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主要国の砂糖政策について

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート
[1999年3月]


企画情報部


1.主要国における砂糖政策の概況
 ●EU  ●米国  ●オーストラリア  ●タイ
2.最近における政策面での変化
 ●EU  ●米国  ●オーストラリア  ●タイ
3.今後に向けた動き
|表 主要国の砂糖関連政策|


1.主要国における砂糖政策の概況

 砂糖産業は、今日、世界全体で1億3,000万トンを生産し、3,600万トンを輸出し、3,200万トンを輸入して1億2,300万トンを消費しており(いずれもLMCによる1998/99年度見込み値)、輸入額は135億ドルに上っている(FAOによる1996年値)。  貿易面から見た主要な国・地域としては、欧州15ヵ国からなる欧州連合(EU)、ロシア、キューバ、米国、ブラジル、オーストラリア、タイ等が挙げられ、なかでもEUは、消費量で世界全体の12%、輸出量で同15%を占める主要な地域となっている。
 別表は、そのうちEU、米国、オーストラリア、タイにおける砂糖に関する政策を、要点のみ取りまとめたものであり、貿易上の性格を見れば、EUはフランス、ドイツ等の輸出国とイギリス等の輸入国が混在したネットとしては輸出地域、米国は輸入粗糖を原料とした再輸出はあるがネットとしては輸入国、オーストラリア及びタイはわが国の輸入先として双璧をなす輸出大国で、輸入はいずれもほとんどゼロとなっている。

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EU
 砂糖輸出国と輸入国が混在し、ACP諸国(アフリカ・カリブ海・太平洋諸国)等旧植民地との特別な関係を今日も維持しているEUにおいては、(1)国別生産割当を通じて域内生産量及び輸出量を調整、(2)目標価格、介入価格等の設定を通じた砂糖及びビートの価格を支持するとともに、(3)関税割当により一般輸入を抑制し、ACP諸国等からの輸入を優遇する等、生産から貿易に至る各搬の措置を設けている。また、砂糖の輸出入はライセンス制となっている。
 なお、EUにおいては、特定の原材料(小麦、大麦、白糖、脱脂粉乳等)を含む域外国からの加工品の輸入については、品目別、特定原材料含有率別に独自の国境措置が設けられており、砂糖を原材料として含む一定の加工品の場合、(1)従価税に加え、(2)含まれる砂糖の重量割合に応じて定められている砂糖の関税との合計額が課せられる仕組みとなっている。
 このように、EUにおいては、各種措置がきめ細かく設けられているが、これらの多くは、1958年に設立された欧州経済共同体(EEC。EUの前進)の当初加盟国(6ヵ国)が、現在の共通農業政策の原形である農産物の共通価格政策をまとめ上げた当初から導入された歴史的な政策であり、1968年に共通農業政策が本格実施に移された後も、ガット・ウルグァイ・ラウンド国別約束の一環として国際的に認知され、継続されているものである。
 なお、域内生産は、一部の例外を除いてビート糖である。

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米 国
 単一の国としてはインド、ブラジルに次ぐ砂糖の大消費国であり、国内生産量の約55%がビート糖、45%が甘しゃ糖となっている。現在の政策は、砂糖を担保物件とする商品金融公社(CCC)の短期融資制度(砂糖を担保として一定価格―融資単価―で融資を受け、市況が良い時はその価格で砂糖を請け出して市場で販売して融資を返済。逆に市況が悪い時は、砂糖を質流れさせて返済免除を受ける。最低価格による原料作物の買入れが要件)を通じた砂糖及び原料作物の価格支持を中心に簡素化されているが、国境措置については高率な関税の下 必要量は関税割当を通じて輸入する仕組みとなっている。
 また、農務省の認可を得て関税割当の外枠で粗糖を輸入し、国内で精製後再輸出する場合に支払った関税が払い戻される仕組み(精製糖再輸出プログラム)、キューバ糖の輸入禁止、米国の保護領であるプエルトリコの特別扱い、北米自由貿易協定(NAFTA)等に基づくメキシコ、カナダの特例等の措置がある。

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オーストラリア
 輸出大国であるオーストラリアでは、最近緩和されつつあるとはいえ、これまでのより規制色の強かった法制度の流れを受けて、全体の95%を生産するクイーンズランド州においては、さとうきび作付土地の割当、出荷先工場の指定、同工場へのさとうきび持込み量の割当、粗糖の製糖業者別販売シェア及び粗糖買入価格の設定、同州砂糖事業団による一元輸出が行われる等、 相対的に規制色の強いものとなっている。

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タ イ
 法律で定められた方式により砂糖業界の総販売純益をさとうきび生産業界7対製糖業界3の比率で分配し、その下でさとうきびの価格支持を行ういわゆる分糖法(純益配分のシステム)を基軸に、生産割当、販売価格規制、砂糖の輸入許可を含む国境措置が行われている。

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2.最近における政策面での変化

 別表の政策は、ガット・ウルグァイ・ラウンド(UR)合意に基づく変更等、概ね次のような修正を受けた後のものである。

EU
 UR合意を踏まえて輸入課徴金制度が関税化され、関税割当制度が併用されたことが主要な変化となっている。
 従来の輸入課徴金制度においては、EU域内に輸入される砂糖は、ACP諸国産砂糖等の特恵関税対象品を除き、境界価格(白糖目標価格に域内所定地点までの輸送費を加えた額)との差額が輸入課徴金として徴収されていた。
 しかし、URの例外なき関税化方針を受けて、関税割当制度に移行している。

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米 国
 融資に伴ってCCCに預けられた担保砂糖の質流れを極力防止する(連邦政府の財政負担を極力少なくする)見地から、以前は、輸入数量割当(さらには、1937年農業調整法による必要な場合の輸入制限)を通じた価格維持が図られていた。この点を含め、最近、次のような修正がなされている。
(1)1990年のオーストラリアからの提訴により設置されたガットパネルの裁定を受けて、輸入数量割当は関税割当に移行。
 なお、1996年農業法においては、関税割当量が150万トン以下の場合、担保物件の質流れによる返済免除は行わないとされているが、国内砂糖消費の動向から見て、関税割当量がその水準を下回ることはないとみられている。(1997年の関税割当量は210万トン、割当対象国は41ヵ国)
(2)農業調整法に基づく輸入制限は、UR合意を受けて廃止。
(3)1996年農業法により、砂糖の予測輸入量が125万トン以下の場合は国産砂糖の販売割当(砂糖の供給不足に対応)を行うとの規定及び砂糖政策のコストゼロ運用(独立採算)規定は廃止、課徴金は25%引き上げ。

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オーストラリア
 1989年以前、政府による作付け規制と砂糖ボードによる一元管理等が実施されていたが、その後次のように変更されている。
(1)砂糖の輸入禁止措置は1989年に関税化され、1997年に関税率も撤廃。
(2)州政府による作付面積の管理については、生産者ごとの作付け上限面積を拡大する方向で規制緩和。
(3)砂糖ボードによる一元管理方式は、1989年以降、ニューサウスウェールズ州が適用地域から除外され、クイーンズランド州(国内総生産量の約95%を生産)のみに適用。
 これに伴い、オーストラリア砂糖ボードはクイーンズランド砂糖事業団(QSC)に改編。

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タ イ
 1995年まで砂糖の輸入は禁止されていたが、その後さとうきび・砂糖ボードの許可があれば輸入できるように変更された。(これまでのところ、輸入の実績はないとされている。)

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3.今後に向けた動き

 現在、EUにおいては、1997年の「アジェンダ2000」(及びそれを具体化した1998年の「アジェンダ2000委員会提案」)を受け、中東欧諸国の加盟、財政問題等を背景とした共通農業政策(CAP)の改正案が議論されているが、そこでは砂糖政策に言及がなく、いわば協議の対象外となっている。
 米国についても、これまでのところ、特段の動きは見られていないようである。
 純輸出国として、ケアンズグループの一員でもあるオーストラリアにおいては、砂糖産業審査委員会の勧告を受けて、生産者別作付面積の上限規制をより緩和する方向での検討が進められていると伝えられる。
 なお、国際砂糖協定(ISA)については、今日、砂糖に関する情報の交換及び研究が中心となっており、経済条項は含まれていない。

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表 主要国の砂糖関連政策
  欧州連合(EU) 米  国
国・地域の特徴と
生産量等
(LMC、98/99年、
万トン)
フランス、ドイツ等の輸出国とイギリス等の輸入国が混在。一部の例外を除いて全量ビート糖。
生産量1,795(フランス476、ドイツ443)、消費量1,491(ドイツ302、イギリス225、フランス215)、輸出量517(フランス306、ドイツ163、ベルギー・ルクセンブルク124)、輸入量193(イギリス138、ベルギー・ルクセンブルク78)
国としてはインド、ブラジルに次ぐ大消費国。国内生産量の55%がビート糖、45%が甘しゃ糖。再輸出は最近減少傾向。
生産量724、消費量896、輸出量14、輸入量182
政策名、根拠法、
関係機関等
ローマ条約、共通農業政策(CAP) 1934年砂糖法、1996年農業法
商品金融公社(CCC)
主要政策手段
[1]需給調整
ア.生産割当(A割当は域内消費用、B割当は輸出用。超過分はC砂糖と呼ばれ、価格支持対象外、域内販売不可)
(1)ビート糖
A割当11,983千トン、B割当2,610千トン
(2)異性化糖
A割当252千トン、B割当51千トン
(3)イヌリン・シロップ
A割当262千トン、B割当62千トン
いずれも製糖業者に割当され、ビート糖割当については、各業者がそれをビート生産者に配分する。

イ.市場介入(白糖目標価格・介入価格)
下欄の介入価格を下回った場合、無制限に買い上げることが建前。しかし、実際は補助金付き輸出で処理するため、介入はほとんど実施されない。市場介入を受けるには、基本価格によるビートの買い上げが要件となる。

ウ.在庫構築
域内の砂糖不足に備えるため、ビート製糖業者に対して、割当枠内で生産されたビート糖の3%を在庫として保持するよう義務付け。
な し
(90年農業法下においては、予測輸入量が125万トン以下の場合、国内生産砂糖の販売割当が実施されていた。)
[2]価格支持 (1)ビート糖目標価格・介入価格
白糖介入価格(目標価格の95%)
631.9ユーロ/トン(英国等に割増しあり)
(基本価格でのビート買上が介入支援の要件)
(2)ビート基本価格・最低価格
ビート基本価格は、白糖介入価格に加工マージン、製糖歩留り、糖蜜販売収入、ビート配送コストを考慮して算出。
最低価格は、基本価格から生産者賦課金を差し引いた額。
A割当に対応するAビートが基本価格の98%、同Bビートが同98%〜60.5%(生産者賦課金の多寡により変動)。同Cビートは価格支持なし。
商品金融公社(CCC)の短期融資・・・対象は砂糖(製糖業者)で、原料作物生産者は対象業者を通じて間接的に支持される仕組み。(さとうきび及びビートの最低価格遵守が要件)関税割当150万トン超の場合のみ質流れ可能。96年度フロリダ産さとうきび最低価格25.8$/トン
[3]賦課金または
課徴金
ビート糖生産者賦課金(製糖業者は60%を限度としてビート生産者に転嫁可)、在庫賦課金(在庫コスト補助金の財源) 販売課徴金は、甘しゃ糖で、CCCローンレートの1.375%(5.46$/トン)、精製ビート糖で同1.47%(5.84$/トン)
[4]国境措置 ア.砂糖の輸出入は許認可制

イ.輸入関税
WTO約束は粗糖524→419ユーロ/トン(現行実行税率は472ユーロ/トン)、白糖424→339ユーロ/トン(現行実行税率は382ユーロ/トン)。
砂糖を含む一定の加工品については、従価税に加え、その砂糖含有率に応じて定められている砂糖含有量に対する砂糖の関税が付加される仕組み。

ウ.ミニアムアクセス 1,418千トン

エ.特恵輸入
(1)ACP諸国産砂糖は年間130万トン余を国別割当し、無税。輸入価格を保証。追加輸入は、特別特恵輸入として扱う。
(2)インド産砂糖(無税)

オ.海外領土産砂糖の輸入割当(年間3千トン、無税)

カ.輸出賦課金
国際価格が介入価格を越えている場合、砂糖、糖蜜、異性化糖に賦課される。

キ.輸出補助金(B割当砂糖のみ)
250トン以上は毎週入札、同未満は定額補助。
砂糖含有製品は砂糖の含有割合に応じて補助。
ア.輸入関税
WTO約束は粗糖398.5→338.7$/トン(現行実行税率358.7$/トン)、白糖420.5→357.4$/トン(現行実行税率378.5$/トン)

イ.関税割当輸入
97年は210万トン、対象国は41ヵ国(割当内は無税又は名目関税)

ウ.ミニアムアクセス
粗糖1,118千トン、白糖22千トン

エ.輸入上の特例
キューバ産砂糖は輸入禁止、保護領プエルトリコ産砂糖は優遇、北米自由貿易協定(NAFTA)による特例等

オ.精製糖再輸出プログラム
再輸出条件付きで輸入許可された粗糖を精製し、再輸出する場合、支払った関税の99%が払い戻し。この場合の税率は約14$/トン
[5]その他の措置 フランス海外県、スペインの一部で生産される甘しゃ糖の保護措置があり、加盟国の独自支援が認られている。  
注)1.「国・地域の特長」欄の貿易量は、EU全体値は地域貿易を含まず、国別数値は域内貿易分を含む。
  2.EUの価格については、「ECU」を単純に「ユーロ」に置き換えてある。
  3.現行実行税率LMC報告による。
  4.A$はオーストラリアドル、Bはバーツを示す。

表 主要国の砂糖関連政策(つづき)
  オーストラリア タ イ
国・地域の特徴と
生産量等
(LMC、98/99年、
万トン)
国内生産量の8〜9割を輸出するブラジルに次ぐ世界第2位の輸出国。タイと並んでわが国輸入先国の双璧。主産地であるクイーンズランド州の生産シェアは国全体の約95%。
生産量569、消費量102、輸出量460、輸入量0.2
世界第5位の輸出国、国内消費も増加中。

生産量450、消費量170、輸出量256、輸入量0
政策名、根拠法、
関係機関等
砂糖産業法、砂糖産業審査委員会(SIRWO)、
クイーンズランド砂糖事業団(QSC)
さとうきび・砂糖法、さとうきび・砂糖ボード(SSB)及びその下部組織である砂糖委員会(SC)、タイさとうきび・砂糖事業団(TCSC)、砂糖基金(SF)
主要政策手段
[1]需給調整
クイーンズランド州では以下の規制。ニューサウスウェールズ州はフリー。
(1)さとうきび生産用土地及び出荷先工場の指定
(2)出荷先工場へのさとうきび持込み量の割当
(ファームピーク、FP)
(3)砂糖の市場販売シェアの設定
原料糖については、精糖企業別に国内販売、輸出向けのシェアを設定。
(精製糖はフリー)
さとうきび・砂糖法に基づき、砂糖委員会が勧告、政府が決定。販売規制はTCSC。
(1)割当A(国内販売用)
流通・加工業者に毎週割当
販売には許可が必要。
(2)割当B(TCSC向け拠出用)・・・80万トン
TCSCが1/2を自ら輸出し、残1/2は製糖業者に返却。
(3)割当C(輸出用又は国内他用途販売用)製糖業者は上記B枠の返却分と併せ、許可された輸出業者を通じて輸出。
[2]価格支持 クイーンズランド州においては、QSCが原料糖全量の売買操作を通じて砂糖業界とさとうきび生産者サイドに収益を配分。
QSC買上価格
第1プール価格(FP枠内)343.25A$/トン
第2プール価格(FP枠内)323.82A$/トン
減額砂糖(非指定土地で生産)1A$/トン
販売価格規制
国内卸白糖11千B/トン、同精製糖12千B/トン、小売白糖12.5千B/トン、同精製糖13.5千B/トン
さとうきび価格支持
さとうきび・砂糖法で規定された方式により、砂糖委員会が砂糖販売純益を算出し、その30%が製糖業者に、70%が生産者サイドに配分される。
最終決定には時間がかかるため、予想される価格水準の80%以上を目途に設定される暫定価格により前払いされる。
暫定価格600B/トン、715B/トン(97/98)
[3]賦課金または
課徴金
QSC運営財源として製糖業者の粗糖販売に対し賦課金(97/98年度総額145百万A$)  
[4]国境措置 ア.輸入関税
WTO約束は、粗糖、白糖とも140A$/トン→70A$/トン(現行実行税率はゼロ―97年までは55A$/トンー)

イ.クイーンズランド州では、QSCが輸出を一元管理。(QSCの代理機関であるCSR社―最大の甘しゃ糖業者―が業務を代行)
ア.輸入関税
WTO約束(粗糖・白糖とも)
基本税率 104%→94%
(ただし、最終は2004/05年度)
現行実行税率(粗糖・白糖とも)
 ミニマムアクセス内 65%
 その他 100%
 ASEAN加盟国 65%

イ.ミニアムアクセス
13,105→13,760トン
(ただし、最終は2004/05年度)

ウ.輸入許可
砂糖の輸入にはさとうきび・砂糖ボードの許認可が必要。これまでのところ輸入実績なし。
[5]その他の措置   

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