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海外市場の動き[2000年4月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[2000年4月]

[NY市場の動き]

【NY市場の動き】

 2月の市場は、月前半は、(1) タイは政府が決定したさとうきび生産農家からのさとうきび買入価格を製糖会社が引き下げたことから、農家はさとうきびを製糖工場に搬入しないという行動で抗議しており、(2) タイを除くアジア諸国のほとんどが輸入国であり、それらの国々が散発的ながらも買いを入れる可能性がある、(3) EUは補助金農業の見直しを迫られており、今年のビート作付面積が減少することが考えられる、(4) ブラジルは最近の市場価格低迷と昨年の干ばつの影響によって刈り取り後の新植を控えたことから、さとうきびの収穫が大幅に減少すると見込まれる、(5) F.O.リヒト社が99/2000年度の世界の砂糖生産高見通しを下方修正した等の支援材料を受けて投機筋が活発な買いを入れたことによって、現物価格は、一時、6セント手前まで上昇するなど前月からの軟調な展開から一転し堅調に推移した。
 しかしながら、月半ばから後半にかけては、(1) キューバは生産が好調で、3年振りに400万トンを突破する見込みである、(2) 最重要輸入国であるロシアは、国内生産者を粗糖の過剰輸入から保護するため、350万トンの輸入枠制度の導入を検討している、(3) 99/2000年度の世界の砂糖需給は6年連続余剰が見込まれる、等の弱材料を受けて、業者筋と生産者筋が活発な売りを入れたことによって急落し、特に、期近3月限価格は16日には5セントを割り込む約定最安値を更新するなど、現物価格及び期近3月限価格とも下落基調となり軟調に推移した。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が4日の5.98セント、 最安値が28日の5.17セント、 月平均は前月に比べて0.13セント安の5.51セントとなった。また、期近3月限価格は、最高値が4日の5.79セント、最安値が29日の4.65セント、月平均は前月に比べて0.31セント安の5.25セントとなり、現物価格及び期近3月限価格とも前月に引き続き下落した。
 今後の市場動向に関して、ソロモン・スミス・バーニー社は、タイ、キューバ及び中米などの生産国が出荷シーズンに入ったことに加え、昨年は大量の買い付けで砂糖の国際相場の下支え要因となっていたロシアが、今シーズンはこれまでまとまった買い付けを行っていないことから、市場の砂糖在庫は依然として過剰状態が続いており、今後一段と下落する可能性があると予測している。
 これに反して、F.O.リヒト社は、世界最大の砂糖生産国であるブラジルが2000/01年度は5〜20%減産になることに加え、その他主要生産国の減産が予想されることから、世界全体で約200万トン以上の減産が見込まれる一方で、アジア及び中南米諸国等の景気回復によって需要が増えると予想されることから、若干の価格回復が期待できると予測している。
〔輸入農産部〕