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地域だより[2000年6月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


地域だより
[2000年6月]
●札幌事務所 ●東京事務所 ●福岡事務所 ●那覇事務所

札幌事務所



○平成12年産てん菜の植付け状況

 平成12年産てん菜の移植作業が始まった。例年3月にペーパーポットに播種された苗は45〜50日の育苗期間を経て4月25日ころから畑への移植が開始され、ゴールデンウィーク後半にピークを迎えるが、今年は4月末に網走地方で30〜40cmの異常積雪があったのをはじめ、全道的に悪天候により畑の状態が悪くトラクターが入れない等、5月に入ってようやく植付けが開始されたところが多く、その後、軌道に乗りかけた作業も、中旬になり降り続く雨で更に遅れ気味となっており、網走地区、道南地区で10日程度、比較的順調な十勝地区でも1週間近い遅れが出ている模様である。
 また、有珠山周辺では、噴火による降灰等が心配されているが、今のところ降灰等の大きな影響は出ていない模様であるが、降雨により作業がはかどっておらず、10日程度の遅れとなっている。植付け作業の遅れをカバーするためには、急速な天候の回復が望まれるところである。

植付け作業風景 植付け作業風景
上富良野町における植付け作業風景

平成12年産てん菜作付動向(4月20日現在)
支  庁 平成12年産作付見込面積(ha) 前年度作付
面積(ha)
対 前 年
増減(ha)
栽培農家
戸数(戸)
1戸当たり
面積(ha)
  うち移植 移植率
石 狩 1,173.00 944.00 80.5% 1,245.71 ▲ 72.71 208 5.64
渡 島 134.00 124.00 92.5% 150.13 ▲ 16.13 40 3.35
檜 山 167.00 119.00 71.3% 213.34 ▲ 46.34 72 2.32
後 志 1,696.00 1,628.00 96.0% 1,790.02 ▲ 94.02 525 3.23
空 知 856.00 783.50 91.5% 862.00 ▲ 6.00 325 2.63
上 川 4,647.00 4,642.60 99.9% 4,636.36 10.64 1,376 3.38
留 萌 174.00 174.00 100.0% 203.62 ▲ 29.62 47 3.70
宗 谷 12.00 12.00 100.0% 28.00 ▲ 16.00 5 2.40
網 走 27,403.00 36,381.00 96.3% 27,599.78 ▲ 196.78 3,763 7.28
胆 振 1,637.00 1,391.00 85.0% 1,738.20 ▲ 101.20 477 3.43
日 高 93.00 65.00 69.9% 122.60 ▲ 29.60 30 3.10
十 勝 30,620.00 29,879.00 97.6% 30,839.64 ▲ 219.64 4,401 6.96
釧 路 407.00 407.00 100.0% 395.98 11.02 30 13.57
根 室 159.00 152.00 95.6% 174.02 ▲ 15.02 24 6.63
合 計 69,178.00 66,702.00 96.4% 69,999.40 ▲ 821.40 11,323 6.11
(北海道庁調べ)

札幌事務所東京事務所福岡事務所那覇事務所


東京事務所



○第16回シュガーアート展の開催について

 第16回シュガーアート展(主催:PADDY CAKE HOUSE:稲田和子主宰)が、4月26日(水)から5月1日(月)まで東京都渋谷区の東急百貨店本店において開催された。これは、砂糖の花で飾られたウエディングケーキ等のシュガーアートを広く知ってもらうことを目的に、毎年行われているものである。
 展示会場は、稲田和子氏が製作したきれいで艶やかな数々のウエディングケーキや同氏のスタジオの生徒作品が展示されており、ケーキの他に有名人の似顔絵や東京ドーム等様々な作品があり活況を呈していた。シュガーアートは、誰にでも比較的簡単に作ることができ、写真のスイートピーは、まったくの初心者でも3時間の講習を2日間受ければ、作れるとのことである。展示会場に展示されたケーキデコレーションを製作した生徒達は、主婦や女学生が中心で、1年〜10年の経験を持ち、展示会用の作品はケースなどに入れて湿度の管理をすれば何年でも保存することができ、普段教室で作った作品は普通のケーキと違い日持ちがすることから、前もって作りおき、プレゼントするケースが多いようである。
 稲田氏は、このような活動を個人で行って来たが、展示作品を通して来場者の何かの参考になればとの思いで今後も行っていきたいと話していた。

作品の展示風景
作品の展示風景
作品の展示風景
ウェディングケーキ
作品の展示風景
スイートピー

札幌事務所東京事務所福岡事務所那覇事務所


福岡事務所



○さとうきび収穫機械の稼動状況(その3)

 今月号では、平成6年産から平成10年産まで5年間の徳之島、沖永良部島及び与論島の収穫作業における機械の稼働状況を紹介し、さとうきび収穫面積に対して機械でどの程度の作業を行ったかを割合で示した。
 表は各島における機械の稼働台数である。平成9年産まで、さとうきびの機械による刈取り作業は各島ともハーベスタと刈取機で行われている。平成10年産さとうきびの収穫作業では与論島で刈取機が3台稼働しているが、作業割合は0.34%とわずかに使用されているだけで、さとうきびの刈取り作業は各島ともほとんどが人力とハーベスタで行われている。
 以下では、各島の機械の稼働状況を見てみることにする。
 徳之島における平成10年産のハーベスタの稼働台数は63台で南西諸島の中で最大である。刈取り作業はハーベスタで36.1%行われ、脱葉作業はハーベスタと脱葉機で43.3%行われている。それ以外は人力によって行われている。平成11年度には営農集団(さとうきび生産農家の団体)のうち6集団が新たにハーベスタの導入を行っており、今後、ハーベスタでの刈取り、脱葉作業が徐々に増えてくるものと思われる。
 沖永良部島における平成10年産のハーベスタの稼働台数は24台である。刈取り作業はハーベスタで28.8%行われ、脱葉作業はハーベスタと脱葉機で70.5%行われている。そのうち脱葉機での作業が41.6%であるが、そのほとんどが南栄糖業の敷地内に装備、沖永良部農業開発組合の管理している集中脱葉施設で行われており、また、脱葉後のハカマについては同農業開発組合堆肥センターで堆肥化している。なお、平成11年度には同島においても、2つの営業集団が新たにハーベスタの導入を行った。
 与論島における平成10年産のハーベスタの稼働台数は3台である。刈取り作業はハーベスタで3.9%、脱葉作業はハーベスタで3.9%、脱葉機で6.4%行われているが、ハーベスタにおける機械化はほとんど進んでいない。残り89.7%は人力による脱葉である。なお、平成10年産からさとうきびの搬出に巻き取り搬出機を導入するなど、収穫作業の実情に合わせた効率化を図っている。

種子島
(単位:台)
年産 ハーベスタ  刈取機   脱葉機  脱葉搬出機  搬出機   運搬車 
平成6 22 17 128 81 32 93
7 37 16 112 96 32 87
8 50 9 94 50 29 85
9 66 5 110 83 29 64
10 63 70 17 19 160
出典:鹿児島県農政部農産課発行「さとうきび及び甘しゃ糖生産実績」より

奄美大島
(単位:台)
年産 ハーベスタ  刈取機   脱葉機  脱葉搬出機  搬出機   運搬車 
平成6 13 7 17 430
7 18 7 17 430 1
8 23 6 14
9 24 6 15 300
10 24 2
出典:同上

喜界島
(単位:台)
年産 ハーベスタ  刈取機   脱葉機  脱葉搬出機  搬出機   運搬車 
平成6 1 2 153 1 42 44
7 2 2 153 1 40 48
8 3 2 155 3 42 52
9 3 3 155 3 42 52
10 3 3 192 42
出典:同上

さとうきび生産地における市町村別農業粗生産額(鹿児島県)

 九州農政局統計情報部ではこのほど平成10年における九州517市町村の「農業粗生産額」を発表した。この中で鹿児島県の農業粗生産額は、4,213億円で、最も粗生産額の大きいのは豚、肉用牛、ブロイラーの畜産物、その後に米、鶏卵、茶、かんしょと続き、さとうきびの農業粗生産額は140億円で8位、鹿児島県農業に占めるさとうきびの粗生産額の割合は3.32%となっている。さとうきびは表でも分かるとおり奄美本島の一部の市町村を除いて、いずれの島でも上位を占め、その構成比もかなりの割合を示している。
 さとうきびは他の農産物のようにそのものだけで商品となりえず、砂糖になって初めてその価値が生まれることから、農家の収入の安定だけでなく、製糖事業を通じて島の経済の活性化など多くの分野に影響を与えている。
 表は、九州農政局統計情報部が取りまとめた「九州アグリランキング」を基に、当事業団福岡事務所が鹿児島県南西諸島(屋久島を除く)でさとうきびを生産している市町村の農業粗生産額順位表を作成したものである。

種子島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
西之表市 さとうきび 肉用牛 甘しょ 生 乳 葉たばこ その他
1,116
18.6
930
15.5
858
14.3
847
14.1
381
6.2
1,877
31.3
6,000
100.0
中種子町 さとうきび 肉用牛 甘しょ 葉たばこ その他  
2,104
35.9
985
16.8
870
14.8
550
9.4
384
6.5
974
16.6
5,867
100.0
南種子町 甘しょ さとうきび 肉用牛 生 乳 その他  
726
20.8
664
19.0
592
16.9
311
8.9
198
5.7
1,002
28.7
3,493
100.0
出典:九州農政局統計情報部発行 「九州アグリランキング(農業粗生産額市町村別順位表)」

奄美大島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
笠 利 町 さとうきび 鉢物類 鶏 卵 バナナ 肉用牛 その他
640
40.3
336
21.1
98
6.2
60
3.8
59
3.7
396
24.9
1,589
100.0
瀬戸内町 肉用牛 ポンカン たんかん にんにく その他  
143
21.4
69
10.3
56
8.4
44
6.6
42
6.3
313
46.9
667
100.0
名 瀬 市 たんかん 鉢物類 ポンカン パッションフルーツ グアバ その他  
111
18.6
105
17.6
41
6.9
31
5.2
22
3.7
286
48.0
596
100.0
龍 郷 町 さとうきび パッションフルーツ たんかん 肉用牛 バナナ その他  
80
18.4
38
3.8
34
7.8
29
6.7
27
6.2
226
52.1
434
100.0
住 用 村 たんかん ポンカン グアバ さやいんげん 肉用牛 その他  
71
29.5
59
24.5
10
4.1
9
3.7
8
3.3
84
34.9
241
100.0
宇 検 村 鶏 卵 たんかん ポンカン さとうきび パッションフルーツ その他  
63
31.0
22
10.8
15
7.4
9
4.4
6
3.0
  203
100.0
大 和 村 ポンカン にがうり たんかん すもも 甘しょ その他  
14
10.1
12
8.7
9
6.5
7
5.1
6
4.3
90
65.2
138
100.0
出典:同上

喜界島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
喜 界 町 さとうきび き く 肉用牛 露地メロン 未成熟そらまめ その他
1,904
66.7
293
10.3
255
8.9
64
2.2
23
0.8
317
11.1
2,856
100.0
出典:同上

徳之島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
天 城 町 さとうきび 肉用牛 ばれいしょ さといも き く その他
1,893
58.8
660
20.5
258
8.0
78
2.4
31
1.0
299
9.3
3,219
100.0
伊 仙 町 さとうきび 肉用牛 ばれいしょ さといも 黒 糖 その他  
1,715
53.5
644
20.1
463
14.4
32
1.0
21
0.7
333
10.4
3,208
100.0
徳之島町 さとうきび 肉用牛 さといも ばれいしょ その他  
1,537
51.9
430
14.5
269
9.1
174
5.9
74
2.5
480
16.2
2,964
100.0
出典:同上

沖永良部島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
和 泊 町 き く さとうきび ゆ り 肉用牛 ばれいしょ その他
976
19.4
739
14.7
604
12.0
568
11.3
392
7.8
1,743
34.7
5,022
100.0
知 名 町 さとうきび 葉たばこ ゆ り 肉用牛 グラジオラス その他  
737
21.1
460
13.2
453
13.0
340
9.7
279
8.0
1,223
35.0
3,492
100.0
出典:同上

与論島
単位  金額:百万円
構成比:%
  1位 2位 3位 4位 5位   合 計
与 論 町 さとうきび 肉用牛 さやいんげん さといも き く その他
821
43.1
593
31.1
95
5.0
92
4.8
67
3.5
236
12.4
1,904
100.0
出典:同上

札幌事務所東京事務所福岡事務所那覇事務所


那覇事務所



○平成11/12年期(第24回) 沖縄県さとうきび競作会表彰式

 平成12年4月20日(木)に那覇市のJA会館において、第23回「さとうきびの日」の行事の一環として、沖縄県糖業振興協会主催の平成11/12年期沖縄県さとうきび競作会表彰式が、沖縄県さとうきび糖業関係者多数の出席のもとで行われた。
 「さとうきびの日」は、沖縄県の生産農家をはじめとする関係者のさとうきび生産振興に対する意識の高揚を図るとともに、沖縄県の基幹作物であるさとうきびの重要性を広く一般に理解してもらうことを目的として昭和52年に創設されたもので、以後毎年4月の第4日曜日(今年は4月23日)を「さとうきびの日」として、県内各地で諸行事を実施するなど、これらの目的達成のために様々な取り組みが行われてきた。
 今回のさとうきび競作会は、昭和51/52年期から数えて24回目となり、ここでは県内各地区の予備審査を経て出品された優れた農家の中から、各作型部門で1位を受賞した農家を紹介する。
 なお、春植え部門1位の東山盛利貞氏は、春植え、夏植え、株出しの3作型総合部門でも1位となり、農林水産大臣賞の栄誉に輝いた。

表彰農家の紹介(さとうきび競作会審査結果講評の一部抜粋)

春植え部門1位 東山盛 利貞 氏 73才(石垣市)
 【3作型総合部門1位 農林水産大臣賞受賞】
さとうきびの品種 Ni9(農林9号)
10a当たり収量 11,120kg、 甘蔗糖度 14.9%
 前年度春植え部門1位の13トン/10aに及ばないものの、歴代の1位に遜色のない収量・品質である。
 東山盛氏は、6年前にも春植え部門1位を受賞(収量10,886kg/10a)。回を重ねるごとに収量が増加している。

夏植え部門1位 伊保 俊和 氏 53才(石垣市)
 【3作型総合部門2位 農産園芸局長賞受賞】
さとうきびの品種 NiF8(農林8号)
10a当たり収量 16,500kg、 甘蔗糖度 13.4%
 前年度夏植え部門1位の22,991kg/10aに及ばないものの、ここ10年間の平均17,103kg/10aに遜色のない収量である。
 伊保氏は、春植え、株出し、春植えとここ3年間連続受賞しており、今回の夏植え部門で1位となった。これまでも年々成績が向上し、栽培技術の高さは敬服に値する。

株出し部門1位 中村 幸勇 氏 61才(東風平町)
さとうきびの品種 Ni9(農林9号)
10a当たり収量 13,222kg、 甘蔗糖度 13.5%
 前年度株出し部門1位の11,920kg/10aに比べて、収量が優れている。

 また、表彰式に先だってさとうきびの日関連行事として、種子島西之表市のさとうきび農家、鎌倉輝男氏による「きびこそ我が命」と題する記念講演が行われたので、その概要を紹介する。

表彰される農家 鎌倉輝男氏による記念講演

講演の概要
 鎌倉氏は、昭和35年に20歳の時に、西之表市で50aの畑地でさとうきび作を始めた。当初の十数年間は、畜産との複合経営を行っていたが、さとうきび畑の面積が増大するのに伴って、さとうきびを中心とする畑作農家となっていった。
 農業高校在学中から、農業機械に対する憧憬や思いが深く、昭和36年に耕耘機を導入した。種子島の農家では耕耘機導入の第1号となり、近隣農家からの耕うん作業等の依頼が多く、耕起や整地で受託作業も年々増加していった。
 一方この間、西之表市に所在する農林水産省九州農業試験場の研究官から、さとうきびの栽培技術等について指導を受けるうちに、さとうきびの栽培の難しさや楽しさ、奥深さに興味を覚え、ますますさとうきび作りに熱中するようになった。
 平成6年に県の補助事業を通じて小型ハーベスタを導入し、以降大規模農家へと発展し、平成11年のさとうきび栽培面積は23ha余りの規模となっている。畑は借地が多く、農業委員会を通じて70筆の耕地(1筆3a〜140a)を借り受け、農地貸借に対する奨励・補助制度も有効に活用している。
 鎌倉氏は、畜産農家とも親交が深く、梢頭部やバガスと堆肥とを交換して地力の維持・増進を図るなど、地域のリーダーとしてさとうきび農家の指導的な役割を果たしている。また、自らが農業機械の改良や試作を行い、機械化一貫体系の確立に向けて取り組んでいるほか、さとうきびの収量の増加と収益性の観点から、さとうきびの間作としてのばれいしょ、甘しょ、カブ大根などの栽培を奨めている。
 鎌倉氏は、早朝から農作業を行おうと夜明けが待ち遠しいほど仕事熱心であるが、よく働き、よく学び、よく遊びをモットーに海で漁を行ったり、アメリカの大規模さとうきび農業に着目し、ジョージア、フロリダ、ニューヨーク各州を旅行して、現地の農業を自らのさとうきび作等の参考にし、また沖縄を訪れて側枝苗の状況を見聞するなど余暇を上手に過ごして、明日への糧にしている。
 次に、鎌倉輝男氏のキャッチフレーズを紹介する。

農業。夢 むらに新風きらめく未来
きびしさこそ我が職業
さとうキビは種子島の宝
きびこそ命わが命
キビの間作を利用して(馬れいしょ、カブ大根、テオシント、青刈大豆)
手むき用、結束機、搬出機
後継者、跡とりよりも、跡つぎを育てよう。
さとうキビに甘蔗しながら増反に努めよう。
作物は正直、何事も「やる気が大事」
夜明けが待ち遠しい種子島農業

 講演の終了と同時に、沖縄県のさとうきび糖業関係者で満員となった会場から、大きな拍手と熱いエールが鎌倉輝男氏に送られた。

○平成11年産 沖縄県産さとうきび及び甘しゃ糖生産量

 昨年12月10日の宮古製糖(株)伊良部工場を皮切りに開始された平成11年産の製糖は、平成12年4月30日に石垣島製糖鰍ェ終了したことにより、10社11工場の全工場が操業を終了した。
 前年産は平成10年11月から12月にかけて長雨と高気温によって、高収量、低糖度となったが、今年産は平成11年9月下旬の大型で強い台風18号が通過後、登熟期の天候に恵まれて生育が順調に回復し糖分が上昇したため、単収は前年産をやや下回ったものの、甘蔗糖度及び製糖歩留りが前年産を大きく上回ることとなった。
 この結果、平成11年産沖縄県産さとうきび生産量(分みつ糖向け)は、対前年比32,236トン、3.5%減の893,863トン、甘しゃ糖生産量は対前年比4,643トン、4.6%増の105,255トンとなった。
 地域ごとにみた場合、沖縄本島は収穫面積の減少に加え、台風18号の通過経路となって、これの影響を大きく受けたことから低収量となり、甘蔗糖度は上昇したものの、さとうきび及び甘しゃ糖の生産量がともに前年産を大きく下回る結果となった。
 沖縄本島に隣接する伊是名島及び伊江島も、台風18号の影響を大きく受けて沖縄本島と同様の状況になっているが、久米島は収穫面積の増加に加え、収量、甘蔗糖度が前年を僅かに上回ったことにより、さとうきび及び甘しゃ糖の生産量がともに前年産を上回ることとなった。
 また、南北大東島は収量、甘蔗糖度がともに好調となったことから、さとうきび及び甘しゃ糖の生産量がともに前年産を大きく上回ることとなった。
 一方、宮古本島は、平成10年10月の台風10号による塩害で、今期に収穫の夏植えの生育に悪影響が出て茎数が減少したことなどにより、収量が前年を下回ったが、甘蔗糖度が同台風10号の塩害の影響を受けて低糖度となった前年を上回ったため、さとうきび生産量は前年産を下回ったものの、甘しゃ糖生産量は前年産を上回ることとなった。宮古の伊良部島は、収穫面積の増加に加え、収量、甘蔗糖度がともに好調となったことから、さとうきび及び甘しゃ糖の生産量がともに前年産を大きく上回ることとなった。
 石垣島は収量、甘蔗糖度がともに前年を上回ったことにより、さとうきび及び甘しゃ糖の生産量がともに前年産を上回る結果となった。
 今期は、収穫期に過去にもあまり例をみない長雨が続き、全県的に収穫作業が遅れるなど、この長雨が製糖に悪影響を及ぼすこととなった。特に収穫のほとんどをハーベスタによっている南北大東島や、ハーベスタでの収穫率が5割を超える石垣島は、雨でほ場がぬかるんで機械が入れないため、工場の操業が約10日から1ヵ月余り遅れる結果となった。
 また糖業関係者によると、2月から4月にかけての多雨と日照不足により甘蔗糖度の上昇が抑制されたことから、1月末時点の最終製糖歩留り予測には、やや届かない結果となったとのことである。

表1 平成11年産沖縄県産さとうきび及び甘しゃ糖製生産実績 (各社別)

会 社 名 製 糖 期 間 面 積
(ha)
原料処理量
(トン)
歩 留
(%)
産糖糧
(トン)
開始 終了 日数
翔南製糖(株) (H11.1.8)
H12.1.7
(H11.4.16)
H12.4.1
(99)
86
(2,078)
2,067
(77.23)
67.02
(160,509)
138,558
(10.52)
11.27
(16,879)
15,610
球陽製糖(株) (H11.1.12)
H12.1.8
(H11.4.6)
H12.4.4
(85)
78
(2,234)
2,096
(72.97)
62.73
(163,032)
131,494
(11.50)
11.98
(18,751)
15,752
沖縄本島小計   (4,313)
4,163
(75.02)
64.87
(323.541)
270,052
(11.01)
11.62
(35,630)
31,361
大東糖業(株) (H10.12.19)
H11.12.14
(H11.3.30)
H12.4.17
(102)
126
(1,220)
1,203
(63.33)
77.03
(77,268)
92.662
(10.74)
11.80
(8,300)
10,931
久米島製糖(株) (H11.1.12)
H12.1.7
(H11.4.11)
H12.4.8
(90)
93
(1,079)
1,147
(69.07)
69.30
(74.517)
79,506
(10.39)
10.82
(7,740)
8,602
伊江村農協 (H11.1.7)
H12.1.10
(H11.2.23)
H12.2.22
(48)
44
(172)
162
(78.52)
64.90
(13,519)
10.518
(9.91)
11.06
(1,340)
1,164
北大東製糖(株) (H10.12.18)
H12.1.8
(H11.3.9)
H12.4.22
(81)
106
(390)
427
(65.97)
74.14
(25.735)
31,642
(10.40)
12.24
(2,677)
3,872
伊是名農協 (H11.1.6)
H12.1.8
(H11.3.28)
H12.3.23
(82)
76
(384)
388
(66.38)
58.10
(25.483)
22,545
(12.00)
12.21
(3,059)
2,754
沖縄離島小計   (3,245)
3,327
(66.72)
71.20
(216,522)
236,873
(10.68)
11.53
(23,116)
27,323
沖縄製糖(株) (H11.1.19)
H12.1.7
(H11.3.30)
H12.3.19
(71)
73
(1,702)
1,665
(79.18)
74.11
(134,757)
123,394
(10.68)
12.00
(14,395)
14,804
宮古製糖(株) 城 辺 (H11.1.19)
H12.1.7
(H11.3.26)
H12.3.17
(68)
71
(1,443)
1,481
(72.87)
69.89
(105,151)
103,503
(11.11)
12.60
(11,678)
13,042
伊良部 (H10.12.21)
H11.12.10
(H11.4.23)
H12.4.15
(124)
128
(812)
875
(73.96)
79.91
(60,059)
69,919
(10.73)
11.86
(6,445)
8,296
宮古島小計   (3,957)
4,021
(75.81)
73.82
(299,967)
296,816
(10.84)
12.18
(32,518)
36,141
石垣島製糖(株) (H10.12.21)
11.12.17
(H11.4.29)
H12.4.30
(130)
136
(1,165)
1,145
(73.87)
78.68
(86,069)
90,123
(10.86)
11.57
(9,347)
10,429
合  計   12,656 70.63 893,863 11.78 105,255
前年実績   12,680 73.04 926,099 10.86 100,612
対前年比 99.8 96.7 96.5 108.5 104.6
注・各欄の上段は、前年の実績値である。
 ・各欄の下段は、日本分蜜糖工業会とりまとめの11年産甘しゃ糖生産実績である。
 ・四捨五入の関係で内訳と合計が一致しないことがある。

表2 平成11年産 沖縄県さとうきび及び甘しゃ糖生産実績
  本  島 本島離島 宮 古 島 石 垣 島 合  計
11年産 分みつ糖向けさとうきび
生産量 (トン) a
270,052 236,873 296,816 90,123 893,863
甘蔗糖度 (%) b 13.41 14.01 14.27 13.97 13.91
産糖量 (トン) c 31,361 27,323 36,141 10,429 105,255
歩留り (%) d 11.62 11.53 12.18 11.57 11.78
10年産 分みつ糖向けさとうきび
生産量 (トン) ア
323,541 216,522 299,967 86,069 926,099
甘蔗糖度 (%) イ 12.58 13.09 12.93 13.00 12.85
産糖量 (トン) ウ 35,630 23,116 32,518 9,347 100,612
歩留り (%) エ 11.01 10.68 10.84 10.86 10.86
対前年
増(△)減
a―ア △ 53,489 20,351 △ 3,151 4,054 △ 32,236
b―イ 0.83 0.92 1.34 0.97 1.06
c―ウ △ 4,269 4.207 3,623 1,082 4,643
d―エ 0.61 0.85 1.34 0.71 0.92
対前年比 a/ア 83.5 109.4 98.9 104.7 96.5
b/イ 106.6 107.0 110.4 107.5 108.2
c/ウ 88.0 118.2 111.1 111.6 104.6
d/エ 105.5 108.0 112.4 106.5 108.5
注・日本分蜜糖工業会の資料より。
 ・本島離島は、伊江島、伊是名島、久米島及び南北大島の地域である。
 ・四捨五入の関係で内訳と合計が一致しないことがある。

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