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地域だより[2002年10月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2002年10月]

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札幌事務所


てん菜種子の収穫

てん菜の花
てん菜の花 (甘味資源振興会提供)
 独立行政法人農業技術研究機構北海道農業研究センター(旧北海道農業試験場)内に設置された国内育成系統品種の試験ほ場で、てん菜種子の採種が8月19日から本格的に始まった。今年は当初生育が順調だったので、収穫も早いと予想されていたが、7月から8月上旬にかけての低温により、ほぼ例年並のお盆明けの収穫となった。
 てん菜はもともと2年生の植物で、1年目に糖分を蓄積して越冬し、2年目に薹(とう:花を付けるための茎)が立ち、花を付け、結実し一生を終わる。そのためてん菜の種子を採るためには通常2年かかることになる。普通に栽培されている原料用てん菜は、1年目の秋に糖分を蓄積したところで収穫されてしまうので、てん菜は花を咲かすこと無く一生を終えることになる。
 採種は、農家に配布する種子を生産するための採種ほ場と育種のための試験ほ場で行われている。今回取材したのは北海道農業研究センターの試験場内に設置された試験ほ場で、他品種の花粉が混じらないように隔離された全体で約80aのほ場のうちの1区画である。
 このほ場は、鳥から種子を守るためのネットで覆われ、その中で、薹 (とう) が倒伏しないように鉄柱に張られたテープで支えられている。
 母根(採種のために越冬したてん菜)から薹 (とう) が伸び出した様子は、農家で栽培するてん菜とは全く異質のものに見える。
採種前のてん菜
採種前のてん菜
 今回収穫する種子の母根は、世代短縮をするため、昨年9月に香川県で播種し今年の春先に収穫したものを今年4月に定植したものである。寒さを一度体験すると2年目になったと植物は反応し、1年間で収穫できるようになるのである。
 てん菜の花は7月下旬に、茎の中頃から小さな花を付け始める。花粉を出さない遺伝子を利用して効果的に交配するため、母系統母根の間に父系統(花粉親) 母根を4:1の割合で植付けている。採種作業を効率的にするため、収穫のほぼ3週間前に花粉親は刈り取られて、母親系統だけ残されている。
 収穫作業は、薹 (とう) を支えるテープを外して、作業員が手鎌で刈採っていく。刈採られた種子を付けた薹 (とう) は天日干しにされる。これから、十分に乾燥させた後、脱穀し、精選して使える種子となっていく。
 国内のてん菜育種は北海道農業研究センター及び甘味資源振興会が担っている。新品種育成には、今回取材した採種作業など人目につかないところでの手間隙がかかっている。こうした苦労と努力によって新品種が開発されていくのである。
収穫作業
収穫作業
収穫後の乾燥
収穫後の乾燥
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こどもが大好きな駄菓子がいっぱい!
〜懐かしさを発見しませんか〜

グラフ
 農林水産省東海農政局では、9月4日から27日までの間、東海地域の菓子産業の紹介及び消費拡大とPRを図るため、消費者の部屋において菓子等の展示を行った。
 東海地域は、愛知県を中心として菓子の生産量が高く、特に名古屋市には集中している。  今回の展示では、パネルによる菓子の生産量や消費状況の統計資料をはじめ、実物製品の展示等を行い、一層の消費拡大を図ることとなった。また、愛知県独特の風習として残る嫁入り菓子の見本や菓子撒きの様子を記録した写真等の展示も行われた。
 愛知県は、菓子類の生産が盛んで、洋生菓子、和生菓子、ビスケット、干菓子、飴菓子などの生産額が全国第1位となっている他、東海地域の菓子類の消費についても、多くの品目で全国平均を上回っている。
会場を訪れた人たちは口々に、「これ覚えているよ」、「昔はよく食べたなぁ」、「まだ売っているんだ」 等と、懐かしさと共に子供の頃に帰っていたようだった。
展示の様子
展示の様子
都道府県の菓子品目別出荷額の順位 (平成12年)
  岐阜県 愛知県 三重県
洋生菓子 19位 1位 26位
和生菓子 31位 1位 10位
ビスケット類、干菓子 23位 1位 26位
米菓 6位 7位 13位
あめ菓子 13位 1位 8位
チョコレート類 11位
その他の菓子 16位 1位 23位
資料:通商産業省「工業統計表(平成12年)」

食品製造業の品目別出荷額 (平成12年)
単位:百万円
  東海 全国 東海/全国 岐阜県 愛知県 三重県
洋生菓子 79,629 686,929 11.6 10,519 63,450 5,660
和生菓子 69,762 614,644 11.3 6,956 41,417 21,389
ビスケット類、干菓子 57,233 381,692 15.0 3,249 51,768 2,216
米菓 26,072 299,937 8.7 10,097 10,060 5,915
あめ菓子 35,806 164,034 21.8 3,530 23,870 8,406
チョコレート類 8,753 343,809 2.5   8,753  
その他の菓子 76,734 529,073 14.5 114,772 55,052 6,910
353,989 3,020,1118 11.7 49,123 254,370 50,496
資料:通商産業省「工業統計表(平成12年)」
  注:従業員4人以上の事業所を対象としている。





砂糖シンポジウム 〜砂糖は笑顔のエネルギー〜 が開催

砂糖シンポジウム
 9月12日 (木) 名古屋クラウンホテルで (社) 糖業協会、精糖工業会、砂糖を科学する会主催による砂糖シンポジウムが開催された。
 今回のシンポジウムは、近年、心と体に関する情報が求められている中で、消費者を対象に大切なエネルギー源である砂糖について、その働きと魅力を正しく知り上手に砂糖とつきあって行くために、医学と菓子研究の第一人者である高田・今田両氏の講演を主とする内容の開催となった。
 当日、定員250名の会場には約270人が来場し、急遽テーブルを追加して対応することとなり、参加者で一杯になった会場からは、心と体に関する情報に対する関心の高さが伺われた。

【脳を健康にする食生活】
 始めに、「脳を健康にする食生活」 をテーマに、浜松医科大学名誉教授高田和明氏により脳の働きに食べ物はどのように関係しているかという視点からの話があった。その中でも、最近ブームになっているダイエットによる痩せすぎの危険性について、痩せすぎの者と肥満者との死亡率の比較を行った場合、痩せすぎの者の方が肥満者より死亡率が高い点を指摘した上で、脳の構造とストレス等の関係を踏まえ、コレステロールの低下は “鬱 (うつ) ” を増やし癌等による死亡率を高めるので、減らし過ぎは良くないと警鐘を鳴らした。
 また、セロトニンと鬱 (うつ) 病の関係を説明し、セロトニンは脳内で必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されるが、肉を食べることによってトリプトファンを脳に供給する役割を持ち、砂糖を摂ることによって得られるブドウ糖はトリプトファンが脳内に入りやすくするために必要であると述べ、セロトニンとブドウ糖の必要性の因果関係を説明した。
 高田氏は講演の最後に、「生活習慣病の危険性が注目されている中で、砂糖によるブドウ糖の摂取等により、脳が健康であってこそ初めて人生には意義がある」 と、脳を健康にする食生活の重要性を語っていた。

【お砂糖と人間の絆について】
砂糖シンポジウム
 次に、「お砂糖と人間の絆について」 をテーマに、洋菓子研究家の今田美奈子氏によりベルサイユに始まると言われるお菓子のルーツから、世界共通であるテーブルマナーにおける砂糖の重要な役割としてフランス料理等を例に挙げ、会食におけるもてなし等を歴史的・社交的視点から紹介した。
 始めに今田氏は、テーブルセッティングの最初は “塩” で始まったこと、当時、塩は貴重品であったことからテーブルの中央に塩を備え装飾と共に招待客を尊敬する印とされていた。レストランのテーブルに塩があるのはその名残であるといえるということであった。
 続いて、世界共通となる料理(教養)の基礎がフランスで出来て世界中に伝承したことから、今日、世界中で正規の晩餐はフランス料理となっている等、興味深い説が紹介された。
 さらに、世界中にデザートが無い晩餐会の食事は無いということに触れた。これは、人間の体が砂糖を要求するからであるとした。この理由として、多くの場合、晩餐を終えるに至るまでに招待客は緊張が続いた状態にあり、この状態のまま帰すことなく緊張を解き、和やかな気持ちにしてお帰りいただくために砂糖をたくさん使ったデザートが必要となったということである。
 講演の最後には、「本物志向の現代ですが、食べ物だけでなくその背景にある精神文化も知っていただきたい。」 と締め括っていた。

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匠の技を生かして作られたあめ菓子の紹介
〜砂糖と共に50年〜

砂糖と水あめを丹念に煮る
砂糖と水あめを丹念に煮る
 岡山県倉敷市にある平野製菓場では、毎週水曜日になると砂糖を煮るほのかな甘い香りに包まれる。ここでは平野鶴朗 (ひらのぁぃrぴ) 氏の匠の技による手作りのあめ菓子が製造され、1日約200kgの砂糖が使用される。
 基本材料には、上白糖、沖縄県小浜島産の黒糖等及び水あめを使用し、1回に製造するあめ菓子の工程は10kgの材料を釜で約30分煮込み、さらに冷却鍋で10分程度冷やし、作業台にあめの固まりを移動させ、粘土のようにちぎっては棒状に延ばす。
 簡単な作業のようだが、冷却鍋から取り出したあめの固まりは、冷やしたとはいえまだ火傷するような熱さであり、作り手には集中力が求められる。砂糖と水飴を煮る温度や時間の加減や、約160度で熱した素材を冷やし、機械で通せるよう短時間であめを長く均一に延ばす作業は特に困難で、また味を決定する一番重要な箇所である。細長いあめを機械で整形し、特殊な器具でプレスすると、「バラバラバラ」と透き通ったあめ玉が一斉に転がり出る。
 あめ菓子には 『落花飴、くろ玉、しぶ玉、にっき玉、まめ玉』の5種類があり、多くのファンを魅了してやまない。素朴の甘さと深い味わいは、この味を守り続ける頑固な職人気質から生まれるのであろう。「一口食べてみられい。」 と言われ、作り立ての『まめ玉』を頬張ると、口の中で大豆の香りとあめ独特の甘い香りが口一杯に広がった。ご主人が言うように納得の味である
あめを短時間で均一に延ばす
火傷するほど熱いあめを短時間で均一に延ばす
 現在ではこのような手作りのあめ菓子職人が少なくなったが、20歳で開業した頃は競争相手が多く、1週間に1回程度、自転車の荷台にブリキ缶いっぱいにあめを積込み岡山県高梁市(岡山市内から車で90分、約50km)まで行商に出掛け、1個1円のあめ玉を数えながら販売していたなど、笑顔で苦労話を語ってくれた。
この懐かしい味のあめ菓子製造は、10月から4月に多忙な時期を迎えるが、これはあめ菓子が花粉症の対策にも一役買っているからだそうで、同市内病院や市役所の売店からの注文が殺到するほどである。
平野氏は作業しながら、「今では特に年配の人から懐かしい味と喜ばれていますが、多くの子供たちにも砂糖の甘さと手作りの味を伝えたい。また、手作りならではのこの味を好んでくれるお客さんを大切にし、これまで続けてきた技を誰かに伝えていきたい」 と職人技の伝承を真摯に祈念しており、その姿勢にあめ菓子作りに対する情熱がひしひしと伝わってきた。
あめを短時間で均一に延ばす
上段左から 「ニッキ玉」 「落花飴」
下段左から 「しぶ玉」 「くろ玉」 「まめ玉」
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さとうきび生産農家の紹介
〜沖永良部島から〜

園田ご夫妻
園田ご夫妻
 沖永良部でさとうきび専作に取り組む生産農家を紹介する。園田孝徳氏(大島郡知名町下城1232番地)は現在28才で4年前からさとうきび作りを始めた。2年前にハーベスタを購入し機械化を進め、奥さんと2人で行っている。また、さとうきびの規模拡大と品質向上をめざす沖永良部島の 「沖糖会」 に参加して島内先進農家のほ場見学や意見交換を行うなど、日夜さとうきび作りのため研鑽されている。台風の合間を縫って夏植えに汗を流される園田氏を畑に訪ね、話しを伺った。

・さとうきび作りを始めた動機
 島の高校を卒業後、九州で働いていましたが、10年2月(24才の時)に島へUターンしました。島が好きだったし、島で農業をやろうと思いました。親は兼業農家ですが、さとうきびは作っていませんでした。さとうきびは長い目で見ると面積がある程度確保できれば安定した作物だと思います。1年目にばれいしょも作ってみましたが、出荷までの労力とかいろいろな面を考えるとさとうきびの方が良いと思いました。

・さとうきび作りに取り組んでみて
 規模拡大のため土地を増やしたいが、土地の手当てに苦労しています。貸してくれる土地がなかなか見つからないこと、見つけても借料で他の作物と競合します。貸す側は少しでも高い借料を提示する作物に貸そうとしますからね。しかし、何とか土地を手当てして面積を拡大しなければさとうきびで食べていけないので、近くで目に付いた遊休地、荒廃地については、誰が持っているか尋ねて歩き、持ち主に貸して欲しいと交渉してきました。そうして少しずつ増やしてきたものの、僅かな面積の土地もあり、しかもあちこちに点在しており効率が悪いです。条件の良いところを借りるのは難しいので、さとうきび専作農家へ土地代の補助をしていただければ有り難いと思います。

・さとうきび栽培について
 品種は、株出しが良く、糖度が高くて折損しにくい品種が一番です。今のところ農林8号が主ですが、F177に替わる新しい奨励品種のRK91-1004にも期待しています。栽培条件の良いほ場ばかりではないので、株出しの悪いほ場には株出しには不向きであるが収量の多い一発取り用の品種を選択するなど工夫しています。品質向上には、基肥と深植え、浅覆土の徹底、除草と病害虫防除の徹底を心掛けています。浅植えは株が上がってしまうので自分は深植えにこだわっています。

・今後の抱負
 夫婦2人で15haまでは拡大してやれると思います。また、経営基盤を強化する為に、ハーベスタの受託収穫を請負っています。13年産で千トン程ですが、他の人のさとうきびを刈るのはたいへん気を遣います。だからこそ自分の畑をもっと増やして、自分のさとうきびを刈りたいと強く思います。理想と現実は違い、面積拡大はままならないけれど、頑張ります。自分はやはりこの島が好きだし、ここでさとうきびを作っていきたい。まだまだこれからです。息子達(9才、6才)が後継者となってくれるのが楽しみです。(笑)

 沖永良部島の糖業関係者によれば、園田氏の受託収穫は奥さんがハーベスタの後ろから刈り残しをきれいに拾うのでたいへん評判が良いとのことであった。
 園田氏のような若い方がこれからの沖永良部の、奄美のさとうきび作りを担っていかれることを期待する。
園田孝徳氏の経営規模の推移
  11年産 12年産 13年産 14年産
収穫面積合計 (a) 210 344 577 732
内訳 夏植え (a) 140 27 362 326
春植え (a) 60 122 40 112
株出し (a) 10 195 175 294
生産量合計 (トン) 110 89 329 434
10a平均収量 (トン) 5.2 2.6 5.7 5.9
平均甘しゃ糖度 (度) 14.4 14.3 13.1
(注) 14年産見込みの生産量は、作型別単収見込みから算出したものである。
新夏植え風景
新夏植え風景
主要な所有機械
小型ハーべスター1台(松元MCH-15)
トラクター2台(79馬力、48馬力)
全茎式プランター、ブームスプレイヤー他
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グラハム・キングストン博士講演会
〜オーストラリアのさとうきび事情〜

キングストン博士講演会
 8月20日(火)、(社)沖縄県糖業振興協会の主催により、那覇市の沖縄県農業試験場会議室において、オーストラリア連邦国BSES(Bureau of Sugar Experimant Station)バンダバーグ研究所所長グラハム・キングストン博士によるオーストラリアのさとうきび事情についての講演会が開催された。その中で博士は次のように講演した。
 オーストラリアにとってさとうきび産業は重要な基幹産業であり、その生産額は年間47億豪ドル、日本円で3,055億円(1豪ドル65円換算)と、オーストラリア経済にとっても重要な位置付けとなっている。また、オーストラリア農産物の輸出量全体の中で見ると、小麦の37%に次ぎ、原料糖は15%と大きく、世界全体の原料糖輸出量では、一位のブラジルが25%で、オーストラリアはそれに次ぐ18%を占める、世界有数の原料糖輸出国になっている。また、オーストラリアの原料糖全生産量の85%は輸出向けで、そのうちの80%は日本を含むアジアに輸出されている。
 オーストラリアのさとうきび生産量の94%はクイーンズランド州が占めており、オーストラリア国内に製糖工場は29工場あり、うち精製糖工場は6工場である。雇用効果は非常に大きく、砂糖関連で約4万人となっている。国全体の栽培認可面積は564,000haで、うち収穫面積が450,000ha。農家戸数は約7000戸で、平均単収はha当たり91.6トン、さとうきびの平均歩留まりは13.39%となっている。
 またオーストラリアでは、さとうきびから機能食品、医薬品等、付加価値の高い製品を研究開発、普及、また環境問題等も含めた砂糖生産振興を行なう共同研究機関に対し、農家によるさとうきび1トンあたりに1豪ドルの拠出金をはじめ、国、州政府、業界、関係団体においてもそれぞれ拠出し、一体となり取り組んでいるとの説明がなされ、参加者は熱心に耳を傾けていた。

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