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LMC海外レポートspring-ドイツ

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


海外レポート

― ド イ ツ ―

[砂糖産業に関する全般的な情報]
 1.国内需給バランス  2.ビート及びビート糖の生産実績
 3.生産量及び消費量の内訳  4.異性化糖の位置付け
 5.砂糖産業の現状
[砂糖の流通]
[砂糖産業の現在の問題]


砂糖産業に関する全般的な情報

1.国内需給バランス

 ドイツにおける砂糖の平均年間生産量は、EU内でフランスに次いで2位に位置付けられている。しかし、単収の違いにより実際には、全てのEU加盟国の中で面積として最大なのはドイツである(フランスの約42.5万haに対して、約52万ha)。
 ドイツでは、現在、36ヶ所のビート工場が操業している。平均的原料処理能力は、1日当たり約8,400トンであり、平均の年間ビート糖の生産量は、(原料糖換算で)420万トンである。加えて、(原料糖換算で)約2.2万トンの砂糖が、ドイツ北部のNordzucker's Frellstedt工場において、ビート糖蜜から毎年生産されている。
 1990年にドイツが統一されるまで東ドイツのビート産業は小規模で能力の小さい数多くの工場が存在し、また、西ドイツと比較して単収や歩留りも低かったが統一後は急速に変化した。過去数年間において、西ドイツのビート糖会社(及び旧東ドイツに工場を取得したデンマークの砂糖の生産者であるDanisco)による旧東ドイツへの大きな投資によって、多くの工場が閉鎖された代わりに、大規模な最新設備を備えた工場が2工場建設され、農地の生産性も著しく改善された。

表:ドイツ1 砂糖の需給バランス〔1994/95-1996/97〕
(千トン/粗糖換算)
 1994/951995/961996/97
生 産3,9914,1594,555
消 費2,9672,9763,044
輸 入  粗糖
     白糖
     合計
8
214
222
8
213
221
9
211
220
輸 出  粗糖
     白糖
     合計
29
1,555
1,583
5
1,331
1,336
9
1,485
1,494
在庫変化(337)68237
出典:CEFS、F.O.Licht。

 ドイツのビート栽培面積約52万haのうち、総ビート栽培面積の約28%に当たる14.5万haが、旧東ドイツの各州によって占められている。これらの州においては、ビートは、旧西ドイツに広がっている小規模な家庭農場とは対照的に、大規模な旧来からの集団農場で栽培されている。

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2.ビート及びビート糖の生産実績

 表:ドイツ2は、技術的な実績のデータの概要を示している。ドイツの平均ビート収穫量は、EUの平均に近く、1ha当たり約50トンである。この平均値は、1996/97年までの5年間において1ha当たり平均42トンであった旧東ドイツの収穫量との格差を埋める一方で、旧西ドイツの収穫量は同期間において1ha当たり平均54トンであった。
 ドイツの比較的高いビートの根中糖分及び工場の能力のために、ドイツの砂糖産業は、高い原料処理量/産糖量(TB:TS)比率を達成している。  穀類価格の支持が削減されているにもかかわらず、EUのビート及び砂糖の高い制度価格は維持されている。これは、ビートの生産額がドイツの農業生産総額の中で大きな割合を占めていることを意味している。

表:ドイツ2 ビートの農業生産〔1994/95-1996/97〕

 単 位1994/951995/961996/97
収穫面積千ha506518514
ビート生産高千トン24,29326,14926,064
ビート単収トン/ha/年48.050.550.7
産糖量千トン/粗糖換算3,9914,1594,555
原料処理量/産糖量トン6.16.35.8
A ビート生産額千US$1,334,8541,492,1241,444,575
B 農業生産額千US$24,270,08124,868,73222,571,488
A/B比率5.56.06.4
出典: Wirtschaftliche Vereinigung Zucker 1997/98年、
Deutsche BundesBannk 月次報告書 1997年12月

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3.生産量及び消費量の内訳

 ドイツにおいては、さとうきびからの原料糖の精製は行われておらず、表:ドイツ3が示すとおり、ビート糖の生産量は、ビート糖蜜から生産された約2.2万トン以外の全てを占めている。
 ビート糖蜜からの砂糖生産は、EUにおいては一般に行われておらず、ドイツ、オーストリア及びフィンランドに限られている。これらの3ヶ国の全てにおいて、糖蜜から生産された砂糖の数量は、ビートからの砂糖と比較して僅かである。糖蜜からの砂糖生産が、アメリカ合衆国におけるほどEUにおいては広く実施されていない理由は、糖蜜から生産される砂糖が、EUにおいては、A割当及びB割当を超過する生産量を占めている場合にはC糖に含められ、したがって世界の砂糖価格が適用されるだけであるからである。アメリカ合衆国においては、対照的に糖蜜から生産された砂糖は、国内の市場において販売されている。

表:ドイツ3 砂糖生産の内訳〔1994/95-1996/97〕
(千トン/粗糖換算)
 1994/951995/961996/97
ビート糖3,9684,1364,532
糖みつから232223
輸入粗糖から
合 計3,9914,1594,555
出典:Wirtschaftiche Vereinigung 1997/98年


 表:ドイツ4は、国内の家庭消費量及び実需者による消費量に焦点を当てた1994年〜1996年の期間のドイツにおける砂糖の消費量の内訳を示している。砂糖の家庭消費量は、砂糖の総消費量の僅かに約20%を占めているに過ぎない。

表:ドイツ4 砂糖消費量の内訳〔1994−1996〕
(粗糖換算)
  1994年1995年1996年
千トン千トン千トン
家庭用消費60320.262320.460619.6
加工用消費
 飲 料
 パ ン 類
 菓 子 類
 乳 製 品
 缶詰製品とジャム
 他の用途(食品外含む)
 小 計

736
465
610
181
208
177
2,378

24.7
15.6
20.5
6.1
7.0
6.0
79.8

752
461
624
198
224
175
2,433

24.6
15.1
20.4
6.5
7.3
5.7
79.6

792
456
614
219
233
169
2,484

25.6
14.8
19.9
7.1
7.6
5.5
80.4
合 計2,981100.03,055100.03,090100.0
1人当たりの消費量(kg/1人)36.637.437.8
出典:Wirtschaftliche Vereinigung Zucker 1997/98年


 実需者の中で、最も消費量が大きいのは(砂糖の総消費量の約25%を占める)飲料部門及び(砂糖の総消費量の約20%を占める)菓子部門である。
 長期的なデータを見てみると、1人当たりの砂糖消費量は現在安定しているが、1970年代初頭から半ばまでの1人当たり約41.0kg(原料糖換算)というピークからは減少している。

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4.異性化糖の位置付け

 このレポートの「政策」の節で説明したように、EUにおける異性化糖の生産量は割当制度によって規制されている。ドイツの年間の異性化糖の生産量は、3.6万(固形換算)トンに制限されている。全ての異性化糖割当は、デュッセルドルフに近いKrefeldの工場において、Cerestar Deutschland GmBHによって生産されている。
 表:ドイツ5は、ドイツにおける砂糖と比較した異性化糖の生産量及び消費量の比率を示している。異性化糖の生産量は、砂糖と比較するとごく僅かであることは明らかである。異性化糖の消費量は、カロリー甘味料の総消費量の約3%であり、国内の生産量と消費量との格差は、近隣のEU諸国、特にベルギーからの異性化糖の輸入によって埋められている。
 グラフ:ドイツ1は、1994/95年〜1996/97年の期間におけるドイツの砂糖及び異性化糖の需給バランスを示している。グラフが示すとおり、ドイツの甘味料産業における異性化糖の占める役割は小さい。また、ドイツの砂糖産業によって生み出された輸出可能な大量の余剰砂糖も示されている。

表:ドイツ5 異性化糖・砂糖の生産量及び消費量
〔1994/95-1996/97〕
(千トン、粗糖換算/固形換算)
 1994/951995/961996/97


砂糖3,9914,1594,555
異性化糖363636
%(異/砂)0.90.90.8


砂糖2,9672,9763,044
異性化糖949395
%(異/砂)3.13.03.0

砂糖222221220
異性化糖585859
%(異/砂)20.720.721.1

砂糖1,5831,3361,494
異性化糖
%(異/砂)
出典:Wirtschaftliche Vereinigung Zucker 1997/98年、F.O. Licht


グラフ:ドイツ1 砂糖と異性化糖の平均需給バランス
(1994/95-1996/97)

グラフ/砂糖と異性化糖の平均需給バランス

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5.砂糖産業の現状

(1) ビートの加工産業
 ドイツの砂糖産業は、200年近く前からある。国内初めてのビート糖工場は、旧東ドイツのKunernに1807年に建設された。第二次世界大戦の終了までは、ドイツのビート作物の75%は、1945年にドイツ民主共和国(東ドイツ)となった東部の州であるSilesia、Pommerania及びMagdeBurgにおいて生産されていた。
 これらの地域を失うことによって、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)は、砂糖を含む基本的食糧の深刻な不足に見舞われた。新しい砂糖工場の建設のための資金は、地域レベル及び連邦政府レベルで、並びにアメリカ合衆国によって提供された。砂糖産業に対するこの支持の基本的な条件は、ビート栽培者が工場の共同所有者になることであった。このことが、協同組合によるドイツの砂糖産業の現在の基礎を形成した。
 ドイツの砂糖産業の構造は、1990年の国家の統一以来、急速に変化している。2つの国が統一された時、東ドイツには43ヶ所の工場が存在しており、1日当たりのビートの平均処理能力は1,500トンであった。東ドイツの砂糖産業の民営化によって、これらの工場の所有権は5つの製糖業者(4社はドイツ、1社はデンマーク)へ分配された。ほとんどの場合、急速で抜本的な合理化の期間が続いた。例えば、ZuckerverBund Nordは、旧東ドイツの7ヶ所の工場を買収した。同社は、これらの工場の全てを閉鎖し、Klein WanzleBenに、1日当たり10,000トンのビート処理能力を持つ新しい工場を建設した。同様に、Daniscoは、1991年に東ドイツの8ヶ所の工場を買収し、そのうち7ヶ所を閉鎖し、Anklamの工場能力を1日当たり2,800トンから1日当たり7,500トンに拡大した。
 表:ドイツ6は、1996/97年の各会社の砂糖の総生産量を示すとともに、ドイツの砂糖産業における工場所有の現状を示している。生産量がSudzucker及びNordzuckerという2つの協同組合グループによって支配されていることは明らかである。Sudzuckerは、国内の砂糖工場のうち14ヶ所を経営しており、砂糖産業の年間総生産量の約40%を占めている。一方で、新しく形成された会社であるNordzuckerは、総生産量の約30%を生産している。

表:ドイツ6 ビート糖企業:現在の工場分布及び1996/97年の生産データ

会 社 Sudzucker AG Nordzucker AG Pfeifer & Langen Union−Zucker Sudhannover
工場数14工場11工場5工場1工場
工場所在地 Brottewitz, Delitzsch, Gross-Gerau, LoBau, OBrigheim, Ochsenfurt, Offenau, Plattling, Rain, RegensBurg, WaBern, WarBurg, Zeil, Zeitz Badeckennstedt, Barsinghausen, Hohenhameln, Lehrte, Uelzen, Konigslutter am Elm, Schladen, Schleswig Vechelde, Gustrow Elsdorf, Euskirchen, Kalkar Nordstemmen
製糖期間9月〜12月9月〜12月9月〜12月9月〜12月
稼働日(日/年)81878679
生産量(千トン)1,7301,330690130
原料処理量/産糖量
(トン)
6.36.26.36.2
平均根中糖分(%)18.318.217.918.3
会 社 ZuckerfaBrik Harsum AG ZuckerfaBrik Julich AG Danisco Sugar  
工場数1工場1工場1工場
工場所在地 Harsum Julich Anklam
製糖期間9月〜12月9月〜12月9月〜12月
稼働日(日/年)798788
生産量(千トン)20170140
原料処理量/産糖量
(トン)
6.26.46.4
平均根中糖分(%) 18.317.717.8
注1: ZuckerverBund Nord及びZAG Uelzen-Braunschweigの合併の結果1997年に設立された。
出典: Wirtschaftliche Vereinigung Zucker 1997/98年;CEFS砂糖統計1997年、Sudzucker 年報1996/97年。

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砂糖の流通

 表:ドイツ4が示しているとおり、砂糖の家庭消費量は、砂糖の総消費量の僅かに20%を占めているにすぎない。実際に、実需者向専門に砂糖が生産されている工場もいくつか存在している。実需者に対する納入は、顧客の要望によって50kgの袋、1トンの袋若しくはバラ荷など、さまざまな方法で実施されている。
 国内の貨物輸送部門における競争は、輸送料金を含んだ砂糖を購入するのではなく、砂糖の輸送料金を個別に交渉することにより、いくつかの大手ユーザーの輸送コスト削減を可能にしている。
 ドイツの東部の工場とロシアが近いために、この地域において大量の砂糖の動きがある。輸出用の砂糖は、50kgの袋(ポリエチレン/ポリプロピレン若しくはポリエチレン/ジュート(南京袋))若しくは1トンの袋で積み出されている。
 市場の小売部門においては、(家庭でのジャムの製造に用いられる)保存を目的として使用される砂糖及び紅茶・コーヒーに利用される砂糖の需要については、一般的に工場で500gの小売袋に袋詰めされ、工場は、このような付加価値製品の生産により多様化している。

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砂糖産業の現在の問題

 他のEU各国の砂糖産業と同様に、ドイツの砂糖産業は、WTOの貿易交渉の新たなラウンド及びEUの砂糖制度の定期的な見直しという双方の圧力により、21世紀初頭に支持の削減を受ける可能性がある。このような変化に備えるために、いくつかの製糖業者が持つ戦略は、下流部門の多様化である。例えば、Sudzuckerは、食品加工産業に広範な投資をしており、中央ヨーロッパ及び東ヨーロッパの砂糖の生産及び代替甘味料の生産に関与している。Pfeifer&Langenもまた同様に、甘味料及び加工食品製造部門に広く関与している。
 砂糖産業がより高い生産性を目指すに当たって、現在立ちふさがっている問題は、植物栽培の新しいバイオテクノロジーの推進である。例えば、ビートの生産量に被害を与える可能性のある土壌伝播性ウイルス(rhizomania)の抑制である。この病気は、従来の方法では抑制することが困難であることがわかっているが、遺伝子工学による病気に耐えることができる品種の確立が現在進められている。しかし、遺伝子操作によって生み出される品種は、ドイツにおいては論争の的となっており、環境に関する強力で積極的な議会運動が行われている。最近では、遺伝子工学的に生み出された品種に関与した多数の試験場が抗議をされている。
 ドイツの砂糖市場は、国家統一及び外国企業の参入(デンマークのDanisco)以来、競争が激しくなっている。この競争によって、場合によっては大幅な値引を得ることができるため、エンド・ユーザーに恩恵を与えている。

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