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EU の農業改革に影響を与えるバイオ燃料の政策と生産状況について(2)〜ドイツ・フランスでの事例〜

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類情報ホームページ


[2008年6月]

農林水産省農林水産政策研究所 国際食料情報分析官(前調査情報部長) 加藤 信夫
調査情報部調査課 平石 康久

8.ドイツのバイオ燃料事情
(1) 再生可能エネルギーの利用状況―燃料消費のうち、6%を占めるバイオ燃料―

(2) バイオ燃料の混合義務と税制支援策

(3) 調査先の製糖工場隣接のエタノール工場について(2007年末から操業)
(4) 調査先のバイオディーゼル工場について
(5) ドイツにおけるバイオガスの利用について(製糖工場での聞き取り)
9.フランスのバイオ燃料事情(農業水産省での聞き取り他)
(1) バイオマス政策―農業問題としてのバイオマス政策―
(2) バイオ燃料に関する政策の概略
(3) バイオ燃料の消費量と利用率―増加するバイオ燃料消費―

(4) バイオ燃料の原料

(5) バイオ燃料の工場の概況(2007年12月調査時点)

(6) バイオ燃料の利用

(7) 混合率の上限問題

(8) 環境への影響
(9) 第ニ世代のバイオ燃料


 
前月号に引き続き今月号は、ドイツおよびフランスのバイオ燃料事情に焦点をあてて報告する。

8.ドイツのバイオ燃料事情

(1) 再生可能エネルギーの利用状況―燃料消費のうち、6%を占めるバイオ燃料―  
  ドイツでの自動車燃料の消費については、ディーゼルの方がガソリンより若干多い。燃料需要のうち、バイオ燃料の割合(カロリーベース)は6.3%、バイオディーゼルの割合は4.6%、バイオエタノールの割合は0.55%となっている(表2)。

表2 バイオ燃料の消費割合(2006年)
資料:Fourth National Report on the implementation of Directive 2003/30/EC of 8 May 2003 on thepromotion of the use of biofuels or other renewablefuels for transport 2006, Germany


  再生可能エネルギー生産量のうち、約7割はバイオマス由来であり(2006年)、バイオエネルギーのうち、65%が熱源、13%が電力利用である。これらの原料としては廃材(約3,300のバイオガスを利用した工場等(主として発電所)がある)が利用されており、残りの21%が燃料として利用されている。
  2000年4月1日から再生可能エネルギー法(Renewable Energy Act)が施行され、 2004年に以下の2つの修正が行われた。その内容は、(1)電力におけるバイオ燃料利用の割合を、2010年までに少なくとも12.5%、2020年までに20%とすること、(2)奨励金(bonus)として、農産物、林産物バイオマス利用の場合、1時間当たりの電力使用量1キロワット当たり6ユーロセント(500キロワットが上限。1ユーロ160円で10円。以下同じ)または4ユーロセント(500キロワットを超え、5メガワットまで。6円)が補助されること、などである。2006年の電力利用における再生可能エネルギーの利用割合は1.8%で、そのうちバイオマスの割合は25%であったが、2010年の12.5%の目標は、すでに2007年6月に達成された。

(2) バイオ燃料の混合義務と税制支援策
 ドイツのバイオ燃料割当法(Biofuel Quota Act)により、バイオ燃料についての最低混合率と税制支援策が定められている。具体的には、バイオエタノールの混合率は、1.2%(2007年)、2.0%(2008年)、2.8%(2009年)と年々増加し、2010年からは3.6%となる。他方、バイオディーゼルについては、4.4%の混合率が適用されている。なお、2009年からはバイオエタノールとディーゼルを合わせた総合混合率も適用され、2009年は6.25%、2015年までは8.00%まで拡大される。
  燃料税の減免措置としては、これまで燃料税が免税されてきた。バイオディーゼルについては、混合率内(クォータ内)のバイオ燃料に対しては、通常の軽油と同じ税率が課せられることになり、これを上回るバイオ燃料部分のみが減税の対象となることとされた。B100については、課税額を段階的に2012年まで引き上げ、2013年から減免はほぼゼロ(課税額は45ユーロセント/リットル。72円/リットル)とされる。他方、混合バイオディーゼルは2007年から混合率超過分も含めて通常の課税額(47.4ユーロセント/リットル、76円/リットル)が適用される(表3)。

表2 バイオ燃料の消費割合(2006年)
資料:Fourth National Report on the implementation of Directive 2003/30/EC of 8 May 2003 onthe promotion of the use of biofuels or other renewable fuels for transport 2006, Germany
(注):2007年1月から、混合率超過分に対してのみ減免。混合率内は通常課税。


  バイオエタノールについても、同様の減免措置が混合率を超える部分に対してのみ行われている。
  なお、第二世代バイオ燃料の減免措置は2015年まで継続されることになっている。

(3) 調査先の製糖工場隣接のエタノール工場について(2007年末から操業)
(1)建設の背景
  調査先の製糖工場がエタノール工場の建設に着手した背景としては、混合ガソリンの燃料税の控除措置(2009年まで)とエタノールの輸入関税(19ユーロセント/リットル。30円/リットル)があったこと、EUの砂糖制度改革により余剰砂糖(C糖)対策が急務であったことが挙げられる。このエタノール工場の建設計画は2003年からスタートし、2007年から2008年にかけて操業予定である。

(2)原料
 工場と生産者は原料納入について4年契約を結び、原料としててん菜(収穫時はraw juice。それ以外はthick juice、糖みつ)を利用する。てん菜の契約価格は現在の低迷するエタノール価格から最大限支払える単価である25〜30ユーロ(4,000〜4,800円)/トンとしており、てん菜最低生産者価格は29.8ユーロ/トン(2007年度(10―9月)、4,768円)であることから、生産者にとっては魅力的な価格ではない。

(3)生産能力
 目標生産量は、13万キロリットル(以下KL)であるが、調査時(2007年12月)の契約分は8万キロリットルであり、そのうち5万キロリットルは以前のC糖分のてん菜を利用する。

(4)熱源・電力
 コジェネレーションを導入している(天然ガスと重油を併用)。調査日のバイオガス(ガスタービン)の発電力は3メガワットであった。

(5)副産物
 てん菜パルプを利用したバイオガスですべての熱源と電力を供給できるが、ペレット飼料の方が利益が高いため、パルプは飼料向けに多く利用している。ちなみにペレットのトン当たりの価格(2005年)は85ユーロ(13,600円)、2006年は120ユーロ(19,200円)、2007年は180ユーロ(28,800円)で、スポットでは200ユーロ(32,000円)での販売も可能な水準であった。

(6)工場による現状評価
 エタノールの市場価格は55ユーロセント(88円)/リットルと低迷しており、利益がでにくい。FFV(フレックス・フェーエル・ビーグル)の生産・普及が進めば国内のエタノール需要が拡大し、エタノールの輸入圧力が高まるのではないかと不安である。穀物価格が急騰しており、近くの穀物利用のエタノール工場が閉鎖に追い込まれた。製糖工場併設型のエタノール工場の強みは、人員、ノウハウ、インフラがあることである。

写真2 製糖工場風景
左:製糖工場外観、右および下:ビートパルプ

(4) 調査先のバイオディーゼル工場について
(1)建設の背景:
  6人(2農家、3農産物の販売業者、1建築会社)が投資をして設立。1999〜2000年にかけて、環境税が3ユーロセント/リットルと安かったことからバイオディーゼルを生産することを決意した。2003年に計画し、年内に国産菜種を利用する第一工場を操業し、生産したバイオディーゼルを完売した。他方、輸入植物油を利用する第2工場は2005年12月に完成した。

(2)廃液
 バイオガス原料として利用している。

(3)第1工場について
 投資額は3,100万ユーロで、75千トンのバイオディーゼルの生産能力がある。副産物は、菜種粕が10万トン、精製グリセリンが7,500トン(医薬品、化粧品用)生産される。原料は、菜種(自社生産+近郊での委託生産)を利用している。15万トンの菜種から5万トンの植物油と10万トンの粕(ペレットとして販売)を製造している。

(4)第2工場
 投資額は3,500万ユーロで、180千トンのバイオディーゼルの生産能力があり、精製グリセリンは2万トンの規模である。原料となる植物油は輸入している。調査時の各植物油のトン当たりの価格は、大豆油が740ユーロ、菜種油が900ユーロ、パーム油が700ユーロである。原料の混合率(%)は以下のとおりであり、冬期は粘性が高いパーム油の利用を抑制している。
  夏:大豆油60、菜種油30、パーム油10
  冬:大豆油80、菜種油15、パーム油5

(5)現状評価
 2008年1月から、バイオディーゼルの燃料税が9ユーロセント加算されて、15ユーロセント(正確には15.1ユーロセント。24円)に引き上げられるのは経営上大きな打撃となり、利益を上げるのは困難となった。
  財務大臣は、原油価格が上昇する中、ディーゼルも上がるがバイオディーゼルとの価格差は一定でバイオディーゼルの価格も上昇すると考えており、バイオディーゼルの追加課税ということになった。製糖工場向けには、菜種粕や大豆粕をバイオガス原料として利用できる道がある。
  なお、工場経営者の説明によるバイオディーゼルと軽油の生産コストと価格(リットルあたり)は以下のとおりであり、燃料税が15ユーロセント(24円)に引き上げられると、軽油との競争力はなくなるとのことであった。
  軽油の生産コスト(40ユーロセント、64円)+燃料税(47ユーロセント、7,520円)=87ユーロセント(139円)
  バイオディーゼルの生産コスト(80ユーロセント、128円)+燃料税(15ユーロセント、24円)=95ユーロセント(152円)

写真3 バイオディーゼル工場外観
(左側が第1工場、右側が第2工場)


写真4 バイオ燃料の販売

左 :  上からガソリン(1.37ユーロ/リットル、219円)、ハイオク(1.38ユーロ/リットル、221円)、ディーゼル(1.26ユーロ/リットル、202円)、バイオディーゼル(1.14ユーロ/リットル、182円)、E85(1.09ユーロ/リットル、174円)、LPG(0.68ユーロ/リットル、109円)の価格(2008年12月中旬)、
右 : E85が給油できるスタンド

写真5 E85対応車(調査先製糖工場にて)

(5) ドイツにおけるバイオガスの利用について(製糖工場での聞き取り)
 以前は、バイオガス工場は地方に分散し、電力だけを利用し熱は大気中に放出していたが、今は都市近郊に建設され、電力と廃熱の両方を利用している。コジェネレーションとして、農業廃棄物を燃焼させて、体育館などの熱源に利用することもあり得る。
  バイオガスと風力発電による電力は、通常の電力より高く買い上げていることが普及上の最大のポイントである。バイオガスの利用(シェアは数%)は、再生可能エネルギー法や促進法(補助金)により推進されてきた。助成対象は、風力(シェアは10%程度)、太陽光、バイオガスである。
  てん菜はエタノール向け以外の用途には補助金が出ない。2008年には法が改正され、バイオガス用途でも補助金が出るであろう。このため、てん菜からのバイオガス生産(パイロット工場)を計画しており、種苗会社では、バイオガス用品種の開発に取り組んでいる。

9.フランスのバイオ燃料事情(農業水産省での聞き取り他)

(1) バイオマス政策―農業問題としてのバイオマス政策―
  フランスにおけるバイオマス計画の立案は農業水産省が主体となっている。約5年前からいくつかの開発計画を立案しており、農産物のエネルギー、化学分野への販路も模索中である。その後EU指令(2003/30/CE)を受けて、2005年9月13日に、首相がバイオ燃料の生産を奨励するための野心的な措置を提示した。同年「バイオマス燃料計画」と「植物科学計画」(再生可能資源の化学利用)を立案するとともに、木材を利用した暖房用エネルギー利用も開始した。
  フランスのバイオマス政策の目的は、(1)地球温暖化ガスの削減、(2)エネルギーの安全保障(軽油はロシア等から輸入。ガソリンは輸出)、(3)農業・農村開発であるが、農業・農村開発を主な目的として、バイオマス政策を進めている。
  このようにフランスでは、バイオ燃料問題は一貫して農業問題として扱ってきており、農村開発に力を入れることは、「効率性」と必ずしも一致しないが、約6億ユーロの燃料税の減免額(後述)は、農村の活性化のための重要施策として支持を得ていると認識している。

(2) バイオ燃料に関する政策の概略
(1)バイオ燃料の利用目標
  フランス・エネルギー政策(French Energy Policy)は、2006年1月5日付けの法律番号2006―11により農業志向的に改正され、以下のバイオ燃料の利用目標を設定した。
  フランス政府の資料によれば、2007年から2010年までの間に、バイオエタノールおよびバイオディーゼルの混合の利用目標は7%までに上昇する。この結果、需要の伸びが予想されている軽油に混合されるバイオディーゼルの需要量は、混合率の上昇に伴い増加している。一方、ガソリン需要については減少するとみられていることから、バイオエタノールの需要量は2008年度にいったん増加した後、横ばいになるものとみられている。

表4 バイオ燃料の利用目標
単位:%(エネルギー比)
資料: Assessment report and actions in favor ofbiofuels in France during the course of the year 2006,Ref. : Directive 2003/30/CE for the promotion of theuse of biofuels

表5 フランスのバイオ燃料の混合率と予想需要量
単位:%(エネルギー比)
資料:フランス農業水産省資料

表6 消費税の減免措置対象数量(クォータ数量)
単位:千トン
資料: Assessment report and actions in favor ofbiofuels in France during the course of the year 2006,Ref.: Directive 2003/30/CE for the promotion of theuse of biofuels
注:※は、Methyl Ester from Vegetable Oil

(2)消費税の軽減措置(2005年〜)
 化石燃料との生産コスト差を補てんする目的で消費税を軽減しており、2007年の推定免税額は6.14億ユーロ(986億円。前年は2.6億ユーロ)である。毎年、コストを算出して税率を決定しており、軽減率は削減傾向にある。また、予算の制約があるため、表6のように軽減対象となる対象数量を決めており(クォータ制)、超過分は通常の燃料税が課税される。各製造者(EU、仏企業)は承認を得てクォータの配分を受けている。
  具体的な消費税の課税額と減免額は表7のとおりで、バイオエタノールとETBEは33ユーロセント(53円)、バイオディーゼルは25ユーロセント(40円)となっている。

表7 消費税の課税額と減免額
単位:ユーロ/リットル
資料: Assessment report and actions in favor of biofuels in France during the course of the
year 2006, Ref.: Directive 2003/30/CE for the promotion of the use of biofuels
注:FAME:Fatty Acid Methyl Ester , 脂肪酸メチルエステル
合成軽油:天然ガスから製造される軽油
FAEE:Fatty Acid Ethyl Ester , 脂肪酸エチルエステル

表8 バイオ燃料の利用状況
単位:トン
資料: Assessment report and actions in favor ofbiofuels in France during the course of the year 2006,Ref.: Directive 2003/30/CE for the promotion of theuse of biofuels

表9 ガソリンと軽油におけるバイオ燃料の利用率
単位:%
資料: Assessment report and actions in favor ofbiofuels in France during the course of the year2006, Ref.: Directive 2003/30/CE for the promotion ofthe use of biofuels

(3)汚染事業統合税(TGAP:General Tax on Polluting Activities)の免税(2006年〜)
 バイオ燃料の利用促進を図るため、販売者(精製者、スーパーマーケット等)に対して、2005年の財政法(Financial Law)第32条に基づき、汚染事業統合税(TGAP)を減免した。2006年の免税額は260万ユーロであり、混合率未達成の販売者にはTGAPが課税される。例えば、2008年の利用目標率3.5%に対するバイオエタノールの混合率は8.8%(容積比)とされており、8.8%の混合率に満たない販売者はTGAPが課せられる。

(3) バイオ燃料の消費量と利用率―増加するバイオ燃料消費―
 バイオ燃料の消費量は、2005年からの燃料税の軽減措置などにより2006年は2005年のバイオ燃料需要の1.8倍となった。エタノールの直接混合の利用は限定的であり、ETBEが主体となっている。また、各燃料におけるバイオ燃料の利用率は、ガソリンと軽油ともに1.8%となっている。農業水産省の見通しでは、2007年の総合の利用率は3.5%になると予測している。
  なお、2006年の軽油とガソリンの消費量は、それぞれ37,110千立方メートルと13,639千立方メートルとなっている。

(4) バイオ燃料の原料
(1)てん菜、小麦が主体のバイオエタノール
  てん菜が主体(raw juice又は糖みつ)で、てん菜が8割、小麦が2割、2010年以降は、てん菜と小麦が5割ずつとなる見込みである。ただし、昨今の小麦価格高騰の影響を受け、小麦の利用は大幅には増加しない可能性がある。
  てん菜の主産地は北東部で、冬小麦、てん菜、油糧作物または小麦の輪作体系となっている。バイオ燃料原料作物栽培については、菜種と小麦はフランス北部(ローヌ川より北)、てん菜は北東部の栽培である。南部についてはひまわり、トウモロコシが栽培できるが有望視していない(南部にはトウモロコシを原料とするエタノール工場が1つあるが、政治家の力により建設されたもの)。
  2006年11月に合意されたEUの砂糖制度改革により、てん菜からのエタノール生産は増加しているが、再構築資金(生産割当削減に対する補償金)の利用がされているかどうかは不明である。てん菜と小麦のエタノールの生産性は、てん菜5.7トン/ha、小麦2.6トン/haで、てん菜の方が生産性が高い。なお、エタノールの生産コストについては石油価格、原料価格が高騰しており、これにより大きく変動するので、最新の生産コストのデータはないとのことであった。

(2)菜種主体のバイオディーゼル
 菜種が大部分で、ひまわりは10%、その他、動物油脂が利用されている。菜種の産地はロアール川以北で、菜種は穀物と輪作される。ひまわりは南部が主産地である。
  品質の安定化のため、輸入大豆油(需要量の10〜15%を輸入)を混合している。EUはディーゼル車の割合が2/3で今後も増加する見込みなので、菜種利用はさらに増える見込みである。

(5) バイオ燃料の工場の概況(2007年12月調査時点)
 フランスのバイオエタノール工場とバイオディーゼル工場の生産能力と使用原料はそれぞれ表10、表11のとおりである。
  ETBE工場については、4工場あり石油会社が主となっている。総生産能力は23万トン(エタノール換算)で、米国のLyondell社が80%、トータル社が15%のシェアーを持っている。

表10 バイオエタノール工場一覧
単位:1000トン
資料:フランス政府資料

表11 バイオディーゼル工場一覧
単位:1000トン
資料:フランス政府資料

(6) バイオ燃料の利用
 過去10年間、バイオ燃料は混合率が5%以下であれば非表示で販売できるため(unmarked form)、消費者はバイオ燃料を知らないうちに利用している。
  小麦またはてん菜を利用して製造される「ETBE」(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル、エタノール販売の95%のシェア)は、EU規格により重量ベースでガソリンに15%混合されている。エタノールの直接混合はわずかであるが、スーパーチェーンの給油所で直接混合を実施している(エタノール販売の5%のシェア)。エタノールは石油会社、流通会社の保税施設で混合している。ETBEは製油所で製造されている。
  現在は、E85(実際は75%程度)の利用が増加しており、FFVも2〜3,000台普及し、約200の給油所でE85が給油可能である。

(7) 混合率の上限問題
 フランス政府は、エタノールの混合率を5%から10%へ、ETBEの混合率を15%から20%へ、軽油への混合率を5%から10%へ、それぞれ引き上げるよう、欧州委員会に要請した。これを受けフランスの自動車製造者は、バイオ燃料の5%混合を越える場合には、自動車の保証問題があり立場を留保した。委員会の説明では、チェコ、イタリア、オーストリア、スウェーデンが留保(これらの国は、仏に対して10%混合の要請を控えること、品質標準化プロセスの結果を待つよう要請)したことから、EU委員会は、2007年1月10日、98/70/CEの指令に従うよう回答した。
  このため、フランス政府としては、「スーパーエタノールE85」(65〜85%のエタノール混合)の開発を進め、かつ2008年1月からバイオディーゼル(FAME、Fatty Acid Methyl Ester、脂肪酸メチルエステル)の混合率を5%から7%に引き上げた。
 
(8) 環境への影響
  バイオ燃料の原料作物の本来の栽培目的は食用である。菜種、てん菜、小麦は天水栽培主体なので水の問題はないが、今後バイオ燃料としての利用が増えるため環境への影響評価を行う予定である。菜種は連作障害の恐れがあるので留意する必要があると見ている。トウモロコシ、さとうきびなどは水の問題について懸念が存在する。
 
(9) 第ニ世代のバイオ燃料
  フランス政府は、食料と競合しない第二世代のバイオ燃料については、2015年以降の活用に期待している。すなわち、生化学反応による(細菌、酵素)発酵改善技術開発であり、これについては進展がみられる。さらにセルロースの合成ガス生成(高圧・高熱処理にかかるエネルギー効率の改善)を通じた燃料利用にも期待している。なお、NIEL社は、スウェーデンとの木材利用の共同研究をしている。

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