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地域だより[2000年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


地域だより
[2000年2月]
 ●名古屋事務所  ●大阪事務所  ●神戸事務所
 ●福岡事務所  ●那覇事務所



名古屋事務所



○加賀百万石金沢に伝わる祝い菓子と正月を迎えるお菓子

 石川県は加賀や能登の個性溢れる和菓子に彩られた土地である。かつて真宗王国である加賀の地が落雁菓子の発展を促し、百万石を誇った加賀藩が文化奨励策の一環として勧めた茶道のお茶請けとして菓子がよく用いられたようである。
 元来は一部の上流階級で嗜まれていた茶菓は、江戸時代の後半から庶民の間にも次第に普及し、人生の節目や毎年巡り来る季節と関わって、今日に至るまで日常生活の中に溶け込んできた。当地の菓子産業が栄えてきたのも市民生活の中に菓子が根付いているからに他ならない。
 加賀藩のお膝元だった金沢の街は歴史を感じるたたずまいを見せているが、菓子の老舗が多く見られ、また、それだけ昔から伝わる和菓子がたくさん存在しているようである。

五色生菓子(ごしきなまがし)
 加賀二代藩主前田利長が息子の利常(後に三代となる。)と徳川秀忠の息女の婚礼に御用菓子所の吉蔵に作らせたものが始まりといわれており、広く祝儀用として使われ、特に婚礼には欠かせないものであったという。それぞれに小豆餡の入った菓子で、ささら餅(丸い餅に3分の1ほど赤い色を付けたもの)、万頭(白い饅)、いがら餅(黄色い米粒の付いたもの)、うずら餅(細長い菱形の餅)、羊羹(蒸羊羹)の5種類の生菓子が1セットになっており、それぞれ日(太陽)、月、山、海(海面の波)、里(村里)をかたどり、宇宙や大自然の恩恵に対する感謝の意を表わしている。この五色生菓子を輪島塗りなどでできたお重に20個ずつ5段を蒸篭(せいろ)箱に入れ、この蒸篭箱2つ分(200個)1荷として届けられた。今ではあまり見かけなくなったが、以前は婚礼が行われる家の前に嫁方の親戚から送られた五色生菓子の箱がずらっと並べられ、婚礼が終わると隣近所に配られたという。

寿せんべい(ことぶきせんべい)
 結婚の披露宴のときにお茶菓子に使う紅白の麩菓子で、表に砂糖で書かれた「寿」の字が店によって違っている。元々は披露宴の最初にお茶と寿せんべいを出すのがしきたりだったという。丸い形が夫婦円満を表し、今でも婚礼用として用いられている。

氷室万頭(ひむろまんじゅう)
 加賀藩が氷室に貯蔵していた天然氷を、6月1日に江戸の将軍家へ献上していたが、その日を氷室の朔日(さくじつ)(陰暦で月の第一日)としていたことにちなんで作られた麦饅頭で、氷の代わりに無病息災祈願や縁起ものの贈り物として使われるようになり、暑い夏を無事に乗り切る意味での季節感のある菓子である。

福梅(ふくうめ)
 加賀前田家の家紋である梅の花をかたどった紅白の最中で、12月に入るとこぞって各菓子屋の店頭に福梅が並ぶので、町の人々はそれを見て正月が近いことを感じ取る。固めの表皮には上白糖がまぶされ、上質の小豆に砂糖と水をたっぷりと使った餡により、日持ちのする正月用のお菓子として古くから伝わっている金沢ならではの菓子である。
 その他にも、出産の時に配られる安産を願った「ころころだんご」や、ひな祭りの時に山海の幸をかたどり砂糖で作られた「金花糖」、42歳の初老の祝に本人が配るという紅白の鏡餅や還暦祝の赤と赤の鏡餅などが珍しく、金沢の暮らしはまさにお菓子で彩られているようである。
 金沢で有名な老舗の1つである(株)森八の近代的な工場を見学した。通常の菓子のほかにまさに12月で正月用の福梅の製造真っ只中で、工場の中は梅の花が咲いたように一足早い春のムード一杯であった。この福梅は正月松の内までで店頭から姿を消す季節菓子である。五色生菓子や氷室万頭など和菓子には餡を使うことが多いが、一般的は生餡(なまあん)10に対し砂糖は7の量を加えるといい、和菓子の原料の中で砂糖を一番多く使っている。味や日持ちを良くするためには砂糖の量を多くすると聞き、和菓子における砂糖の重要な役割を改めて知ることとなった。
 なお、今回の取材に際して次の方々にご協力いただいた。
石川県菓子工業組合 専務理事 田邊元弘氏
          事務局長 森彰 二氏
石川県菓子文化会館 館長   頭川 潔氏
(株)森八 取締役技術顧問 森學氏

五色生菓子 寿せんべい
高価な漆塗りのお重に入れられた五色生菓子
(左から海、里、日、山、月)
丸いのが寿せんべい、
紅白2種類あり、字は壽
金沢の正月菓子「福梅」 福梅を作っているところ
金沢の正月菓子「福梅」 福梅を作っているところ
((株)森八専光寺町工場)


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大阪事務所



○懐かしい手作りの味〜高知県の黒砂糖〜

はじめに
 四国で生産されている砂糖といえば、徳島、香川両県の「和三盆糖」が有名であるが、高知県においても、黒砂糖が生産されていることをご存知の方は少ないだろう。このたび高知県内の3つの町村を訪ね、黒砂糖の生産現場を見学しながらそれぞれの関係者にお話を伺うことができたのでここに紹介したい。

土佐糖業の歴史
 元々土佐は、琉球・奄美を除き、わが国で最も早い時期にさとうきびの栽培が行われ、黒砂糖の生産が県内の各地域で組織的に展開されたと言われている。第8代将軍徳川吉宗は、和糖業の開発に本格的に取り組んだ人物として知られているが、土佐藩においては、この吉宗の動きとは別に、早くから糖業への取り組みが始められていたようである。享保13年(1728年)には、藩の御手先事業(藩営事業)として黒砂糖の製造が行われていたという史料が残っている。
 いわば「和糖業の先駆者」的存在であった土佐では、江戸後期から明治中期頃までは砂糖の生産がかなり盛んに行われていたが、外国から輸入される砂糖に押されて衰退し、昭和30年代を最後に砂糖の生産は途絶えていたという。

高知県における黒砂糖生産の現状
 香美(かみ)郡野市(のいち)町、安芸(あき)郡芸西(げいせい)村、幡多(はた)郡大方(おおたか)町の各地域で、有志による黒砂糖生産復活の動きが始まったのは、昭和50年代末から60年代初めにかけてで、昔口にした、「懐かしい黒砂糖の味」をもう一度味わいたいという世代が中心になって、生産組合を結成し、生産施設の建設が実現した。
 かつて黒砂糖生産に携わった経験のある熟練技術者は、当時既に60〜70歳代に達しており、その人たちに技術指導を受け、製糖技術を確かなものとして受け継いでいくうえでも、復活の時期を急ぐ必要があったようである。
 さて、黒砂糖の製造工程作業であるが、3つの大釜をまきを使って加熱する昔ながらの方法で行われている。
 さとうきびを搾った後、搾り汁を1番目の釜で沸騰させ、石炭を加えてあくを取り除き、ろ過用の桶に移して不純物を沈殿させ、上澄み液を2番目の釜で徐々に煮詰める。煮詰め終わった糖液を、型枠へ流し込んで出来上がる。搾汁に機械を用いる他は、すべて手作業で、全工程でおよそ4〜5時間かかる。
 原料さとうきびの品質によって、加える石炭の量やそのタイミング、砂糖をこげつかないように煮詰めていく時間や火加減など、微妙な調整を必要とする部分があり、製造には長年の経験によって蓄積された技術が要求されるという。一定の技術を習得するのに最低3〜4年が必要とされており、昭和30年代以降工程作業に携わるベテラン技術者でさえ、今でも試行錯誤の部分があるという。
 県内各地域の生産地とも、基本的に生産組合は原料のさとうきびを持ち込む農家に対し、有料で製造施設と技術者を提供し、製造された黒砂糖の販売は、その農家個々が行うという方針をとっており、製品は、年末に各地域内の個人の贈答用として利用される部分が多くを占めているという。生産組合を通じて販売される場合でも、土産物、贈答品として各地域内で販売される場合が多く、固定的な販売先は今のところ確立されていないという。

今後の課題
 先に述べたように、黒砂糖生産の中心的役割を担っているのは、昔の黒砂糖の味を知る50歳代以上の人たちである。今後は後継者を養成して生産を維持、拡大していきたいところであるが、この点では各地域とも難しい問題を抱えている現状にある。
 高齢化に伴って、徐々にさとうきび生産を止める農家が増えつつあり、さとうきびの生産量は伸び悩んでいる。
 また、黒砂糖の生産についても、技術習得に相当の時間がかかることや、製糖期間が限定されている関係から1日当たりの就労時間が長くなることなどから、若い世代には敬遠されがちであるという。
 黒砂糖の購買層も、比較的高年齢の人たちに限られるとみられており、需要の面でも今後増加する要素が少ない。
 行政側も、伝統技術の伝承に加え、特産品としての各地域の活性化という面からも黒砂糖生産に対して関心を寄せており、種々のバックアップは続けているものの生産を拡大するまでには至っていない。

おわりに
 現在黒砂糖の生産に関係している人たちの中には「収益性よりも、むしろ手作りの砂糖を作り上げる楽しさを求めて生産を続けている部分が大きい。」と話す人もいた。黒砂糖を味わった経験の少ない若い世代にこのあたりの感覚を理解してもらうには、まだ時間が必要なのかもしれないが、黒砂糖の製造技術は、江戸時代にルーツを持つ1つの優れた文化であり、各行政機関のより一層の支援により、今後も高知県において確実に受け継がれていくことを願う次第である。

高知県内各地域における黒砂糖生産の概要
  野市町 芸西村 大方町
製造・販売組織名 野市精糖生産組合 伝承館精糖組合 大方町精糖生産組合
関係行政機関 野市町産業振興課 芸西村教育委員会 大方町農林課






生産地域 町内全域 村外からの原料
持ち込みあり
町外からの原料
持ち込みあり
収穫面積 約70a 推定70〜80a 約2ha
栽培品種 NCO310が主流と思われる
(平成5年に沖縄県から導入)
不明 主としてNCO310、K1
(平成3年頃に沖縄県から導入)
生産数量 約50トン 約30〜40トン 約60トン


精糖時期 11月中旬〜12月末 11月中旬〜12月末 11月中旬〜12月末
1日当たり
さとうきび
処理量
約1,400kg 約1,200kg 約2,000kg
1日当たり
産糖量
約140kg 約130kg 約210kg
歩留 約10% 約11% 約10.5%
年間生産量 約5トン 約4トン強 約6トン強
主な販売先 固定した販売先は確立されていない 原料さとうきび生産者が、個人の贈答用として使う場合が多い 原料さとうきび生産者が、個人の贈答用として使う場合が多い
販売価格 500g入り
1,000円〜1,500円
伝承館で組合が
販売する場合、
100g当たり200円
組合が販売する場合、
600g 100円
備考 組合員の誰もが精糖作業を行える体制をめざしている。 複数の熟練技術者が精糖技術について常に研究し、技術の改良を図っている。 さとうきび畑のオーナーとして契約した畑で収穫されたさとうきびから製造された黒砂糖(600g入り35個)を購入することができる「一釜オーナー制度」を実施している。

さとうきび栽培ほ場 1番釜、2番釜、3番釜
さとうきび栽培ほ場(大方町入野) 手前から1番釜、2番釜、3番釜、
上に乗せているのはすまし桶(野市町)
白下糖を容器に流し込む
白下糖を容器に流し込む(芸西村)


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神戸事務所



○春の食卓を彩る「いかなごくぎ煮」

 「いかなご」は、関東では「こうなご(小女子)」、九州北部では「かなぎ」、関西では「いかなご」と呼ばれ、例年2月から5月頃にかけて最も多く獲れる小魚である。(大きいものは全長15cm位になるが、小さいものは3〜5cmで新子とも言われている。)特に瀬戸内海の淡路島付近、播磨灘、岡山県沿いの海で多く獲れ、瀬戸内に春を告げる魚でもある。
 この魚の料理方法は各種あるが、瀬戸内海沿岸地区の神戸、明石等では昔からの郷土料理として、「くぎ煮」が有名である。水揚げされた新鮮ないかなごを醤油と砂糖などの調味料で煮込んだ佃煮であり、煮あがった姿がちょうど、“くぎ”のようにピンとしていることから「くぎ煮」と名付けられている。もともと、伝統料理として春先の3月〜4月に魚屋、デパート等の店頭に並ぶが、最近では一般の家庭でもこのくぎ煮を作る主婦が増えている。市場にいかなごが出回ると何十キロものくぎ煮を作り、親戚や知人に配る家庭も多く、また、この小魚は、たんぱく質やカルシウムなどのミネラルを多く含み、しかも頭から尾まで食べられるので、老若男女に好評で春の食卓を彩っている。
 この「いかなごくぎ煮」を作るには、醤油などの調味料の他、必ず砂糖が使用され、特に中双糖がこの佃煮を作るのに適している(表)。このため、神戸や明石の市場の店先には、家庭の主婦向けに、獲れたてのいかなごと中双糖のセット販売をしている店が多いとのことである。

一般的ないかなごくぎ煮の材料と分量
材 料 分 量
生いかなご
土しょうが
砂糖(中双)
醤油
1kg
50g
250〜300g
270cc

 グラフは、関西地区におけるある砂糖メーカーの中双糖の月別製造・出荷取扱高(指数)の推移である。前述のいかなごくぎ煮の製造時期のピークといわれる3月から4月に符合するように、中双糖の製造、出荷が2月と3月に集中しており、関西では、この佃煮が砂糖、特に中双糖の消費に大きく貢献していることが分かる。

グラフ 平成10年度の関西地区における
ある製糖会社の中双糖月別取扱高(指数)
ある製糖会社の中双糖月別取扱高


 なお、兵庫県では、県内の特産食品の普及を県がフォローアップする「ひょうごブランド商品認証制度」があり、現在18種類の食品が「ひょうごブランド商品」として認証され、いかなごくぎ煮もその中の1つで、認証を受ける業者は年々増えている。
 ひょうごブランド商品認証制度とは、品目ごとに定められた認証基準を満たしている食品を兵庫県が「ひょうごブランド商品」として認証している(平成2年4月より実施)。認証基準は、兵庫県内で生産された原材料を使用し、製造方法等に特色があり、日本農林規格以上の優れた品質を有し、食品衛生法の規程に適合していることである。
 また、「ひょうごブランド商品」には、目印として認証マークが付いている。この認証マークは、(1)優れた品質(Excellent Quality)(2)正確な表示(Exact Expression)(3)地域の環境と調和(Harmony with Ecology)の3つのEを「品」の形に配置し、「良い品(イイシナ)」であることを表している。
 このように食品マークを付することによって、消費者に正確で分かりやすく商品の特性を伝え、消費者の信頼を高めている。
 認証期間は、認証の日から3年間で、更新するときは新規と同様に申請をすることになっている。現在、兵庫県は北海道に続いて、全国2位のいかなごの漁獲高を誇っており、いかなごくぎ煮(佃煮)では、13業者が認証を受けている。

ひょうごブランド商品の認証マーク いかなごくぎ煮

「ひょうごブランド商品」の認証マーク

いかなごくぎ煮(佃煮)

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福岡事務所


●三奈木砂糖について
●さとうきび栽培農家戸数の推移(その2)


○三奈木砂糖について

 福岡県甘木市は、九州の大河、筑後川の北部にあり、周りは浮羽郡、朝倉郡など郡部の町村に囲まれ内陸部に位置し平坦な地形となっている。水が豊富で良質なこともあって、ビールやジュースなどの飲料産業が盛んである。広大な平野部には稲作を中心に、梨などの果実類、苗木、植木など多くの作物が作られ、さとうきびもその一つで肥沃な土地に恵まれ古くから栽培されている。同市は日本各地に諸説ある邪馬台国の地の1つとしても有名であり、また、明治維新後の士族の反乱は秋月の乱として福岡県のみならず、九州各地でもよく知られている。
 三奈木砂糖の歴史は古く約150年前の祭礼帳に記録されている。その後水車の力でさとうきびを搾汁することが普及し、明治初期が最盛期で、砂糖の輸入が増すにつれて砂糖作りは衰退した。戦後再び盛んに製糖が行われたが1965年以降途絶えていた。
 今日の三奈木砂糖は1982年地元の有志により、地域の伝統的な砂糖作りを再開しようと甘木市及び三奈木地区住民の協力を得て復興し、今では同市の住民にとって欠くことのできない産品になっている。
 苗は、種子島の農協から早熟性の品種NiF8などを購入、毎年3月から4月にかけて植付けをし、その年の11月中旬から年内に収穫し終えるとのこと。
 昨年のさとうきびの生産農家戸数は5戸、収穫面積は30a、さとうきびの生産量は約18トンであった。
 製糖所は筑前あさくら農協の敷地内にあり、製糖所では10名近くの人たちが製糖作業をしていた。製糖作業は1泊2日が通常で、当番制になっており、当番の人が釜の火入れ、焚き付けを行い、全員が出そろった時点で製糖作業を行う。同作業はさとうきびの収穫時期にあわせて行い、11月下旬から1泊2日の作業が2週間に3〜4回の割合で続き、年内には終了する。
 製法は、さとうきびを搾汁し、その汁を煮詰め固めるだけのもので、極めて素朴な方法で作られる。食感は甘さだけでなく、さとうきびの成分をすべて含んでいるため、そのままでも十分に味わうことができる。年末から年始にはこの砂糖を餅にくるんで食べるのが地元の人たちの習慣となっているようだ。また、三奈木砂糖は生産量が少ないので市内でも老舗と言われる一部の菓子店やAコープの一部の店にしか販売されていないようである。
 なお、今回の取材に際し、筑前あさくら農業協同組合の加藤氏にご協力いただいた。

三奈木砂糖の製品生産量
年度 栽培農家戸数(戸) 収穫面積(a) 製品生産量(kg)
7 7 40 2,481.1
8 6 30 1,673.7
9 8 30 1,712.3
10 7 40 2,430.6
11 5 30 1,789.8
資料:筑前あさくら農業協同組合

生い茂ったさとうきび 砂糖を煮つめるための釜

生い茂ったさとうきび

砂糖を煮つめるための釜



○さとうきび栽培農家戸数の推移(その2)

 鹿児島県農政部農産課が発表した「さとうきび及び甘しゃ糖生産実績」によると、鹿児島県南西諸島におけるさとうきびの収穫面積と栽培農家戸数は、平成10年産のさとうきびの収穫面積が前年を上回ったほかは、どの年も収穫面積、栽培農家戸数ともに高齢化等による離作及び耕作放棄などのため減少している。
 表は、種子島、奄美大島、喜界島における6年産から10年産までの島別のさとうきびの栽培農戸数と収穫面積である。
 種子島では、さとうきびの収穫面積、栽培農家戸数ともに鹿児島県南西諸島全体とほぼ同様の傾向を示している。
 奄美大島では、7年産が前年産に比べて収穫面積が増加しているが、これは黒糖酒向けの砂糖の生産が順調であったため、さとうきびの主産地である笠利町、龍郷町を中心に収穫面積が増えたことによる。また、10年産において、さとうきびの収穫面積と栽培農家戸数ともに前年産を上回っているのは、名瀬市、宇検村で伸びたことによる。
 喜界島では、ここ数年来、さとうきびの夏植えが盛んで、8年にさとうきびの夏植えがピークに達したと思われるが、その後、さとうきびの収穫面積、栽培農家戸数とも徐々に減少している。夏植えが伸びたのは、さとうきびの栽培において、収穫作業にかなりの労力を要するが、夏植えは2年に一度の収穫となるので、その負担は大幅に軽減されると言われている。夏植えは歩留まりもよいので一時期もてはやされたが、高齢化等による栽培農家戸数の減少に歯止めをかけることができなかった。最近では、夏植えよりもむしろ、さとうきびの安定的な収量を得るために、国産糖メーカー、農協等が一体となって夏植え収穫後の株出しや春植えを奨励、指導している。

種子島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 2,248 3,401 785 1,335 1,064 196 21
平成7年産 2,172 3,251 766 1,250 1,017 193 25
平成8年産 2,167 3,155 730 1,197 984 209 35
平成9年産 2,146 3,021 696 1,126 955 202 42
平成10年産 2,222 2,983 637 1,126 949 219 52
 
奄美大島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 563 1,127 361 280 326 189 21
平成7年産 597 1,081 387 318 234 119 23
平成8年産 589 1,058 442 360 206 43 7
平成9年産 567 1,037 419 347 218 43 10
平成10年産 571 1,053 458 328 199 51 17
 
喜界島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 1,110 890 192 176 250 208 64
平成7年産 1,086 860 173 208 219 187 73
平成8年産 1,113 875 192 199 226 185 73
平成9年産 1,076 867 202 209 205 183 68
平成10年産 1,017 828 178 202 220 156 72
出典 鹿児島県農政部

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那覇事務所



○九州・沖縄サミットにおけるさとうきびラインド紙の提供事業について

 沖縄県農林水産部は、今夏に開催予定の九州・沖縄サミットにおいて、沖縄県産さとうきびの外皮をパルプ原料としたさとうきびラインド紙の提供事業を進めている。
 ラインドとはさとうきびの外皮部分で、この事業は沖縄県が県農業試験場のケーンセパレーション機を用いてさとうきびから外皮を分離、採取し、製紙会社に委託してこれと木材等の他のパルプとを混合してさとうきびラインド紙を製造し、沖縄地区サミット開催記念はがき用紙やサミットに関連して使用されるマスコミや関係者用のコピー用紙等として郵政省等の関係機関に提供する事業である。
 沖縄県農林水産部はかねてより、沖縄県の基幹作物であるさとうきびの総合利用に関する施策と沖縄県産黒砂糖の消費拡大を図るための新商品開発、販路拡充に向けた施策を推進しており、この事業はこれらの施策の一環として、沖縄県のさとうきびと砂糖を国内の他の地域やサミット参加国等に向けてのアピールも兼ねて行うものである。
 沖縄県農林水産部は、熱帯雨林等における森林伐採が進行し、このことが地球温暖化等の環境問題に進展している状況下において、畑作物であるさとうきびの外皮から紙を作ることによって環境問題に僅かながらも貢献し、外皮を除去したさとうきびから新しいタイプの黒砂糖を生産することによって消費拡大につなげ、黒砂糖を生産する離島地域の経済振興を図りたいとしており、今回は試験的に行うものであるが、今後はこれらの実証事業を推進していきたいとしている。
 ラインドは比較的繊維が短く、用紙の種類によって木材等の他のパルプと混合して使用されるが、この事業におけるラインド紙提供予定数量等は概ね次のとおりであり、はがきやポスターにはさとうきびを原料に製造した紙である旨の表示がなされるとのことである。

サミットにおけるさとうきびラインド紙提供の事業規模
1 ラインド紙提供予定数量
(1)沖縄地区サミット開催記念はがき
 (ラインド40%、木材60%)53万枚
 用途 沖縄県民、観光客等使用はがき用紙
    はがき デザイン10種類×各5万枚=50万枚
    国際郵便はがき3万枚
  (郵政省は内諾済み。デザインは検討中)
(2)サミット開催ポスター
 (さとうきびバガス入りのエコ用紙)
         5種類 約1万枚
 用途 沖縄県サミット推進室が作成するサミット開催ポスター
 (平成11年8月に製紙会社から用紙の提供を受け、ポスターは完成済み)
(3)コピー用紙(ラインド10%、木材90%)等
 用途 マスコミ、関係者等使用用紙
 (具体的な数量等は検討中)
2 ラインド紙提供予定数量に対するさとうきび原料
 さとうきび 70トン×7.1%=ラインド(外皮)5トン
 ラインドの採取は、沖縄県農業試験場のケーンセパレーション機を利用

取り出されたラインド サミット開催のポスター

取り出されたラインド

サミット開催のポスター
(さとうきびバガス
入りエコ用紙使用)

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