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海外市場の動き[1999年10月]

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最終更新日:2010年3月6日

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砂糖類をめぐる海外の動き
[1999年10月]

[NY市場の動き]

【NY市場の動き】

 8月の市場は、全般的に閑散とした商いが続いたが、(1)ブラジル通貨レアルの切り下げで同国の輸出業者は世界砂糖価格下落の打撃を受けず輸出攻勢を続けている。また、同国ではアルコール需要の低迷によって砂糖向けさとうきびの使用が増えている、(2)E・D&F・マン社、国際砂糖機関(ISO)及びザーニコフ社がそれぞれ世界の在庫量を上方修正した、等の弱材料があったにもかかわらず、(1)タイ国のさとうきび主産地である北東部及び西部地域で害虫により数千のさとうきびが被害を受けている、(2)ロシアは11月30日まで粗糖に45%の高関税を課しているが、3月出荷の契約で砂糖を買い付けているとのうわさ、(3)シリアが粗糖及び白糖合わせて2万6千トンの買い入札を行った、(4)イランが白糖2万8千トンの買い入札を行った、等が支援材料となって買い支え、現物価格及び期近10月限価格とも7月の半ばの安値水準から緩やかな回復を見せ、概ね6.30¢台前後の狭いレンジの中で推移した。
 このような状況の中で、現物価格は、最高値が31日の7.05¢、最安値が12日の6.17¢、月平均は前月に比べて0.27¢高の6.38¢となった。また、期近10月限価格は、最高値が31日の6.82¢、最安根が12日の5.88¢、月平均は前月に比べて0.41¢高の6.13¢となり、現物価格及び期近10月限価格とも前月より僅かに上昇した。
 今後の市場動向に関して、E・D&F・マン社は、砂糖相場は長期的には回復の兆しが見られるものの、中期的には極東地域やロシアの需要低迷などを背景に上値の重い展開が続くとの見方を示した。そして、98/99年度の世界の砂糖供給過剰量は、ブラジルと中国の増産によって700万トン以上に達するが、99/2000年度は東・中欧諸国での減産が予想されるため、2000年には相場が回復し始める公算が大きいと予測している。
 また、アメリカ大手証券会社ソロモン・スミス・バーニー社の熱帯産品アナリストのウォルター・スピカル氏は、砂糖相場を14年振りの安値水準まで押し下げた圧迫要因は緩やかに改善に向かい、99/2000年度の世界の在庫増加幅は前年度のペースを下回るだろうと予想しながらも、世界の生産高の減少見通しにつながるのは天候要因だけだが、今のところ天候によって生産減となる兆しはほとんど見られないと指摘している。
 さらに、アメリカ農務省の砂糖専門家のジョン・ラブ氏は、世界の砂糖相場は引き続き下落基調にあり、過去の例で見ると、弱気市場が強気市場に転換するには3年〜5年かかるため、14年振りの安値水準まで落ち込んでいる市場価格は今年も低迷する公算が大きいと予測している。
〔輸入農産部〕