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地域だより[2000年8月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報


地域だより
[2000年8月]
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札幌事務所



平成11年産てん菜及びてん菜糖の生産実績

 平成11年産てん菜糖の製造が、日本甜菜製糖(株)芽室工場の6月21日を最後に全て終了した。11年産てん菜については、昨年7月下旬から8月にかけての大雨と、その直後からの記録的な猛暑により根腐病が大発生し、特に道南・道央を中心に大きな被害となった。このため、てん菜収穫量は378万7千トンと史上最高だった前年産の90.9%となった。製糖歩留りは根腐病による品質悪化と、9月以降の登熟期に入ってからも高温の日が続き、糖分の上昇が妨げられたことにより、極めて悪かった前年産を更に下回り16.29%となり、産糖量は61万7千トンと前年産の90.7%となった。

平成11年産 てん菜及びてん菜糖生産実績

平成11年産 てん菜及びてん菜糖生産実績


てん菜輸入品種の検定試験及び予備試験に対する現地調査

 7月3日(月)、4日(火)の両日、社団法人北海道てん菜協会の主催によるてん菜輸入品種の検定及び予備試験に対する調査が、北海道農業試験場、道立十勝農業試験場(以上芽室町)、道立北見農業試験場、(訓子府町)、日本甜菜製糖(株)(帯広市)、ホクレン農業協同組合連合会(女満別町)及び北海道糖業(株)(本別町)の各試験ほ場において実施された。
 てん菜農家がいかに安定したてん菜栽培を経営できるかは、その土地条件に合った品種の選定が大きなカギとなるわけだ、品種交配による多収性、高糖度、耐病性等に優れた新しい品種の研究育成が絶え間なく続けられている。
 現在、道内で栽培されているてん菜の品種は、予備試験として、国産品種は北海道農業試験場が研究開発し有望な品種を選定し、輸入品種はビート糖業者が海外から輸入した品種を選定する。これら選定された品種は既存品種と比較検討する品種検定試験、耐病・耐湿性等をみる特性試験、地域適合性をみる現地検定試験を行い、最終的に北海道知事が種苗審議会の意見を聴いたうえで優良品種として認定したものである。
 今回、これら予備試験及び検定試験が適切な栽培管理等により行われているかどうか、干ばつや湿害等の影響を受けていないかについての調査であるが、調査対象の試験ほ場はどこも適切に実施されており、また生育も順調・良好で、今後の病気等の発生に注意する必要はあるものの品種特性の評価にとって精度の高い試験が期待される。
道立十勝農業試験場の試験ほ場
道立十勝農業試験場の試験ほ場
女満別のてん菜ほ場
女満別のてん菜ほ場
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東京事務所



黄表紙「江戸おもしろお菓子」展の開催

 第56回虎屋文庫資料展が5月17日(水)から6月16日(金)まで、東京赤坂虎屋ギャラリーにおいて開催された。
 今回は「江戸おもしろお菓子展―干菓子でござる―」と題し、主人秘蔵の茶碗を金平糖に奪われ、茶碗探しの旅に出る小落雁と恋人松風の運命を描いた黄表紙(江戸時代の漫画)「名代干菓子山殿」(めいだいひがし やまどの)を取り上げ、お菓子の名前の付いた登場人物が大立ち回りを繰り広げている様子が全編復刻(18の場面構成)されており、下記に示した復元菓子とともに紹介されていた。
 特に第6場面は、唐菓子の国として黒砂糖の砂浜、唐菓子大臣が頭にのせている砂糖の壷等、砂糖が貴重な輸入品だった時代背景をうかがわせ、砂糖を大量に使った外来菓子(唐菓子)は高級品というイメージで表現されていた。当時の白砂糖は、現在のように真白なものではなく褐色がかっており、白砂糖を使ったお菓子は上等な菓子として珍重されていたようだ。
 またこの他、江戸時代の上菓子についても紹介されていた。
 上菓子は江戸時代後期京都において完成し、上菓子の名は一般に禁裏などへ献上することに由来している。本来は上等な菓子の意味として使われていた。上菓子が完成する以前には素朴な菓子が多かったが、形や模様を工夫し、古典文学や自然、あるいは四季の移ろい、生活文化を写し取ることによって、菓子の世界は豊かなものになっていった。
 また上菓子は、輸入に頼っていた貴重で高価な白砂糖や氷砂糖を使っていたので、幕府は白砂糖などの使用を制限をするために上菓子屋仲間を限定していた。
 江戸時代の復元菓子の数々
・落 雁(らくがん)
米など穀物の粉と砂糖を混ぜて木型などで押し固めた菓子の総称
・白雪こう(はくせっこう)
生米の粉を使用し、後から蒸した菓子
・花ぼうろ
小麦粉に卵や砂糖を混ぜてのし、大冠を形どって作って焼いた南蛮菓子
・かせいた
マルメロを砂糖煮にして固めた羊羹のような菓子
※マルメロ(かりんの別称とされているが、本来は別物。果実は黄色で球形)
・有平糖(あるへいとう)
砂糖を煮詰め冷やした後、引き延ばして細工したものが主だったが、現在では水飴を使っている
・掛け物(かけもの)
砂糖などの衣をかけて作るこりん、みどり等の菓子
※こりん(小さな金平糖のような菓子で、中空になっている。)
※みどり(小麦粉と砂糖を合わせた生地に砂糖の衣をかけた菓子)
・金平糖(こんぺいとう)
核となるグラニュー糖などを大鍋の中で転がしながら砂糖蜜を振りかけ、少しずつ角を作って大きくする。
・福輪糖(ふくりんとう)
胡麻あるいは芥子(けし)などを入れた煎餅
・軽 焼(かるやき)
軽焼煎餅の略で、餅に砂糖を加えてつき、平らにのして上下から焼いたもの
・煎 餅(せんべい)
小麦粉と卵を使った今の瓦煎餅のようなもの
・金花糖(きんかとう)
砂糖で鯛や人間などをかたどった中空の菓子
・は ぜ(爆米と書く)
玄米を火にかけて、はじけさせたもの
・求 肥(ぎゅうひ)
小麦粉や餅米を砂糖と混ぜ、火にかけながら練り詰めた菓子
・羊 羹(ようかん)
小豆に小麦粉や葛粉を蒸し固めた蒸羊羹
・飴 類(あめるい)
三官飴(白砂糖を煮溶かした中に、餅米を擦って入れ、水飴、酢を加えて煮詰めて作る)
芥子糖(けしとう)(芥子の実入り飴)
肉桂糖(にっきとう)(肉桂入り飴)
桜 飴(表面を紅白に彩色したような可愛らしい丸い飴)
だるま飴(丸状の飴)
大ころばし(重量のあるものを動かす時に、下に敷く丸い棒を「ころばし」というとこから、大ころばしはその形を思わせる駄菓子)
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大阪事務所



砂糖で作る保存食品〜ジャムをつくろう〜

 5月〜6月の2ヵ月間にわたって、大阪市北区扇町の「キッズプラザ大阪」において、ジャム作りを中心とした子供向けの1日料理講習会が行われた。
「キッズプラザ大阪」は、平成9年7月に開館した(財)大阪市教育振興公社が運営する子供のための学習施設で、“実際にやってみることによって学べる”という“In Learning By Doing”をコンセプトに、様々な展示やワークショップを行っている。
 同施設におけるプログラムについては、さきに98年7月号本欄で、「おさとうのふしぎ」というタイトルのいちごジャム作りを紹介したが、今回のプログラムは、身近にある様々な保存食品に触れたり、ジャム作りを体験することによって、昔から伝承されている食品の保存についてその工夫を学ぶ目的で行われた。
 講習は、5月7日から6月25日までの間の第2・第4土曜日及び日曜日に行われ、5月7日(日)と6月4日(日)には、平成9年11月に神戸市で開催された当事業団の「砂糖と食文化セミナー」で講師をつとめられた、食教育研究家の坂本廣子さんを講師に迎えて行われた。
 以下6月4日(日)に行われた講習会の様子を紹介する。
 保護者とともに来場した子供達は、まず受付けを済ませ、手を洗った後エプロンと三角巾をスタッフに付けてもらい、調理台の周りに着席した。講習の間、保護者は子供と離れて会場の入口近くで見学する形になっていた。
 スタッフの挨拶のあと、坂本先生による講義が始まり、食品を保存する必要性と、ビン詰、缶詰、乾燥食品、レトルトパックなど身近にある保存食品の例が説明され、ジャムは砂糖を使った保存食品の1つとして紹介された。
 引き続いて包丁など調理器具の使い方についての注意があった後、坂本先生自身が手本を示しながら実際の調理方法を説明し、それが終わるといよいよ実習がスタートした。
 この日のメニューは「たき込みピラフ」、「キャベツのベーコンドレッシングサラダ」、「レンズ豆のスープ」、「ヨーグルトのりんごジャム添え」と盛りだくさんの内容であった。
 りんごの芯を切り取ったり、キャベツを千切りにするところなど、不慣れな包丁を使った作業の部分もあったが、各テーブルについたスタッフの指導の下、子供達はそれぞれ懸命に調理に挑戦していた。
 時間の関係で、材料にある程度の下ごしらえはしてあるものの、実習の内容は、子供達がそれぞれの料理を作り上げていく過程を理解し、身をもって体験できるよう配慮されているものであった。
 調理に取り掛かってからおよそ1時間あまり、ちょうどおなかが空いてきたところで、保護者も加わって、できあがった各々の作品の試食タイムとなった。普段とは逆に、自分たちの作った料理を保護者に味わってもらう時間を、子供達は楽しそうに過ごしていた。
 食べ終わった後は後片付けをし、講習は終了した。
 なお今回の講習においては、当事業団製作のパンフレット「砂糖のあれこれ〜お砂糖 Q&A〜」と「やさしさとうれしさ」が補助資料として配布された。
 キッズプラザ大阪の関係者によれば、「この種のプログラムの人気は高く、毎回定員以上の応募者があり、色々な作業を実際にやってみることによって得られる 『驚き』 や 『気づき』 の体験は、今の子供達にはとても新鮮なようで、作品を作り上げることが自信にもつながるようです。」とのことであった。
 また、坂本先生の、「食品を使ったこの種の講習では、『テーマとなっている食品をなぜ使うのか、なぜ食べるのか』 について子供達にきちんと伝えることが大切で、子供達にそれが伝われば、普段嫌いな食品も食べてくれるようになります。」との言葉も印象的であった。
 調理済みの食品が簡単に手に入る現代、子供達がこのようなプログラムを通じ、砂糖を含め様々な食べ物の調理に親しみ、その食品を摂取する意味を正しく理解して、バランスの良い食生活を送ってくれることを期待したい。

りんごをすりおろしてジャムづくりの手本を示す坂本先生
りんごをすりおろして
ジャムづくりの手本を示す坂本先生
すりおろしたりんごとレモン汁を鍋に入れてジャムを作る受講者
すりおろしたりんごとレモン汁を
鍋に入れてジャムを作る受講者

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福岡事務所



「第10回西日本食品総合機械展・西日本厨房機器展」の開催について

「第10回西日本食品総合機械展・西日本厨房機器展」が6月8日(木)から10日(土)までの3日間、福岡市のマリンメッセ福岡で開催された。
 本展は、日刊工業新聞社の主催で、製菓・製パン機材をはじめとする食品機械から厨房用設備機器までを集めた展示会で、第1回目が90年に福岡市国際センターで行われ、その後、96年に規模を拡大してマリンメッセ福岡に会場を移し、今回で10回目の開催となる。
 今回のメインテーマは「食環境、21世紀へのカウントダウン1」で、98年から3ヵ年計画で取り組んできたカウントダウン・シリーズの仕上げに当たるもので、食品製造・加工機械、厨房機器、食品鮮度・衛生管理機器から経営管理ソフトなど食に関する最新の機器が一堂に集合した。今回の展示会の特色は食品機械メーカーがそれぞれ専門分野以外にも新しい市場を開拓しようとする動きが見られただけでなく、消費者ニーズが高品質、健康指向の高まり、環境問題への関心といったものに拡大していく中で、食品機械の安全衛生・品質管理に配慮したもの等の食品機械が多く見られた。
 なお、同展示会には150社・団体が参加、26,188名の入場者数はいずれも前回を上回った。
 今回はまた、10周年の記念行事として、展示会以外に実演・試食、講演会など数多くの併催事業が行われた。イベントコーナーでは、タイ国料理の実演・試食コーナー、料理講習会、生チョコスリッターの実演、アメリカの農産物を使ったパン・洋菓子・食品の展示及び試食、福岡・博多の菓子の歩み(全国菓子大博覧会受賞作品の実演・即売)、食品のラッピング実演・相談及び「秋向けフランス菓子の提案」の実演などが行われた。特別展示コーナーでは、タイ国食器・食材、工芸菓子、福岡県洋菓子協会によるケーキコンテスト入賞・参加作品、健康に優しい菓子の食材、福岡・博多の菓子の売れ筋商品などが展示された。
 なお、10周年特別記念講演会&シンポジウムでは「洋菓子業界新世紀の提言」と題しての講演と洋菓子職人4人によるトークライブが行われた。
 また、講演会、セミナーでは、環境問題、食品の衛生管理・安全性、急速冷却・冷凍の活用、食文化、環境保全などのテーマをはじめ、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point 危害分析重要管理点方式:食品製造の各工程を点検し、異物の混入などを排除する手法)の事例、PL 対策、ISO 取得法など衛生・品質管理関係の講演が行われた。

展示会正面入口
展示会正面入口
工芸菓子の展示
工芸菓子の展示

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那覇事務所



アメリカで生まれ、沖縄で育ったアイスクリーム

 沖縄に暑い夏がやって来た。この季節になると、街のあちこちにあるアイスクリームパーラーが他のシーズンにも増して一段と賑わいを見せる。地元住民に限らず、観光客も、老若男女を問わず思い思いに色とりどりのアイスクリームを手にして、暑く、眩しい日差しから逃れたパーラーの店内や軒先で、楽しげに談笑している光景が印象的である。
 沖縄で、今最もポピュラーなアイスクリームの発祥は、今から50年余り前に遡る。戦後まもない昭和23年、沖縄の米軍基地内に、基地に従事するアメリカ人向けに、アメリカ人の日常食である乳製品を供給するための施設として、アイスクリーム工場が設置されたのが始まりである。その後、昭和38年に沖縄の企業がアイスクリーム作りの技術やノウハウを受け継ぎ、浦添市に工場を設立して今日に至っている。
 このアイスクリームは、味や素材に関してはアメリカのオリジナルレシピを受け継ぎながらも、沖縄の風土や気候、嗜好にあったものをその中に取り入れていることが特徴的である。このアイスクリームメーカーによると、通常のアメリカンアイスクリームに使用される乳脂肪に代えて、植物性脂肪を原料に使用していることが、大きな特徴の1つであるという。沖縄の高温多湿な気候のもとでは、乳脂肪を使用したこってりした味が合わなかったため、植物性脂肪を原料に取り入れて、その製法技術を開発したそうで、さらに風味が良い高品質の植物性脂肪を使用することによって後味が良くさっぱりとしたアイスクリームに仕上がったとのことである。
 2つ目の大きな特徴として、アイスクリームが持つ甘みへのこだわりが挙げられる。アイスクリームのおいしさを出すには、砂糖が持つ自然の甘さや食感が最適で砂糖のほかには甘味料を一切使用せず、しかも使用する砂糖は沖縄県産の精製糖や黒砂糖に限定しているとのことである。
 また、種類はバニラやチョコレートなどのアメリカンオリジナルレシピを中心に34種類のフレーバーを揃えているとのことであるが、ここで特徴的なことは紅イモや黒砂糖などの沖縄県の特産品を使用したものがあり、紅イモなど県産品のアイスクリームが最も高い人気を集めていることである。
 県産品フレーバーの使用は、二十数年前のシークワーサー(すだちに似た柑橘類)が最初で、5年程前の沖縄ブームで沖縄県産品が注目されだしたことを契機に、紅イモ、黒砂糖、ゴーヤーなどを製品化したとのことである。特にゴーヤーは必要以上の苦味を消しつつも、デザートとしての心地よい香りを残して調和させる点に苦心を要したとのことであり、現在は泡盛、ウコン、アセロラなどの県産品を使用したアイスクリームを開発中とのことである。
 この他に、最近、九州・沖縄サミットを記念して、サミット参加8ヵ国のフレーバーを使用したアイスクリームが販売され、好評を得たとのことである。
(サミット参加8ヵ国のフレーバー)
 日本:紅イモ、アメリカ:サンフランシスコミントチョコ、カナダ:メープル、フランス:ボルドー(ワイン)、イギリス:ロイヤルミルクティー、イタリア:カプチーノ、ドイツ:木いちご、ロシア:ケフィール(ロシア風ヨーグルト)
 アメリカで生まれ、アメリカンオリジナルレシピを受け継ぎながらも、沖縄の風土や気候、嗜好にあった県産品の砂糖や果物、野菜などをその中に取り入れて、沖縄で育ったこのアイスクリームは地元住民に限らず、沖縄県を訪れた人々にも幅広く親しまれており、沖縄の夏の風物詩のひとつになっている。

ショーケースに飾られたアイスクリームカップ
ショーケースに飾られたアイスクリームカップ
紅イモのアイスクリーム
紅イモのアイスクリーム

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