[2002年4月]
札幌事務所
赤レンガスクェア2002冬
〜てん菜・てん菜糖のPR &アンケート調査〜
(社)北海道てん菜協会は、「さっぽろ雪祭り」 開催期間中の2月9日(土)から11日 (月・祝) にかけて旧道庁通称赤レンガ前の広場で実施された、道産品の PR を目的にしたイベント 「赤レンガスクェア2002冬」 (主催:北海道) に、てん菜とてん菜糖の正しい知識の普及と消費拡大を目的として参画した。
同協会は、会場に専用ブースを設け、ポスター、てん菜の現物及び模型の展示、リーフレット・スティックシュガーの配布 (配布総数2,000セット) をするとともにアンケート調査を実施した。
イベント会場に訪れた人の中には初めててん菜を見る人も多く、物珍しそうにてん菜の模型に触ったり、てん菜の現物をかじってみたりしていた。 なかには、自分が教えている学校の生徒に見せるために、てん菜の現物を分けて欲しいという熱心な教師も見られるなど、なかなか盛況であった。
同協会によると今回実施したアンケートは2,000枚配布し、215名から回答を得て回収率は10.8%、回答者の内訳は道内60%、道外40%であり、その集計結果は下のグラフのとおりである。
集計結果によると、てん菜を知っている人は全体で8割を超え、予想を大きく上回ったが、国産糖の約80%は 「北海道のてん菜」 でまかなわれていることを知っている人は4割以下であった。
砂糖が白く見えるのは、無色透明な結晶の光が乱反射するためであり、漂白剤で白くしているのではないことを知っていた人は半数で、まだ誤解している人が多いと思われる。 砂糖の効用としては、砂糖は脳の働きを活性化させることを知っていた人は80%を超える結果となった。
(注) このアンケートはパンフレットと一緒に配布したものであり、パンフレットを読んでからアンケートに答えた人も多いと思われ、この分は割り引かなければならない。
第8回 「ホクレン夢大賞」 表彰式の開催
ホクレン農業協同組合連合会は、第8回 「ホクレン夢大賞」 の受賞者・団体を決定し、3月5日(火)に、札幌グランドホテルにおいて表彰式を開催した。
この賞は、北海道の農業・農村の担い手に、夢と希望を与える活動や研究に対して贈られ、北海道農業や農村に活性化をもたらすことを目的とするものである。平成6年度に創設され、今年度で8回目となった。
農業者、研究普及、農業応援の3部門に対し、道内外から応募があり、審査委員会 (委員長:太田原高昭北海道大学農学部長) により審査が行われ、各部門で大賞、優秀賞が選ばれた。
表彰式では、ホクレンの矢野征男代表理事会長の主催者代表挨拶、太田原審査委員長の審査講評に続き、大賞及び優秀賞の発表、表彰が行なわれた。
研究普及部門では、士幌町の 「ライムケーキを用いた農畜産用舗装材料開発研究グループ」 (曽我廣代表) が優秀賞 (賞状、ブロンズ像、賞金30万円) を受賞した。
受賞理由は、「ビートを原料とする製糖工場から廃棄物として発生するライムケーキ (石灰汚泥) を有効利用法として低コストな舗装材料としての活用方法を開発したこと」 である。今回受賞した同研究グループは、北海道立工業試験場、日本ビート糖業協会、太平洋セメント、士幌鉄工に所属する、技術とアイデアを持つエキスパート集団である。開発された舗装材料は、牛舎パドックや畑作地のストックヤードなどに適していると考えられ、目下実用化に向けて具体的な試験調査が進められている。この研究によって製糖工業の悩みの種である廃棄物が有効利用され、農家にとっても利用価値のある舗装材が開発されるということでその実用化が期待されている。
ひょうごブランド商品 「丹波黒」 の魅力
兵庫県は、平成2年度から 「ひょうごブランド商品育成事業」 の下にEマーク商品認証事業を実施している。 現在、合計22種類の食品の認証基準があり、この認証基準制度を設けている全国23都府県の中で青森県に次いで2番目の数を誇っている。
このように数多くのひょうごブランド商品を育成してきた同県が、これらの事業に取り組んだきっかけのひとつは、丹波黒 (黒大豆) という地域特産品があったからに他ならない。
この丹波黒は、古くから丹波地方で栽培されてきた黒大豆の一種である。昼と夜の気温差が大きく、肥よくで保水力に富んだ同地方の気候風土がこの栽培に適しており、その最大の特徴は粒の大きさであり、他の黒大豆が百粒の重さが40グラム前後なのに対し、丹波黒は80グラムにもなる。
丹波黒はもともと家庭で砂糖などと煮豆として炊いていたものであり、正月用の需要しかなかったものを年間を通じて販売するために同県と地元 JA 等が連携し、Eマーク商品認証事業として最初に 「黒大豆煮豆」 の認証基準が作成され、現在では県内の5業者の商品が認証を受けている。
特に丹波黒 (黒大豆) の発祥の地とされる篠山ささやま市では当時から米の転作作物として注目され、12年度では全国作付面積約3,800ヘクタールのうち約500ヘクタールを占める大産地となっている。
この丹波黒の煮豆は、特に砂糖との関わりが深いので、今回は篠山市で生産・販売されている2つのひょうごブランド商品である黒大豆煮豆を紹介する。
市内に2つある JA の1つでは、原料である丹波黒大豆を農家から買い取り、製造委託して作った黒大豆煮豆を、大半は食品問屋、百貨店、スーパー等に卸販売しているほか、一部は通信販売や市内の直売店 (特産館ささやま) を通じて販売している。 この JA では12年度に原料である丹波黒大豆を306トン生産し、その加工品を含む販売額は5億8千百万円 (当該 JA の総販売額の36%を占める) に達している。
一方、市内の民間業者は、前述の JA から丹波黒の加工製造を受託しているほか、独自に丹波黒大豆を原料とした黒大豆煮豆を製造、販売している。 ここは、昭和50年に篠山工場を設立した惣菜専業メーカーであり、平成6年度に兵庫県より丹波黒煮豆のEマークの認証を受けている。 同社の販売は各百貨店に卸すほか、通信販売も手がけており、贈答品需要が多く、かつ長期保存が可能な瓶詰めタイプの需要が増えてきていることから年間を通じての製造・販売が軌道に乗っているとのことである。
主力である2つのブランド商品の製造は年間約250トンの砂糖が使用されており、種類は上白糖、グラニュー糖及び中ざら糖を使い分けられている。 基本的な黒大豆の煮込みに上白糖を用いるのは両者同じであり、その後の旨味の浸染段階では JA がグラニュー糖を、民間業者が中ざら糖を使用して、それぞれの特徴を生かした味付けを行って瓦る。 すなわち、前者の煮豆は、黒ダイヤと呼ばれるように艶のある黒色に仕上げ、後者はぶどう色にふっくらと仕上げている。
黒大豆自身、古くから畑の肉ともいわれ、貴重なたんぱく源であるが、最近では血中コレステロールや中性脂肪を正常に保つという効果も注目されていることから、これらのブランド商品が多くの固定ファンをつかみつつあり、今後さらなる展開が期待されている。
修学旅行で黒糖づくり体験
〜なかたねふれあいの里 黒糖伝承館〜
3月7日(木)、京都市立紫野高等学校1年3組 (正木教諭) の40名が修学旅行で種子島を訪れ、中種子町の黒糖伝承館で黒糖づくりを体験した。
黒糖伝承館は中種子町が運営する体験学習施設、「なかたねふれあいの里」 内の施設のひとつであり、地域住民が世代間交流や都市との地域間交流を深め、広く人材交流を促進して中種子町の活性化や若者の定住をはかる目的で設置されたものである。 ふれあいの里内には黒糖伝承館のほかにも炭焼き施設や陶芸窯、果樹園、体験田、ロッジ3棟があり、宿泊しながら様々な体験学習が行えるようになっている。
黒糖伝承館ではさとうきびを圧搾してその搾汁に石灰水を入れ不純物を取り除きながら煮詰め、とり鍋に移し焦げ付かないように混ぜて枠板に流し込み、冷やして完成させるまでの1時間から1時間半の黒砂糖づくりの工程が体験できる。 今回原料となるさとうきびは、ふれあいの里内で栽培したものを使用したが、島内の参加者は基本的には自分たちで持込んださとうきびを使用することになっている。
通常訪れる4〜5名ほどの参加者であれば現地の技術講師に教えてもらいながら全工程の体験も可能であるが、今回は人数が多く、時間も少ないため、とり鍋に移し棒で混ぜて練り上げる行程だけの体験となった。 正木教諭は 「煮詰める行程も体験できると思っていたので、少し残念ですね」 と話していたが、生徒たちは技術講師に混ぜ方のこつを教えてもらいながら楽しそうに練り上げる作業を行っていた。
その後は、出来たばかりの黒糖を食べたり、初めて見るさとうきびをかじったりして思い出に残る体験となったようである。
中種子町役場の秋田氏によれば 「1シーズンで約30組の黒糖づくり体験参加があります。 島内の方が多いが、今回のように修学旅行などで島外の方々もたくさん来てほしい」 とのことである。
連 絡 先
中種子町公共施設管理公社
TEL (09972) 7−3800
事前予約が必要です。
(開館日) 11月中旬〜4月上旬
(休館日) 12月29日〜1月4日
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