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地域だより[2001年10月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2001年10月]



札幌事務所



てん菜そう根病抵抗性品種検定試験並びに同予備試験の現地調査

 9月6日、7日の両日、社団法人北海道てん菜協会の主催によるてん菜そう根病抵抗性品種検定並びに同予備試験の現地調査が道立北見農業試験場、日本甜菜製糖 (帯広市)、ホクレン農業協同組合連合会 (斜里町)、北海道糖業 (浦幌町) の各試験ほ場で、行政、研究機関、てん菜糖業者等の参加で実施された。
 そう根病は、ポリミキサ菌の寄生によって媒介されるウイルス病である (詳細については本誌 「お砂糖豆知識」 を参照)。ポリミキサ菌の生存年数は非常に長く10年以上といわれている。発病すると、根重及び糖分が著しく低下する厄介な病害である。現在のところ特に有効な防除手段がなく、一度汚染されると絶滅させることは非常に困難である。このことから、そう根病に対する抵抗性が重要になっており、各てん菜生産関係者がそう根病抵抗性系統の同病抵抗性の検定試験を実施している。この試験はそう根病抵抗性品種として登録する場合に必要となっている。当然のことながらこの種の試験は健全ほ場で一般特性検定試験などと同時には実施できないので、そう根病汚染ほ場 (隔離ほ場) で独立した試験として実施されている。
 各糖業者の試験ほ場で予備試験として品種のそう根病抵抗性が試験され、選抜されて、道立北見農業試験場でそう根病抵抗性検定試験が実施されている。
 今回の現地調査では、そう根病汚染土壌で栽培されたてん菜が、どれだけの抵抗性を持っているか調べる試験の精度を調査するもので、品種により、抵抗性の強いもの、弱いものがはっきりと現れており、かなり精度の高い試験であることが調査後の検討会で認められた。
 そう根病汚染地域がかなり広範囲にわたっているため、そう根病の抵抗性が強く、かつ、糖度、収量ともさらに優秀な品種が待ち望まれている。

そう根病抵抗性予備試験ほ場 そう根病抵抗性予備試験ほ場
そう根病抵抗性予備試験ほ場 そう根病抵抗性予備試験ほ場
 地上部だけで、そう根病の罹病状況を知るには、葉の葉緑素濃度で判断する。緑が濃いほど健全で、黄色味が増すにつれ病気はひどくなる。  試験ほ場は、そう根病汚染の隔離ほ場なので、ほ場に入るときはオーバーシューズ(ビニール製使い捨て)を履き汚染土壌が流出しないように注意して現地調査を実施した。




砂糖類に関する正しい知識の普及活動
〜 東京都多摩消費生活センター主催「食を考える講座」に参加して 〜

 近年、砂糖は糖尿病や肥満等に代表される生活習慣病の原因との誤解が一般消費者に広がっている。当事業団ではセミナーの開催や各種パンフレットの発行等を通じて、砂糖類に対する正しい知識や健康との関わりについてのさまざまな知識の普及を図っているところである。このような現状の中で、東京都消費生活センターにおいて、一般消費者を対象とした甘味料に関する講座が開催され、受講したので報告する。
 受講したのは、8月21日に同センターで開催された “新しい糖類・甘味料を考える” という講座で、講師は東京都の技術担当職員、受講者は東京都内に在住あるいは在勤している者というものであった (出席者数24名)。
 本講座では、まず、市販の清涼飲料水や果物、それぞれ10点ほどをサンプルにして、(1) 薄層クロマトグラフィーによるアミノ酸系甘味料 (アスパルテーム) の検出、(2) (2)液体クロマトグラフィーによる糖アルコール (キシリトール及びエリスリトール) の検量、(3) 糖用屈折計による糖度測定、以上3種類の実験が講師の指導の下、検体作製から結果値の計算までの過程が受講者の手によって行われた。
 受講者は、初めての経験でもあり最初のうちは消極的であったが、馴れてくると次第に積極性を増し、実験時間の終わり頃には 「スイカがソーダ水より糖度が高いけど本当かな」 とか、「砂糖と新甘味料って何が違うの」 といった疑問の声等が上がるまでになった。
 受講者による実験がひととおり終わると、次は講師による講義へと移り、初めに糖用屈折計の 「屈折計は水溶性の物質であれば砂糖以外の物質の屈折率に影響を受けるので、砂糖以外の物質が含まれる場合の数字は、糖度を正確に表わしたものではない」 という器具のしくみが説明され、実験において生じた受講者の疑問に対する回答が行われた。
 続いて砂糖に関する誤った世間の見解については、例えば 「摂取するカロリー量が不足していても、砂糖を食べると太る」、「砂糖は骨の中のカルシウムを溶かしてしまう」、「砂糖をたくさん食べると、血液が酸性になる」 等の誤解が紹介され、これらは科学的に何ら根拠を持たないことが詳細に話された。また、「砂糖は即効性をもって脳のエネルギーになるという特性を持つ」と、砂糖と新甘味料の違いについても述べられた。これらにより認識を新たにした受講者も多かったようである。
最後に保健機能食品の説明が行われ、予定時間を約30分超過して講座は終了した。




守口漬 〜 砂糖と塩蔵大根の融合 〜

 家庭における食事、特に和食を考えた場合に食卓に欠かせない存在が漬け物である。歴史的にも古くから認められており、奈良時代からすでに保存食として、塩漬、ひしお漬、粕漬等が利用されていた。また、原材料から見ても奈良漬、千枚漬、味噌漬、大根の浅漬、福神漬、ニンニク漬、わさび漬等砂糖を利用しているものは多い。
 全国には名産と呼ばれる漬け物が数多くある。守口漬は、愛知県名古屋市を代表する漬け物であり、その製造方法は、特に砂糖との関わりが深いことから、砂糖との関わり及び奈良漬に対する消費者の動向等について、大和屋守口漬總本家大口工場副工場長の上村かみむら氏に伺ったので紹介する。

守口漬の由来
 守口漬の由来は幾つかあるようだが、大阪府守口市で始まったとされる説が有力である。守口漬は奈良漬の一種であり、守口大根と呼ばれる細長い形状の大根を粕床に漬けたもので、愛知県では、明治15年頃に名古屋で始めて造られたといわれている。大根にまつわる話として 「守口漬は、守口大根を使っているために守口漬と呼ばれているのではなく、守口漬に使用された大根を守口大根と呼ぶようになった」 という点が興味深い。

守口大根
 大根の産地も当初 (江戸時代) は幾つかあった。大坂天満の天満宮鳥居前 (最近までの天神筋町=俗称九丁目筋の古名が宮の前) で 「宮ノ前大根」 又は 「宮前大根」 と呼ばれるものが栽培され、相模では 「波多野だいこん」、美濃では 「美濃干しだいこん」 と称される大根がそれぞれ栽培されていたが、これらの原種が同一のものであったか否かまでは明らかになっていない。
 大阪、岐阜、神奈川で栽培されていた守口大根だが、次第に大阪、神奈川では栽培されなくなり、明治20年代には既に岐阜から大阪に出荷されるようになった。大根の供給は、昭和40年代前半まで岐阜県が一手に担っており、愛知県で守口大根を栽培するようになったのは戦後になってからである。岐阜県の種子は門外不出で手に入らなかったため、市販の種子を使って手探りで始めたが、順調に収穫量を増やし、現在では愛知県産が出荷量の7割を占めている。

守口漬の製造方法
 守口漬のポイントは、塩蔵した大根の食塩を酒粕のアルコールと砂糖の糖分に成分交換する点にある。したがって、昔は塩蔵大根を酒粕に漬けて毎月漬替えて1年かけて完成という手のこんだものであった。現在では、あらかじめ塩分を17%位まで脱塩しておいて粕に漬け、1ヵ月後に漬替えて2回漬替えた後に出荷する方法が一般的なようだが、ここでは大口工場の方法を紹介する。
 守口漬の製造は大きく分けて塩蔵と酒粕への漬込みの2つに区分できる。

塩 蔵
 漬物工場は、契約栽培している守口大根を委託先の生産組合で1次加工したものを荷受けする。この時の塩蔵処理は、大根の重量比にして20%の食塩を使用したものである。この塩蔵処理したものを再度同量の食塩を使用して2〜3ヵ月間塩蔵する。
ちなみに、醤油漬、酢漬、味噌漬、粕漬などの古漬は食塩20%を使って野菜を塩漬した「塩蔵原料」を使用するのが一般的である。

酒粕への漬込み
 酒粕への漬込みは都合4回行う。
1回目
 最初の漬込みは塩蔵原料の脱塩行程である。2回目の漬込みで使用した酒粕に3ヵ月漬込む。この時、白双糖は加えない。
2回目
 新しい酒粕に大根の重量比にして10%の白双糖を加え、約3ヵ月漬込む。
3回目
 新しい酒粕に大根の重量比にして30%の白双糖を加え、約3ヵ月漬込む。
4回目
 新しい酒粕に大根の重量比にして30%の白双糖を加え、約3ヵ月漬込むと一層風味の増した守口漬ができる。需要に応じた製品を出荷するため、4回目の漬込みを行わず出荷されるものもある。使用した酒粕は、製品と一緒に出荷される。
 ゆっくりと時間をかけて酒粕と糖分が塩分と交換され、当初17%の塩分が製品時には約5%となる。

奈良漬としての守口漬
 近年、守口漬を巡る環境も変わってきている。最も大きな問題は、消費者の奈良漬離れと原料酒粕の高コスト化である。消費者の奈良漬離れの理由としては、進物競争の激化と低塩指向等が挙げられる。元来、奈良漬は、自家用に供するよりも進物としての利用が多く、その中で、相対的に奈良漬の地位が後退していると考えられる他、消費者の低塩指向等により、奈良漬等の古漬けよりも、さっぱりとした食感の浅漬けに消費者の嗜好がシフトしていることが原因のひとつと見られている。また、原料酒粕の高コスト化は、日本酒離れの影響により、日本酒製造の副産物である酒粕の流通量が年々減少していることによる。5年前と比べて、原料酒粕の価格はおよそ倍になっているようである。その結果として、守口漬の生産量はピーク時に比べて半減している。

消費者ニーズ
 戦後、ほとんど変わらない製法をとってきた守口漬だが、企業として消費者から美味しいと言われるものを出荷する必要も大きくなっており、一例として、近年の低塩嗜好に答えるため、最近では塩分を5%から3%に落とした製品も出荷している。また、風味の広がりを増やすため、砂糖の種類に三温糖や和三盆糖を使った製品にも取り組んでいるとのことである。
 守口漬は、元来漬物が持っていた保存食としての性格を今でも色濃く残しつつ、消費者の新しい要求に応えようとしている。
塩漬後の大根
塩漬後の大根
漬込み作業 白双糖を加えているところ
漬込み作業 白双糖を加えているところ
札幌事務所東京事務所名古屋出張所
岡山出張所福岡事務所那覇事務所



さとうきびの搾りかす繊維を原料としたポケットティシュを無料配布

 岡山県真庭郡(まにわぐん) 新庄村(しんじょうそん) は、県の北西部・鳥取県境に在り、名峰大山、蒜山高原ひるぜんこうげんの西南に位置している。同村では、今春、さとうきびの搾りかす (バガス) 繊維を原料としたポケットティシュ2万個を作り、同村を訪れる観光客や登山客に山開き等のイベント時に無料配布している。
 さとうきびから糖汁を搾った後の副産物であるバガスは、通常、製糖工場の燃料や家畜の飼料として利用されるが、バガス繊維は、木材繊維に比べ軟らかく、パルプを作る際の薬品の量やエネルギーが少なくすむことから紙原料としても注目されている。ここで配布されているポケットティシュは、最近の山登り・ハイキングにおいて、トイレなどで使用されたティシュが分解されにくく、施設管理の障害となっている問題に対応し、水に溶けやすく、捨てても数ヵ月で自然に還元される性質のものとなっている。
 同村の毛無山 (村内最高峰1,218M) から朝鍋鷲ヶ山にかけての縦走路は、ここ数年、年間2万人以上の登山客が訪れているハイキングコースである。登山道には、さすがにゴミの放置はないものの、やぶの中には時折、使用済のティシュが捨てられており、山里の環境対策を講じる必要があったことから村の本年度事業として導入された。配布するティシュの表面には、「ゴミが泣いている連れて帰ろう」 などと書かれており、同時にビニール袋を折りたたんで入れ、ゴミの持ちかえり運動を呼びかけている。ちなみに、同村では昨年の秋から環境管理の国際規格であるISO14001の取得を計画しており、本年度内取得に向け、この砂糖の副産物であるバガスで作った環境にやさしいポケットティシュをそのシンボルグッズとして位置付け、鋭意、自然環境保全の取組みを進めているという。
ポケットティシュ 毛無山登山
バガスで作った環境にやさしい
ポケットティシュ
ハイカーに人気のある毛無山登山
札幌事務所東京事務所名古屋出張所
岡山出張所福岡事務所那覇事務所



日本甜菜製糖(株) 下関精糖工場の閉鎖と新会社関門製糖(株)の稼動率向上に向けての取組み

 管内の日本甜菜製糖(株) 下関精糖工場は、昭和27年10月創業の歴史に幕を閉じることになり、精糖設備の集約化によるコストダウンを図るため大日本明治製糖(株) と共同生産を開始することを決めた。同社は大日本明治製糖(株) の生産委託会社であった西日本製糖(株) (北九州市) に資本参加し、大日本明治製糖(株) との共同経営による新会社関門製糖(株) を4月1日に設立し、下関精糖工場の砂糖の製造を全面的に関門製糖(株) へ移管し、もう既に数ヵ月が経過した。
 工場閉鎖後、旧下関精糖工場で使用されていた真空結晶缶や包装機械の一部は、新会社や日本甜菜製糖(株) の北海道内の工場に移設されるとともに、新会社へ移設された機械は9月から稼動しており、併せて関門製糖(株) では生産の増加に備えて収容能力換算で約7割ほど製品倉庫が拡張され、13年の目標である年間生産15万トン、稼動日数330日に向けての取り組みが行われている。
 また、真空結晶缶、自動遠心分離機、ボイラー、イオン交換樹脂塔などの機械設備の一部はインドネシアに輸出され、重油タンク等引取り手のない設備については撤去、廃棄処理が行われた。
 一方、下関精糖工場に勤務していた50名程の社員は、約3分の2が関門製糖(株) の製造部門と同社内に新設された日本甜菜製糖(株) の関門営業所に移り、他は日本甜菜製糖(株) の本社や北海道の工場に転勤等が行なわれた。  なお、精糖工場の跡地は、用途変更の認可を受けホームセンター業者に賃貸することが決まっており、来年の夏頃には港湾作業用雑貨及び広く一般消費者向け雑貨を取り揃えたホームセンターとしてオープンする予定である。





沖縄県さとうきび生産法人連絡協議会が発足
〜 さとうきび生産法人の現状と課題、今後の対応 〜

 沖縄県さとうきび生産法人連絡協議会 (以下「連絡協議会」と言う) の設立総会が8月23日に、那覇市内のホテルで沖縄県内のさとうきび生産法人25法人、沖縄県農林水産部、(社)沖縄県糖業振興協会、沖縄総合事務局、JA、製糖企業等関係者多数が出席して開催された。
 連絡協議会は同県の25のさとうきび生産法人が、相互の交流を通じて法人経営知識の修得や農業技術の向上等を図ることを目的として発足したもので、さとうきび生産法人間の連絡組織としては初めての組織である。設立総会では連絡協議会会則、13年度事業計画及び予算などが承認され、会長に (有)結農産の比嘉徳仁氏が選出された。事業計画では、法人経営の安定的な発展を図るため、国や沖縄県、当事業団が行う助成事業等を活用するなど、生産法人構成員のスキル向上を図るための法人運営基礎研修、リーダー養成研修、パソコン研修、オペレーター養成技術研修、先進地派遣研修等を実施したいとしている。
 連絡協議会の比嘉会長は 「2年間で25の法人設立はうれしく思う。今後も借地を増やすなど規模を拡大し、機械化を進めてさとうきびの増産に努めたい。個々の法人は農家集団の組織であり会社経営のノウハウや、新技術や機械化の導入に未熟であるため、関係者の支援、協力を頂きたい。連絡協議会発足は法人間の連携を深め、相互に経営能力や農業技術を高めることにつながると思われるので意義が大きい。各法人が協力しながら、なお一層さとうきび作りにまい進したい」と抱負を述べ関係者の支援を要請した。
 これを受けて、同県農林水産部をはじめ関係者から 「さとうきび生産法人は、今後の沖縄県さとうきび糖業を支える大きな柱の一つとして期待している。既に生産量を伸ばしている法人もあるが、相対的には法人経営のノウハウの強化等が必要で、関係者はそれぞれの立場から支援や協力を行いたい。協議会設立は有意義であり、各法人のさらなる活躍に期待したい」 と今後の発展を期待する言葉が寄せられた。なお、連絡協議会の事務局は (社)沖縄県糖業振興協会に設置されることになった。
 さとうきび生産法人の育成は、同県の基幹作物であるさとうきびの生産量がここ近年減少傾向にあるなかで、同県農林水産部がさとうきびの生産振興を図る一環として、11年9月に 「さとうきび農業生産法人育成5カ年計画」 を策定し、さとうきび作の担い手としての農業生産法人の設立、育成を推進する施策によって進められている。さとうきび生産法人は、農地の利用集積等によって生産規模を拡大し、新技術や機械化体系を導入することによって生産性を高め、低コスト化を図って他産業並の農業所得を確保し、併せて製糖工場への安定的な原料供給を図ることを目的に、法人の育成が推進されている。この目的に沿った法人育成のため、県や市町村等の行政機関、糖業振興協会、農業開発公社、JA、製糖企業等関係者が補助事業や制度資金の活用、農地の流動化促進、農業技術協力等を通じてさとうきび生産法人に支援を行っている。

表1 沖縄県によるさとうきび生産法人育成5ヵ年計画
(地域別・年度別法人数)
沖縄県農林水産部資料
  11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 合 計
北部地域 2 3 2 3 10
中部地域 1 1 2 3 3 10
南部地域 2 5 3 3 4 17
宮古地域 1 2 1 1 5
八重山地域 2 1 1 4
合 計 4 12 10 10 10 46

表2 さとうきび生産法人設立状況 (平成13年8月現在)
沖縄県農林水産部資料
生産法人名 設立年月
平成 年 月
構成員
(人)
所 在 地
地域・市町村
設立時面積
(ha)
13年8月
面積 (ha)
津嘉山ファーム 12年6月 3 北部・東村 3.3 6.6
ティナンテクノファーム 12年12月 3 北部・名護市 8.8 8.9
結 農 産 11年9月 3 中部・中城村 17.0 30.0
よみたんドリームファーマー 12年6月 4 中部・読谷村 3.0 4.5
サザンドリーム 11年8月 4 南部・南大東村 55.0 55.0
白川ファーム 12年1月 3 南部・東風平町 7.0 7.5
久 豊 会 12年5月 4 南部・久米島具志川村 18.0 19.7
赤平ファーム 12年5月 4 南部・久米島仲里村 17.0 18.4
あらかきファーム 12年6月 4 南部・久米島仲里村 14.3 16.8
ドリームファーム 12年6月 3 南部・久米島仲里村 10.0 13.9
比嘉ファーム 12年7月 4 南部・久米島仲里村 8.0 7.5
南星ファーム 12年9月 3 南部・久米島仲里村 5.0 6.3
サンファーム 12年9月 4 南部・佐敷町 9.3 12.1
大農ファーム 13年8月 3 南部・大里村    
三崎農産 13年8月 3 南部・佐敷町    
グリーンファームふくきた 11年5月 5 宮古・城辺町 14.0 24.2
でいごファーム 12年10月 4 宮古・伊良部町 9.0 5.5
豊 農 産 13年7月 4 宮古・平良市 10.0 11.0
四島農産 13年7月 3 宮古・平良市 6.0 6.0
城辺町さとうきび生産組合 13年8月 7 宮古・城辺町    
サザンファーム 8年2月 3 八重山・竹富町 29.0 30.0
小浜島ファーム 9年12月 4 八重山・竹富町 4.5 15.5
玉城ファーム 12年11月 3 八重山・与那国町 20.5 20.5
石垣島ファーム 13年6月 3 八重山・石垣市 11.4 11.4
注・生産法人の経営形態は、有限会社または農事組合法人である。
 ・平成13年8月の面積は、この時点における集積面積 (自作地及び借地) で、
 沖縄県農林水産部の聞き取り調査による。
  また、表中の空欄については現在調整中である。

 設立総会翌日の8月24日には、沖縄蔗作研究協会等が主催する第28回サトウキビ試験成績発表会が開催され、シンポジュウム 「サトウキビ増産に向けて!」 において 「生産法人組織によるさとうきび大量生産に向けての支援分担をどうすべきか」 をテーマに、同県農林水産部や農業試験場、琉球大学等の関係機関からこれに関する取り組み状況や研究内容等について報告がなされ、また生産法人からそれぞれの現状や課題について報告があった。
 このなかで、いくつかの生産法人から法人設立の動機や経営規模等の現況、問題点や課題、要望等について報告があったので紹介する。
 法人設立の動機については、「今後において、安定したさとうきび農業を継続するためには規模拡大と機械化が必要であるが、個人経営では限界があるため、信頼できる仲間やオペレーターが集まって法人設立を決意した」、また「法人化することにより、補助事業による機械導入が図りやすくなる」 などが示された。
 経営規模については、設立時に比べて借地面積等の増加により大幅に規模拡大をしている者や、設立時とあまり変化がない者など法人ごとに様々な状況となっている。
 また、技術的な問題点としては、「地力が弱いことなど立地条件が悪く単位収量が低い状況にある」、「新たな機械操作に不慣れで作業効率があがらない」 などが示された。
 次に、施策的問題点としては、「法人設立に関する具体的なマニュアルがない」、「法人設立資金や設立後経営が軌道に乗るまでの運転資金の対応に苦心している」、「借地の手当てが困難で当初の計画どおりに農地集積、経営規模拡大が進まない」、「会社としての経営形態がとれていない。給与制が未導入であり、社会保険に未加入の状況である」 などが報告された。
 さらに要望として 「設立時及び設立後数年間の運転資金の手当てを制度面で拡充してほしい」、「農地流動化を促進して農地利用集積を図りやすい環境作りをしてほしい」、「新技術や機械導入に関する補助事業を優先的に導入してほしい」、「会社経営に必要な簿記や税務、資産管理等の経理事務、パソコン及び農業機械操作等の技能修得に関して支援してもらいたい」 などの意見が示された。
 同県策定の生産法人育成5カ年計画では、11年度から15年度の5年間に46法人、13年度末の中間時点で26法人の育成が計画されている。シンポジュウムの討議のなかで、会議出席者の大方の意見は 「沖縄県におけるさとうきび作と糖業を一体のものとして今後の発展を期待する場合、さとうきび生産法人がもつ役割は極めて大きい。現時点での25法人の設立は、計画を上回るペースで法人化が進行し非常に喜ばしい状況にある。  しかし一方で、発足して間もない法人がほとんどであり、さらに規模を拡大して安定的な会社組織として運営していくには、今後法人自らが取り組むべき課題や、県等の関係者が支援すべき課題も多い。いくつかの法人から報告があつた問題点を改善し、要望の実現を図るには、法人や関係機関がそれぞれの役割を通じて一つ一つ課題を解決していく努力が重要である。さとうきび生産法人連絡協議会の発足は、各法人が連携することによって、課題を解決するための工夫の共有化が行えるという面においても、設立の意義が大きい。関係機関も連携を深めて支援したい」 としている。  さとうきび生産法人のさらなる発展が期待されている。

平成13年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量について

沖縄県農林水産部が平成13年8月1日現在における平成13年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量等をとりまとめたので紹介する。
 この調査によると、今期のさとうきび収穫見込み面積は1万3,394ha、前期実績に対し148ha (1.1%) の減少が見込まれている。その状況を地域別でみると沖縄地域が72ha (1.0%)、宮古地域が49ha (1.2%)、八重山地域が27ha (1.5%) の減少とそれぞれの地域で減少が見込まれている。
 また、作型別にみると、夏植で222ha (3.4%)、株出で172ha (3.1%) 減少見込みであるものの、春植で246ha (17.5%) 増加する見込みである。
 さとうきびの生産量は、87万5,651トン (対前期比108.8%) が見込まれている。
 また、沖縄地方を通過した台風11号 (8月下旬) や20数年ぶりに大量発生した黒穂病による影響、北大東島における干ばつの状況等が心配されているが、今後の順調な生育が期待されているところである。

収穫見込み面積
(単位:ha、 %)
作 型 (8月) 見込み 前期実績 対 比
面 積 (A) 構 成 比 面 積 (B) 構 成 比 A/B
夏 植
春 植
株 出
6,286
1,654
5,454
46.9
12.3
40.7
6,508
1,408
5,626
48.1
10.4
41.5
96.6
117.5
96.9
13,394 100.0 13,542 100.0 98.9

収穫見込み面積(地域別)
(単位:ha、 %)
地 域 (8月) 見込み 前期実績 対 比
沖  縄
宮  古
八 重 山
7,454
4,202
1,739
7,526
4,251
1,766
99.0
98.8
98.5
13,394 13,542 98.9

10a当り見込み収量
(単位:kg)
地 域 夏 植 春 植 株 出 合 計
見 込 み 前期実績 見 込 み 前期実績 見 込 み 前期実績 見 込 み 前期実績
沖  縄
宮  古
八 重 山
7,607
7,428
7,405
6,476
6,824
7,474
5,122
4,536
5,720
4,147
5,092
5,450
5,982
4,894
5,288
5,229
5,099
5,095
6,116
7,142
6,885
5,276
6,678
7,011
7,459 6,900 5,088 4,406 5,915 5,220 6,537 5,942

さとうきび見込み生産量
(単位:トン、%)
地 域 見込み生産量
(A)
前 期 実 績 対 比
(A/B)
生産量 (B) 生産量 (A−B)
沖  縄
宮  古
八 重 山
455,844
300,058
119,749
397,053
283,866
123,806
58,791
16,192
△4,057
114.8
105.7
96.7
875,651 804,725 70,926 108.8


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