8月下旬に10セントの大台を再び突破したNY市場の砂糖定期相場(10月限)は、9月に入ってからも上昇基調を強めている。1日に10.10セントでスタートした9月の取引は、上旬には10セント台前半でもみ合いが続いたものの、中旬以降再び上昇し19日には10.51セントに達した。さらに、下旬には、業者筋や投機筋からの買い注文が集中したことから、騰勢を強め、28日には11.13セントと約5年ぶりの高値をつけた。その後、やや値を下げ30日には10.95セントで9月の取引を終えた。
このようにNY市場の砂糖定期相場を押し上げている要因としては、原油価格の高騰に伴うエタノール需要の増加により、最大のサトウキビ生産国のブラジルではエタノール製造用にサトウキビを仕向ける割合が増加していることが背景にある。
さらに、イラクなどの中東諸国やパキスタンなどの南アジア諸国からの堅調な需要増加によるタイトな需給を反映したものとされている。
なお、9月の1日当たりの平均推定出来高は、活発な取引を反映し、85,970枚(対前月比65%増)となった。
一方、9月のNY市場の現物相場は、定期相場(10月限)と同様の動きで推移した。1日に11.33セントでスタートした9月の取引は、上旬はやや下げ基調で推移し8日には11.10セントまで値を下げたものの、中旬には11.50セントに値を戻した。さらに、下旬には一層騰勢を強め、27日に12セントを突破し、30日には12.44セントまで値を上げて9月の取引を終了した。
NY砂糖市場の動き