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地域だより[2002年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2002年2月]

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札幌事務所



「砂糖シンポジウム 〜 砂糖は笑顔のエネルギー 〜」 が札幌で開催

 平成13年12月6日(木)、札幌市内の全日空ホテルで、「砂糖シンポジウム 〜 砂糖は笑顔のエネルギー 〜」 (主催: (社) 糖業協会、精糖工業会、砂糖を科学する会、後援:農林水産省、農畜産業振興事業団等) が開催された。
 シンポジウムは、高輪メディカルクリニック院長の久保明氏と (株) 横浜国際バイオ研究所代表取締役社長橋本仁氏による講演で、募集定員250名に対し1,236名の応募があり、抽選により248名が選ばれ参加者の9割程度が女性であった。
 久保氏は、診療経験にもとづいて 「夫婦で実践するからだのリスク管理」 というテーマで、生活習慣病の発病における内的要因と外的要因の関係とそのリスク管理について述べた。
 生活習慣病における内的要因は遺伝子によって左右される部分であるのに対し、食事、運動など人の体に後天的な影響を及ぼす要素が外的要因であり、内的要因に外的要因が加わって発病するので、外的要因がなければ発病しない。例えば、遺伝的に糖尿病に罹りやすい家系の人は、食事に気を付け、適度な運動をするなど、外的要因をいかに減らすかが、発病を押さえることにつながるという例を挙げ、リスク管理が身体の病気を予防するうえで重要であると述べた。
 また、砂糖が糖尿病の直接の原因ではないということや、痴ほうには読書や運動に加え、砂糖の摂取が有効であることなども述べられた。
 橋本氏は、「砂糖と肥満」 というテーマで、砂糖が肥満の元凶ではないことについて分かりやすく述べた。
 毎日の生活に欠かせない砂糖はご飯やパンなどと同じ炭水化物であり、そのエネルギーはほとんど変わりがなく、例えば、食品の100キロカロリーに相当する量は、食パン38g、砂糖26gとなり、砂糖だけが特別にカロリーが高く肥満の原因ではないこと、人は脳でエネルギーの18〜20%消費するが、すべてブドウ糖で賄われるため、果糖とブドウ糖が結合した砂糖は直ぐに分解されるので、脳のエネルギー補給には最適な食品であることを強調した。
 会場はほぼ満席で、熱心な参加者の熱気で汗ばむほどであった。砂糖と健康に関心を持っている方がいかに多いか、改めて知らされたシンポジウムであった。

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東京事務所



「砂糖科学会議 〜 砂糖と健康 〜」 が東京国際フォーラム会議場で開催

 平成13年12月19日(水)、千代田区丸の内の東京国際フォーラム会議場において、(社) 糖業協会、精糖工業会、砂糖を科学する会の主催により 「砂糖と健康」 に関する砂糖科学会議が開催された。
 同会議は、消費者との直接的な窓口となる医師、栄養士、看護婦、衛生士などの専門家の方々に対して、砂糖の有用性や効用等に関する情報を学術的に提供するため、医学、栄養等の専門家を招いて開催されるものである。
 会議は第1部 Judith Wurtman 氏 (マサチューセッツ工科大学教授 医学博士) 講演 (炭水化物 : 情緒の安定と体重減少のために必要な栄養物質)、第2部 Guy Kennett 氏 (ロンドン大学教授 医学博士) 講演 (セロトニン刺激による肥満の治療) 及びパネルディスカッションから成り、参加者は94名と盛況であった。

Wurtman 教授の講演の内容
栄養学の分野では、これまで食物の役割は栄養と健康といった生命を維持する目的が中心であったが、これからは栄養と行動の関係、さらには精神面との関係を探求する方向へ進んできている。
昨年9月のテロ事件以降、米国の人々はより多くの砂糖を摂取するようになっているが、これは糖質がセロトニンという脳内神経伝達物質の合成と放出に関わっていることと関係がある。セロトニンは気分や食欲を調整しており、この物質が少なくなると抑うつや心配、強度の怒りなどを引き起こす。セロトニンは、肉などに含まれている必須アミノ酸であるトリプトファンが材料となっており、これが脳内に入ってセロトニンになる。
 しかし、トリプトファンの脳内への取り込みは、他のアミノ酸 (フェ二ィールアラニン、ロイシン、イソロイシン、チロジン、メチオニン) との競合下で行われるため、これらのアミノ酸が多いと取り込まれにくい。欧米人の食生活は、たんぱく質の摂取が非常に多いが、このことはかえって脳内に摂り込まれるトリプトファンを減少させることになる (トリプトファンを効率よく脳内に取り込むには、糖質とたんぱく質が4:1の比率で摂取することが理想的)。
 一方、糖質の摂取は、トリプトファンの脳内へ取り込みを促進する働きがあり、脳におけるセロトニンの働きを助長することになる。たんぱく質をまず摂取し、その後の食事で糖質を摂取することが効果的であり、精神の安定をもたらして不眠を防ぐことになる。朝食や昼食でまずたんぱく質を摂取し、夕食で糖質を摂取する (たんぱく質なし) 方法が提案されている。

Guy Kennett 教授の講演の内容
 現在、肥満率は世界的に急激な増加を示しており、その主な要因は世界中で座って仕事をする率が多くなり、運動量が減っていることが挙げられる。また、肥満に関しての食事のデータを取ると、肥満、過体重の率と砂糖摂取は反比例し、砂糖を摂取したグループが最も痩せていた。
 また、脳内のセロトニン活性を適度に高めると、摂食を減少させる効果がある。米国で肥満対策として最も一般的なのは、手術によって胃を小さくすることであり、薬はあまり用いていない。セロトニンは食欲を抑制する働きがあるが、その受容体は少なくとも14種類あり、その中には刺激されると有害な副作用をもたらすものもある。有害な副作用を生ずるおそれのない受容体のみを刺激する薬剤を開発すれば、優れた抗肥満薬となるだろう。
 最後に、砂糖を科学する会代表の高田和明浜松医科大学名誉教授が、「セロトニンは肉の成分のトリプトファンから出来るので、しっかりと肉をとることが必要である」 と締めくくられた。

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大阪事務所



砂糖きび刈りとおもしろ自然教室

 平成13年12月16日(日)、大阪市鶴見区の花博記念公園鶴見緑地内ある大阪市立環境学習センター生き生き地球館 (以下生き生き地球館という) と自然体験観察園において 「砂糖きび刈りとおもしろ自然教室」 が開催された。
 生き生き地球館は、地球環境や環境アートなどの展示フロアー、図書室・ビデオライブラリーを有する情報提供コーナー、学習フロアーなどの施設を活用し、市民といっしょに地球の環境問題について考え、行動していくことを目的に掲げている。また、同館に隣接する自然体験観察園は、子供たちへの環境教育の一環として、自然からの恵みや農学に関する古来から続く知恵・努力について、様々な食物から学習することを目的として 「田植え体験」・「稲刈り体験」 といった季節にあわせた様々な催しや、子供向けの自然教室・環境教室を実施している。
 今回は子供たちに普段生活で使っている砂糖が、どのように作られているかを体験してもらうために開催した。また、同館では、この日の砂糖きび刈りのため、徳島県板野郡上板町産の種きびを同観察園において、12年12月初旬に約2メートルの深さの穴に貯蔵して越冬させ、13年4月中旬に穴より掘り出して、2から3節に切り分け苗として植え付けを行い、約250本のさとうきびを栽培した。
 同教室には30組80名の小学生とその父兄が参加し、(社) 大阪自然環境保全協会がシニア世代を対象に、豊かな人生経験を生かして自然のすばらしさを伝えていく自然観察リーダーの養成を目的として設立された大阪シニア自然大学のメンバーの指導のもと、午前中が自然体験観察園におけるさとうきびの収穫作業 (刈り取り)、午後からの実習・実験では、さとうきびについての一般的な事柄の学習に次いで、各自が収穫したさとうきびと、きびをすり下ろして絞った液を煮詰めてあめ状にしたものを実際に口にしてみて味を確かめる実習や、短くカットしたさとうきびを使っての簡単な人形の工作が行われた。
 午前・午後の教室を通して、参加した子供たちの生き生きとした顔が印象的であった。生き生き地球館と自然体験観察園のこのような活動に敬意を表するとともに、今後の活動についても興味深く見守っていきたい。
さとうきびの刈り取り
さとうきびの刈り取り
さとうきびの脱葉
さとうきびの脱葉
刈り取ったさとうきびの味見
刈り取ったさとうきびの味見
さとうきびをすり下ろしているところ
さとうきびをすり下ろしているところ
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神戸事務所



ふるさと手づくり特産品発信 「那珂(なか)の里」
〜 砂糖を使用したこだわり商品 〜

 兵庫県多可郡中町は、県の中央に位置し、酒米の 「山田錦」 発祥の里として知られている他、「黒大豆」、「播州織」 などの特産品もある。町では 『これにつぐ売れる特産品はできないか?』 と、婦人会長の呼びかけで、女性のみの6グループによる中町特産品開発振興会議 (現在の 『手作り工房 那珂の里』) が発足した。
 当初は、特産品ということであらゆる観点から開発に取り組んでいたが、町の特産物である 「山田錦」、「黒大豆」を使用した素材にこだわり、50品目以上考案した中から9品目に的を絞りこんだ。その後も開発に当たり勉強会や試食会など試行錯誤を繰り返し、11年4月には活動の拠点となる 「グリーンプラザ」 をオープンし、また、同県食品産業協会のアドバイザーの先生方による指導を受け、11年度には国の補助事業の採択を受けた。
 そして、12年3月、こだわりの9品目が製品として完成し、地元中町で行われた翠明湖マラソンで商品としてのデビューを果たした。商品は 「ジャパンフローラ2000」 などのイベントに出品する一方、毎月1回、「手づくり工房 那珂の里」 のグループ長会議を行い、新商品の開発や今後の運営、体制作り等様々な取り組みを行なった。このような熱い取り組みが町を動かし、12年11月待望の情報発信基地である、中町地域交流物産館 「ふるさと工房 夢蔵(ゆめくら)」 が建設されオープンした。
 商品開発に成功した9品目は、(1) なんでもたれ (黒大豆入りたれ) 〔グループ虹〕 (2) 豆っ子ケーキ (黒大豆入りケーキ) 〔ひまわりグループ〕 (3) 黒豆の雫 (黒豆入りジュース) 〔ひまわりグループ〕 (4) ヘルシー応援団 (黒大豆うの花入りクッキー) 〔グループいちょう〕 (5) 山田錦クッキー (山田錦の粉・黒大豆入りクッキー) 〔青葉の会〕 (6) 黒豆ゼッリコ (黒大豆入りゼリー) 〔青葉の会〕 (7) ミックス黒ビーンズ (黒大豆入りおつまみ) 〔フレッシュマザー〕 (8) おふくろコロッケ (黒大豆入りコロッケ) 〔フレッシュマザー〕 (9) なかっこちゃん (黒大豆入りかりんとう) 〔どんぐり会〕 であり、コロッケ以外はいずれも砂糖を使用したこだわりの商品となっている。
 今回、活動中のグループの中から、黒大豆入りのかりんとうを作るというのでその現場を取材し、中町担当事務課と振興会議の会長にも併せて話を聞いたので紹介する。
 1回に作る量は8kg (70g入り、約200袋)。材料は、黒大豆、黒胡麻、黒砂糖の黒づくし、それに小麦粉、卵、ハチミツどれも吟味された素材を準備し、砂糖に関しては、各種の産地のものを試み、色、照り、甘みの面でマッチした沖縄県産を使用しているが、コスト、品薄などの仕入れ面で苦労されている。
 出来上った商品は他のこだわりの商品と同様に、夢蔵で買えるほか、インターネット、FAX 等通信販売でも注文が出来る。商品開発から販売まで一貫して取り組んでいるのが珍しく、各地の普及センターや生活研究グループが視察に来たり、交流会や研修等も開催し、雑誌や新聞などにも幅広く取り上げられている。
 また、敬老の日に特産品のケーキを配ったり、小学校などでの講演会や、県のトライやるウィーク (中学生の体験学習) も積極的に受け入れている。
 会長は 「発足から3年苦労して立ち上げたが、活動内容に大いに満足している。砂糖は単に甘味を与えるだけでなく、日もちする効能もあり、今後も大いに利用していきたい」 と語っておられた。
かりんとう製作風景
かりんとう製作風景
砂糖を使用したこだわり特産品の数々
砂糖を使用したこだわり特産品の数々
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福岡事務所



沖永良部島でさとうきび大規模農家育成のための研究会設立

 沖永良部島で、さとうきびの生産量を安定的に確保するためにきび作を経営の柱とする担い手農家を育成するための研究会が昨年12月に設立された。研究会の名称は 「沖糖会」 であり、沖永良部の和泊町と知名町でさとうきびを専作とする農家を中心に24人が会員となり発足した。会員は、さとうきび生産量が200トン〜500トン規模の農家であるが、「沖糖会」 は個々の会員が収穫面積5ha以上、10a当たり単収8トン以上を達成し、500トン規模のきび生産農家となることを目標として掲げている。会長には、沖永良部のさとうきび農家では最も大きな栽培面積を有する瀬川静一郎氏が選任された。
 沖永良部島におけるさとうきび作は、以前から地域の基幹作物と位置づけられてきたが、近年、輸送野菜、花き等の収益性の高い作物への作付け転換、高齢化等に伴う労働力不足、株出作型への移行率低下等により、平成8年度以降、収穫面積が1千haを割り込み、生産量も4万トン台に落ち込む年があり、島の製糖工場の存続が懸念されるなど厳しい状況にある。
 今回の 「沖糖会」 設立の背景には、沖永良部のきび生産農家・糖業関係者の 「沖永良部のさとうきびの生産量を安定的に確保し、沖永良部農業を持続的に発展させるためには、さとうきびの専作農家、またはさとうきび作を経営の柱とする担い手農家の育成が緊急の課題である」 という現状に対する強い危機感がある。
 「沖糖会」 の活動内容は、(1) さとうきび栽培技術向上のための研修・情報交換・先進地視察、(2) さとうきび生産性向上のための各種実証ほ等の設置、(3) さとうきび作業の積極的受託、(4) 栽培技術、優良品種などさとうきび振興策の地域への普及、(5) 輪作体系の確立に向けた農地流動化への取り組みなどである。
 特に、さとうきび生産性向上のための各種実証ほ設置については、
(1) 品種比較実証ほ (新品種比較実証)
(2) 株出し管理実証ほ (ハーべスター収穫後の株出し管理)
(3) 施肥技術実証ほ (土壌診断に基づいた施肥の増収効果実証)
(4) 除草技術実証ほ
(5) 栽培技術改善実証ほ
が計画されており、これら実証ほを会員が分担して担当し、増収対策への検討材料としていることから、実際に栽培されたきびを見ることにより農家に対する啓蒙効果が大きく、その成果が期待される。
 また、農地集積や技術、経営向上などの分野では県や和泊町、知名両町の関係機関も積極的に支援するとしており、「沖永良部さとうきび生産対策本部」 に 「沖糖会」 の事務局が置かれ、会員の拡大にも取り組む体制が作られた。
 このような活動により、会員のさとうきび栽培面積の拡大、単収の向上を進め、大規模農家の育成を図ることが 「沖糖会」 に期待される役割である。沖永良部のさとうきび生産においては、6万トン以上の安定した生産量の確保が最重要課題であり、研究会の会員で沖永良部のさとうきび生産量の 1/5 以上 (1万2千トン以上) を生産し、さとうきび生産量の安定的な確保に貢献したいとしている。
 「沖糖会」 の発足は、規模拡大を図る農家が連携することによって相互に経営能力や栽培技術を高めることができること、また、さとうきび生産の安定的確保を図り、沖永良部の農業と糖業の持続的発展につながるという点において、設立の意義が大きく、沖永良部の今後のさとうきび生産において 「沖糖会」 の活動と発展が期待される。

沖永良部さとうきび及び甘しゃ糖生産実績
  7年産 8年産 9年産 10年産 11年産 12年産
栽培農家戸数(戸) 1,616 1,593 1,406 1,359 1,414 1,386
収 穫 面 積 (ha) 1,072 980 814 884 925 876
10a当たり収量 (kg) 5,602 4,812 5,902 7,952 6,834 5,031
生 産 量 (トン) 60,050 47,156 48,045 70,293 63,216 44,075
産 糖 量 (トン) 7,269 5,446 5,775 8,431 8,243 5,420

沖永良部さとうきび栽培面積規模別農家数の推移
  7年産
(戸)
8年産
(戸)
9年産
(戸)
10年産
(戸)
11年産
(戸)
12年産
(戸)
12年産
構成比 (%)
0.5ha未満 774 807 298 576 645 736 53.1
0.5〜1.0ha未満 548 520 522 577 509 452 32.6
1.0〜2.0ha未満 253 232 520 179 222 168 12.1
2.0〜3.0ha未満 33 23 55 20 27 13 0.9
3.0〜4.0ha未満 6 8 8 3 4 7 0.5
4.0〜5.0ha未満 0 1 2 1 3 4 0.3
5.0ha以上 2 2 1 3 4 6 0.4
1,616 1,593 1,406 1,359 1,414 1,386 1,386

さとうきび栽培面積5.0ha以上の農家数 (鹿児島県、12年産)
島 別 農家戸数 (戸) 農家数全体に占める割合 (%)
種 子 島 19 0.6
奄 美 大 島 16 1.7
喜 界 島 61 7.7
徳 之 島 51 1.3
沖永良部島 6 0.4
与 論 島 0
153 1.4
(注) 「さとうきび及び甘しゃ糖生産実績」 (鹿児島県農政部農産課) による。

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宮崎出張所



宮崎、日南の黒砂糖 「さとねり」

 宮崎県日南市は、同県南部に位置し年間を通じ温暖な地域であり、日南海岸沿の国道から少し入ると鹿児島の南西諸島や沖縄のようなさとうきび畑が広がっている。同市では、畑でとれたさとうきびから昔ながらの手作業で 「さとねり」 と呼ばれる黒砂糖が作られている。同市周辺での 「さとねり」 作りの歴史は古く江戸時代末期から続いており、以前は、さとうきび農家や黒砂糖をつくる 「さとごや」 と呼ばれる作業場もたくさんあったが、現在では5戸のさとうきび農家と1ヵ所の 「さとごや」 を残すのみとなった。
 毎年12月初旬、5戸の農家はご近所総出でさとうきびの刈取りを行い、約70aのさとうきび畑から、約40トンのさとうきびを収穫し、5戸の農家でつくる風田製糖組合で、約4トンの 「さねとり」 を製造しており、製糖作業は約1週間休みなく続けられる。
 5戸のさとうきび農家は、さとうきび作のほか、稲作、花き栽培 (スイートピー)、畜産等も営んでいるので、さとうきびの絞りかすは花き栽培用の肥料に、トップの部分は牛の飼料に再利用するなど、さとうきびを有効に使用している。
 「さねとり」 の製造法は至って素朴である。さとうきびを刈り取った後、「さとごや」 でさとうきびから汁を絞り、その絞り汁を直径約1メートルの釜に入れ、不純物を取り除くために貝殻を燃やし得られた灰を混ぜて約6時間煮込み、茶色の水あめ状になるまで竹の棒で練り込み、最後に釜の火を落としてから、かめに移し替えて冷し完成する。この練り込み作業が 「さとねり」 の語源であり、黒砂糖を作る作業だけでなく出来上がった黒砂糖自体も 「さとねり」 と呼ばれるようである。
 この作業では、火を落とすタイミングが難しく、このタイミングを逃すと味が大きく変わってしまうため、砂糖の色や香り、柔らかさ、泡立ちなどを見ながら焦げるか焦げないかのギリギリのタイミングで火を落とすなど、長年の経験が必要である。
 出来上がった 「さとねり」 は、煮付けや焼いたおもちに挟んで食べたりするのに使われ、贈答品として人気が高く、それ以外には日南特産の飫肥杉(べんこうすぎ) (弁甲材(べんこうざい)) に似せた 「かりんとう」 にも使用され、評判もよいとのことである。
 同組合の現在の代表者 平島二三夫氏は、「以前は38戸あったさとうきび農家が、高齢化が進みだんだん減ってきているが、5戸協力して 「さとねり」 生産を続けていきたい」 と日南市の伝統特産品を守っていく思いを語ってくれた。
製糖風景
製糖風景
「さとねり」
「さとねり」

「シュガーフラワーに魅せられた仲間たち展」

 平成13年12月16日(日)から12月23日(日)まで、宮崎市の九州電力イリスギャラリーにおいて 「シュガーフラワーに魅せられた仲間たち展」 が開催された。これは宮崎市内でシュガーフラワー教室、アトリエ 「はな・華」 を主宰している立川芳子氏とその生徒が作成したシュガーフラワーの展示会である。
 展示された作品はシュガーフラワー以外にも、シュガードールや、愛子様ご誕生をお祝いして作成されたシュガークラフトなどもあり、甘い香りのする精巧な作品に期間中訪れた約400人の来場者が魅了された。
 展示会は今回で3回目であり、過去2回は立川氏の作品だけ展示していたが、シュガーフラワー教室を始めて2年経ち、生徒の作品が増え、発表する場を提供したいということもあり、今回は生徒の作品も展示された。
 シュガーフラワーの展示会というとバラやスイートピー、ガーベラのように生花店で見かける華やかな作品が多く見られるが、この展示会では普段道端に生えているような草花の作品が多く、これは、「日々の生活の中にあるもの、生活に密着したものをお砂糖で作りたい」 という立川氏の考えによるものである。
 シュガーフラワーはクラフト用のシュガーパウダーを水で練り、着色した後綿棒で伸ばして型どりし、花びらの形を作り卵白で接着して作成する。立川氏によれば、「細工の細かい作品を作るのに数ヵ月かかることもある」 という。
 シュガーフラワー作りは人気があり、全国各地で教室や展示会が開かれている。宮崎においても砂糖を用いたこの芸術が今後さらに多くの方に普及していくことを期待したい。
愛子様ご誕生記念 (先生作成)
愛子様ご誕生記念 (先生作成)
草花 (生徒作成)
草花 (生徒作成)
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那覇事務所



さとうきび作と畜産、施設園芸等を取り入れた複合経営の紹介 (宮古島から) 〜 さとうきび作とたばこ栽培からさとうきび作に専念 〜

 今回は、さとうきび作とたばこ栽培からさとうきび作1本に専念した宮古島上野村の勝連(かつれん)栄一(えいいち)氏を紹介する。

 勝連氏はさとうきび作を中心にたばこ栽培を行ってきたが、平成13年からはたばこを撤収してさとうきび作に専念している。
 たばこ栽培は病害虫が発生しやすく、栽培期間を通じて常に病害虫の種類に応じた数種の農薬散布が必要であるうえに、栽培面積が2.5haと大きいことから病害虫防除に大変な労力を必要とし、特に降雨後は病気が発生しやすく気遣いも多いようである。
 たばこ栽培は日本たばこ産業 (株) との契約栽培によって行っており、収穫期間と収穫量が契約に基づいて定められている。契約によると勝連氏は4月下旬から6月下旬の2ヵ月の収穫期間に、1日に1.2トンの収穫を連日行うことになっており、この間は悪天候であっても体調が優れない時であっても、毎日の収穫作業は休めないようである。収穫したたばこは自家や共同の乾燥場で乾燥した後に、日本たばこ産業 (株) に引き渡すことになるが、品質の良し悪しによって取引価格の差が大きく、気象災害等で品質が極めて悪い年は生産コストも賄えないこともあるとのことである。
 勝連氏は67歳で、農繁期は2〜3人の臨時雇用の手を借りるが、普段は夫婦2人で農業を営んでおり、さとうきびとたばこの両立は年齢的にも困難であるとの判断に立って、さとうきび作に専念したいとの結論に達したという。さとうきびは気象災害に強く価格が安定しているというメリットがあるので、今後はさとうきび1本に絞って面積を拡大し、生産量アップに努力したいとしている。
 勝連氏のさとうきび作は、沖縄県のさとうきび栽培指針に基づいて肥培管理や病害虫防除、除草等の作業を行っており、適期を逃さずに取り組んでいる。とりわけかんがいはこだわりを持って行っており、かん水施設が整備された畑には点滴かん水チューブを設置して行っている。点滴かん水チューブは他の方法に比較して使用水量が少ない割には、極めてかん水効果に優れているため、チューブを設置した畑のさとうきびは生育が良く高収量であるという。自作地は現在2.5haであるが、将来は5haの収穫面積を目標に置いて、さらに借地面積の拡大に努めさとうきび生産量500トンを目指したいとしている。将来は長男が後継者となるため、今後はさとうきび作に力を入れたいとしている。

勝連栄一氏の経営規模
表1 さとうきび
さとうきび 9年産 10年産 11年産 12年産 13年度
見込み
収穫面積合計 (a) 250 240 250 280 380


夏植え (a) 180 160 250 280 380
春植え (a) 0 0 0 0 0
株出し (a) 70 80 0 0 0
生産量合計 (トン) 263 219 247 239 350
10a平均収量 (トン) 10.5 9.1 9.9 8.5 9.2
平均甘しゃ糖度 (度) 14.8 12.7 14.3 12.7  
表2 他の農作物
作 物 品 目 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度
見込み
たばこ 作付面積 (a) 250 250 250 250 0
生産量 (トン) 7 6 6 7 0
(注) たばこの生産量は乾燥重量である。

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