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マレーシアの砂糖産業の概要

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[2002年5月]
 マレーシアにおける砂糖消費量は、1990年代に大きく増加し、年間110万トンを超えています。しかし、砂糖産業の規模は小さく、年間約11万トンの砂糖を生産するにすぎず、需要を満たすために粗糖での輸入が急増しています。
 こうしたマレーシアの砂糖産業について、英国の調査会社LMC社からの報告をもとに企画情報部でとりまとめたので紹介します。なお、この報告は2002年2月現在のものであり、最新のデータについては巻末資料編をご参照下さい。

企画情報部


国内の需給バランス   砂糖の消費量
その他の甘味料
砂糖制度の概要   砂糖産業の現状



国内の需給バランス

 マレーシアの砂糖産業の規模は、さとうきびの栽培に適した気候の地域が少ないこと、他の作物との競合、農地の転用等により小さくなっている。特に、パーム椰子には高額の補助金が給付され、さとうきび栽培を圧迫している。さとうきびの栽培面積は、過去20年間、約2万haで安定しているのに対し、パーム椰子の栽培面積は60万haから220万haに拡大している。さとうきびの単収は、1980年代に増加したが、1990年代以降は安定して推移し、現在は1ha当たり60トンを超える水準にある。
 さとうきびは、マレー半島の北西部地域のPerlis州とKedah州で大半が生産され、1トンの砂糖を生産するのに必要な原料量は約10トンとなっている(日本における12年産実績:鹿児島県 約8.5トン、沖縄県 約8.3トン)。さとうきび生産量及び産糖量は、それぞれ110万トン及び約11万トン(97/98〜2000/01年度の平均、粗糖換算)となっている。
 国内消費量は、人口及び所得の増加により、1990年代を通じて増加したため、輸入によって需要を満たしている。輸入量は1980年代後半の76万トンから、2000/01年度には約130万トンにまで増加している。粗糖は、主にオーストラリアから輸入しているが、少量は長期契約によりフィジーから輸入している。精糖能力には余力があるため、輸入された粗糖の一部は精製後、ASEAN諸国に再輸出されている。

図1 マレーシアの砂糖生産量及び消費量の推移
マレーシアの砂糖生産量及び消費量の推移

表1 砂糖の需給バランス
(単位:1,000トン、粗糖換算)
  96/97 97/98 98/99 99/2000 2000/01
生産量 108 102 105 108 112
消費量 1,044 1,069 1,101 1,121 1,125
輸入量 合 計 1,116 1,010 1,260 1,239 1,300
粗 糖 1,116 1,010 1,260 1,239 1,300
白 糖 0 0 0 0 0
輸出量 合 計 108 144 214 280 282
粗 糖 0 0 8 0 0
白 糖 108 144 206 280 282
在庫量の変化 72 −101 50 −54 5

表2 マレーシアのさとうきび生産量及び産糖量等の推移
  97/98 98/99 99/2000 2000/01 平 均
収穫面積 (1,000ha) 16 19 17 18 18
さとうきび生産量 (1,000トン) 1,000 1,110 1,080 1,110 1,075
単 収 (トン/ha) 63 58 64 62 62
産糖量 (1,000トン、粗糖換算) 102 105 108 112 107
さとうきび生産量/産糖量 (TC:TS) 9.8 10.5 10.0 9.9 10.0
農業粗生産額 (1,000US$) 1,902,929 1,157,268 1,077,815 717,103 1,213,779

表3 砂糖の用途別消費量
(単位:1,000トン、粗糖換算)
  98/99年度 99/2000 2000/01
家 庭 用 752 68.2% 758 67.6% 769 66.8%
実需者向け
 飲 料
 焼き菓子
 砂糖菓子
 乳製品
 缶詰及び保存食品
 その他の利用
 (食品以外の利用含む)

48
51
32
150
17
51

4.4%
4.7%
3.0%
13.6%
1.5%
4.6%

50
53
34
157
17
52

4.5%
4.8%
3.0%
14.0%
1.5%
4.6%

53
56
36
168
18
52

4.7%
5.0%
3.2%
14.9%
1.6%
4.5%
小 計 349 31.7% 363 32.4% 383 33.2%
合 計 1,101   1,121   1,152  
1人当たり消費量 (kg/人) 48.8   48.4   48.4  

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砂糖の消費量

 国内で消費される砂糖は、すべて精製糖であり、3分の2を家庭内消費が占めているが、経済が好調であることから、アイスクリーム、チョコレート、加糖練乳、清涼飲料等の食品加工業が急速に拡大している。
 年間1人当たりの砂糖消費量は、約50kgであり、東南アジア地域においては最高レベルとなっている。しかし、この消費量の中には、砂糖が加工食品として、あるいはそのままで、インドネシアなどに向けて密輸されているものが含まれていると予測される。

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その他の甘味料

 異性化糖メーカーは、ペナンにあるJamanis Sdn Bhd1社のみであり、タピオカ及びとうもろこしから42%ものの異性化糖を製造している。異性化糖の生産量及び消費量は、約5万トン(砂糖換算)で安定している。
 低カロリー甘味料は、マレーシアの市場にも進出しているが、同国の衛生当局はこれらの砂糖代替甘味料の使用を厳しく制限している。低カロリー甘味料の製造、販売及び使用には、認可が必要であり、製造、販売は詳細に記録しなければならない。低カロリー甘味料の使用は、低カロリー飲料あるいは食品に限られており、低カロリー甘味料の使用をラベルに明示しなければならない。低カロリー飲料の需要は増加傾向にあるが、低カロリー甘味料の使用量は、甘味料市場のごく一部を占めるにすぎない。
 サッカリンの使用量は低カロリー甘味料市場の80%を占めているが、砂糖消費量の3%未満である。

表41 異性化糖の生産量及び消費量の推移
(1,000トン、粗糖換算、固形換算)
  96/97年度 97/98 98/99 99/2000 2000/01
生産量 砂糖
異性化糖
異性化糖の割合 (%)
108
50
31.6
102
43
29.7
105
47
30.9
108
48
30.8
110
50
31.3
消費量 砂糖
異性化糖
異性化糖の割合 (%)
1,044
51
4.7
1,069
48
4.3
1,101
48
4.2
1,121
51
4.4
1,125
53
4.5
輸入量 砂糖
異性化糖
異性化糖の割合 (%)
1,116
1
0
1,010
6
0.6
1,260
2
0.2
1,239
3
0.2
1,300
3
0.2
輸出量 砂糖
異性化糖
異性化糖の割合 (%)
108
0
0
144
0
0
214
0
0
280
0
0
282
0
0

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砂糖制度の概要

生産規制
 政府は、毎年、国内需要量を推定し、国内需要量を満たすために、製糖メーカー及び精製糖メーカーに割当量を設定している。
 また、製糖業者がさとうきび農場を所有し運営しているため、原料に対する正式な支払い制度は存在しない。

国内価格支持
 砂糖の卸売価格及び小売価格は、供給管理法(1974年)に基づき、政府によって管理されている。この法律により、卸売価格は1989年11月以降、1トン当たり1,395マレーシアドル(367USドル)で一定に保たれ、小売価格は現在380USドルとなっている。
 粗糖及び白糖に対する輸入関税は課されていない。しかし、貿易産業省は、輸入量を規制して国内市場を管理している。砂糖の輸入に関しては、多くが長期契約となっているため、政府による管理が容易である。また、オーストラリアからの輸入が多く、総輸入量の40〜60%を占めている。
 また、政府は輸出促進のため、FOB輸出価格の5%相当の輸出補助金を支払っている。

販売規制
 砂糖は、製糖会社及び国内取引業者によって販売されている。しかし、事実上、Kilang Gula Felda PerlisとMalayan Sugar Manufacturing Corporationを所有するKwok Groupが、国内市場を抑えている。

表5 砂糖の価格 (96/97〜2000/01年度平均)
(単位:US$/トン)
  白 糖 粗 糖
卸売価格
 国内販売
 特恵輸出
 自由市場輸出

367




228
小売価格
 国内販売

380


表6 現在の貿易政策に関する情報
  粗  糖 白  糖
現在の関税率 0% 0%
GATT の義務  
関 税
 基本関税
 最終関税率

17
15

5
5
ミニマム・アクセス
 (トン、粗糖換算)
適用なし
輸出補助金削減
 数 量 (1,000トン)
 率 (%)

適用なし
適用なし
最終期限 04/05年度

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砂糖産業の現状

砂糖産業の構造
 マレーシアの砂糖産業は、精製糖工場を併設する2つの圧搾工場と、2つの独立系精製糖工場からなっている。独立系精製糖メーカーの規模は大きく、99/2000年度にMalayan Sugar Refineryは57.5万トン、Central Sugar Refinaryは38.5万トンの精製糖を生産している。一方、圧搾工場に併設している精製糖工場の規模は小さく、産糖量は99/2000年度の合計で12万トンであった。

砂糖産業における現在の問題点
 2010年まで計画されている国家農業計画(NAP:National Agricultural Policy Plan)における砂糖の注目度は、パームオイル、果物、野菜類に比べてはるかに低い。政府は、報告の中でもさとうきび及び砂糖生産の必要性に触れておらず、砂糖産業の拡大に関心を示していない。
 マレーシアは、国内需要量を満たすために、今後も砂糖を大量に輸入するとみられる。砂糖輸入に関するオーストラリア及びフィジーとの長期契約(LTA)は、今後も継続されると思われる。一方、輸出は、砂糖市場におけるオーストラリアとの競争、精製糖を輸入している近隣諸国の製糖企業からの影響を受けると考えられる。

表7 製糖工場の現状(99/2000年度)
  Kilang Gula Felda Perlis (KGFP) Kilang Gula Padang Terap (KGPT)
工場所在地 タイ国境付近 KGFP南部
所有者 50%政府、50% Kwok Group Besi Mines Malaysia
農場面積 (ha) 12,000 15,000
さとうきび圧搾能力 (トン/日) 4,000 4,500
1日当たり産糖量 (トン) 400 650
産糖量 (トン) 47,000 75,000

表8 独立系精製糖工場の現状(99/2000年度)
  Malaysian Sugar Manufacturing Corp. Central Sugar Refinery
工場所在地 Penang近郊 Selangor
所有者 Malaysian Sugar Manufacturing Corp.
(Kwok Group)
Tradewinds Berhad
産糖量 (トン) 575,000 385,000

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