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海外市場の動き[2000年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[2000年2月]

[NY市場の動き]

【NY市場の動き】

 12月の市場は、月前半は、依然としてファンダメンタルズ(基本的需給要因)は弱いものの、ロシアからの引き合いやイラクの買い付けが支援材料となって、現物価格及び期近3月限価格とも概ね6セント台を維持し、引き続き底堅い展開となった。
 しかしながら、月半ばには、ロシアの輸入量が昨年より大幅に下回る見込みであること、タイ及びキューバで増産が見込まれること、さらにブラジルが輸出量を増やしたとのうわさが圧迫材料となって下落し、現物価格及び期近3月限価格とも6セント台を割り込み軟調に推移した。
 月後半になると一転し、ブラジル南部で干ばつの影響により来年度の砂糖生産が落ち込むことが見込まれること、また、アメリカの調査会社が、来年度はアジアを中心とする消費国の景気の回復から、輸入が活発化するとの見通しを示したことが支援材料となり、さらに、ロンドン市場の堅調な地合いを受けて反発し、現物価格は再び6セント台に、期近3月限価格は5セント台後半から6セント台前半に回復したが、全搬的には、依然として余剰の重みが上値を抑える低水準な相場となって推移した。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が6日の6.29セント、最安値が15日の5.76セント、月平均は前月に比べて0.54セント安の6.00セントとなった。また、期近3月限価格は、最高値が6日の6.23セント、最安値が15日の5.74セント、月平均は前月に比べて0.58セント安の5.95セントとなり、現物価格及び期近3月限価格とも前月より下落した。
 今後の市場動向に関して、国際砂糖機関(ISO)のバロン事務局長は、「世界の砂糖余剰量は2000年8月までに、世界の砂糖輸入量の約60%に相当する2,000万トンに達すると見込まれ、供給過剰を背景に砂糖の国際相場はさらに3〜4年は低迷するだろう。そして、供給過剰となっている背景には、世界最大の生産・輸出国であるブラジルが、1999年1月の通貨切り下げ以降、輸出攻勢をかけたことが挙げられるとし、同国は、市場価格が6セントを下回っても利益を出せることから、今後、市場価格が5セントを割り込まない限り生産削減を行わないだろう。」と予測している。
 また、プルデンシャル・セキュリティーズ社のアーサー・スティーブンソン氏は、「砂糖市場は大規模な在庫に圧迫されて弱気になっており、長期的には軟化しそうだ。ただ、短・中期的には踏みとどまって市場を驚かせるかもしれない。」と予測している。
〔輸入農産部〕

ニューヨークNO.11の推移(現物相場・月平均)
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