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フィジーの砂糖産業の概要

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[2002年4月]
 フィジーにおいては、全農地の50%近くがさとうきび畑となっており、労働者の約5分の1が砂糖産業に従事している等、砂糖産業は重要な位置を占めています。砂糖と糖みつを合わせた総輸出額は、フィジーの総輸出額の約40%、GDP の約11%を占めており、フィジー経済において重要な外貨獲得源となっています。また、2001年1〜11月の日本におけるフィジーからの粗糖の輸入量は、オーストラリア、タイ、南アフリカについで第4位となっており、日本にとって重要な輸入先国となっています。
 こうしたフィジーの砂糖産業について、英国の調査会社 LMC 社からの報告をもとに企画情報部でとりまとめたので紹介します。なお、この報告は2001年10月現在のものであり、最新のデータについては巻末資料編をご参照下さい。

企画情報部


国内の需給バランス   砂糖制度の概要
さとうきび生産者と製糖工場との関係
製糖工場   現在の問題点



国内の需給バランス

 さとうきびは、ビチレブ島とバヌアレブ島で生産されているが、かんがい等の整備が進んでいないことから、生産量は気象条件によって大きく左右される。そのため、単収は1990年代を通して大きく変動しており、特に98/99年度には干ばつのために平年水準を約35%下回った。産糖量、輸出量もさとうきびの生産量の変動に伴い、不安定である。
 さとうきび農家は約2万2,000戸であり、作付面積25ha程度の規模が中心となっている。その多くがインド人で、土着のフィジー人から土地を借りて農業を行っている。
 また、フィジーは国内消費用に2,500トン程度の白糖を輸入している。但し、98/99年度は、干ばつにより産糖量が落ち込んだため、白糖の輸入量が4万1,000トンにまで上昇した。
 砂糖の輸出は、フィジーにとって主要な収入源であり、96/97〜2000/01年度の平均では、国内産糖量の90%以上に当たる約34万トンを粗糖で輸出している。また、国内産糖量の80%以上が、EU と米国に向けて特恵価格で輸出されている。EU への輸出は、ロメ協定の砂糖議定書による17万9,733トンの粗糖割当 (砂糖議定書により EU に輸出する他の国が供給不足になった場合には、再割当される) と年により変動する特恵輸出枠 (99/2000年度、3万8,000トン) に基づいて行われる。米国に対しては、約2万トンの粗糖輸出割当を持っている。EU、米国以外には、世界市場で主に日本、韓国、マレーシア等のアジア諸国に輸出される。
 消費量は、産糖量に比べ安定して推移しており、96/97〜2000/01年度にほぼ横ばいで推移した。96/97〜2000/01年度の平均は、4万4,000トンが国内消費用として生産され、うち約1万トンはフィジーの小さな島々で消費され、残り3万4,000トンが2つの大きな島 (ビチレブ島、バヌアレブ島) で消費される。1人当たり消費量は、約55.1kgで、他のオセアニア諸国とほぼ同程度である。国内消費量のうち93.7%を家庭内消費が占めており、残りが実需者向けになっている。

図1 フィジーの砂糖生産量及び消費量の推移
フィジーの砂糖生産量及び消費量の推移

表1 砂糖の需給バランス
(単位:1,000トン、粗糖換算)
  96/97 97/98 98/99 99/2000 2000/01
産糖量 472 363 266 392 356
消費量 47 51 42 37 44
輸入量 合 計 2 3 41 2 4
粗 糖 0 0 0 0 1
白 糖 2 3 41 2 3
輸出量 合 計 449 328 274 342 310
粗 糖 449 328 274 342 310
白 糖 0 0 0 0 0
在庫量の変化 −22 −13 − 9 +15 + 6

表2 フィジーのさとうきび生産量及び産糖量の推移
  96/97 97/98 98/99 99/2000 2000/01 平 均
収穫面積 (1,000ha) 74 73 57 65 74 69
さとうきび生産量 (1,000トン) 4,379 3,280 2,098 3,958 3,800 3,503
単 収 (トン/ha) 59 45 37 61 51 51
産糖量 (1,000トン、粗糖換算) 472 363 266 392 356 370
さとうきび生産量/産糖量 9.3 9.0 7.9 10.1 10.7 9.5
さとうきび生産総額 (1,000US$) 139,868 113,742 86,368 100,475 n. a. 110,113
農業粗生産額 (1,000US$) 401,081 360,348 272,661 n. a. n. a. 344,697
農業粗生産額に占める
さとうきび生産総額の割合 (%)
34.9 31.6 31.7 n. a. n. a. 32.7
注1) さとうきび生産総額は、さとうきび生産量に農家が受け取る1トン当たりのさとうきび価格を乗じることにより算出される。

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砂糖制度の概要

 国内産糖量の90%以上が輸出されるため、国内価格への支持は他の国ほど重要ではないが、価格の引き上げは閣議承認事項となっている。また、他の国からフィジーへの砂糖の輸出が、世界市場以上の利益を生まないように輸入関税を設定している。WTO 規約では、米等の特殊品目を除く全農産物に対して40%の一般譲許関税率が定められており、砂糖の関税率は GATT に違約することなく40%にまで引き上げられる。現行の砂糖輸入関税率は27%であり、数量制限や関税割当、輸出補助金は存在しない。
 また、砂糖の輸出には、3%の砂糖輸出税が政府によって課されているが、税率が低いため砂糖の生産や輸出を阻んではいない。
 政府は、1973年4月1日にフィジー砂糖公社 (FSC) を設立し、その資本の68%を所有している。FSC は、フィジーで唯一の製糖会社であり、2つの島の4工場を管理し、国内販売を担当している。
 フィジー砂糖販売会社 (FSMC) は、1976年に設立されたが、FSC、さとうきび農家、政府の代表者で構成される非営利団体である。FSMC は輸出を担当しており、砂糖、糖みつの売買契約、船積、販売を独占的に担当し、砂糖販売から0.33%の手数料を徴収する。利益を得た場合には、全て砂糖産業に還付される。

表3 さとうきびと砂糖の価格 (96/97〜99/2000年度平均)
(単位:US$/トン)
  さとうきび 白 糖 粗 糖
さとうきび価格 33
卸売価格
 国内販売
 特恵輸出
 自由市場輸出







232
433
172
小売価格
 国内販売


352


表4 現在の貿易政策に関する情報
  粗  糖 白  糖
現在の関税率 27% 27%
GATT の義務  
関 税
 基本関税 (US$)
 最終関税率 (US$)

n. a.
40%

n. a.
40%
ミニマム・アクセス
 (トン、粗糖換算)
 
輸出補助金削減
 数 量 (1,000トン)
 率 (%)




最終期限 2004年

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さとうきび生産者と製糖工場との関係

 フィジーでは、収益分配制度が適用されており、農家は原価控除後、砂糖、糖みつ、その他副産物販売代金から分配分を受け取る。原価には、全販売費、輸出諸費 (運賃、荷役、保険等) 及び砂糖業界を調整しているフィジー砂糖委員会の費用が含まれる。収益の分配は、製糖にかかるコストをほぼ一定として、産糖量が低い場合には FSC の取り分が増加する方式となっている。基本収益配分は農家70%、FSC30%であるが、32万5,000トン超過販売分に対しては農家への配分が72.5%に、35万トン超過販売分に対しては75%に増加する。
 1984年に砂糖産業法で、フィジー砂糖委員会、砂糖産業裁判所、さとうきび農家評議会の3団体が設立された。砂糖委員会は全般的な調整団体であり、さとうきび農家評議会、地主、FSC、政府、組合で構成されている。さとうきび農家評議会は主に農家の利益に関することを扱い、砂糖産業裁判所は農家と FSC 間の紛争を扱う。

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製糖工場

 製糖工場はララワイ工場、ランバサ工場、ラウトカ工場、ペナン工場の4ヵ所でラウトカ工場が最大となっている。工場の平均さとうきび圧搾能力は、1日当たり6,200トンと大規模であり (日本:鹿児島863トン、沖縄1,173トン、2000/01年度現在)、操業日数も年間約127日と日本 (鹿児島94日、沖縄75日、2000/01年度現在) より長くなっている。
 1981年に操業したペナン工場を除くと、工場は90年以上操業しており、老朽化のために効率が悪いことが問題であった。FSC はさとうきび処理能力を拡大するため、工場設備の更新、砂糖搬送の機械化、貯蔵施設の導入を行い、その結果、工場の圧搾能力の合計は、1973年の1日当たり1万4,400トンから1996年には2万5,000トンにまで拡大した。
 基本設備の近代化と効率改善のために大規模な投資が行われた。ラウトカ工場では、さとうきび圧搾能力を高めるためにディフューザーが設置された。ララワイ工場及びランバサ工場では、砂糖の結晶工程を改善するために縦型結晶缶が設置され、ラウトカ工場及びペナン工場でも同設備の設置を計画している。また、ラウトカ工場及びランバサ工場では、ボイラーとターボ発電機が設置され、製糖期には貯糖、搬送、積み込み施設に必要な電力を供給し、さらに FSC からフィジー電力庁に電力を供給できるようになった。
 FSC は製糖工場の砂糖生産管理に加えて、国内販売も管理している。国内では、50kg袋に詰められ、割当を持つ卸売業者を経由して流通する。割当の最少量は月5トンであり、実需者はラウトカにある倉庫から直接砂糖を引き取る。

表5 さとうきび生産者と製糖業者の収益配分
  さとうきび生産者 FSC
325,000トン未満 70.0% 30.0%
325,000トン以上
 350,000トン未満
72.5% 27.5%
350,000トン以上 75.0% 25.0%

表6 製糖工場の現状 (1998年度)
工 場 名 ラウトカ ララワイ ランバサ ペナン 合計/平均
さとうきび圧搾量 (トン) 626,348 405,870 832,735 233,540 2,098,493
産 糖 量 (トン) 84,397 50,132 93,472 27,702 255,703
さとうきび圧搾実績 (トン/日) 8,400 7,000 7,000 2,400 24,800
さとうきび圧搾実績 (トン/日) 5,810 5,086 4,876 1,581 17,353
1日当たり産糖量 (トン) 5,480 4,4000 3,830 1,310 15,020
操業日数 (年間日数) 108 80 171 148 127

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現在の問題点

 フィジーから EU へ輸出される砂糖の価格と販路は、ロメ協定の砂糖議定書で2006年までは保証されている。しかし、長期的に砂糖産業が繁栄するためには、EU への輸出に関する障害を克服しなければならない。WTO 協定では、EU は数年間に砂糖価格を引き下げなければならず、EU 砂糖制度改定のための論議も2003年に開始される。また、EU が 「武器以外の関税の全面撤廃 (EBA)」 を導入すると、2009年6月以降、後発開発途上国から EU への砂糖の輸出は関税0%になる。その結果、ACP (アフリカ、カリブ海、太平洋諸国) 特恵割当は削減され、フィジーの割当も減少するとみられる。
 国内では、借地問題が浮上している。フィジーのさとうきび農家はインド人が多く、土着のフィジー人から土地を借りているが、土地の契約更新期を迎えて借地権の放棄を求められている。そのため、農家は土地への投資を減らしており、さとうきびの品質及び砂糖回収率が低下する要因の1つとなっている。
 フィジーの砂糖産業は、TC:TS比率 (1トンの砂糖を生産するためにどれだけの原料が必要かを示す値) を2010年までに7.7に引き下げることを目標として、品質取引制度の導入及びさとうきび運搬のための鉄道網の近代化を計っている。この目標が達せられると、さとうきび生産量は400万トン前後が想定され、約52万トンの砂糖が生産されることになる。

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