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海外市場の動き[1999年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/海外情報


砂糖類をめぐる海外の動き
[1999年1月]

[NY砂糖市場の動き]

【NY砂糖市場の動き】

 11月 NY砂糖市場は、中南米諸国の砂糖生産国に襲来したハリケーン「ミッチ」によって、洪水や山崩れが起こり、道路が封鎖されるなどの被害が国内の経済基盤に打撃を与えるとともに、さとうきびや製糖工場の破壊等の被害を与え、これらの国からの砂糖輸出の遅れが懸念されたことから、前月からの概ね8¢台前半の水準から一転し、4日には、現物価格が 8.53¢と9月3日の 8.50¢以来の 8.50¢台へ、期近3月限価格も8.05¢と期近中心月限価格としては8月21日の8.19¢以来の8¢台へと反発した。
 さらに、(1) F・O・リヒト社が10日に発表した1998/99年度第1回世界の需給見通しで、世界の砂糖余剰が大幅に減少すると見込んだこと、(2)中南米諸国の砂糖生産国に襲来したハリケーンの影響による道路破壊等、経済基盤の回復が遅れていること、(3) EU 及びオーストラリアが天候不順によって生産高が減少する見通しであること、(4)ウクライナがロシア向けに関税無しで輸出できる輸出枠60万トンのうち、10〜15万トンしか輸出できない見込みとなり、ロシアは、不足分をウクライナ以外の国に求める可能性があること、等が強材料となり、現物価格が、12日に 9.00¢と、8月21日の 9.33¢以来の9¢台へ上昇した。また、期近3月限価格も、11日に 8.38¢と、期近中心月限価格として、それまでの8¢前後の展開から 8.30¢台へと上昇した。
 その後もイラン、フィリピン及び台湾による買付けのうわさ等が下支え要因となって続伸し、現物価格は8¢後半から9¢台前半、期近3月限価格も8¢台と堅調に推移した。しかしながら依然として、低い相場水準となっている。
 今後の市場の動向に関して、トレーダー筋は、「好ましい収穫条件にもかかわらず、物流の問題や作付面積の減少から、ロシアとウクライナの両国では生産量が減る可能性が高い。問題は、両国がどの程度まで生産量及び消費量が減少し、いつ、どれくらいの数量で買いに入ってくるかである。引き続きロシアを始めとする旧ソ連邦が相場傾向の波乱材料となっている。」と、短期的には不透明であると見通している。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が19日の9.07¢、最安値が2日の8.18¢、月平均値は、前月に比べて0.49¢高い 8.73¢であった。また、期近3月限価格は、最高値が17日の 8.49¢、最安値が2日の 7.60¢、月平均値は、前月に比べて 0.55¢高い8.17¢であった。このように現物価格、期近3月限価格とも前月までの軟調な展開から反発し、堅調に推移した。
〔輸入農産部〕