[2000年10月]
札幌事務所
平成12年産てん菜作付面積
道南地区のてん菜ほ場 (写真提供:社団法人北海道てん菜協会) |
北海道農政部農産園芸課の調査によると、12年産てん菜の作付面積は69,109haで、前年度より891ha (1.3%)の減となった。
これは、12年産の作付指標が前年の70,000haから69,500haに500ha減少したことにもよるが、2年連続して湿害を受け、特に昨年の根腐病による被害の大きかった石狩、胆振地域において、てん菜作付けに対する不安感があったこと、また、十勝、網走地域においては、自給率の向上を目的に農家の手取りアップにつながる施策により小麦、大豆等の作付面積が増加しており、てん菜からこれらの作物へ作付けがシフトしたものと思われる。
12年産てん菜の生育状況は、4月末から5月初めにかけての天候不順から、作付開始が大幅に遅れたところが多く心配されたが、その後の好天により回復し、一部褐斑病等の被害が出ているものの、全体的には平年を上回る生育状況となっている。
しかし、今夏も異常高温の日が続いたことなどから糖度の乗りがいまひとつで、登熟期を迎え、好天が望まれるところである。
平成12年産てん菜作付面積調査
福岡事務所
鹿児島県南西諸島におけるさとうきびの収穫面積について
鹿児島県農政部農産課は、平成11年産の鹿児島県南西諸島(屋久島を除く)におけるさとうきび及び甘しゃ糖の生産実績等を取りまとめた。この冊子に、さとうきび・糖業ルネッサンス計画と島別のさとうきびの収穫面積の推移が掲載されている。さとうきび・糖業ルネッサンス計画は平成10年産から12年産までの3ヵ年のさとうきびの生産計画を策定したもので、島別にさとうきびの栽培型別と収穫面積や10アール当たりの収量及びさとうきびの生産量が示されている。
さとうきびの収穫面積は昭和30年産から平成11年産までの45年間の推移が示されており、昭和30年産以降、さとうきびの収穫面積は徐々にではあるが増え続け、昭和40年産では12,860haを記録して、昭和45年産まで12,000ha台を維持したが、その後、若干減少して、12,000haを下回ることになった。昭和54年産から平成2年産にかけて再び、さとうきびの収穫面積は12,000ha台で推移したが、平成3年以降は漸次減り続けて平成9年産では8,718haまで減少した。
下の表は、福岡事務所が平成9年産以降の島別のさとうきび収穫面積とさとうきび・糖業ルネッサンス計画の収穫面積をまとめたものである。平成3年産から9年産までのさとうきび収穫面積の減少は、島の持続的農業の維持及び製糖メーカーなどに深刻な影響をもたらすことになった。こうした状況の中、さとうきび・糖業ルネッサンス計画が策定され、さとうきびの収穫面積の拡大など、さとうきびの生産量の改善を目指す方向が示された。平成10年産以降は、この計画に沿って、砂糖関係者の様々な取り組みがなされたため、さとうきびの収穫面積は同計画を上回って推移することとなった。
なお、12年産においては、7月末から9月にかけて、南西諸島付近を幾つかの台風が通過したため、さとうきびにかなりの被害が見られ、今後の登熟等への影響が心配される。
鹿児島県南西諸島におけるさとうきびの収穫面積
単位:ha |
|
|
9年産 |
10年産 |
11年産 |
12年産 |
種子島 |
ルネッサンス計画 |
|
(2,170) |
(2,190) |
(2,215) |
実 績 |
2,146 |
2,222 |
2,360 |
*2,474 |
奄美大島 |
ルネッサンス計画 |
|
(577) |
(639) |
(669) |
実 績 |
567 |
571 |
570 |
*578 |
喜界島 |
ルネッサンス計画 |
|
(1,017) |
(1,070) |
(1,128) |
実 績 |
1,076 |
1,017 |
1,010 |
*1,055 |
徳之島 |
ルネッサンス計画 |
|
(3,660) |
(3,687) |
(3,722) |
実 績 |
3,532 |
3,648 |
3,871 |
*3,871 |
沖永良部島 |
ルネッサンス計画 |
|
(884) |
(940) |
(950) |
実 績 |
814 |
884 |
925 |
*875 |
与論島 |
ルネッサンス計画 |
|
(590) |
(610) |
(630) |
実 績 |
583 |
590 |
591 |
*603 |
鹿児島県計 |
ルネッサンス計画 |
|
(8,898) |
(9,136) |
(9,314) |
実 績 |
8,718 |
8,932 |
9,327 |
*9,456 |
|
(注)*は平成12年6月1日調査(鹿児島県農政部農産課調べ)によるさとうきび収穫面積である。 |
那覇事務所
平成12年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量について
沖縄県農林水産部が平成12年8月1日現在における平成12年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量等を取りまとめたので紹介する。
この調査によると、今期のさとうきび収穫見込み面積は1万3,516ha、前年実績に対し30ha (0.2%)と、わずかであるが増加する見込みである。その状況を地域別でみると、夏植、株出が伸びたことで八重山地域で87ha (5.4%)増加しているものの、沖縄地域が33ha (0.4%)、宮古地域では、23ha (0.6%) 減少の見込みである。
また、作型別にみると、夏植で180ha (2.7%) 減少見込みであるものの、沖縄、宮古地域で春植が伸びたことにより春植で143ha (11.3%)、株出で68ha (1.2%) 増加する見込みである。
さとうきびの生産量は92万4,484トン (対前期比96.43%) が見込まれている。
また、沖縄地方を通過した台風8号(8月上旬)や台風12号(8月下旬)による影響が心配されているが、今後の順調な生育が期待されているところである。
収穫見込み面積
単位:ha、% |
作 型 |
(8月) 見込み |
前年実績 |
対比 |
面積(A) |
構成比 |
面積(B) |
構成比 |
A/B |
夏 植
春 植
株 出 |
6,506
1,406
5,605 |
48.1
10.4
41.5 |
6,686
1,263
5,537 |
49.6
9.4
41.1 |
97.3
111.3
101.2 |
計 |
13,516 |
100.0 |
13,486 |
100.0 |
100.2 |
|
収穫見込み面積 (地域別)
単位:ha、% |
地 域 |
(8月) 見込み |
前年実績 |
対比 |
沖 縄
宮 古
八重山 |
7,567
4,255
1,695 |
7,600
4,278
1,608 |
99.6
99.4
105.4 |
計 |
13,516 |
13,486 |
100.2 |
|
10a当たり見込み収量
単位:kg |
地 域 |
夏 植 |
春 植 |
株 出 |
合 計 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
沖 縄
宮 古
八重山 |
8,000
7,500
7,700 |
8,511
7,677
8,038 |
5,300
4,500
5,800 |
5,683
5,207
6,747 |
6,400
5,200
4,500 |
6,465
5,037
6,384 |
6,500
7,300
7,200 |
6,735
7,519
7,754 |
計 |
7,600 |
7,919 |
5,200 |
5,738 |
6,300 |
6,435 |
6,800 |
7,105 |
|
さとうきび見込み生産量
単位:トン、% |
地 域 |
見込み生産量 (A) |
前年実績 |
対 比 (A/B) |
生産量(B) |
(A−B) |
沖 縄
宮 古
八重山 |
492,504
309,914
122,067 |
511,875
321,647
124,684 |
△19,371
△11,733
△ 2,617 |
96.2
96.4
97.9 |
計 |
924,485 |
958,206 |
△33,721 |
96.5 |
|
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