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ポーランド砂糖産業の概要

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[2000年8月]
 ポーランドは1989年に社会主義経済体制から資本主義経済体制に体制転換が開始されて以来、国営企業の民営化を含めた合理化が推進されている。こうした状況下、砂糖生産量は東ヨーロッパにおいて、ロシア、ウクライナと同程度の生産量を誇り、EU への加盟を目指し砂糖制度の整備を推進している。こうした、ポーランドの砂糖産業について、英国の調査会社 LMC International Ltd. からの報告をもとに企画情報部で取りまとめたので紹介する。
なお、この報告は2000年1月現在のものであり、最新のデータについては巻末資料編を参照されたい。

企画情報部


国内需給バランス  生産実績について
生産量及び消費量  異性化糖の位置付け
砂糖制度の主な特徴  生産割当
国内価格支持  販売制度
さとうきび生産者及び精糖業者  1994年砂糖法
ポーランドのビート産業の構造  砂糖産業における現在の問題

国内需給バランス

 1990年代には、ポーランドは、年間150万〜250万トン(粗糖換算)の砂糖を生産していた(図1)。94/95年度には、単収の低下から150万トンの最低水準となったが、95/96年度に170万トンまで増加し、その後は常に年間200万トンを超えている。しかし、99/2000年度には、収穫面積の減少や単収の低下のため、生産量は170万トンまで減少している。
 1990年代には、砂糖の消費量はごくわずかな増加しか示しておらず、98/99年度には1980年の水準に戻っている。
 94/95〜99/2000年度の砂糖生産量、消費量及び貿易統計が、表1に示されている。

図1 ポーランドの砂糖生産量、消費量及び輸出量 図1 ポーランドの砂糖生産量、消費量及び輸出量

表1 砂糖の需給バランス

(単位:1,000トン、粗糖換算)
 94/95年度95/9696/9797/9898/9999/2000
生産量1,5151,6512,4812,1192,2501,700
消費量1,7001,7001,7241,7301,7651,770
輸入量 合計
    粗糖
    白糖
85
0
85
107
0
107
55
0
55
39
0
39
12
1
11
2
0
2
輸出量 合計
    粗糖
    白糖
142
0
142
55
0
55
293
0
293
509
0
509
418
68
350
50
0
50
在庫変化△2423519△8179△118
出典:ISO、Rynek Cukru、世界銀行

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生産実績について

 表2は、94/95〜99/2000年度のポーランド砂糖産業の主なデータを示している。96/97、97/98及び98/99年度に砂糖生産量が210〜250万トンであったのに対し、94/95と95/96年度には150万、170万トンと低水準であったことが分かる。
 96/97年度は、収穫面積が急激に増加したことと1ha当たり39トンと単収が向上したことによって、ビート生産量はほぼ1,800万トンに達し、記録的な生産量をもたらした。しかし、収穫面積はその後減少し、99/2000年度には37万2,000haとなった。単収は97/98、98/99年度に約38トンとなり、ビート生産量は94/95年度の1,170万トンという最低水準をはるかに上回った。しかし、99/2000年度には、気象条件があまり良好ではなく、夏季の干ばつが、単収を35トンまで低下させた。
 ポーランドのビート栽培の技術的水準は、西ヨーロッパ諸国と比較して劣っている。農場の多くは小規模であり、平均農場規模はわずか1.7haである。ビート栽培における規模の経済と機械化を推進することができないことが、生産性向上の大きな障害になっている。しかし、農地の整理統合が予測されており、今後生産性の向上が期待される。
 また、表2はビート及び農業全体の生産総額も示している。1990年代半ばには、ビートは農業生産総額の約5%を占めていた。近年の農業生産総額のデータは、入手されていない。

表2 ビート生産量及び産糖量等の推移

 94/95年度95/9696/9797/9898/9999/2000平均
収穫面積(1,000ha)400384453419400372412
ビート生産量(1,000トン)1,67613,30917,84615,88615,17112,98314,277
単 収(トン/ha)29353938383534
産糖量1,5151,6512,4812,1192,2501,7001,882
砂糖1トン当たり
必要原料(TB:TS)
7.78.17.27.56.77.67.7
ビート生産高(1,000USドル)272,849443,450602,346459,727412,787n.a.439,549
農業生産総額(1,000USドル)5,554,8007,059,780n.a.n.a.n.a.n.a.
農業生産総額に占める
ビート生産高の割合(%)
56n.a.n.a.n.a.n.a.
出典:ISO、Rynek Cukru、世界銀行

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生産量及び消費量

 ポーランドにおいては、ビート白糖のみが生産され、70〜80%は国内市場向けである。
 表3は、ユーザー別砂糖消費量を示しているが、表1に示されている総消費量の数字との間には、ニュースソースの違いから若干の矛盾が存在するが、各ユーザーのシェアを把握するには十分である。家庭消費は総消費量の約70%を占めており、飲料部門は2番目に大きく総消費量の11%を占めている。また、焼き菓子と砂糖菓子は、それぞれ総消費量の6〜7%を占めている。
 また、1人当たり年間消費量は、フランス、イギリスが38〜39kgで推移しているのに比較し、ポーランドは98/99年度に46.3kgと多く、かつ、増加傾向で推移している。

表3 砂糖の用途別消費量(粗糖換算)

 96/9797/9898/99
 (1,000トン)(%)(1,000トン)(%)(1,000トン)(%)
家庭用1,15368.61,18770.61,20371.6
工業用
 飲料用
 焼き菓子
 砂糖菓子
 乳製品
 缶詰及び保存食品
 その他
 食品以外

184
112
99
14
15
105
19

10.9
6.7
5.9
0.8
0.9
6.3
1.1
189
116
102
14
16
109
19

11.3
6.9
6.0
0.8
0.9
6.5
1.1

182
117
103
14
16
110
19

10.8
7.0
6.1
0.9
0.9
6.6
1.1
小計54732.656433.556233.4
合計1,738 1,761 1,783 
1人当たり消費量(kg/人)45.1 45.7 46.3 
出典:LMC、Rynek Cukru


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異性化糖の位置付け

 ポーランドには、ブドウ糖とスターチ・シロップを生産する小規模な産業がある。1996年には、スターチ・シロップの生産量は17,400トンであり、ブドウ糖の生産量はわずか1,600トンであった。しかし、米国に本社を持つ Cargill 社は、ポーランドに新しいブドウ糖工場を建設し、1997年に操業を開始した。この工場は、小麦やイモから、50,000トンのブドウ糖を生産すると予測されている。
 1998年以前、ポーランドは異性化糖を生産していなかった。しかし、1999年にはやはり Cargill 社の小麦ベースの異性化糖工場が操業を開始し、1999年には28,000トン(砂糖換算)を生産することが予測されている。将来の EU への加盟は、異性化糖の生産に割当を課す EU の政策に拘束されることを意味する。しかし、異性化糖の生産量は、今後数年間増加すると予測される。

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砂糖制度の主な特徴

 ポーランドの農業は、1989年の中央計画経済の崩壊以来、大きく変化しているが、砂糖部門も例外ではない。マクロ・レベルでの大規模な改革に加えて、部門レベルでの政府の政策変更は、砂糖産業の構造と実績に影響を与える重要な要因になっている。当初、政府は、国内規模の経済安定化政策と供給側の改革の一部として、砂糖部門に対する一連のきわめて自由主義的な政策を採用した。しかし、この当初の開放政策は、砂糖産業への積極的な政府の介入と規制が同時に存在したため、より複雑なものとなった。

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生産割当

 砂糖の生産割当は、農業食糧経済省の勧告に基づいて、閣議決定されている。次の2つの生産割当が存在する。
(1)国内市場で販売されるA割当
(2)補助金を受けて輸出されるB割当
 A割当とB割当を超えて生産される砂糖は、補助金なしで輸出されなければならない。
 生産割当は、毎年、国内の砂糖会社に割り当てられている。次に、各会社が、各工場に割当を分配する。生産割当は、過去3シーズンの1日当たり平均生産量に基づいて、割り当てられている。
 各会社は、生産量の地域格差及び国内市場と輸出市場に供給する各工場の有利さを反映するために、工場間でA割当とB割当を交換することができる。
 農業食糧経済省は、99/2000年度のA割当を98/99年度及び97/98年度の165万トンをわずかに下回る163万トン(白糖換算)に決定した。しかし、政府は国内余剰在庫を削減するために、2000/01年度には、A割当をさらに152万トンまで削減するものと思われる。B割当は、99/2000年度に10万9,100トンに設定されているが、ポーランドの WTO 義務を果たすために、2000/01年度には10万4,400トンになる予定である。
 割当砂糖の販売高は、輸出補助金に資金供給されている。当初は、農業再編成改良基金に税収を当てるために、すべての国内販売高に対して7%の税金が計画されていた。しかし、税金は、ポーランド政府によって、年間ベースで決定されており、1999年には、わずか2%に設定された。この数字は、2000年には、3%に引き上げられる予定である。
 B割当に対する輸出補助金は、政府が決定する卸売価格の最低相場と輸出販売前週のロンドン国際金融先物取引所(LIFFE )の白糖平均先物価格の差額より大きくならない金額に制限されている。

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国内価格支持

 農産物販売公社(ARR )は、価格水準を支持し、価格の不安定を緩和するために、市場への砂糖の流入を規制する権限を持っている。ARR の権限には、国内需要がA割当に及ばない場合に、制度的に設定されている最低卸売価格より高い価格を支持するために、砂糖を購入する介入が含まれている。94/95〜98/99年度のビートと白糖の平均価格が、表4に示されている。94/95〜98/99年度の国内砂糖価格は、世界市場の水準より高く支持されていた。この支持は、価格を引き下げないために、高い輸入関税を課し、余剰砂糖が国内市場にだぶつくことを回避することによって達成されていた。
 ポーランドは、輸入糖に関税割当制度を適用している。割当内では40%の付加価値税または最低170ズロチ/トン(182 USドル/トン)の特別関税のうちいずれか高い方を賦課されている。この割当は、当初は5万トンに設定されていたが、2000/01年度までに8万4,000トンまで引き上げられることが予定されている。割当外では、輸入砂糖は、100%の関税かまたは最低450ズロチ/トンの特別関税のうちいずれか高い方を賦課されている。ポーランドの現行関税政策とその WTO 約束の概要が、表5に示されている。
 しかし、最近では国内価格は圧力を受け、1999年には1.71ズロチ/kgの最低支持価格を下回った。これには、次の2つの主な理由がある。
(1)国内の消費需要を満たすために設定されているA割当が、一般に、高すぎる水準に設定されていると見なされていること
(1)最近では、中央ヨーロッパ自由貿易協定(CEFTA:Central European Free Trade Agreement)の加盟国からの砂糖が、特恵関税でポーランドに流入しており、国内市場の供給過剰をもたらしていること。CEFTA の加盟国は、170ズロチ/トン(182USドル/トン)の最低特別関税を賦課されることなく、より低い関税によって特恵市場アクセスを許可されている。例えば、いずれも割当に従っているが、ハンガリーからの砂糖の輸入は35%の関税、ルーマニアからは15%の関税となっている(表5)。
 理論的には、ARR は国内砂糖価格が最低水準を下回るのを防止するために、介入する権限を持っている。しかし、現在まで、ARR は国内砂糖価格の値下がりを防止することができず、また積極的に防止しようともしていない。これは、おおむね最低卸売価格で余剰砂糖を購入し、その砂糖をさらに低い世界市場価格で世界市場に販売しなければならないためである。
 A割当の数量に関する問題は、政府によって認識されており、2000/01年度のA割当を現在の163万トンから152万トンに削減した。99/2000年度の170万トンという生産量の減少もまた、2000年の国内砂糖価格に何らかの支持を提供するのに役立つものと思われる。しかし、高い水準の在庫量を考慮すると、国内市場価格の即座の回復の可能性はあまりない。
 砂糖部門には、直接的な政府の補助金は、提供されていない。しかし、財務援助は、シーズン貸付制度を通して、農場部門と工場部門に提供されている。主なものは、肥料やビート購入時の低金利貸付である。ARR の介入資本は、特別金利の銀行貸付によって資金供給している。原則として、ARR はまた、ビート製糖業者に、運転資金の部分的な前貸しを提供している。

表4 ビートと砂糖の価格(94/95〜98/99年度平均)

(単位:USドル/トン)
 ビート白糖
ビート価格31
卸売価格
 国内自由市場価格
 自由市場輸出価格



618
296
小売価格
 国内自由市場価格


754
注:税別
出典:Rynek Cukru

表5 ポーランドにおける関税等の貿易政策
 粗糖・白糖
現行関税率関税割当内については、40%または最低70ズロチ/トンのいずれか高い方、関税割当外については、100%または最低450ズロチ/トンのいずれか高い方
GATT約束 関税
 基本税率(開始年)
 最終税率(最終年)

120%または最低0.53ズロチ/kgのいずれか高い方
96%または最低0.43ズロチ/kgのいずれか高い方
ミニマムアクセス
(トン、粗糖換算)
適用されず
輸出補助金の削減
 数量(1,000トン)
 率(%)

32
36
履行期限2000/01
注1:3%の国境税と7%の付加価値税を賦課されている。CEFTA加盟国は、170ズロチ/トンの最低特別関税を賦課されることなく、40%の関税を賦課されている。ハンガリーは、35%の低関税で10,000トンの割当を持っており、ルーマニアは15%の低関税で15,000トンの割当を持っている。
出典:LMC


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販売制度

 共産主義体制の崩壊以前は、Rolimpex が、国内市場及び輸出市場に砂糖を販売する唯一の会社であった。しかし、ビート製糖業者は、現在、A、B割当制度の制限内で、自由に砂糖を販売することができる。

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ビート生産者及び精糖業者

 1994年砂糖法の規定に従って、工場は収穫前の8月31日までに、農民団体や農業取引組合と原料ビートの最低購入価格を交渉しなければならない。この制度の中では、契約はビート生産者と各工場によって交渉されている。
 農場が小規模であるため、支払制度は収益分配方式に基づいており、糖分取引ではなく重量取引が採用されている(注1)。
 ビート価格は、ビート1トン当たりで約50〜60kgの白糖に相当する金額を受け取るように設定されている。ビートを工場に直接納入するか、地域の納入地点に納入するかは、農民の選択による。
 農家の手取額となるビート1トン当たり50〜60kgの白糖相当額は、実際工場では通常約125〜130kgの砂糖が得られることを考慮すればそのシェアは低い。砂糖生産量の42〜49%の農家手取率は、ビート生産者が56%を受け取っている EU より小さいものである。しかし、この割合は近年増加しており、ビート生産者は、一般に砂糖価格の50%を超える金額を受け取っている。ビート価格は年度が始まる前に合意されるが、ビート工場によって獲得される最終砂糖価格はその年の間に変動する。これはビート支払制度の機構がひとつの原因と考えられる。世界価格が1年間を通して急激に値下がりした1999年には大きな問題となる。
 一般に、ビート生産者は、糖みつの販売から得られる収益を分配されていない。しかし、一般に、ビート生産者は、重量比で50%のビートパルプを工場側から受け取っている。これは、水分を含んだビートパルプかまたは工場が有料で乾燥させた乾燥ビートパルプ(ペレット)のいずれかの形である。
 より自由な国内砂糖市場の創設は、原料獲得競争を激しくさせ、供給契約の破棄とビート生産者の「不正」を招く可能性がある。A、B割当数量の割当は、工場とビート生産者の個別の交渉に任されている。したがって、ビート生産者に各工場から支払われる価格は、各工場のA、B割当及び割当を超えてどれだけ生産するかによって決定されることになる。つまり、工場側の砂糖の販売価額によって原料代金が支払われるシステムであることが、ビート生産者が契約を破棄する危険性を持つ状況を創り出すことを意味する。現時点では、この問題を避ける支払制度にする計画はないように思われる。しかし、この問題を避ける制度の選択肢としては、A, B割当に相当する原料に対し合意された価格で支払いを行い、残りの数量を国際価格にリンクさせることである。

(注1)糖分取引ではなく重量取引に基づく支払制度が採用されている理由は、各農民によって工場に納入されているビート原料が少ないため、サンプリングしてショ糖含有量で支払うことを非常に困難にしていることである。しかし、現在では、ショ糖含有率測定設備を備えた民間砂糖工場が存在する。しかし、この設備の設置目的は、糖分取引に移行させるためではなく、ビート契約割当を設定する際の参考とするためである。近い将来、この支払制度が変更される見通しは、ほとんどないようである。
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1994年砂糖法

 1994年砂糖法(砂糖市場規制及び砂糖市場産業に関する法律)は、砂糖政策を規制する法規を定めている。この法律は、1990年代初頭の市場自由化後の金融危機に対処するため、砂糖生産と販売に対するさらに大きな国家規制を再び導入した。この新しい政策の目的は、砂糖の生産量、価格及び収益を安定させ、砂糖産業が将来民営化するための基盤を提供することである。
 この目的を達成するために、EU への加盟を考慮して、政府は多くの政策の変更を導入している。その多くは、EU 砂糖制度を反映するものである。これは偶然の一致ではなく、ポーランド政府が、最終的には、その砂糖政策を EU の砂糖政策に統一することを希望しているためである。

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ポーランドのビート産業の構造

 ビートは、ポーランド全体で栽培されている。ビート栽培農家が、多く集中しているのは、中西部及び中東部地域であるが、南東部及び中部地域にも存在している。他の多くの旧共産主義国とは異なって、共産主義時代のポーランドには、共産党による農業部門の集団化はほとんどなかった。したがって、農業部門はいまだに個人農場が中心となっている。
 約26万人の農民が、ビート工場との契約に従ってビートを栽培していると推定されている。この数字は、1990年の約38万人から大きく減少している。ビート栽培農民の数が減少しているのと同時に、平均栽培面積は、1990年代初頭の平均1.0〜1.2haから、1998年の約1.7haまで増加している。これは、西ヨーロッパの平均水準よりも低い。
 農場部門とは異なって、工場部門は、国営工場の遺産を持っている。工場は、一般に、小規模であり、多くは第2次世界大戦以前に建設されたものであり、近年ではほとんどが投資不足に苦しんでいる。4工場のみが、過去20年間で建設されたものである。あいにく、砂糖産業の発展もまた、ほとんど計画的なものではなく、新しい工場のいくつかは、ビートの供給量が加工能力を満たすには不十分な地域に位置している。その結果、多くの工場が、遠方の地域からビートを調達しなければならず、ビートの品質を低下させ、コストを増大させている。
 製糖工場は76あるが、14の民間工場と3の国営工場が存在し、残りの工場は、持株会社になることによって、民営化に向けて第一歩を踏み出している。これら59の持株工場は、4つの国営持株会社に統合されている。工場部門の概要が、表6に示されている。
 各工場は、平均各3,000〜4,000人(中には10,000人超)のビート生産者を抱えている。現在緊急に必要とされている工場の合理化は、政治的な重要性を持つが、立地条件に恵まれた工場の閉鎖に反対する多くの小規模農家のために実施されていない。その結果、ビート生産量に対して、能力の過剰状況をもたらしている。原料処理実績は、西ヨーロッパの標準より小さく、9工場しか3,500トン/日を超えていない。さらに、40工場は2,000トン/日を下回る実績しかない(表7)。各持株会社を単一の法人と見なしても、EU の砂糖会社と比較すると規模は小さい。しかし、ポーランドの工場合理化は、隣のチェコ共和国や旧東ドイツほど進んではいない。大きな政府政策の変更が、近年実施されており、いくつかの工場の閉鎖が行われるものと思われる。
 持株会社の役割は、民営化以前に再編成プログラムを実行することである。これらの会社は、その持株会社が51%の株式を保有し、政府が残りの株式を保有する株式会社である。現在、次の4つの持株会社が存在している。
(1)Lubelsko-Malopolskiej
(2)Mazowiecko-Kujawskiej
(3)Poznankso-Pomorskiej
(4)Slaskiej
 14の民間工場のうち、外国投資家が10工場に関与している。それらの工場のうち4工場は、British Sugar とのジョイント・ベンチャーである(Unislaw、Ostowite、Swiecie 及び Gklinojeck。Gklinojeck は、最も新しく、ポーランド最大のビート工場のうちの1つである)。ドイツのビート製糖業者 Pfeifer& Langer もまた3工場の過半株式を保有している。ドイツの Sudzucker もポーランドの砂糖産業に投資(イギリスの Tate& Lyle 社がポーランドに所有していた Garbow 砂糖工場の買収が含まれる)している。これによって、Sudzucker は、ポーランドの市場占有率を7%まで増加させている。他の主な外国資本は、かつてポーランドの砂糖産業唯一の販売会社であった食品貿易業者 Rolimpex と提携しているデンマークの砂糖グループ Danisco である。

表6 ポーランドの砂糖産業の概要

 工場数
(工場)
原料処理量
(トン)
産糖量
(トン)
稼働日数
(日)
特殊工場
 Lubelsko-Malopolskiej
 Mazowiecko-Kujawskiej
 Poznankso-Pomorskiej
 Slaskiej

14
14
15
16

3,632,146
2,821,587
3,515,923
2,808,840
484,400
376,300
468,900
374,600

74
70
79
71
民間工場142,863,577381,90075
国営工場3350,16846,70069
合  計7615,992,2402,132,80074
注1:原料処理量は、産糖量に7.5という国内の TB:TS 値を乗じ算出
出典:F. O. Licht、Rynek Cukru.

表7 ビート工場と原料処理実績の概要
 工場数原料処理量(トン/日)
小規模工場(1)
中規模工場(2)
大規模工場(3)
40
27
9
1,926
2,991
5,289
合  計76205,012
注1:「小規模」とは、原料処理能力1,100〜1,700トン/日
 2:「小規模」とは、原料処理能力2,000〜2,800トン/日
 3:「小規模」とは、原料処理能力3,400〜6,000トン/日
出典:F. O. Licht、LMC、Rynek Cukru.


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砂糖産業における現在の問題

 ポーランドの砂糖産業は、国内及び海外砂糖価格が安いことに苦しんでいる。安価な国内価格は、砂糖制度が効率的な価格支持を提供できておらず、価格が最低水準を下回っているため、特に懸念されている。ポーランドの砂糖産業界内からは、1994年砂糖法が EU の砂糖制度のすべてを適正に導入することができなかったことがその原因であると批判が出されている。例えば、A割当の数量が多すぎた。現在、政府はこの問題を検討しており、国内消費需要をより正確に反映するように、A割当を2000/01年度から削減した。
 しかし、こうした問題を抱えながらも、ポーランドの砂糖制度は維持されるものと思われる。なぜなら第1に、現在の砂糖制度を維持しようとする強い政治的圧力(農業団体等によるもの)が存在している。また、ポーランド政府は EU への加盟を計画しており、2004/05年度にも実現するものと思われる。政策一致は、EU 加盟への主な要素であり、共通農業政策(CAP:Common Agricultural Policy)によって砂糖生産者に提供されている
支持は、ポーランドの政策によって現在提供されている支持より大きい。したがって、政治的後退はないものと思われる。さらに、ポーランドの砂糖制度は、おおむね自給自足を達成しており、それが現在の砂糖制度が維持されるであろうと考えられるもう1つの理由である。
 最も大きな現在の問題は、国内ビート工場の民営化である。76工場のうち59工場の民営化が喫緊の課題となっている。現在はポーランド内外の会社が、工場群に対する入札を行っている。2000年の末までには、この民営化プロセスが完了するであろうと予測される。
 民営化が完了した後、工場部門の抜本的再編が行われることが予測される。それには、多数の工場閉鎖が含まれることになろう。しかし、このプロセスは、個別の工場レベルではなく、会社レベルでの割当数量に依存している。会社レベルでは、個別砂糖会社は割当を失う恐れを伴わずに、どの工場を維持すべきか決定することができる。したがって、砂糖産業の将来構造を決定するのは、砂糖産業であると言える。

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