化物として考えればよいので、気にすることは炭水化物としてのカロリーオーバーだけである。食塩のように、摂取量を制限する必要はない。糖質ゼロの食品が流行りだが、それにこだわっても、ご飯を食べれば糖をとっていることになるのである。

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