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第8回国際砂糖機関(ISO)セミナーへの参加について

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[2000年1月]

企画情報部

 昨年11月23、24の両日、国際砂糖協定の事務局である国際砂糖機関(ISO)本部のあるロンドンにおいて、「世界の砂糖類市場におけるアジア地域の今後の役割」と題された表記セミナーが開催された。このセミナーは、これまでも世界各国の砂糖政策等について順次紹介する機会を提供してきたものであり、今回は、世界最大の砂糖の成長市場であり、また、砂糖生産分野において世界最大の雇用力を有しているとみられているアジア地域を対象に行われた。
 参加者は、EU諸国、米国、豪州、南アフリカ、キューバ等国際砂糖協定加盟41カ国にISO関係者を加えた200名余であり、豪州を含むアジア12カ国の砂糖産業及び砂糖政策の概況が発表された。わが国からは砂糖類課小山課長が出席し講演したので、会合の概要を紹介する。

1.議長挨拶の後、セミナー冒頭の基調講演として、英国のコンサルティング会社であるLMCインターナショナル社ジェームス・フライ博士によるアジア地域の概観が行われ、(1)1978年から今日までの約四半世紀における世界の砂糖消費の拡大に55%寄与したこと、(2)これを通じて、世界の砂糖生産におけるアジア地域のシェアはかつての5分の1から3分の1に拡大し、消費においては4分の1からほとんど40%に達する地位を獲得したこと、(3)各国の消費量は、GDPの伸びに比例するが、日本と中国が例外であること等を指摘した上で各国の砂糖需給の分析が述べられた。(図1及び2)

図1 豪州及びアジアにおける砂糖生産量の推移

豪州及びアジアにおける砂糖生産量の推移
<
図2 世界の砂糖生産量及び消費量におけるアジアのシェア

世界の砂糖生産量及び消費量におけるアジアのシェア

2.続いて、豪州を含むアジア各国の状況について、各国の政府や関係機関代表等による紹介が行われた。
 小山課長の発表は、「日本の砂糖事情とその課題」と題して2番目に行われ、わが国における砂糖消費の動向について説明された後、(1)わが国地域経済にとって北海道のビート生産、鹿児島県、沖縄県におけるさとうきび生産が重要であり、その生産を維持することが政策的に必要であること、(2)国内砂糖産業保護の財源の一部として輸入糖に調整金が課せられているため、国内砂糖価格が国際価格に比較して割高となり、それが砂糖消費の減少をもたらす等の影響をもたらしていること等が紹介された。
  続いて、(3)このような課題に対処するため、1999年9月、「新たな砂糖、甘味資源作物政策大綱」が策定されており、そのポイントは、第1に、現在卸売で133円/kgとなっている砂糖価格を20〜30円/kg引き下げること、第2に、精製糖、ビート及びさとうきび生産、製糖分野各々のコスト引き下げ等を通じて国内価格を輸入価格に接近させ、砂糖消費の拡大と国内砂糖産業の振興を図ることにあること、(4)この大綱を受けて現行法を改正し、2000年10月から新制度に切り替える予定であること、等が述べられた。(表1)

表1 わが国の砂糖需給バランス
(単位:1,000トン)
砂糖年度
(10月〜9月)
需 要  生 産 輸入糖
 

1975/76

85/86>90/91

95/96

98/99
 

2,877

2,655

2,643

2,435

2,307
    

449

870

865

842

860
ビート糖

224

574

644

650

679
甘しゃ糖

225

296

221

192

181
 

2,351

1,779

1,693

1,606

1,440

3.この他、インドネシア、インド、ベトナム、パキスタン、韓国、マレーシア、豪州、イラン、中国、フィリピン、タイから発表が行われた。

ア.豪州からは、(1)1991年産以降、最大の生産州であるクイーンズランド州においてさとうきび作付面積が毎年2.5%以上拡大され、単収の向上も加わって、1989年以降砂糖生産は50%拡大しており、さらに増産傾向が続いていること、(2)このため、現在国内砂糖生産量の85%を占めている輸出量のシェアは、90%に上昇すると期待されていること、(3)アジア市場において豪州産砂糖がブラジル産砂糖の影響を受けていることから、それに対応した品質向上等のマーケティング努力が求められていること、等が紹介された。

イ.中国からは、(1)経済開放の進行に伴って農家による自主的な作物選択が進んだこと等から栽培面積が一時減少し、1995年には生産量が531万トンにまで低下したが、中央政府による政策調整と地方政府による奨励策の結果、今日では882万トンにまで回復していること、(2)現在、中国の砂糖産業は製糖工場396、研究機関25、専門学校15、ピート種子生産会社4等を備えていること、(3)砂糖不足を補うためのサッカリンについては、1992年に一度生産と消費の規制が試みられたが、その後も増産傾向となっており、1998年には生産量29,000トン、国内消費量13,000トン(砂糖450万トンに相当)となっていること、(4)今日、サッカリン生産は製造量枠と国内向け出荷量枠によって規制されており、1999年においては各24,000トン、8,000トンとなっていること、(5)1人当たり砂糖消費量が6.5kgにすぎない中国は、膨大な砂糖消費ポテンシャルを有しており、サッカリン規制が働いただけで、150〜200万トンの追加需要が生じること、(6)国内生産は一種の飽和状態に達しており、統合再編等による製糖企業の合理化、甘味資源作物生産の効率化等が必要で、WTO加盟はそれを加速する要素となること、等が説明された。

ウ.タイからは、(1)2〜3年前までは加糖調製品の輸出業者は砂糖含有量に応じたリベートを与えられていたが、1997年後半のバーツ低落等から廃止されたこと、(2)キャッサバから製造される甘味料は年間35,000トン程度であり、当面、大きな影響を与えるとは見られないこと、(3)最近、糖度が高く、色付きが少ないブラジル産砂糖が西半球に溢れて豪州産砂糖を圧迫しており、これに対応して豪州がアフリカ東部に輸出するようになったため、タイは影響を受けていること、(4)1982/83年度から1998/99年度にかけて搾汁能力は220%以上に拡大し、日量55万トン、総搾汁能力として8,400万トン(120日稼働として)水準に達したが、過去最高のさとうきび収穫量は5,760万トンにすぎず、恒常的な低稼働状態となっていること、等が述べられたほか、金融危機に対応した国内対策が説明された。

4.2日間のレセプション等を通じて感じられた今次会合の印象は、次のようなものであった。
(1) 今までアジア各国から政策についての説明が少なかったこともあり、アジアの砂糖政策について関心が極めて高かったこと、
(2) その中でも、日本、中国については、政府関係者が出席したこともあり、関心が高く、この2国に質問も集中したこと、
(3) セミナー期間を通じて、EU各国の人たちとも面識を持ったことは、今後の砂糖行政を進めていく上でも有意義なこと。
 今後とも、日本の砂糖事情なり砂糖政策を世界各国の人々に対して主張していくことは極めて重要であるので、このようなセミナーの機会等を積極的に活用していきたいと考えている。






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