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地域だより[2000年3月]

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最終更新日:2010年3月6日

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地域だより
[2000年3月]
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大阪事務所



○砂糖菓子で作ったデコレーション「シンデレラストーリー」の展示

 平成11年12月1日から平成12年1月15日にかけ、大阪市北区中之島にあるリーガロイヤルホテル1階正面ロビーに、砂糖菓子で作った造形物が展示された。
 同ホテルでは、年末年始のデコレーションの1つとして来館者に鑑賞してもらいながら、スタッフの持つ高い製菓技術を紹介するねらいで、20年以上前からこの種の展示を実施している。
 例年ウェストミンスター寺院など、建築物をテーマとした作品が展示される場合が多いが、今年度は、童話「シンデレラ」をテーマとした造形が展示された。2000年1月1日の午前0時を特別な気持ちで迎える人が多いと考えられることから、午前0時を挟んで物語りが展開する「シンデレラ」を題材として選んだという。幅3メートル、奥行き1.8メートルの作品は、砂糖220kg、チョコレート20kgを含む製菓材料で作られ、シンデレラの物語に登場するシンデレラやお城、カボチャの馬車、ガラスの靴などが、美しく飾られていた。
 今回の童話を題材としたメルヘン調の作品は、特に家族連れに好評で、ストーリーを想像しながら鑑賞するためか、例年よりも長く立ち止まって見入る顧客が多かったという。
 作品製作の中心になっているのは、フランス料理アカデミー協会会員のJ.C. コルデイエ氏で、同氏は昭和48年に来日して以来、同ホテルで製菓シェフとしての重責を果たしながらこの展示を長年手がけてきている。今回も日本人のスタッフ2人とともに昨年夏頃から製作を始め、およそ3ヵ月をかけて作品を完成させたという。
 同氏は、建築物がテーマの場合には現地に赴いて実際の建物の採寸を行ったり、図面を入手するなど、常に綿密な準備に基づいて作業を行っており、今回も、馬車を引く馬の見本として、脚の筋肉の様子を正確に再現するため、馬の人形を手元に用意するなど、細かいところまでこだわった作品を作り上げたという。1つ1つの構成物に製菓技術を駆使した実に精巧な細工が施されている作品は、単に技術面だけでなく、芸術性の面でも高く評価されている。
 同ホテルの関係者によれば、「昔はこの種の展示を行うホテルもかなり見られたが、現在ではコストの問題や、人材不足で少なくなってしまった。当ホテルとしては、自分達の持つ製菓技術を顧客に紹介するという目的だけでなく、伝統的な製作技術を継承していくうえでも、この展示を続けていきたい」とのことであった。
 高度な製菓技術に基づいたこの種の芸術作品が、今後も私たちの目を楽しませてくれることを願ってやまない。

砂糖菓子で作ったシンデレラストーリー 砂糖菓子で作ったシンデレラストーリー

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○さとうきび栽培規模別農家戸数の推移(その3)

前月号に引き続き平成6年産から平成10年産までの徳之島、沖永良部島、与論島のさとうきびの収穫面積と規模別栽培農家戸数を紹介する。
 さとうきび生産は、近年、生産農家の高齢化などにより、収穫面積・栽培農家戸数ともに減少傾向にあった。このため平成10年産から3カ年計画で「さとうきび・糖業ルネッサンス計画」を策定し、農家の努力と関係団体が一体となって諸般の対策を講じ、さとうきび・糖業の再活性化を図っている。このため、10年産においてはさとうきびの収穫面積は対前年を上回ることになった。
 表は徳之島、沖永良部島、与論島のさとうきびの収穫面積と栽培農家戸数である。
 徳之島は3町からなり、いずれの町も多くのさとうきびを栽培しており、鹿児島県で最大の生産地である。このため、同島のさとうきびに関する動向が、同県のさとうきびに与える影響は非常に大きい。表を見ると、さとうきび・糖業ルネッサンス計画に基づき糖業関係者が一体となった取り組みを行った結果、10年度の収穫面積は前年を上回り県全体と同様な動きがみられる。
 沖永良部島のさとうきびの収穫面積は、夏植え(2年に1度の収穫)が多いこともあって島の全耕地面積の20%程度で、他の島と比較して低い水準にある。同島ではさとうきびの他に花き類、ばれいしょなどの栽培も盛んであるが、花き類、ばれいしょなどは連作障害による地力の低下や、時として価格の下落を招くなど不安定要因も多く抱えていることから、そうしたことを避ける役割を果たすさとうきびは、島の農業にとって欠くことのできない作物となっている。沖永良部島ではさとうきびと花き類、ばれいしょなどとの複合経営が盛んに行われており、同島のさとうきびの動向は他の島とは少し違った動きをしている。
 与論島ではさとうきびの収穫面積は島の全耕地面積の過半数を占めており、さとうきびを生産している地域での平均的な収穫面積を有している。同島のさとうきびの収穫面積と規模別栽培農家戸数は徳之島とほぼ同じ動きを示している。

徳之島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 3,904 4,433 743 1,453 1,542 591 104
平成7年産 3,766 4,267 648 1,375 1,527 620 97
平成8年産 3,656 4,080 619 1,357 1,433 572 99
平成9年産 3,532 3,976 652 1,344 1,349 531 100
平成10年産 3,648 3,952 570 1,274 1,391 591 126
 
沖永良部島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 1,103 1,566 404 674 425 57 6
平成7年産 1,072 1,616 389 685 440 94 8
平成8年産 980 1,593 410 687 410 75 11
平成9年産 814 1,406 141 366 583 305 11
平成10年産 884 1,359 293 568 436 55 7
 
与論島(単位:戸)
  さとうきび
収穫面積(ha)
さとうきび
栽培農家数
30a未満 30〜69a 70〜149a 150〜299a 300a以上
平成6年産 698 1,018 258 373 331 56
平成7年産 676 1,011 227 391 338 54 1
平成8年産 677 1,004 244 373 332 54 1
平成9年産 583 953 240 380 298 35
平成10年産 590 949 243 378 285 42 1

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○平成11年産沖縄県産甘しゃ糖の製糖歩留り(平成12年1月末現在)

 日本分蜜糖工業会の調査によると、11産沖縄県甘しゃ糖の平成12年1月末時点における製糖歩留りは、11.63%と平年に比較して高糖分となった9年産同時期の11.89%を若干下回るものの、平成6年産から10年産までの過去5年最終実績の平均値11.59%をやや上回る水準となっている。
 一方前年産と比較した場合、平成10年11月から12月にかけ長雨と気温の高い日が続き、高収量、低糖度となった前年産同時期の10.05%を1.58ポイント上回る状況となっている。これは平成11年9月下旬の大型で強い台風18号の通過後、天候に恵まれて生育が順調に回復したことから前年に比べて歩留りが上昇しているものと思われる。
 地域ごとに前年産と比較した場合、台風18号の進路となった沖縄本島、久米島及び伊江島等は歩留りの上昇の度合いが低い状況にあるが、平成10年11月から12月の長雨と高温に加え、6月から8月にかけての干ばつと10月の台風10号による塩害の影響を受けた前年産が平年よりかなり低糖度となった宮古島及び石垣島は、歩留りの上昇が顕著になっている。
 今後においても、さとうきびの糖分の上昇が期待されているところである。

平成11年産1月末現在の製糖歩留り等
平成11年産1月末現在の製糖歩留り等

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