[2003年2月]
[NY市場の動き]
【NY市場の動き】
平成14年のNY市場の値動きは、前半は、世界の砂糖需給が供給過剰となっている情勢を背景に概ね、7セント台で推移していた。後半は、各統計機関が公表した02/03年度の需給見通しが供給過剰傾向であったにもかかわらず、極東における粗糖現物の需給がひっ迫したことや株式市場からの資金の流入等により、10月の粗糖現物価格は14ヶ月ぶりに9セント台を回復するなど堅調な相場展開となった。
この流れを受け、12月の定期市場3月限の価格は、月初めはファンド筋の買い意欲が強く、2日には最高値の7.81セントをつけたが、9日には投機筋の売りやファンド筋の一部手仕舞い売りにより7.23セントまで下落し、また、18日にもイラク問題を嫌気したファンド筋の手仕舞い売り等により7.30セントまで下落したが、最終日の31日には7.51セントで平成14年の取引を終了した。
また、12月の現物価格は、月の前半は概ね9セント台で推移したが、後半は8セント台に下落し、月平均は8.81セントと前月並の水準となった。
(単位:セント/ポンド) |
NY相場 |
現物相場 |
定期相場(当限) |
10月 |
11月 |
12月 |
10月 (3月限) |
11月 (3月限) |
12月 (3月限) |
最低 |
8.46 |
8.17 |
8.27 |
6.49 |
6.75 |
7.25 |
最高 |
9.10 |
9.43 |
9.28 |
7.36 |
7.72 |
7.81 |
平均 |
8.84 |
8.87 |
8.81 |
6.02 |
7.30 |
7.51 |
|
今後の市場動向に関しては、02/03年度のタイでの製糖が12月26日に開始されたが、02/03年度のEU産ビート白糖が増産見込みであることから、タイは白糖の生産を抑え粗糖の生産を増やすと見られており、このため同国の収穫期の最盛期を迎える3月以降は、粗糖現物の需給が供給過剰になるだろうと見られている。
また、米国の商品先物取引委員会(CFTC)が公表した資料によると、平成15年1月7日現在におけるファンド筋や投機筋と見られる商業以外の買い越し玉は依然として79,178枚に及んでおり、期近限月3月限の納会は2月末であることから今後の相場の動向が注目される。
〔農産流通部〕
NY.11の月別及び日別推移