[2002年11月]
札幌事務所
「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」が札幌で開催
会場の模様 |
10月3日(木)札幌後楽園ホテルにおいて、昨年に引き続き、砂糖シンポジウム(主催:專恚ニ協会、精糖工業会、砂糖を科学する会)が開催された。大型台風21号の通過後の平日にも関わらず、応募者数1,200名程から抽選で選ばれた250名が午後1時の開演と同時に会場を埋め尽くした。今回の講演は、農業関係者をはじめ主婦の間でも人気の拓殖大学北海道短期大学教授相馬暁氏と、日本でのタイ料理の第一人者である酒井美代子氏により行なわれた。
はじめに、「北海道におけるサトウダイコンと砂糖」をテーマに、相馬暁氏による講演が行われた。北海道の重要な農作物であるてん菜(サトウダイコン)は砂糖の原料の一つであり、また、砂糖は食生活における重要なのものの一つであることなどを、分かりやすくユーモアを交えて話し、最後まで会場の笑いが絶えなかった。
相馬氏講演の要旨
相馬暁氏 |
相馬氏によると、今は情報化時代といわれているが、情報が溢れすぎて、かえって正しい情報の判断が困難になっている。本当に豊かな食があるのか、食が危ないのではないかと問いかけた。その上で原点に返って、食の豊かさや生活の豊かさについて考えてみると、食料は豊かなのに学校崩壊、家族崩壊などの問題が絶えない。これは現代食生活の中から、家族団らんの中での食事をしない孤食化現象や日本型食生活の崩壊がその原因に含まれているのではないのかと指摘した。
今日の状況を改善するには食農教育が重要であり、また、主婦はもっと食に対する理解を深めるべきであり、さらに様々な食材をバランスよく食べる日本型食生活を見直すべきであると説明した。
また、砂糖に関連する日本的な食材としてあんこを例に挙げた。豆と砂糖から作るあんこは日本と中国や韓国の一部でしか食べられておらず、豆はビタミンB1、B2などのビタミンを多く含み、とりわけビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに役立ち、繊維質も多く含まれている。さらに、あんこに含まれ砂糖は餅菓子の柔らかさを保ったり腐敗を防ぐなどの機能がある。疲れた時、甘い和菓子をとることは心を癒してくれ、あんこは、「豆と砂糖の幸せな結婚である」と評していた。
続いて「タイ料理と砂糖」をテーマに酒井美代子氏による講演が行われた。そこではタイで学んだ自らの体験をもとに、タイ料理やタイ料理における砂糖の歴史、宮廷菓子などを、スライドを用いながら紹介した。
酒井氏講演の要旨
酒井美代子氏 |
酒井氏によると、自分がタイ料理を教え始めた頃は、講演などの訪問先でタイカレーのことを魚の鯛入りカレーとよく間違えられたが、最近ではレモングラス、ニンニク、生姜、他のハーブなどで作られたタイ料理はおいしく、ヘルシーでダイエットに良いなどの評判により、誰もが知るようになった。このタイ料理の特徴は、「甘くて、辛くて、酸っぱい」であり、たくさんの砂糖を使用することが、タイ料理をおいしくする秘訣となっている。
また、タイはさとうきびの栽培も盛んで、さとうきびから作られる砂糖の多くは海外へ輸出され、日本では原料用の砂糖の30〜40%をタイから輸入していることや、そのほか、砂糖と同様にタイ料理で使用されるヤシ糖(ナムタン)も作られているといった説明をした。
タイの家庭での食卓には4つの調味料がある。秋田の「しょっつる」に代表される日本の魚醤にあたるナンプラー、粉唐辛子、唐辛子を浮かべた酢、それと砂糖である。また、他の調味料にも砂糖が通常より多く使われているとして、例えばラーメンに砂糖を入れるとおいしくなるので試して見ると良いなどの話を交え、現在のタイの家庭での食卓の様子を紹介した。
次に、タイ料理における砂糖の使われ方の例として、タイのよく知られているものとして「フォイトーン」というお菓子が紹介された。これは日本でポルトガルから伝わった長崎名物の「鶏卵素麺」とほとんど同じものである。作り方は、鍋に水と砂糖を入れて溶かしてシロップを作り煮立て、それにビニール袋の穴からよく溶いた鶏卵を糸状に流し入れ、固まったら引き上げ、皿に盛り完成というものである。そのほか、ヤシ糖(ナムタン)使ったお菓子など、タイ料理と砂糖の深い関係を紹介した。
最後に、入場者からの質疑応答があり、その中でナンプラーの日本で馴染みのない使い方として、ナンプラーを日本のカレーに入れたり、レモンや砂糖と一緒に混ぜ、それを野菜にかけて食べたりしてもおいしいといったことも紹介した。
東京事務所
砂糖科学会議「虫歯と砂糖」
9月20日(金)、東京都港区三田の笹川記念会館において、(社)糖業協会、精糖工業会並びに砂糖を科学する会の共催により、『虫歯と砂糖』と題した講演会が開催された。座長を務めた砂糖を科学する会メンバーの橋本仁氏によれば、当会議は砂糖との関係が深いとされている虫歯について、第一線の研究者から研究結果を提供して頂くことにより、消費者への情報発信窓口である医師や栄養士等の方々へ砂糖に対する理解を深めてもらい、消費者への正しい知識の発信をお願いするものであるという。当日は、約50名程の参加者であったが、出席者に専門家が多かったためか、場内は終始ピンと張り詰めた空気に覆われていた。
講演は、まず、東北大学大学院講師の畑真二氏が「日本の虫歯の実情」を、続いて、東京歯科大学教授の眞木吉信氏が「世界の虫歯の実情」を題目とし、各々スライド及び板書を使って行われた。畑氏は日本人の世代別、特に幼児期の虫歯の発生状況とその要因について、眞木氏は地域性の違いにおける(成人の)虫歯の発生状況とその予防をメインテーマに研究をされているとのことである。それぞれ違った角度からの講演ではあったが、その論旨は共通していたように感じられた。以下、講演内容を紹介する。
・日本は虫歯の有病率が先進国中のワーストに位置している。幼少期における虫歯は減少しているが、成人の虫歯は増加傾向にあり、さらに、幼少期の虫歯が「歯冠面虫歯」であるのに対し、成人では「歯根面虫歯」が大半で、この虫歯は自然治癒しない。
・砂糖が虫歯に至るプロセスは、「糖→歯垢→酸→虫歯」である。この歯垢がミュータンス菌の餌となるので、これを歯磨きにより取り除くことが重要である。
・虫歯にならないためには、その予防が重要であり、歯磨きの他、フッ素材の使用が効果的である。他方、代替甘味料であるキシリトールはミュータンス菌の餌とならないが、ソルビトールにはその効用はない。
・砂糖の消費量の多い・少ないではなく、その摂取方法(例えば間食は控える)及び摂取後の対応(歯磨き等)が虫歯の発生の有無を決める。砂糖は人にとって欠かせないものであるので、安易に代替甘味料に移行するのではなく、その長所短所を理解の上、上手に使い分けすることが望ましい。
・日本では虫歯の治療には社会保険が適用されるが、予防措置には適用されない。この点は今後の行政の課題であろう。
以上、講演要旨。
また、講演の合間に、「都会と田舎では都会の方が虫歯の発生率が低いにもかかわらず、千葉県は高い。」、「妊娠経験者に虫歯が多いのは、妊娠中に胎児が母胎のカルシウムを吸収したわけではなく、本人の食生活の乱れが原因である。」、「遺伝的要因によって、歯が丈夫か、否かが決まることは、まず有り得ない。」など、参加者の興味をそそる話も随所に織り込まれ、両講師とも予定時間を上回る熱弁で、盛況のうちに3時間に及ぶ講演会は終了した。
第9回東京パンフェスティバル 〜パンをとことん楽しむイベント〜
みんなおいしそうで目移りしちゃう! |
新宿区高田馬場にある東京製菓学校は、1953年に創立された製菓・製パンの専門学校である。「菓子は人なり」を教育理念とし、これまでに約1万名にも上る卒業生を食品業界の第一線に送り出してきた。同校では、「世間一般の方々に、もっともっとパンに親しんで頂きたい」との思いから、平成5年度より『東京パンフェスティバル』というイベントを年1回続けてきている。本年度は9月21日シに学校全体を会場としてこの催しが開催されたので紹介する。
当日はさわやかな秋晴れに恵まれ、学校前の通りは10時の開門時間を待ち切れない大勢の人達で早くから賑わっていた。担当の職員によれば、これまでの経験から約3千名の来場者を見込んでおり、開場直前までその準備に追われたとのことであった。
場内には、(1) 「パンミュージアム(有名パン店及びホテルから出展された58作品の展示コーナー)」、(2) 「パンとお菓子の作品展(一般の方々から応募された52作品のコンテスト)」、(3) 「HOT STATION(調理系パン実演販売コーナー)」、(4) 「ベーカリーズ'ベーカリー(有名店の人気商品を直接搬入して販売するコーナー)」、(5) 「ブランジェになろう(パン作り体験コーナー)」、(6) 「マイスターのあつまる店(調理用器具、レシピ本等の展示販売コーナー)」、(7) 「ハーベストフェスティバル(学生による菓子パン製造工程の公開コーナー)」、(8) 「できたてパン工房(学校自慢の石窯とタンドールを使用したパン製造過程の実演コーナー)」、(9) 「その他(憩いの場所を提供する音楽会、学校説明会、等)」の趣向を凝らした盛りだくさんのイベントが用意され、どのコーナーも女性を中心とした多くの来場者で長い列となっていた。なかでも「パンミュージアム」と「パンとお菓子の作品展」の会場となった講堂には、展示作品をカメラに収める愛好家やコンテストの投票用紙を片手に熱心に作品に見入る女子高生などが多数詰め掛け、熱気に包まれていた。また、「ベーカリーズ'ベーカリー」は来場者のリクエストにより昨年から始まったイベントで、普段なかなか手に入らない有名店の焼きたて人気商品が時間限定であるとはいえ同時に何種類も購入できるとあって大変な混雑振りであった。
おいしいパンが出来るかな? |
さらに、子供達に人気を博していたのが「ブランジェになろう」のコーナーで、同校生徒によるマンツーマンの指導のもと、子供達はゾウやカメの姿の動物パンをまるで粘土遊びを楽しむかのように嬉しそうに作っていた。なかには子供に付き添っていたはずが、いつのまにか子供そっちのけでパン作りに熱中しているお父さんなどもいて、会場となった教室内には子供達の明るい声が響いていた。
場内で同校の学生数人にパン・菓子作りと砂糖の関係について尋ねると、「そもそも洋菓子や菓子パンは砂糖がないと作れないし、食パンなどにしても生地に砂糖を入れないと上手く膨らまないので、切っても切れないものですね。」という答えが返ってきた。ある女子学生は「甘くない菓子なんておいしくないじゃないですか!」と、きっぱりと言い放った。これから業界に巣立って行く彼らが砂糖に対するこのような見解を持っていることは頼もしい限りである。
東京製菓学校では、『和菓子まつり』のイベントも行っており、健康志向のなか、最近何かと話題の和菓子なので、折に触れ紹介したい。
神戸事務所
御影ケーキ物語
〜由緒ある邸宅で御影のケーキとウィーン音楽を楽しむ午後〜
コーヒーとケーキを楽しむ来場者 |
10月20日(日)午後2時から4時まで、神戸市東灘区の「旧乾邸」において、ケーキとウィーンの音楽を楽しむ催し、「御影ケーキ物語(Part-1)」(主催:阪急御影駅前商店会、上御影協力会、神戸イーストクラブ)が開催された。
神戸市は古くから洋菓子づくりが盛んな地域として知られ、明治・大正期に創業された洋菓子製造会社の本社が数多く存在している他、個人経営によるケーキ店の数も多い。同市東灘区内の阪急電鉄御影駅周辺にもたくさんのケーキ店が出店しており、最近はマスコミに「ケーキの町」として取り上げられる機会が増えている。
今回の催しは、景気の低迷が続き、明るい話題がなかなか見付からない状況の中、「御影のケーキ」を話題に東灘区民を中心とした地域住民が集まり、音楽を聴きながらケーキを賞味する場を提供することによって、御影地域、ひいては東灘区の活性化につなげたいというねらいで企画された。
企画の中心となった神戸イーストクラブは、東灘区の自治会の世話役の中で40歳代のメンバーが中心となって構成するグループで、春季に行われるだんじり祭等の行事を通じて、相互のコミュニケーションを図り情報交換の場として気楽な形での地域発展、振興のアイディアを語り合い、生み出すために会合を開いている。
これまで外部に対する働きかけとしては、東灘区などへの阪神淡路大震災の復興支援活動を中心に行ってきたが、復興に一定のめどが立ってきたため、「従来行ってきた支援活動には一応の区切りをつけ、文化活動等別の形でも地域への貢献をしたい。」との同クラブの思いをこのような催しで実現したという。
ピアノとソプラノ歌手による ウィーンにちなんだ曲の演奏 |
会場となった「旧乾邸」は、阪急御影駅北側の閑静な住宅街にある乾汽船(株)の元社長邸で、昭和初期の代表的な洋風建築とされている。英国的な建築様式を基本に、建物外部に南仏風のたたずまいも漂わせた豪邸は、現在神戸市によって管理されており、通常一般公開はされていない。
当日は小雨模様の中、200名以上の応募者の中から選ばれた55名の来場者が会場を訪れ、催しに参加した。
主催者側の挨拶などに続き、当日参加者に提供されたケーキの製造元である洋菓子店のシェフによるウィーン菓子等についての解説が約20分、ソプラノ歌手によるウィーンにちなんだ曲の演奏がピアノの伴奏に乗せて前後半約20分ずつ2回行われた他、演奏の間には、来場者はウィーン風ケーキとコーヒーで思い思いに談笑した。
ゆったりとした時間の中で、由緒ある建築を鑑賞し、美しい音楽を聴き、おいしいケーキとコーヒーを食するという3種類の楽しみ方を来場者は堪能し、2時間の催しは終了した。
関係者によれば、「今回の催しの成果を踏まえ、出来ればケーキをテーマとしたこの種の催しを今後も続けて行きたい。」とのことであった。
今回の催しのように、洋菓子が地域の文化振興に効果的な役割を果たす機会が今後も数多く生まれることが望まれる。
ヨーロッパの雰囲気がただよう旧乾邸 |
福岡事務所
さとうきび優良農家の紹介
〜種子島から〜
種子島は比較的平坦な畑地が多く、広い耕地面積、温暖な気候を活かし、さとうきび、かんしょ及び肉用牛を中心に、豆類やばれいしょ等の野菜、米及び茶等の生産振興が図られている。
8月下旬の台風15号が長時間にわたり接近通過したため、全島的に葉部裂傷・塩害等を被った。特に、今期の生育が思わしくない中での塩害の影響は大きく、平成14/15年期のさとうきびの生産見込み(平均単収)は平年値の90%に留まる見込みである。(新光糖業株式会社農務部)
柳田さんのほ場 |
また、種子島はさとうきび栽培の北限であり、鹿児島県大島郡の平均甘蔗糖度と比較して、例年1度前後低いというハンディキャップがある。こうした厳しい栽培環境の中、地域のリーダーとしての責任感を強く持ちさとうきび収穫面積の維持・増大に向けて意欲的に取り組んでいる鹿児島県熊毛郡南種子町島間の優良農家、柳田米男氏(53歳)を訪問し取材した。
柳田氏の農業経営は、さとうきび作を中心としたかんしょ(でんぷん原料用)や米(水稲)との複合経営であり、農業従事者は、本人と奥さんと息子さん(23歳)の3人の専業農家である。さとうきびの収穫面積は、表の(1)のとおり、短期間のうちに2倍強の増大を図ってきており、生産量も昨期500トンの大台にのせている。以下、柳田氏のさとうきび作の取り組みについて話しを伺ったので紹介する。
収穫面積の増大
今期の収穫面積は8.8ha(自作地2ha、借地6.8ha)ですが、当面の目標を10haにおいており、これは来期にでもクリアできる見込みです。 息子が後継者としてしっかりやってくれているので、今後とも面積を増やしていきたいですね。借地は自分の小平山(こひらやま)集落の耕作地内で借りるように心掛けています。機械化一貫体系でさとうきび作をしているので、ほ場が遠隔地にあると農業機械の移動(運搬トラックへの積み下ろし等)に伴う時間が無駄なんですよ。遠隔地に借りる場合は、一筆の面積がある程度まとまったところにしています。
収穫作業及び収穫後の梢頭部の利用
収穫は全てハーベスタによる収穫です。今期の収穫作業は27〜28ha(受託を含む)になると思います。受託料金は6,500円/トン(内訳:梢頭部落とし2,500円、ハーベスタ収穫4,000円)。収穫期間中、梢頭部落としに4〜5名雇用しています。梢頭部の活用方法は、自分の場合、近隣の畜産大規模農家に持っていって、そのかわり新植のほ場に堆肥をもらったりしています。いわば、物々交換ですね。将来的には、さとうきび農家自らの梢頭部有効利用を考えて、梢頭部から堆肥を生産できるような技術を体得し、農業の基本である土づくりをしっかりやって、単収アップにつなげていきたいと思っています。
将来に向けた課題
今後、更に大規模化を目指す上で、やはり克服すべき課題は適期植付・適期管理作業をいかに徹底して行うかにあると思います。これまでは12〜3月の収穫作業が全て終了してから、株出しの管理作業や新植の植付準備作業に入ったんですが、このペースだと適期をはずしてしまうんですよ。ですから理想の営農サイクルは、12〜3月の収穫時期に、一月当たり4〜5日ずつ株出し管理作業をできるようなサイクルなんですよ。自分は南種子町ハーベスタ生産組合のリーダーなので、その組織の中で、今後、協力し合いながら課題の克服に努めていきたいと思っています。
柳田さんと息子さん |
今後の経営目標
自分は65歳までは第一線でがんばるつもりです。その頃には、息子も30歳を過ぎて一人前の農家になっているだろうから、経営も法人化して、30haは作っていきたいね。集落の戸数は40戸、平均年齢が60歳後半で、耕作地が75haあるんですが、今後、高齢化が進み、誰かが引き継いで農業をやらないとその土地は荒廃してしまいます。この集落で専業農家は自分たちとあと1戸の2戸だけなんですよ。従って集落内の農地を守るという宿命を与えられたと思っているんですよ(笑い)。
種子島の糖業関係者によると、島のさとうきびの将来は、柳田氏のような意欲ある地域の担い手農家をいかに増やしていくかが重要な課題であり、親の姿をみて、農業は儲かる仕事なんだと子供(後継者)が思うことが基本。今後とも引き続き、こういう人たちをフォローできるような取り組みをお願いしたい。そうすれば、立派な後継者が育ち明るい展望が開けるはず。柳田氏のひたむきな情熱と責任感と行動力には並々ならぬものがあり、今後とも地域のリーダーとして頑張っていただきたいとのことであった。
なお、今年、柳田氏が代表者になって、南種子町でハーベスタを保有している農家9名が出資し、精脱葉施設を設置して、積極的に機械収穫原料のトラッシュ率低減化を推進する予定である。
柳田米男氏の経営規模の推移 |
(1) さとうきび
|
10年産 |
11年産 |
12年産 |
13年産 |
14年産 見込み |
収穫面積合計 (a) |
365 |
405 |
655 |
799 |
879 |
内訳 |
夏植え (a) |
0 |
50 |
0 |
0 |
0 |
春植え (a) |
(秋) 60 125 |
110 |
277 |
270 |
320 |
株出し (a) |
180 |
245 |
378 |
529 |
559 |
生産量合計 (トン) |
288 |
268 |
447 |
577 |
565 |
10a平均収量 (トン) |
7.891 |
6.626 |
6.825 |
7.225 |
6.428 |
平均甘しゃ糖度 (度) |
10.56 |
13.12 |
11.91 |
12.13 |
|
(注) 14年産見込みの生産量は、過去4年間の平均収量を用いて、算出したものである。
|
(2) その他農作物
|
10年産 |
11年産 |
12年産 |
13年産 |
14年産 見込み |
かんしょ |
作付面積 (a) |
450 |
450 |
400 |
250 |
460 |
生産量 (トン) |
126.5 |
132.4 |
117.0 |
73.0 |
110.0 |
米 |
作付面積 (a) |
100 |
90 |
90 |
240 |
270 |
生産量 (トン) |
3.240 |
2.910 |
2.610 |
7.290 |
8.190 |
|
柳田米男氏のさとうきび関係の使用機械
小型ハーべスター1台(文明 HC-65)
トラクター4台(88馬力、28馬力、23馬力、22馬力)
全茎式プランター、プラウ、ニ連ロータリー等各種アタッチメント
|
|
那覇事務所
平成14年産沖縄県さとうきび生産見込み数量について
沖縄県農林水産部が平成14年9月1日現在における平成14年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量等をとりまとめたので紹介する。
この調査によると、今期のさとうきび収穫見込み面積は1万3,848ha、前期実績に対し455ha (3.4%) の増加が見込まれている。その状況を地域別で見ると沖縄地域が202ha (2.7%)、宮古地域が12ha (0.3%)、八重山地域が241ha (13.8%) の増加とそれぞれの地域で増加が見込まれている。
また、作型別に見ると、夏植は前年と同面積の見込みとなっているが、春植で90ha (5.4%)、株出で366ha (6.7%) とそれぞれ増加する見込みである。
さとうきびの生産量は、87万4,339トン (対前年比101.8%) が見込まれている。
なお、この生産見込みには先の台風16号(9月上旬)の被害が織り込まれていないが、今後の順調な育成が期待されているところである。
収穫見込み面積 |
単位:ha、% |
作 型 |
(9月)見込み |
前年実績 |
対 比 |
面積(A) |
構成比 |
面積(B) |
構成比 |
A / B |
夏 植
春 植
株 出
|
6,282
1,743
5,823
|
45.4
12.6
42.0
|
6,282
1,653
5,457
|
46.9
12.3
40.7
|
100.0
105.4
106.7
|
計 |
13,848 |
100.0 |
13,393 |
100.0 |
103.4 |
|
注:表については、小数点以下四捨五入のため、計と内訳が一致しない場合がある。 |
収穫見込み面積(地域別) |
単位:ha、% |
地 域 |
(9月)見込み |
前年実績 |
対 比 |
沖 縄
宮 古
八重山
|
7,652
4,214
1,982
|
7,450
4,202
1,741
|
102.7
100.3
113.8
|
計 |
13,848 |
13,393 |
103.4 |
|
10a当たり見込み収量 |
単位:kg |
地 域 |
夏 植 |
春 植 |
株 出 |
合 計 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
見込み |
前年実績 |
沖 縄
宮 古
八重山
|
7,400
7,300
7,300
|
7,165
7,724
7,263
|
4,800
4,600
5,300
|
4,788
5,258
5,846
|
5,800
4,900
5,000
|
5,603
5,319
5,238
|
5,900
7,000
6,600
|
5,731
7,471
6,791
|
計 |
7,300 |
7,520 |
4,800 |
4,982 |
5,700 |
5,576 |
6,300 |
6,415 |
|
さとうきび見込み生産量 |
単位:トン、% |
地 域 |
見込み生産量 (A) |
前年実績 |
対 比 (A /B) |
生産量(B) |
(A − B) |
沖 縄
宮 古
八重山
|
450,856
293,354
130,129
|
427,002
313,891
118,243
|
23,854
△ 20,537
11,886
|
105.6
93.5
110.1
|
計 |
874,339 |
859,137 |
15,203 |
101.8 |
|
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