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オランダの砂糖産業の概要

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[2001年10月]
 オランダは、EU の中でも5番目の生産量があるものの、積極的にC糖を生産しEU 域外に輸出補助金なしに輸出するフランスやドイツとは基本的に異なった性格を持ちます。EU の制度見直しに伴なう生産割当の減少により、2000/01年度の収穫面積は減少することが予測されています。オランダの製糖工場は、ここ10年余りの間に12工場から5工場に合理化してきましたが、このような状況下、今後もこうした合理化の動きが予測されます。こうした、オランダの砂糖産業について、英国の調査会社 LMC 社からの報告をもとに企画情報部でとりまとめたので紹介します。
 なお、この報告は2001年1月現在のものであり、最新のデータについては巻末資料編をご参照ください。

企画情報部


国内の需給バランス   ビート糖等の生産実績
生産量及び消費量 異性化糖(イソグルコース)の位置付け
砂糖産業の現状
 製糖業について  砂糖の流通  砂糖産業における現在の問題



国内の需給バランス

 99/2000年度におけるオランダの砂糖生産量は、フランス、ドイツ、イタリア及びイギリスに次いで EU で5番目に位置し、92/93〜99/2000年度には、平均100万トン (粗糖換算) の砂糖を生産している (図1)。オランダのA割当とB割当の合計数量 (83万9,728トン (白糖換算)) は、EU の中で6番目に位置し、割当外の砂糖はC糖として輸出補助金を受けること無く EU 域外に輸出されている。
 A割当は、EU 加盟国の消費水準に設定されているが、B割当は、実質加盟前からの生産の歴史を反映した形で設定されている。オランダの総割当数量の中に占めるB割当の水準は26.4%とEU平均の21.7%より高い水準にある。  2000/01年度の生産割当は、EU 全体で約47万8,000トンの割当量の削減を反映して、過去の水準を下回っている (表1参照)。

表1 加盟国別の生産割当 (2000/01年度)
  A割当 (トン) B割当 (トン) 合 計 (トン) A割当に対する
B割当の割合
(%)
オーストリア 305,685 71,350 377,035 23.3
ベルギー/ルクセンブルク 657,903 141,255 799,159 21.5
デンマーク 314,988 92,796 407,784 29.5
フィンランド 130,715 13,071 143,786 10.0
フランス 2,884,787 774,600 3,659,387 26.9
ドイツ 2,530,181 778,526 3,308,706 30.8
ギリシャ 284,092 28,409 312,502 10.0
アイルランド 178,292 17,829 196,122 10.0
イタリア 1,280,546 240,830 1,521,377 18.8
オランダ 664,463 175,264 839,728 26.4
ポルトガル 72,539 6,035 78,574 8.3
スペイン 947,345 39,473 986,818 4.2
スウェーデン 329,512 32,951 362,462 10.0
イギリス 1,018,814 101,881 1,120,695 10.0
EU-15カ国合計 11,599,863 2,514,272 14,114,135 21.7
出典:F.I.R.S.「統計報告書」(Bulletin Statistique) 2000年8月、
「バーテンズ砂糖経済」(Bartens Sugar Economy) 2001年。

図1 オランダの砂糖生産量及び消費量等の推移
砂糖生産量及び消費量等の推移グラフ

 図1に示されているように、消費量は微増傾向で推移しているため、純輸出量は生産量の増減の影響を受ける結果となっている。98/99年度には、多雨及び遅霜が影響し、生産量が対前年比19%減少したことから、純輸出量も減少した。99/2000年度には生産量が回復したことから、純輸出量も回復した (表2)。
 現在、オランダは砂糖の純輸出国となっている。グラフ1においては、純輸出量は、総輸出量−総輸入量として計算されている。しかし、純輸出量は、93/94年度の55万トン強 (粗糖換算) から、99/2000年度には、約15万トンまで急激に減少している。
 表2は、その他の EU 加盟国及び EU 域外の諸国との貿易を含むオランダの貿易データを示している。97/98〜99/2000年度においては、19万〜32万4,000トンの砂糖を輸出しているが、そのほとんどが EU 域内で販売されたものである。オランダの輸入量は、97/98年度には4万7,000トンであったが、98/99年度が生産減であったことから、98/99年度には9万6,000トン、99/2000年度に生産量は回復したものの、98/99年度の減産が影響し、輸入量は11万1,000トンにまで増加した。オランダは不作の際の保険として、C糖を生産している。そのため、過去5年間では、95/96〜97/98年度及び99/00年度にはC糖を生産したが、98/99年度にはC糖の生産は行っていない (次年度への繰越分を含む)。

表2 砂糖の需給バランス
(単位:1,000トン、粗糖換算)
  97/98年度 98/99年度 99/2000年度
生 産 量 1,109 896 1,260
消 費 量 661 706 716
輸入量 合 計 47 96 111
粗 糖 5 8 7
白 糖 42 88 104
輸出量 合 計 324 191 266
粗 糖 1 1 1
白 糖 323 (149) 190 (0) 265 (166)
在庫量の変化 171 95 389
注1. 輸出量白糖の ( ) 書きは、C糖の輸出量である。
99/2000年度にはうち8万トンを次年度に繰り越している。

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ビート糖等の生産実績

 表3は、97/98〜99/2000年度におけるオランダの砂糖生産等のデータを示している。ビートの収穫面積は、97/98年度の11万4,000haから99/2000年度の12万haにまで増大し、同時に、ビート生産量も増加し、99/2000年度には710万トンに達している。しかし、98/99年度には天候不順のため、単収が大幅に低下したことから、ビート生産量は大きく減少した。さらに、同年度はビートの品質も低下したことから、砂糖生産量も大幅に減少した。
 オランダのビート生産総額は、3年間の平均で約3億4,400万USドルであるが、年度によって増減があり、98/99年度には急激に減少したが、99/2000年度には3億7,400万USドルを超えるまで増加した。ユーロ対ドルの為替変動にも関わらず、ビート生産総額が増加したのは、ビート生産量がそれ以上に増加したためである。ビート生産高は、オランダの農業生産総額の平均約3%を占めている。

表3 オランダのビート生産量及び産糖量等の推移
  97/98年 98/99年 99/2000年
収穫面積 (1,000ha) 114 113 120
ビート生産量 (1,000トン) 6,270 5,413 7,128
単 収 (トン/ha) 55.0 47.9 59.4
産糖量 (1,000トン、粗糖換算) 1,020 824 1,118
ビート生産量/産糖量 (TB:TS) 6.1 6.6 6.4
ビート生産総額 (注1) (1,000US$) 328,886 288,852 373,778
農業粗生産額 (1,000US$) 10,822,923 11,371,970 11,881,460
農業粗生産額に占める
ビート生産総額の割合 (%)
3.0 2.5 3.1
注1. ビート生産総額は、毎年のビート生産量に農民が支払われている1トン当たりのビート価格をかけることによって導かれている。

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生産量及び消費量

 オランダで生産されている砂糖は、すべて国内産ビートから生産されている。
 表4は、97/98〜99/2000年度におけるオランダの砂糖消費量と用途別砂糖消費量を示している。オランダの1人当たり消費量は、EU の平均35kgと比較して高い水準にあり、97/98年度の42.1kgから99/2000年度には45.1kgに増加している。
 また、家庭消費量は14.7%で、97/98年度の14.5%からわずかに増加している。飲料向けは、99/2000年度に国内消費量の18.1%を占め、次に16.9%を占める焼き菓子向けが続いている。砂糖菓子と乳製品は、それぞれ13.7%となっている。その他の利用 (食品以外の利用含む) が97/98年度の15.3%から99/2000年度には14.5%まで減少しているため、実需者向けに占める飲料、焼き菓子等の食品向けの相対的なシェアは増加している。

表4 砂糖の用途別消費量
(単位:1,000トン、粗糖換算)
  97/98年度 98/99年度 99/2000年度
家 庭 用 96 14.5% 103 14.6% 105 14.7%
実需者向け  
 飲 料 123 18.6% 129 18.3% 130 18.1%
 焼き菓子 109 16.5% 118 16.7% 121 16.9%
 砂糖菓子 89 13.4% 96 13.5% 98 13.7%
 乳製品 88 13.3% 95 13.5% 98 13.7%
 缶詰及び保存食品 55 8.4% 59 8.4% 60 8.4%
 その他の利用
 (食品以外の利用含む)
101 15.3% 106 15.0% 104 14.5%
小 計 565 85.5% 603 85.4% 611 85.3%
合 計 661   706   716  
1人当たりの砂糖
消費量 (kg/人)
42.1   44.7   45.1  
出典:CEFS、LMC

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異性化糖(イソグルコース)の位置付け

 表5は、オランダの砂糖及び異性化糖の生産量と消費量を示している。異性化糖は、生産割当によって制限されているため、砂糖生産量の0.8%、砂糖消費量の12%を占めるにすぎない。  オランダは、年間9,000トン強 (乾物ベース) を生産、約8万1,000トンを消費しているが、不足分は輸入によって賄われている。生産される製品はすべて42%ものである。  異性化糖は、テイト・アンド・ライル (Tate & Lyle) 社系列のアミラム・グループ (Amylum Group) 傘下のアミラム・ネーデルラントN.B. (Amylum Nederland N.B.) 社の工場 (オランダ唯一) で生産されている。工場は、Koog aan de Zaan に所在し、その年間生産能力は割当水準である9,125トンである (表6参照)。  オランダはまた、チコリーからイヌリン・シロップを生産している (EU にはキクイモから生産される地域もある)。しかし、収益性が低いことから、B割当としての生産はほとんど無く、6万4,000トン (乾物ベース) のA割当もしばしば達成していない (表7参照)。

表5 異性化糖と砂糖の生産量及び消費量 (白糖換算/乾物ベース)
(単位:1,000トン)
  97/98年度 98/99年度 99/2000年度
生産量 砂糖
異性化糖
%異性化糖
1,020
9.1
0.9
824
9.1
1.1
1,159
9.1
0.8
消費量 砂糖
異性化糖
%異性化糖
608
82
13.5
650
81
12.5
659
81
12.3
輸入量 砂糖
異性化糖
%異性化糖
43
72.5
168.6
88
72.1
81.9
102
71.6
70.2
輸出量 砂糖
異性化糖
%異性化糖
324

0.0
191

0.0
266

0.0
出典:CEFS、LMC

表6 イソグルコースの生産割当 (2000/01年度・乾物ベース)
(単位:トン)
  A 割 当 B 割 当 合   計
ベルギー 54,427 14,967 69,394
フィンランド 10,615 1,062 11,677
フランス 15,280 3,977 19,257
ドイツ 27,846 6,558 34,404
ギリシャ 10,144 2,389 12,533
イタリア 15,975 3,762 19,737
オランダ 7,159 1,686 8,845
ポルトガル 7,800 1,837 9,637
スペイン 73,350 7,824 81,174
イギリス 20,854 5,562 26,416
合計 243,450 49,624 293,074
出典:「バーテンズ砂糖経済」(Bartens Sugar Economy) 2000/01年度。

表7 イヌリン・シロップの生産割当 (2000/01年度・乾物ベース)
(単位:トン)
  A 割 当 B 割 当 合   計
ベルギー 169,685 39,961 209,646
フランス 19,366 4,561 23,927
オランダ 63,935 15,058 78,993
合計 252,986 59,580 312,566
出典:「バーテンズ砂糖経済」(Bartens Sugar Economy) 2000/01年度

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砂糖産業の現状


製糖業について
 表8は、オランダの98/99年度におけるビート糖会社及び工場の生産実績等を示している。1970年代初頭には、オランダには、Cosun 社と CSM 社が持つ12工場が存在した。1950年代初頭に締結された割当協定に従って、生産量はこれら2社の間で分割され、それ以降、この2社でオランダの全ての砂糖を生産している。
 オランダの砂糖産業はかつて12工場あったが、5工場に合理化された。図2は、87/88〜99/2000年度の工場数と平均規模の変化を示している。95/96年度に Roosendaal に所在する Cosun 社の Suiker Unie U. A. 工場 (能力6,500トン/日) が閉鎖された。しかし、他の5工場の平均能力が減少しなかったことから、平均規模は増大した。
 オランダの99/2000年度のビート工場は、1万〜1万6,000トン/日の加工能力を有し、平均は14,100トン (日本は最大裁断能力8,619トン/日) である。Vierverlaten 工場と Groningen 工場はオランダ北部に、Puttershoek 工場、Dinteloord 工場及び Breda 工場は南部に所在する。
 98/99年度の平均操業日数は88日であり、EU の平均87日と同程度である。

表8 ビート製糖会社の現状 (98/99年度)
会 社 名 Cosun
(Koninklijke Cooperatie Cosun U.A.)
CSM Suikerfabriek
工 場 数 3 2
工場所在地 Oud Gastel (Dinteloord) Breda
Groningen Vierveriaten
Puttershoek  
砂糖製造期間 9〜12月 9〜12月
操業日数 (年間日数) 88
産糖量 (1,000トン、粗糖換算) 895.688
ビート生産量/産糖量 (TB:TS) 6.04
平均ショ糖含有率 (%) 15.6

図2 平均工場規模と工場数の推移 (87/88〜99/2000年度)
平均工場規模と工場数の推移グラフ

砂糖の流通
  EU と同様に、オランダは家庭用及び実需者向けにクリスタル糖、液糖等を生産している。オランダの砂糖生産者は、砂糖を直接ユーザーに配送しているが、小規模ユーザーと小売用のほとんどは、民間の仲介業者を経由して販売している。

砂糖産業における現在の問題
 EU の生産割当制度は、オランダと EU の砂糖生産を制限している。さらに、輸出補助金を受けた生産量は、将来確実に減少し、国内の生産割当は削減され、長期的には支持価格が低く設定されることが予測される。
 砂糖制度は、さらに、世界の最貧国48カ国の非関税アクセス (武器以外の全て) の提案によって脅かされている。(米やバナナとともに) 砂糖は、8年間の移行期間の後で、非関税アクセスが保証されることになる。これは、砂糖輸入の急激な増加を招き、国内生産は大幅に減少することが予測される。
 砂糖産業はこれに対処するため、主に東ヨーロッパへの進出を目指し、食品以外の部門に拡張する計画を持っている。現に Cosun 社は1997年に、Ormoz (スロヴェニア) の工場の株式を取得している。
 また、EU 域内の事業能力を向上させることに努めている。例えば、CSM 社のスカンジナビアの子会社である Malaco Leaf 社は、2001年半ばに Malmo 工場を閉鎖して、生産を Galve 工場及び Slagelse 工場 (デンマーク) に移転する予定である。

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