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地域だより[2003年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2003年1月]

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札幌事務所


「作って、食べて、砂糖のす・て・き再発見!」
〜札幌で砂糖と食文化講座を開催〜

山本課長の挨拶
札幌消費者協会 山本課長の挨拶
 12月3日(火)、札幌市の北ガスクッキングスクール(サッポロファクトリー1条館3F)において、10月に引き続き当事務所における第2回目の「砂糖と食文化講座」を開催した。
 前回は将来農業協同組合(JA)の幹部職員を目指す学生が対象であったのに対して、今回は(社)札幌消費者協会の協力を得て、一般消費者を対象としたもので、応募者数98名から抽選で選ばれた30名が、同クッキングスクールの主任講師(管理栄養士)である坂井美恵子氏の指導のもと、菓子作りを体験しながら砂糖の上手な使い方や効用について理解を深めてもらった。
 今回作られたお菓子のメニューは、「ポピーシード(ケシの実)のベリーケーキ」 と 「マンゴームース」 のデザートである。参加者は5グループに分かれて、坂井講師による実演と指導を受けながら、材料をかき混ぜたり、生クリームを使って飾り付けたりするなど、真剣な表情で菓子作りに取り組んでいた。
調理指導中の坂井講師
調理指導中の坂井講師
 坂井講師は講義を始めるにあたって、「てん菜を知っていますか。砂糖は北海道で栽培されているてん菜や鹿児島県、沖縄県で栽培されているさとうきびから作られていること。砂糖は泡立ちを良くしたり、パン、クッキーなどにこんがりとした焼き色を付けたりする(メイラード反応)など様々な効果があり、菓子作りに欠くことのできない大切な素材である。砂糖をたくさん摂ると太ると思っている人がいるが、太る原因は砂糖ではなく、消費エネルギーに対して、摂取エネルギーが多いからである。また、砂糖は漂白されていると思っている人がいるが、無色透明な結晶である」 など、砂糖の様々な効用、砂糖に対する誤解について管理栄養士ならではの説得力のある説明を行った。
 参加者は、ケーキの生地や生クリーム作りなどの作業に悪戦苦闘していたが、坂井講師が説明する砂糖を上手に使ったお菓子作りのコツを習得し、おいしそうなケーキとデザートを完成させた。調理終了後、参加者は苦労して作ったお菓子を、試食室で事業団作製ビデオを見ながら思い思いに試食、歓談した。
手作りのおいしさに感激
手作りのおいしさに感激 !!
 講座終了後行ったアンケートの結果では、「講演は分かりやすく、参考になった。ぜひ、家でもチャレンジしたい。また参加したい」、「砂糖を加えることで、生クリームの泡立ちがよくなったり、ケーキの生地が膨らんだり、色が付いたりすることが、よく分かった」などの感想が寄せられ、実体験を通して砂糖の機能・効用を理解してもらえたようだ。
 さらに、今後講座でとりあげてもらいたいテーマとしては、「上白糖、グラニュー糖、三温糖など、それぞれの砂糖の種類毎に向いた料理」 「お惣菜、煮物など和食での砂糖の生かし方」 など、これからの講座に参考となる要望があった。
 坂井講師は調理中 「調理は何度失敗しても構わない。体験することが料理を上手にするコツである。失敗しても次は成功する」 と参加者に声をかけていた。今回の講座で体験したことを生かし、それぞれの家庭で是非お菓子作りに励んでもらいたい。
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東京事務所


砂糖科学会議 「砂糖の安全性」

 11月15日(金)、東京都渋谷区恵比寿のエビススバルビルにおいて、(社)糖業協会、精糖工業会及び砂糖を科学する会の共催により 「砂糖の安全性」 をテーマとした砂糖科学会議が開催され、一般消費者をはじめとする57名が参加した。
 講演は、「砂糖の製造工程」 について球陽製糖(株) 新里工務部長、日本甜菜製糖(株) 鈴木製造課長及び台糖(株) 平田神戸工場次長の3氏が、また 「砂糖の特性・安全性」 について、弘前大学伊藤教授がそれぞれ行った。
 まず、座長の(株)横浜国際バイオ研究所 橋本会長より挨拶が行われ、最近何かと取り沙汰されている 「食品の安全性」 を砂糖について検証し、また、砂糖が畑から食卓に上がるまでの過程を知って頂きたいとの主旨から今回のテーマが決定した経緯が述べられた。
 最初の講演は新里氏による 「甘蔗糖の製造工程について」 であった。沖縄の地理と農業の現状において、さとうきびが重要な基幹作物であること、さとうきびから砂糖を採った後には糖蜜、バガス、フィルターケーキが発生するが、糖蜜は配合飼料や工業用アルコール等として、バガスは主に製糖工場の燃料として、フィルターケーキはさとうきび農家の堆肥として利用されており、産業廃棄物の出ないクリーンな産業であることを述べた。さらに畑に植えられたさとうきびから原料糖ができるまでの工程を説明した。また、資料としてさとうきびの切片と小瓶に詰めた原料糖が会場で配布されると、普段それらを目にすることのない参加者に好評を博していた。
新里氏
球陽製糖(株) 新里氏
さとうきびと原料糖サンプル
さとうきびと原料糖サンプル
 次に鈴木氏が 「ビート糖の製造法について」 と題して講演を行った。ビートは北海道農業において重要な位置付けにあり、連作障害を防ぐための輪作体系にも組み込まれていることや製糖工程を解説し、砂糖は植物の中にある自然の甘味成分であるショ糖を取り出して作られた天然甘味料であることを説明した。
 さらに、さとうきび及びビートから作られた 「原料糖」 を元に製造される 「精製糖」 について平田氏が講演を行った。原料糖が家庭で使用される 「上白糖」 「グラニュー糖」 「三温糖」 等に姿を変えるまでの工程を説明した。それらの製品の違いを初めて知った来場者も少なくなかったようで、感心してうなずく様子も見受けられた。
鈴木氏
日本甜菜製糖(株) 鈴木氏
平田氏
台糖(株) 平田氏
 この3氏の講演後休憩となり、砂糖をふんだんに使ったメレンゲとケーキが出された。この時間を利用して、会場から出た質問に橋本氏と講演を終えた3氏が回答したので、その質疑応答の抜粋を以下に掲載する。

Q:砂糖はどのくらいの期間もつのか?
A:保存の状態にもよるが、基本的に賞味期限はない。ただ、あまり長い時間が経過すると、自然に分解が進むことがある。非常に湿度が高いとか高温の場所に保管したものも同様に自然分解が進む。また、カラメル化反応で若干色が着くことがあるが、食べるのに問題はない。

Q:砂糖の一日の摂取量の目安、基準値のようなものはないのか?
A:お米などと一緒で上限はない。砂糖を1回当たり70g、1日4回、2週間にわたって摂り続けたデータがあるが、何の弊害も見られなかった。

伊藤教授
弘前大学 伊藤教授
 次いで、「砂糖の特性・安全性について」 と題して弘前大学教授の伊藤氏が講演を行った。まず最初に、さとうきびが他の植物に比べて光合成を行う能力が高く成長が早いことから、地球温暖化の原因である炭酸ガスをより多く吸収する(炭酸ガスの固定能力に優れる)植物であり環境保全に貢献していることや、主な生産地域である発展途上国にとって経済政策上有利な農産物であることを説明した。

 そして、(1) 血糖値が低下することの危険について (2) 肥満とリバウンドを起こさないダイエットの手法について (3) 砂糖が糖尿病と直接の関連が無いことについて (4) 虫歯の出来るメカニズムと予防方法について等の砂糖に関する一般的な認識の間違いについて解説した。おそらく参加者の関心が最も高かったテーマであり、いずれも強い説得力を持つ講演内容であった。
 一般の消費者の中には、依然として砂糖に対する誤解が見受けられることから、砂糖の製造方法や体にもたらす影響についての正しい知識は、もっと一般に浸透させなければならないと感じ、今後もこのような講演の機会を設けることが重要であると考えさせられた。
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横浜事務所


2002ふじさわ 産業フェスタ
〜和菓子の技術を一般に、来場者数2日間で6万人〜

 平成14年11月23日(土)・24日(日)の両日、神奈川県の藤沢市民会館において、「2002ふじさわ産業フェスタ」 が開催された。
 今年で3回目を迎える同フェスタは、藤沢商工会議所が中心となって市の商工業製品、農・海産物を集めて新しい産業への取り組みを紹介している。事務局によると、現在では藤沢市のイベントとして定着し、今年の来場者は2日間で6万1千人に上ったということである。
 藤沢菓子工業組合は、近年の甘味離れ等により和菓子等の売り上げが減少している中で、地元湘南藤沢の菓子職人の技能と菓子の良さを再認識してもらうため、藤沢技能職団体連絡協議会を通じて例年出展している。
展示内容としては、昨年度に引き続き 「和菓子・ケーキ作り体験ゾーン」 を設置し、初日の開場時から多くの人が展示場を訪れた。
製品展示ゾーン
製品展示ゾーン
つまみ菊の実演
つまみ菊の実演
 同ゾーンでは、進物用和菓子の製造直接販売を行うほか、開催日の両日ともに1日2回先着50人に和菓子の無料配布を行った。直接販売では、作りたてに加えて価格も市価に比べて安く設定されているため、多くの人が菓子を購入していた。展示場で製造している菓子職人の方は 「お客さんに作っているところを見られるので、いつもより気合いが入る。」 と語っていた。
 今年度は、藤沢市の姉妹都市である松本市の地場産品の出展があり、野沢菜や信州そば等が展示棚を彩っていた。また、和菓子の無料配布では、配布開始時刻の15分前には、50人近くが並ぶなど集客力の強さが発揮され、和菓子を始めとする藤沢市の産業の紹介に貢献している様子がうかがわれた。
できあがり
できあがり
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清水出張所


砂糖から作られる機能性食品イヌリン

 砂糖の消費量は長期にわたり、減少傾向を辿っており、行政をはじめとする糖業関係者は、砂糖の価格競争力の強化による需要の拡大に取り組んでいる。
 また需要拡大のために、砂糖から付加価値の高い製品を作り出す研究を進めている企業も多々ある。
 その中で、世界で初めて砂糖からイヌリンを直接生産する技術を確立したフジ日本精糖(株) に話を伺ったので紹介する。

 同社は約30年前から、高機能で付加価値の高い糖類を作る研究を進めてきた。当初の原料は砂糖でなく別のものであったが、平成8年に方向転換し、砂糖を原料とした糖類を作る研究に切り換えた。平成12年になって従前から研究していた糖類の研究過程の中で、砂糖からイヌリンを生産する新規の酵素を発見した。

イヌリン
自然界におけるイヌリンの分布例
食 材 イヌリン含量 (%)
キクイモ 15 ― 20
チコリ 15 ― 20
ニンニク 9 ― 16
ニ ラ 3 ― 10
タマネギ 2 ― 6
 イヌリンは砂糖分子に果糖分子が多数つながってできた多糖類で、自然界では、チコリ(ヨーロッパ原産のキク科の多年生草本)の根や菊芋の根、ニンニク、ニラ、玉ねぎなど36,000種類以上の植物中に存在する。
 でん粉等と同じ多糖類であるが、ほとんど消化吸収されないという特性を持つ炭水化物である。
 欧米では古くから糖尿病の栄養補助剤として利用されてきた。近年では低カロリーで水に混ぜるとクリーム状になり脂肪とよく似た食感となることなどから、脂肪の代替物としての機能が注目されている。
砂糖からイヌリンが作られるまでの生産工程 イヌリンの化学構造
生産工程 イヌリンの化学構造

イヌリンの特性
イヌリン溶液
テストプラントで製造されたイヌリン溶液
・白色・無臭で粉状。
・水溶性の植物繊維で、ダイエタリーファイバーとして注目されている。
  整腸作用。
  血中のコレステロールの低下作用。
  血糖値上昇抑制作用。
  ミネラル吸収促進作用。
・脂肪によく似た食感で、マヨネーズや生クリームの脂肪代替となる。
・ほとんど分解されずに、大腸まで到達する。大腸まで到達したイヌリンはビフィズス菌など 「善玉菌」 の増殖に利用される。

<参考> イヌリン輸入量の推移
  輸入数量(トン)
1998年 177
1999年 218
2000年 359
2001年 323
(財務省「貿易統計」による)
 これまで、イヌリンはチコリの根茎から抽出し、ベルギー、オランダなどで工業生産されてきたが、イヌリンの品質や生産量が天候に左右されることがあった。
 しかし、同社では今後砂糖から直接イヌリンを製造することで、大量、かつ安価に市場への供給が可能になるとしている。
 また、新しい製法では、イヌリンは原料である砂糖10に対して4の比率で生産できるという。
 現在建設中の新プラントでは、2003年5月から本格的に生産し、同年度中には400トン(原料糖使用量1,000トン)、2004年度では1,000トン(原料糖使用量2,500トン)の生産を計画している。
 イヌリンの用途は、乳製品、洋菓子、冷菓、パン、調味料、食肉加工品といった食品をはじめ、化粧品、医薬品分野等多岐にわたる展開が期待され、今後は海外での伸びも予想されることから、輸出も視野に入れつつ事業分野の柱として確立していくという。
イヌリン溶液を乾燥する機械
イヌリン溶液を乾燥する機械
テストプラントで製造されたイヌリン
テストプラントで製造されたイヌリン
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飲みごろが待ち遠しい 〜カリン酒講習会〜

楽しそうに取り組む参加者
楽しそうに取り組む参加者
 11月19日(火)に毎日新聞社、全日本氷糖工業組合共催の 「カリン酒講習会」 が名古屋のホテル・キャッスルプラザで開催された。多数の応募から抽選で選ばれた約100名の参加者が熱心にカリン酒作りに取り組んだ。氷砂糖は梅酒や梅シロップ作りに多く使用されるため6月頃に消費量が多くなるが、この季節にも氷砂糖の需要を喚起するために行われている。この講習会は毎年全国各地で開催されており、今年は11月2日の大阪を皮切りに、北九州、東京、名古屋で開催された。

 カリンはバラ科カリン属の植物で中国原産の落葉性の果樹であり、日本では長野県、山梨県及び山形県を中心に栽培されている。4〜5月に花が咲き、果実は10〜11月頃に収穫される。はじめは緑色の果実だが秋になると黄色に熟し強い芳香を放つ。果肉は硬く酸味が多いことから生で食することはできない。果実酒や果実シロップに加工したり、ペクチンを多く含んでいることから、ジャムやゼリーに加工されることもある。また観賞用として楽しむほか、果実が疲労回復や咳止めに効果があるため、水煮や砂糖漬けなどに加工され薬用として利用されており、カリンのエキスを利用したのど飴は広く市販されている。
 カリンを漬ける焼酎は甲類焼酎が適している。甲類焼酎は連続式蒸留機によって蒸留を繰り返すことによって、不純物が取り除かれるため、単式蒸留機によって蒸留される乙類焼酎と比べて味も香りもクセがなくシンプルな味わいである。このためカクテルや果実酒、薬用酒などに幅広く利用される。
 氷砂糖は果実のエキスを引き出すために利用する。氷砂糖はゆっくり溶けるので果実のエキスを引き出すのに適している。

西尾氏
作り方を説明する西尾氏
 講習会は氷砂糖資料館館長の西尾勝正氏により、「カリンは酸味があるほど美味しい、漬ける焼酎は純度の高い甲類焼酎が適している、果実のエキスを引き出すためゆっくり溶ける氷砂糖が適している」 など、材料の特徴やその効果についての解説があり、その後作業手順が説明された。参加者は講師の説明に真剣に耳を傾け、硬いカリンの輪切りにてこずりながらも楽しそうにカリン酒作りに取り組んでいた。
 カリン酒は漬けてから約半年ほどで飲むことができるが、さらにまろやかな味を楽しむのなら1〜2年ほど経ったもののほうが良いそうだ。また、飲み方は2〜3倍の水やお湯で薄めるほか、ウイスキーやブランデーで割ったカクテルとしても楽しめるという。
 寒いこの季節にはお湯割にして飲用し、身体の中から温まりたいものである。
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「砂糖シンポジウム」
〜砂糖は笑顔のエネルギー〜(京都市)

会場の様子
会場の様子
 12月10日(火)、(社)糖業協会、精糖工業会及び砂糖を科学する会の3団体主催による 「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」 が、比叡下ろしの寒風が吹き荒ぶ古都・京都、国宝・三十三間堂隣りの京都パークホテルを会場に、応募者407名から抽選によって選ばれた278名が参加して開催された。
 京都には、古くより御所をはじめ宮家公卿への献上菓子や茶の湯における和菓子等を創作している老舗も多く、当日の参加者にも、伝統のお菓子(京菓子)を味わいつつ、一服のお茶を嗜むといった優雅な風情の女性が数多く見受けられた。
 シンポジウムは、前半、大脳生理学の分野における学習と記憶について数多くの研究をしている埼玉医科大学教授、医学博士・野村正彦氏が、「脳が一番欲しいのは、実はお砂糖なんです!」 と題して講演した。まず始めにスライドを使って砂糖を化学的に解説し、砂糖はブドウ糖と果糖が結合したものであることをその構造式等を示して説明した。
 その後、専門分野である人間の脳の話に移り、大人の脳の重さは約1,400gで、体重の2%であるが、脳は全身の消費エネルギーの18%を消費する臓器(脳は1日中休むことなく心臓や肺を掌っており、その脳には血液と酸素が不可欠である。心臓が1分間に押し出す血液量5,000mlのうち、脳が15%の750mlを消費し、また、呼吸による1分間の酸素摂取量250mlのうち、脳が20%の50mlを消費する。)であって、この脳のエネルギー栄養素は、唯一ブドウ糖だけであると力説された。
 また、脳の働きのなかで、「ものを覚える」 という役目には、「短期の記憶」 と 「長期の記憶、例えば忘れては困る自分の名前、住所等」 があり、常に記憶を思い出す、覗き見する、また、新しいことを覚えたら必ず使うなどして脳を使う、鍛えることがアルツハイマー病にならない秘訣であると語った。最後に 「脳のために、朝の一杯の紅茶、コーヒーに砂糖を入れることが大切」 を結びのことばとして締めくくった。
 後半は、御当地・京都出身、元卓球世界チャンピオンで、現在は心の文化と身体の文化を研究開発・提案する健康ギャラリー 「サウンドTAKA」(東京都中野区)を主宰している新井(旧姓・山中)教子氏が、「頭も体もアープ(ARP)で健康」 をテーマに、要所でストレッチ体操を紹介、会場の参加者に実践させながら講演を進めた。冒頭、新井氏は、前の野村氏のお話 「脳のエネルギーは砂糖」 に感嘆したことや自身の体験からも砂糖の摂取により、脳の集中力が増したこと、疲労が回復したことなど砂糖の素晴らしさについて熱く語った。その後、新井氏が最近提唱している 「卓球の動きを、無理無く、無駄なく、綺麗に見せてしかも上達が早い」 をテーマとした 「アープ(ARP)理論」 について説明した。「A」 はアクシス(AXIS)「軸」 のことで、軸にはよい姿勢を作るための軸、回転運動を起すための軸、そして自分自身の軸の三つがあり、軸を作ることによって視野が広がる。「R」 はリズム(RHYTHM)、リズムに乗るの 「リズム」 である。そして 「P」 はポスチャー(POSTURE)「姿勢」 のことで、姿勢を良くすることによって内臓の位置もキッチリし、関節の力が緩んでリラックスしてリズムが出る。この 「軸」、「リズム」、「姿勢」 の三つを融合させ、無理なく、無駄なく、自然体に上手になっていくことが 「アープ(ARP)」 ということであると述べ、最後にアープ理論を実践した運動(体操)を、会場の参加者に体験してもらって講演を終えた。
 最後に、主催者を代表して砂糖を科学する会副代表の橋本仁氏が、砂糖に関する風評(糖尿病の原因等)の誤りを正したうえで砂糖の効能を説き、野村、新井両氏の講演を総括してシンポジウムを閉会した。
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「消費者学級」との交流
〜「砂糖と食文化講座」を神戸市で開催〜

熱心に聴講する参加者
熱心に聴講する参加者
 当事務所では、11月25日(月)に神戸市中央区の神戸市立婦人会館において開催された神戸市の 「消費者学級交流会」 において、「砂糖と食文化講座」 を実施した。
 「消費者学級」 は、神戸市内各地域において消費生活に関する自主的な学習等を行う消費者グループに対して、市が活動支援する制度で、「消費生活やくらしに関する今日的課題について、年間8回以上かつ16時間以上取り組む」 ことが要件になっており、各グループは食、エネルギー、金融など様々な分野についての自主学習活動を行っている。
 「消費者学級交流会」 は、年2〜3回神戸市消費者協会の各グループの代表者などが集まり、互いの活動状況等について情報交流を中心に行うもので、今回は事業団から砂糖に関する話題提供を行うこととなり、当日の交流会には、各グループの関係者125名が参加した。
 交流会では、前半に学級活動に対する活動報告が行われた後、当事務所の脇谷次長が 「バランスの良い食生活における砂糖の役割」 と題して講演を行った。
 講演では、事業団業務・砂糖制度について簡単に説明した後、甘味資源作物、砂糖の種類、砂糖と健康との関わり、砂糖の効用等についての解説を行い、併せて事業団制作ビデオの上映も行った。
 この後行われた質疑応答では、出席者から別表のような質問が出され、脇谷次長がそれぞれの質問に対する回答を行って講座は終了した。
 なお、講演終了後実施したアンケートに対する回答では、「砂糖はカルシウムを溶かすと思っていた」、「砂糖は漂白されていないことがわかった」 など砂糖に対する誤解が払拭されたとする回答例が数多く見られ、その結果 「砂糖摂取に対する安心感が高まった」 とする回答も多く、砂糖についての正しい知識の普及という面で、この講座が一定の役割を果たしたものと考えられる。
 今後は、今回の出席者の意見も参考にしながら、来年度以降に向けて実施内容の改善を検討し、同講座を充実していくこととしたい。
参加者との討議内容(要旨)
  質問 回答
1 黒砂糖について教えて欲しい。 「製造工程に分蜜工程が含まれず、製品に蜜分が多く含まれる」 という特徴のほか、成分面での特徴等を含めて回答。
2 上白糖の 「しっとり感」 について教えて欲しい。 吸湿性の強い転化糖液(ビスコ)を表面にまぶすことによって、「しっとり感」 が生まれることを説明。
3 日本で販売されている砂糖は、国内産原材料と外国産原材料とを混ぜて製造したものか。 国内産甘しゃ原料糖と外国産原料糖とをブレンドして製造する精製糖メーカーの実態等を例に説明。
3 日本と外国(キューバなど)との国民1人当たり砂糖消費量の差の背景は。 食習慣の違いや異性化糖消費の有無等により、各国間で砂糖の消費量に差が生じる背景を説明。
3 最近スーパー等で砂糖が非常に安く売られているが、この理由について教えて欲しい。 スーパー等量販店が、いわゆる 「目玉商品」 として、客寄せを目的にコスト割れ覚悟で販売を行っていると思われる旨回答。
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岡山出張所


「砂糖と食文化講座」が岡山県倉敷市役所にて開催
運動と栄養 〜糖質の重要性〜

向井智春管理栄養士
向井智春管理栄養士
 11月29日(金)、岡山県倉敷市市役所10階大会議室において、「砂糖と食文化講座」 を開催した。
この講座は、倉敷市市民環境局生活文化部が主催する 「消費生活講演会(消費生活中央学級)」 の一環として、当事業団との共催で、運動時における糖質の重要性に関する講演を通して、参加者に甘味資源作物及び適正な食生活についての知識を深めてもらう目的で開催された。
 開催当日の大会議室には、消費知識の啓発向上等をねらいとして同市が各小学校区に設置している倉敷市消費生活学級の学級員を中心に、一般の市民を含め121名が参加し、会場は参加者の熱気に包まれた。
講演は、当事業団の派遣講師として、岡山県の実業団チームである 「天満屋女子陸上部」 の向井智春管理栄養士が “運動と栄養 〜糖質の重要性〜” と題して行った。
 同氏は2000年シドニーオリンピックマラソンで7位入賞の山口衛里選手、11月17日の東京国際女子マラソンで日本人1位に輝き今年の世界陸上選手権のマラソン日本代表に内定した松岡理恵選手など、国内及び海外のレースで活躍する選手に対して栄養面の指導及びサポートを行っている。
 司会者の講師紹介に続き講演が始まり、当事業団製作のパンフレット 『砂糖のあれこれ 〜お砂糖Q&A〜』 を補助教材に用いて、砂糖の種類、さとうきび・てん菜及び砂糖の製造工程を参加者に分かりやすく説明し 「砂糖はこのように天然の甘味資源から作られているため、選手の食事には安心して使用している。」 等のコメントを加えた。
熱心な参加者
講演に聞き入る好学熱心な参加者
 その後、同氏が制作した資料を用いて5大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質、ミネラル及びビタミンの役割、糖質の特徴を解説し、「糖質は体を動かすエネルギー源であるとともに脳を動かす唯一の栄養素であるため、しっかり摂取しましょう。」 と参加者に訴えた。
 「砂糖を食べると太ると思っている方で、あまり甘いものは摂らない方は挙手してください。」 との問いに約8割の参加者が挙手する様子を見て同氏は 「肥満の原因はエネルギー消費量に対して、過剰なエネルギー源を摂取するためで、普段から運動を心掛け、エネルギー消費を高めることが、肥満防止につながり、食物を偏りなく1日30品目程度バランスよく摂るようにしましょう。」 と食生活の知識及び砂糖に対する誤解等を解説した。
 また、トレーニング期及び試合前の食事内容における献立作成のポイント、早朝5時の起床から、22時の就寝までの徹底管理された選手の1日スケジュール(起床、朝練習、勤務、昼食、本練習、夕食、就寝)、トレーニング時における水分補給の重要性及びシドニーオリンピックのエピソード等を、プロジェクターを用いて実際の映像により紹介するなど、講演は話題豊富な分かりやすい内容であった。
 最後に同氏は、「勝つための3つの要素は、トレーニング、栄養、休養であり、どれを疎かにしても強い選手にはなれません。これら勝つための要素は、健康に過ごすことにもつながると思います。しっかり運動して、しっかり栄養を摂って、しっかり休養する、この3つの要素をバランス良く取り入れた食生活を送ることが我々がこれからも健康に過ごしていけることにつながるでしょう。」 と締めくくり講座は終了した。
 終了後のアンケートでは、「砂糖は即効性のあるエネルギー源であり、疲労回復に有効である。」 についての設問に 「以前から知っていた」 との回答が最も多いのに対し、「(砂糖は)漂白していない(光の乱反射で白く見える)」 については、「初めて知った」 との回答が多かった。
わかり易い説明を行う
プロジェクターを使用してわかり易い説明を行う
 講演内容の理解度については、「わかり易さ、参考度合いについて」 はほとんど全ての参加者が 「わかり易かった」 「参考になった」 と回答しており、砂糖についての適切な情報提供ができたのではないかと思われる。
 また、講座全体を通しての感想は 「詳細な説明で、一方的に終わることなく、楽しく受講できました」 「運動選手が良い成績をあげるのには、向井管理栄養士のような陰の力が大きいと思いました」 「体には糖分が悪いと思っていたが、今後は摂取するよう心掛けます」 「やさしさとうれしさのパンフレットは、絵図の説明もわかりやすく、子供と一緒に料理しようと思いました。何度でも見たい料理したいパンフレットですね」 など有り難い評価が寄せられた。
 さらに、今後取り上げてもらいたいテーマ及び講師については 「年齢層に適した砂糖の摂取法及び料理法」 「てん菜やさとうきびを栽培している産地の人」 など想像以上に参加者が砂糖に関心を持った事が理解でき、その他にも貴重な意見が多数寄せられたことから、これらを今後同講座の充実を図るうえでの参考にしていきたい。
 今年は世界陸上選手権の代表選考会を兼ねた重要なマラソンが各地で予定されており、今後同陸上部が同氏の栄養管理のもとで活躍されることを祈念したい。
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くまもと菓子博2002
“お菓子と人が築く21世紀の夢創造−お菓子ルネッサンス−”

 平成14年11月1日(金)から11月18日(月)にかけて、熊本市で 「第24回全国菓子大博覧会九州 in 熊本(くまもと菓子博2002)」 が開催された。
 この菓子大博覧会は、明治44年に東京で第1回が開催されて以来90有余年の歴史と伝統を誇り、菓子産業及び関連産業の振興・発展のみならず、開催地域の活性化に寄与することを目的として、ほぼ4年に一度全国各地で開催されている。
 今回のくまもと菓子博は、「お菓子ルネッサンス」 をテーマに 「見て満足」、「食べて満足」、「作って満足」 の企画が盛りだくさん用意され、グランメッセ熊本(益城町)と熊本城(熊本市)の2会場で開催された。

グランメッセ熊本会場
お菓子の体験教室
お菓子の体験教室(グランメッセ熊本会場)
 初日の開会式は、メイン会場であるグランメッセ熊本で行われた。式は大会名誉総裁である寛仁親王殿下挨拶の後、寛仁親王妃信子殿下のテープカットで菓子博がスタートした。
 同会場は、各都道府県菓子工業組合が出品した約4,000種類の銘菓を全国6地域のブロックに分けて展示した 「全国お菓子の交流ゾーン」 〜 「お菓子の実演販売ゾーン」 〜 「菓子作り体験教室」 〜 「伝統工芸菓子展示ゾーン」 等で構成。
 「全国お菓子の交流ゾーン」 の地域ブロックの中には各都道府県のブースがあり、各地の色鮮やかな銘菓の展示の他、観光地や特産品がパネルやビデオで紹介されていた。
 「お菓子の実演販売ゾーン」 では、カステラや饅頭等の実演販売が行われ、甘い香りが漂う中、女性を中心に試食を求める長い列が出来ていた。
 和菓子、洋菓子、パン作りが体験できる、「菓子作り体験教室」 も人気のコーナーのひとつ。取材日には、栗を使った和菓子教室が開かれ、和菓子作りに挑戦した参加者は 「形を整えるのが難しかったが楽しかった。また作ってみたい。」 と喜んでいた。
 「伝統工芸菓子展示ゾーン」 では、菓子で作ったとは思えない花鳥風月やアニメのキャラクター等の作品が約90点展示され、来場者は菓子職人の匠の技を堪能していた。
 グランメッセ館外にはタレントショーや九州の伝統芸能が披露された 「イベントステージ」、各地の駄菓子が集まった 「お菓子のにぎわい横丁」 等があり、たくさんの来場者で賑わっていた。

熊本城会場
熊本城会場
熊本城会場
一方、熊本城は 「天守閣ゾーン」 〜「数寄橋ゾーン」 等で構成。
 「天守閣ゾーン」 では、熊本城内に京都の職人の手による伝統工芸菓子19点と招待作品として、トルコ・アナトリア文化遺跡の数々を本物そっくりに模した工芸菓子が展示された。これは、今回の菓子博の名誉総裁である寛仁親王殿下がアナトリア考古学研究所建設募金委員会実行委員長であることから実現したものである。
 「数寄橋ゾーン」 では、茶道各流派による大茶会や世界のお菓子館があり、蜂蜜と水あめで糸状に作る韓国の宮中菓子 「クルタレ」 の実演が人気を集めていた。

 期間中の来場者は56万人に上り、目標の45万人を大きく上回った。菓子博の閉会式で、実行委員会の園田耕一会長(熊本県菓子工業組合理事長)は 「菓子博が無事成功裡に終わりました。不景気の影響で世の中は暗いムードですが、菓子博の成功で明るくなればと願います」 と述べた。くまもと菓子博の成功が21世紀における日本のお菓子文化の創造に繋がることを期待したい。  次回の菓子博は、姫路城築城400年に合わせて、6年後の2008年に兵庫県姫路市で開催される予定である。





砂糖シンポジウム
〜砂糖は笑顔のエネルギー〜(福岡市)

橋本氏、城川氏、日高氏
左から橋本仁氏、城川朝氏、日高秀昌氏
 平成14年11月22日(金)、福岡市の西鉄グランドホテルにおいて、砂糖シンポジウム(社団法人糖業協会、精糖工業会、砂糖を科学する会主催)が開催された。同シンポジウムは、砂糖の正しい知識の普及と誤解の払拭を目的として、全国の主要都市で砂糖消費拡大推進事業の一環として実施されており、福岡市での開催は名古屋市、札幌市に次いで、今年度、第3回目となった。
 当日は、定員250名のところ、定員を大きく上回る768名の応募があり、抽選によって選ばれた若い女性や主婦層を中心とした270名が参加した。毎日の生活に欠かすことのできない砂糖に対する消費者の関心の高さを伺わせた。
 同シンポジウムは2部構成となっており、前半は、学術的な話題として常磐短期大学教授の日高秀昌氏が、後半は、身近に役立つ話題として料理・菓子研究家の城川朝氏がそれぞれ講演した。
 日高氏は、「食習慣と健康〜特に糖質の働き〜」 をテーマに、“何故、毎日3度の食事が必要なのか?” “食事と生活習慣病との関係” “食の役割と健康を考えたときの、糖質の働きと重要性” などについて、パソコンを使いながら、数値データに基づきわかりやすく解説され、参加者が専門家の知見に身近に触れることができた良い機会となった。
 一方、城川氏は、「スイーツリラクゼーション」 と題して、日常の生活の中で甘いお菓子がいかに精神的な安らぎをもたらしてくれているかについて、講師自身が最近読まれたエッセーの紹介やエピソードを交え講演した。
 その後、参加者から質問を受け付けたところ、「砂糖は化学的な処理をして白くしているのですか?」 や 「白砂糖はカルシウムを奪うのですか?」 等、砂糖に対する誤解のうち代表的なものが寄せられた。
 これに対して、砂糖を科学する会副代表委員の橋本仁氏は、最初の質問については、砂糖は農作物として栽培されたさとうきびやてん菜を原料として、ほぼ純粋に近い形でショ糖をとり出したいわば “農作物の一番搾り” であり、白く見えるのは光の乱反射のためで、雪が白く見えるのと同じであること。また、2番目の質問については、炭水化物(砂糖)はエネルギーになるためにビタミンB1を必要としているが、そのことから砂糖がビタミンB1を含んでいないため多量に食べるとビタミンB1が不足して血液が酸性になり、それを中和するために骨のカルシウムが溶け出すという説をマスコミが紹介したために広まったものであり、これは我が国独特の風説であり、誤りであることを専門家として的確、かつ、時折ユーモアを交えて回答し、会場は終始、参加者の笑いに包まれ盛況のうちに閉会となった。
 このように、消費者の間に砂糖に対する誤解が、未だに根強く残っていることを改めて認識するとともに、今後ともこのような活動を地道に行っていく必要があると感じた。
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「砂糖と食文化講座」
砂糖は安全な自然食品 〜知ってますか 砂糖のウソ 砂糖のホント〜

会場の様子
会場の様子
 平成14年12月3日(火)、当事業団は宮崎県延岡市の延岡地方消費生活センターにおいて砂糖と食文化講座を開催した。延岡市にある聖心ウルスラ学園短期大学食物栄養学科助教授で管理栄養士でもある川瀬千恵子氏を講師に招き、「砂糖は安全な自然食品」 と題して講演を行った。当日はあいにくの雨にもかかわらず消費者など40名が集まった。
 講演は、一般的な砂糖に対する疑問について、講師がOHPやビデオを使用しながら、これらの疑問を払拭する解説を行う形で進められた。
 例えば 「白い砂糖(上白糖)は漂白剤で漂白したものである」 という疑問に対しては 「砂糖の結晶は無色透明で、雪と同じように光の乱反射によって白く見える」 という解説に加え、砂糖の種類による特徴やどのような料理に適しているかをアドバイスした。また 「砂糖は酸性食品だからたくさん食べると体液が酸性になる」 という疑問に対しては、「砂糖は酸性食品でもなくアルカリ性食品でもない。強いて言えば中性です。酸性食品やアルカリ性食品のどちらか一方を摂り過ぎても、人間の体は中和する機能を持っているので、酸性食品を摂り過ぎても体液が酸性になることはない」 という解説があった。「砂糖を摂り過ぎると糖尿病になる」 という疑問に対しては、「この20年間に砂糖を含む炭水化物の摂取量は減少している。糖分の摂取量が減っているのになぜ糖尿病が増えているかというと、運動不足、ストレス、遺伝的な要因が考えられる。」 という解説があった。
 その他 「砂糖は歯や骨を溶かす働きがある」、「日本の砂糖消費量はアメリカについで世界第2位である」 「シュガーレスと砂糖不使用は違う」 「近年、肥満の人が増えているのに比例して砂糖の消費も増えている」 といった疑問に対し、大学の調理実習時のエピソードを交えながらわかりやすく解説した。
 講演の最後には、「砂糖はあまり体に良くないと言われているが、今日お話した中では、そのようなデータはひとつもありません。世の中これだけを食べていれば大丈夫と言われている食品も多いが、そのような食品はありません。情報に流されないようにして、片寄らないバランスがとれた食生活が大切です。」 と締めくくった。
 講演終了後のアンケートには 「砂糖の優れた調理機能に驚きました」、「砂糖は言われているほど悪くないことは知っていたが、今回その理由が分りました」、「砂糖と糖尿病とは関係ないことを初めて知りました」 などの回答が寄せられ、砂糖への誤解の払拭と効用等砂糖に関する正しい知識の普及啓発の大切さを改めて認識した。
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平成14年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量について(第2回)

 沖縄県農林水産部が平成14年11月1日現在における平成14年産沖縄県産さとうきび生産見込み数量等(第2回)をとりまとめたので紹介する。
 今期のさとうきび収穫見込み面積は、前回見込み(9月1日現在)に対し53ha(0.4%)増加の1万3千901ha、10a当たりの収量は324kg(5.1%)減少の5,976kg、さとうきび生産量は4万3千578トン(5.0%)減少の83万761トンとなっている。
 収穫見込み面積は前期実績に対し508ha(3.8%)の増加が見込まれており、その状況を地域別で見ると沖縄地域が214ha(2.9%)、宮古地域が16ha(0.4%)、八重山地域が278ha(16.0%)の増加とそれぞれの地域で増加が見込まれている。
 また、作型別に見ると、夏植で10ha(0.2%)、春植で104ha(6.3%)、株出で394ha(7.2%)とそれぞれ増加する見込みである。
 このように、収穫面積の増加が見込まれるものの、7月上旬の台風5号、9月上旬の台風16号により、さとうきびの倒伏、折損、葉の裂傷、塩害等の被害を受けた地域が多かったことから、10a当たりの収量が6トンを切ることが見込まれ、過去10年間で3番目の低い収量となることから、さとうきび産業への打撃が心配される。
 特に久米島においては台風による塩害の影響が顕著で、さとうきびの生産量は、前年実績に比べ1万1千827トン(18.9%)減少の5万892トンを見込んでいる。一方、石垣島においては、前年実績に比べ1万2千855トン(14.7%)増加の10万500トンを見込んでいる。
収穫見込み面積 単位:ha、%
作 型 (11月)見込み 前年実績 対 比
面積(A) 構成比 面積(B) 構成比 A / B
夏 植
春 植
株 出
6,292
1,757
5,851
45.3
12.6
42.1
6,282
1,653
5,457
46.9
12.3
40.7
100.2
106.3
107.2
13,901 100.0 13,393 100.0 103.8
注:表については、小数点以下四捨五入のため、計と内訳が一致しない場合がある。

収穫見込み面積(地域別) 単位:ha、%
地 域 (11月)見込み 前年実績 対 比
沖 縄
宮 古
八重山
7,664
4,218
2,019
7,450
4,202
1,741
102.9
100.4
116.0
13,901 13,393 103.8

10a当たり見込み収量 単位:kg
地 域 夏 植 春 植 株 出 合 計
見込み 前年実績 見込み 前年実績 見込み 前年実績 見込み 前年実績
沖 縄
宮 古
八重山
6,739
7,105
7,359
7,165
7,724
7,263
4,294
4,477
6,142
4,788
5,258
5,846
5,208
5,047
5,255
5,603
5,319
5,238
5,324
69,785
6,765
5,731
7,471
6,791
7,085 7,520 4,572 4,982 5,206 5,576 5,976 6,415

さとうきび見込み生産量 単位:トン、%
地 域 見込み生産量
(A)
前年実績 対 比
(A /B)
生産量(B) (A − B)
沖 縄
宮 古
八重山
408,013
286,199
136,549
427,002
313,891
118,243
△ 18,989
△ 27,692
18,306
95.6
91.2
115.5
830,761 859,137 △ 28,376 96.7
注:表については、小数点以下四捨五入のため、計と内訳が一致しない場合がある。

分みつ糖工場別見込み生産量
分みつ糖工場別見込み生産量





「沖縄料理と砂糖の文化」
〜那覇市で砂糖と食文化講座を開催〜

西大八重子氏
西大八重子氏
 11月27日(水)、当事務所主催で那覇市内において「砂糖と食文化講座」を開催したのでその概要を紹介する。 講師には沖縄の食文化に詳しい西大学院学院長の西大八重子氏を招き「沖縄の料理と砂糖の文化」と題した講演を行い、一般消費者をはじめとする65名が会場を埋め尽くした。

西大氏講演要旨

砂糖に関して
 1日の一人当たり必要摂取カロリーが1,800〜2,000kcalに対し砂糖は1g=4kcalであり、肥満を気にするようなものでないこと、沖縄県はさとうきびの産地でありながら、地域の料理の傾向として薄味でだしを多用しコクのある旨味を出すといった特徴があること、県内の家庭内における砂糖使用量が全国比で7割程度であること、砂糖に防腐効果等の機能があることから、砂糖の摂り過ぎを気にするよりむしろその効用を見直し、より活用すべきではないかと訴え、本来「甘さ」とは五味(甘い、にがい、すっぱい、しょっぱい、辛い)の中で最も魅力的なものではないかと問いかけた。
 甘みは疲れを取ったり心を和ませたりする効果があり、この甘さに対して厳しく制限をすることには問題があることも強調した。
 また、ブドウ糖が脳の唯一のエネルギー源であり、そのブドウ糖の補給に砂糖が有効で即効性があることを説明し、朝目覚めの悪い子供に甘い飴を与える 「ミークファヤー」(おめざ)や、昔の人が畑仕事に 「サーターユー」(黒砂糖をお湯で溶かした砂糖水)を持っていったことを例にあげた。

朝食、食品、食卓に対する考え方
 夕食と翌日の朝食の間は12時間ほどあり、他の食事との間の時間よりずっと長く、もし朝食を抜いてしまった場合は頭が働かなくなることは当然であり、朝食は絶対に必要である。
 また、昨今のテレビ番組では栄養に関する情報を伝える番組が増えているが、そこで取り挙げられた食品が翌日になるとスーパーで急に品切れになるという偏った現象が起きていることについて、テレビではある事柄をセンセーショナルに表現するものであり、たとえテレビで特定の食品を宣伝されても、「そんなにいいのか!!」 ではなく、「やっぱりいいんだな」 と冷静に受け止めてもらいたいと語った。同氏によれば、私たちが口にする全ての食品は、かつて我々の祖先が自然の中で食べ物を選択し、それを食べるようになった歴史を持っており、これらは全て身体にとって意味のある栄養素であり、バランス良く摂ることが大切であるとのことだった。  また、「食卓」 には以下の5役割を持っており、単に食事をすることにとどまらない重要性を強調した。
 1 健康を作る
 2 創造の喜び
 3 人間関係を育てる
 4 地球環境を考える
 5 しつけの場
講演に聞き入る参加者
講演に聞き入る参加者
 講演終了後、参加者から活発な質疑応答が展開され、「黒砂糖は白砂糖とカロリーは同じか?」 との問いに、「黒砂糖は白砂糖よりカロリーが若干低く、カリウム、マグネシウム、ミネラル等をより多く含む。白砂糖は食材の水分を吸収して柔らかくする機能等があり、例えばラフテー(豚肉を醤油で煮込んだもの)を作るのに使う砂糖には白砂糖が必要であること、料理によって使い分けたり併用したりすることが良いと思う」 と答えた。この他、料理に関する質問等も寄せられ、同氏はひとつひとつ自身の体験も織り交ぜながら丁寧に返答した。
 講座は盛況のうちに終了したが、その後もしばらくの間、多くの参加者が同氏を囲んで談笑が続き、アットホームな人柄が感じられた一幕であった。
 講座終了後行ったアンケートでは、講座全体を通して 「砂糖について知らないことが多かった。」 「今後は砂糖を遠慮せず使いたい」 「食卓の役割について勉強になった。」 「講演がわかりやすかった。」 等の評価が寄せられた。
 また、今後の取り上げてもらいたいテーマとして、「調味料としての砂糖の使い方」 「てん菜について」 などがあった。
 講演中の様子やアンケートの結果を通して、今回の講座が参加者に対して砂糖や食を見直す機会の提供が出来たものと考えている。参加者の意見や反省点を踏まえ、今後の講座の運営に生かしていきたい。
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