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地域だより[2003年4月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2003年4月]

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札幌事務所


「2003 シュガービートフェア」のアンケート調査結果

 (社)北海道てん菜協会が2月8日(土)、9日(日)に実施した「2003 シュガービートフェア」(先月号で紹介)におけるアンケート調査について、同協会が860名から回答を得たので、その結果について紹介する。なお、回答者の内訳は道内在住者が470名(55%)、道外在住者が390名(45%)で、そのうち女性が521名(61%)を占め、年代別では男女とも50代が多く、次に30代、40代と続いた。


アンケート結果

問1.「てん菜」を知っていますか?
 道内外とも、年代が上がるほど「知っていた」がおおむね多くなる傾向が見られたが、道内では各年代とも「知っていた」が過半数を占めた。また、道内外の70代以上は、ほとんどの人が知っていた。
道内
道外

問2.国産砂糖の生産量の約80%は、北海道だけで作られている「てん菜」から生産されていることをご存知でしたか?
 道内外とも年代が上がるほど「知っていた」が多くなる傾向が見られたが、10代においてはむしろ20代より多かった。また、70代以上では、道内外ともに86%と多くの人が「知っていた」と回答した。
道内
道外

問3.お砂糖が白いのは、雪と同じく自然のままの色であることをご存知でしたか?
     (漂白剤はいっさい使用していないのです!)

 半数以上であったのは、道内では40代以上であるのに対し、道外では60代のみであり、まだまだ誤解している人が多いと思われる。
道内
道外

問4.「お砂糖」に関して、日頃感じていることなどご意見をお聞かせください。
道内 道外
(1) さとうきびからの生産が多いと思っていた
(2) 意外と低カロリーである
(3) 料理のとき、まろやかな甘さが出る
(4) 様々な種類があり、色々な味があって良い
(5) 料理にコクが出る
(6) カロリーを控えたものがたくさん出ているが、自然のものが一番
(7) 最近、純天然甘味料以外の甘味料が増え不安を感じている
(8) 体に良いと思う
(9) 体脂肪が増える
(10) カロリーが高い
(11) 取り過ぎはダメ
(12) 漂白している
(1) 摂り過ぎは体に悪い
(2) ラジオで聞いて、砂糖は太らないし体には欠かせないと知った
(3) 意外に知らない事がたくさんあった
(4) 甘くて美味しいもの
(5) お菓子作り・料理には欠かせないものである
(6) 「さとうきび」しか知らなかった
(7) エネルギーの源
(8) 疲れた時に欲しくなる
(9) 色々な種類があって楽しい
(10) 白砂糖は安全である
(11) 毎日摂っているので生活には欠かせないもの
(12) 一般家庭で使っている砂糖は、さとうきびから作られたもの
(13) 白より色の付いた砂糖の方が体に良さそう
(14) 黒砂糖の方が栄養があると聞いた
(15) 体脂肪が増えると思ってあまり利用しない
(16) 健康のためにはあまり使用しない方が良い
(17) 歯に悪い
(18) 砂糖を食べると太る
(19) 砂糖は漂白しているので体への影響が心配
(20) カロリーが高い

(2) 砂糖の価格について
道内 道外
(1) 栄養価から見れば価格が安い
(2) もっと値段が安くなったら良いと思う
(3) 最近、砂糖の安いのは何故か
(1) 砂糖は安いものなので、品質についてはあまり関心を持っていない
(2) 値段が高い

(3) 砂糖についての疑問点
道内 道外
(1) 三温糖と白い砂糖の違いは
(2) 砂糖はなぜ甘いのか
(3) 砂糖は多くの種類があり、栄養価も違うと聞いていたが、表示方法は統一されているのだろうか
(4) どの料理に、どの砂糖を使ったらいいのか
(5) 本当に頭(脳)に良いのか
(6) 色々な種類があるのに、同じ甘さなのが不思議
(1) 三温糖と白い砂糖の違いは
(2) 砂糖はなぜ日持ちがするのか
(3) 添加物が入っているのか、いないのか
(4) さとうきびから作る砂糖は白くないのに、てん菜から作る砂糖は何故白いのか
(5) すぐ固まってしまうのが悩みですが、何故そうなるのか
(6) 取り過ぎると糖尿病にならないかが心配ですが、どうであるか

(4) 今後の砂糖について望むこと
道内 道外
(1) 健康との関係をもっとアピールすべき
(2) できるだけ無農薬で栽培してほしい
(3) 色々な甘味度の砂糖が欲しい
(4) 北海道の砂糖をもっと宣伝したら良いと思う
(5) 固まりにくい砂糖が欲しい
(1) カロリーオフ・カロリーカットの商品をどんどん開発してほしい

(5) その他
道内 道外
(1) 塩と同様にブランド化していくのではないか
(2) アグネスチャンのコマーシャルが印象的です
(1) ノンシュガーの製品を好んで使ってる


 同協会では、北海道の特産品としてのてん菜・てん菜糖を理解してもらい、てん菜糖の消費拡大につなげたいと期待を込めて同フェアを実施してきた。いずれの問についても、おおむね道外より道内、年代が上がるほど理解していた人が多い傾向にあった。
 また、砂糖に対する日頃の感想・イメージでは、漂白している・太る等、健康上の間違った回答が多く寄せられた。一方、てん菜糖のPRや砂糖と健康の正しい関係をアピールすべきであるとの意見もあった。
 同協会によれば、北海道畑作の基幹作物であるてん菜の重要性を認識してもらうことや砂糖に対する間違った考えを払拭するためには、まず産地である道民個々の理解が必要であり、てん菜産業全体の粘り強い地道な活動が砂糖の需要拡大につながり、ひいては、農業に対する国民の理解にもつながることを期待したいとのことであった。
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東京事務所


砂糖への誤解、俗説、真実
〜市川市保健センター「食生活改善推進員研修会」より〜

橋本仁氏
橋本仁氏
 市川市保健センター(市川市役所保健福祉局保健部保健指導課)では、市川市民45万人の健康を適切な食生活指導によって守ることを目的として、食生活改善推進員制度を導入している。この制度は、60名の市民代表に当該推進員を委嘱し、センター所属の栄養士が行う食事指導や料理講習会等の活動をサポートしてもらうというものである。このような活動を行う推進員には、正しい食に関する知識が必要不可欠であるため、センターでは推進員のための研修会を適宜実施している。
 平成15年2月25日の研修会は、当事業団の事業である 「砂糖と食文化講座」 の取り組みの一環として砂糖に関する講演会が開催された。今回の研修会のテーマが『砂糖』に決まったきっかけは、ある推進員から 「上白糖より三温糖の方が健康に良いと思われるので、市民に対してその旨の指導をしてはどうか。」 との提案を同センターが受けたものの、所属の栄養士もこの指摘の是非について確証が持てなかったため、メンバー全員で砂糖について勉強しようということになったものである。また、本講演会に対しての協力要請を受けた当事業団でも先の事情に配慮し、砂糖について、広く、深く、お話いただける方という観点から、砂糖を科学する会副代表の橋本仁氏に講師をお願いした。
 当日は、センターの大会議室を会場として、推進員、同OB並びにセンター所属の栄養士、69名が出席する中、『砂糖への誤解、俗説、真実』 と題して講演が行われた。
 橋本氏の話は、まず欧米と日本における「甘い」という言葉に対する受けとめ方の違いという点から始まった。欧米において 「甘い=Sweet」 は “スイートホーム” あるいは “スイートハート” のように暖かい良いイメージであるのに対して、日本では “考えが甘い” とか “甘い汁を吸う” のように悪いイメージで使用されることが多い。この民族性の違いが日本における砂糖への誤解の根底にあるのではないだろうかとされた。さらに、米国人と日本人の一人当たり虫歯本数を比較すると米国人約1本に対して日本人は約4本と多いが、日本人の砂糖摂取量では米国人より少ないことからも砂糖が虫歯の原因ではないと述べられた。これらのプロローグから、講演は世界や日本の砂糖生産量及び消費量、砂糖の種類別における特徴並びに製造法、肥満と砂糖の関連、糖尿病と砂糖の関係、カルシウムを溶かす等の砂糖への誤解例の紹介、砂糖の持つ機能と続いた。

 講演内容の主なものとして二つ紹介する。

熱心に聞き入る参加者
熱心に聞き入る参加者
 一つ目は、今回の講演会のきっかけにもなった上白糖と三温糖の違いについて解説し、「原料糖を精製して最初に出てくるのは白いグラニュ糖や上白糖で、三温糖の茶色は製造過程において2回、3回と加温・結晶化を繰り返すことによる着色またはカラメルによるものであり、栄養価においては全く違いがない。ただし、風味の点においては上白糖と違いがあるので、料理にあわせて使い分けるのが良いのではないか。似たようなことは黒糖に関しても言えることで、黒糖に含まれるミネラル等は微量であり栄養学的には白糖と違いはない。」 とされている。
 二つ目は、肥満との関連についてイギリスにおけるBMI(ボディ・マス・インデックス)の統計を示しながら、「肥満は砂糖の消費に反比例しており、砂糖が肥満の直接の原因であるというのは間違いであり、肥満は運動量(消費カロリー)に最も左右される。また砂糖摂取を著しく制限するのは危険であり、それはブドウ糖が脳の唯一のエネルギーだからである。」と述べた。
 最後に質疑応答へ進み、「糖尿病患者に砂糖を与えて大丈夫なのか。」、「砂糖に賞味期限はあるのか。」 など、食生活改善推進員の立場からの質問が集中し、この二つの質問に対しては 「ヨーロッパでは糖尿病の治療中であっても砂糖を摂るのは常識である。ただし、その量については専門医の指示に従う必要がある。」、「グラニュ糖などにおいては賞味期限はないが、蜜分を残した砂糖製品(黒糖など)は酸化するので2年くらいである。」 と回答された。
 最後に、講演後に当事業団が実施したアンケートの結果から特徴的な点を一つ上げると、参加者が日頃から食に関してよく勉強されているためか、砂糖に関する栄養学・生理学的知識は一般よりも高いと思われたが、“砂糖は製造過程で漂白剤が使用されている”、“砂糖はカルシウムを溶かす” という2点では誤解が多かった。
今回の講演内容(正しい砂糖の知識)が食生活改善推進員を通じて市川市全体に広まることを願うと同時に、他の都市でも同様の取組みが行われることを切に希望するものである。
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横浜事務所


砂糖と食文化講座の開催
〜横浜市鶴見区〜

飯樋洋二氏
飯樋洋二氏
 当事務所は2月19日(水)に横浜市生麦地区センターにおいて砂糖と食文化講座を開催した。今回の講座は、甘味資源作物、砂糖及び砂糖制度等に関する消費者の理解を深めてもらうために、横浜市鶴見区消費生活推進員の方々の協力を頂き、「砂糖の消費と食生活〜体における砂糖の役割〜」と題し、東京農業大学農学部助教授飯樋洋二(いいといようじ)氏を講師に招いて行われた。
 会場には、当事務所管内の一部の地域情報モニター及び消費生活推進員をはじめとする消費者37名が参加した。

 飯樋氏は講演の前段として「特定の病気やそれを悪化させる原因が砂糖だという事例は現時点でわかっている限りほとんど無い。そういう状況で、何が良いとか何が悪いとかを個々の食品に責任を着せようとするのは、食品に対して酷だと感じている。」と述べ、以下の4点について講演を行った。

食料需給表とバランスについて
 まず、食料需給表の概略の説明があり、次いで実際に摂取したエネルギーを国際比較したものが説明された。
 このうち、砂糖の供給量についても触れ、WHOあるいはOECDといった国際機関で出した数値を比較すると、最も多かったスイスが、1人1日128.8グラム。それに対して日本は55.3グラムであり、121ヵ国のうち日本は80数番目であって、砂糖をあまり食べていないことを説明した。
 また、砂糖を食べると太るから食べるのをやめようとか、そういうまことしやかな嘘情報があって、それで少なくなっているのかどうかは明らかになっていないこと、摂取エネルギーにおけるタンパク質、脂肪、炭水化物の比率を検討すると、現在の日本は望ましい水準にあることを取り上げた。
 さらに、良い悪いという判断は経験的なものから来ているが、経験則はとても大切で、その土地の環境、遺伝等のファクターがあり、どの数字が良いかはその国々によって異なることを認識しておくべきであるとした。

国民栄養調査
 平成12年度厚生労働省国民栄養調査結果の解説が行われ、これらの大規模調査における傾向とデータの有益性及び精度と問題点を説明された。

砂糖と健康
 糖類の摂取と肥満との相反する関係をヨーロッパ、アメリカのデータを基に示し、砂糖の摂取が低くなるほど肥満度が高い点について取り上げた。
 また、糖尿病や虫歯の関係についても海外のデータに基づく比較を行い、食事のバランスや口腔衛生の重要性を唱えた。

食品をどう評価するか
 食の安全性について、アレルギーを始めとする健康障害を引き起こす多くの要因を取り上げることができるが、これらをどのように捉えるかを「急性毒性」という概念を基に説明し、日常摂取している天然の物質とグルタミン酸ソーダやアスコルビン酸といった化学物質を列挙したうえで、身体に危険な水準まで摂取することは通常はありえず、実用上は全く問題にならないということであった。
会場の様子
参加者の笑みにあふれた会場の様子
 また、我々が食べ物に期待する点は、生産性、季節性、貯蔵性、輸送性、経済性、消化・吸収性、安全性、調理性、娯楽性、新奇性、話題性等、多くの面があるが、食べ物に期待する大きな要因は、食品の一次機能(栄養性)、二次機能(嗜好性)、三次機能(機能性)に集約される。
 さらに、世の中にひとつとして完全無欠な、望ましい栄養素というのはなく、いろいろなものを食べて全体として完全無欠なものとするべきであるとした。
 講座の参加者は、食の安全にかかる話題について大きくうなずくなど、食に関する多様な情報がある中で、特に強い関心を示していた。

 最後に飯樋氏は、「皆さん方が食品に対してどう理解をしたらいいか。食品はいろいろな種類の栄養素が含まれていて、かつ、栄養素の種類も食品によって異なり、量も違う。抽象的な表現であるが、だからこそいろいろな食品を食べてバランスのいい食生活を送ってほしい。」と結んだ。
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名古屋事務所


砂糖のABC
〜愛知県豊橋市〜

石川氏
講演中の石川氏
 当事務所は2月12日(水)に愛知消費者協会東三河支部と共催して、砂糖の基本を理解してもらうための講演会を愛知県東三河事務所会議室で開催した。「砂糖と食文化講座」 と題した講演会は全国の事務所管内で実施しているが、当事務所では昨年12月には 「砂糖と健康」 をテーマに吉良町生活学校連絡会他と、1月には 「新しい食生活を目指して」 をテーマに愛知消費者協会尾東支部と共催してきており今回で3回目となる。
 これら消費者団体は、自主的に 「食問題」、「環境問題」 をはじめ、さまざまな学習会や見学会等を行っており、消費生活における意識も高い。
 今回は砂糖の製造、種類、効用等を紹介するために、講師に伊藤忠製糖(株)品質保証室長 石川正敏氏を講師に招いて行った。石川氏は砂糖の製造・品質部門のエキスパートである。
 石川氏は砂糖の製造方法、種類、働き、糖尿病等との関係をプロジェクターを使って分かりやすく説明した。参加者は普段家庭で使用している砂糖の他にさまざまな種類があることに驚いた様子であった。中でも健康志向を反映して消費者は三温糖に関心が高いが、上白糖と比べればミネラルを多く含むものの、そのミネラルを栄養源として摂取するのは難しく、他の食品で摂取するのが望ましいことを挙げた。砂糖は料理に合ったものを使用することにより美味しく食べることができ、健康のためにはバランスの良い食生活を送ることが大切であると述べた。
 また、砂糖の保水性、タンパク質の凝固抑制、泡立ちの保持等、料理の味付けだけではなく砂糖そのものの働きをパンフレットとともに解説した。
展示
展示されたパネルや各種の砂糖
 一方、消費者の関心が高い砂糖と糖尿病の関係については、糖尿病の発症はもともとインスリンを産出する膵臓機能の低下による場合と、過食、運動不足による肥満から糖代謝が悪化する場合の2つのタイプに分けられることを解説し、砂糖の消費量の減少と糖尿病患者数の増加との関係を示しながら、砂糖が直接の原因ではないことを訴えた。
 最近、食品の安全性や品質表示が問題となっていることを反映して、砂糖はこれらの問題にどう取り組んでいるのかとの参加者からの質問には、砂糖は劣化がないことから賞味期限がないことや、さとうきび、てん菜に使われている農薬は基準を満たし安全であると回答した。
 参加者に砂糖の実物を目で見て理解してもらおうと、会場内にはさまざまな種類の砂糖や砂糖の生産から健康への関わりを紹介したパネルを展示し、理解を一層深めてもらうよう工夫した。
 講演後、参加者に対してアンケートを行ったが、それによると砂糖と糖尿病とは直接的な関係がないこと、砂糖の効用が改めて分かったこと等が多数寄せられ、砂糖に対して一定の理解が得られたようだ。
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大阪事務所


関西砂糖特約店協同組合が第3回研修セミナーを開催

 関西砂糖特約店協同組合が、組合傘下特約店の実務・販売に携わる若手営業社員を対象に、砂糖に関する知識向上を図ることを目的とし、昨年7月から始めた 「研修セミナー」 の第3回目が、3月5日(水)、大阪市中央区の難波神社会議室において開催された。
 前2回の研修セミナーでは、「砂糖業界の歴史、現状、今後」 について、それぞれ各有識者から講義を受けたが、今回は、「世界の砂糖情勢」 をテーマに、三井物産株式会社生活産業グループ食料本部糖質醗酵部粗糖室室長の庄司静雄氏及び同粗糖室の本間曜氏を講師に招き、講演が行われた。
 まず本間氏が、「タイ、豪州及び台湾の最新砂糖事情」 との演題で講演し、全体的な世界の砂糖需給状況に触れた後、我が国の砂糖の主要輸入先であるタイ及びオーストラリアの砂糖産業の最新情報を報告し、次に、最近WTOに加盟、砂糖の輸入完全自由化を進め、採算が合わない製糖工場の閉鎖を図るなど生産国から輸入国へ移行する台湾の砂糖事情を報告し、我が国の砂糖産業の現状に酷似した台湾の砂糖産業の行く末は、我が国にとって他山の石なので見守っていきたいと述べた。
 また、引き続いて庄司氏の 「国際砂糖相場の動向」 と題した講演が行われ、25年の長きにわたり大商社の砂糖部門一筋に歩まれた同氏の豊富な知識と経験から語られる国際砂糖相場のスリリングな話は、特約店のみならず代理店、精製糖企業からの参加者も加わって満席となった会場90名余の聴衆を魅了した。

 なお、会場となった難波神社は、御堂筋に面した南船場(旧町名・塩町)の一角にあり、豊臣秀吉の大阪築城の際に摂津平野から現在地に移転したという歴史ある神社であり、砂糖とは因縁浅からぬ神社であるので、その由来を紹介する。
 昭和30年頃の塩町辺りには50店以上の砂糖問屋があり、その店内には昔の商売人の例にもれず神棚が鎮座し、砂糖屋の神さんとして住吉神社と塩町の氏神さん「難波神社」が祭られており、難波神社の祭礼日(7月21日)は敬意を表して、砂糖問屋は全て休日としていた(昭和39年頃まで)という。祭神は仁徳天皇であり、境内には樹齢400年以上といわれる楠木がある。
(参考資料:大阪糖業倶楽部発行「糖華」)
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岡山出張所


あがん祭で『あがんさい』〜伝統の味と新しい味の饗宴〜

会場入口
「山陰の小京都」らしい会場入口
 島根県津和野町は県内の最西端に位置し、城下町として700年の歴史と伝統を有し 「山陰の小京都」 として全国的に知られ、年間170万人の観光客が訪れる。
 この津和野町では本年2月22日、23日の両日、町民センターにおいて 「津和野 あがん祭」 が開催され、家族連れや観光客など4,000人を上回る来場者で賑わった。
 この催しは、これまで現存している郷土料理を広く紹介するとともに、新たな料理を開発することによって津和野地方の食文化を広めることを目的に、津和野町観光協会が中心となって平成12年に同祭実行委員会を結成して開催され、今年で4回目を迎えた。回を重ねる毎に好評を博し、来場者も増加しているという。ちなみに、タイトルの『あがんさい』とは、この地方の 「どうぞお召上がりください」 という意味の方言である。
 会場では、古くから酒宴の後に必ず出された格調高い縁起料理 「うずめ飯」 やこの地方の伝統的な和菓子 「源氏巻」 の試食があり、来場者はなごやかに伝統の味を堪能していた。
展示
津和野町7店の和洋菓子屋が
自慢の上生菓子、工芸菓子を展示
 この和菓子 「源氏巻」 の歴史は古く、その由来は元禄時代にまでさかのぼり、「津和野城主 亀井慈親(かめいこれちか)公が勅使接待役を仰せ付けられた時のこと、吉良上野介に指導を願ったが、辱めを受け余りの口惜しさに上野介を斬ろうと覚悟するが、『それでは、お家の一大事』 と家老の多胡外記(たごげき) は上野介に様々な進物を贈り上野介の機嫌をとり結んだとされ、その進物の1つがこの菓子であった」(「職人の視点「津和野と和菓子」より」)と言われている。
 この菓子の原料は小麦粉、鶏卵、小豆、はちみつ及び砂糖であるが、製造している和菓子屋によっては、消費者の甘味に対するニーズから、グラニュー糖及び上白糖を混合して餡を製造することによって、さっぱりとした甘さに仕上げるよう工夫しているという。
子供たち
伝統の味を堪能している子供たち
 展示会場は、お菓子、創作料理及び地酒の3つのブースから構成され、お菓子のブースでは、同町7店の和洋菓子屋から自慢の上生菓子、工芸菓子及び今年の同祭のテーマである 「津和野米」 から製造した色とりどりのおはぎ、さらには「地産地消」を目指して7件のホテル及び旅館の料理人が地元の食材を使用して作った自慢の創作料理などが出展され、来場者は各ブースの展示物に熱心に見入っていた。
 最後に、同祭実行委員会の池田委員長に話を伺うと、「津和野が観光によって生き残っていくためには、従前に増して「食」の分野に力を入れていかなくてはならないと思っています。これには観光客だけではなく、町民にも郷土料理や伝統的和菓子にもっと親しんでもらうことが大切だと思います。そのためにも、最近 「地産地消」 という言葉がよく使われているように、地元の食材を使って料理やお菓子を開発することが必要です。あがん祭はその推進を担うものと位置づけており、今後も継続していきたい。」 と、津和野の観光及び食文化への熱い思いと同祭への期待が感じられる印象的なコメントが返ってきた。
うずめ飯
格調高い郷土料理「うずめ飯」
源氏巻
吉野上野介に進物として贈ったと言われている
伝統的な和菓子「源氏巻」





中国四国農政局「消費者の部屋」で『砂糖の週』
〜知って得する砂糖の効用〜

展示
パンフレットの配布部数も
予想を上回ることとなった
 中国四国農政局(岡山市)の 「消費者の部屋」 では2月3日から2月14日まで、「知って得する砂糖の効用−自然から作られた砂糖の紹介−」 をテーマに『砂糖の週』が開催された。
 同「消費者の部屋」は、中国四国地域における消費者と農林水産行政との対話、交流を図るための場として設置されたものだが、『砂糖の週』 は昨年の初めての開催に続き、今回は2回目となる。
 本企画は同農政局企画調整部消費生活課と当事業団の協力のもとに行い、会場には、テーマに沿うべく、各種砂糖の現物やさとうきび及びてん菜の模型、パネルを展示し、中央ではビデオ放映、また、当事業団や精糖工業会が製作したパンフレットの配布コーナーも設けた。なお、各種砂糖の現物の展示は岡山県の精糖企業である新三井製糖(株)岡山工場の協力を得て行ったものだが、日常一般消費者が目にすることのない業務用の大袋も展示した。
 会場では、パネル等の展示物を見ながら熱心にメモを取る来場者も見受けられ、パンフレットの配布部数も予想を上回る数となった。
来場者
甘味資源作物に興味を示す来場者
(当事業団作成:さとうきびの模型)
 開催期間中、併せてアンケートを実施したが、この集計によると、「今回の展示で初めて知ったことは?」 の問には 「砂糖の摂取=肥満ではない」 「砂糖は糖尿病の直接の原因ではない」 「砂糖は漂白していない」 等の回答が多く寄せられ、また、昨今 『食育』 という言葉が注目されていることもあり 「小学生、中学生及び父兄に、この部屋の様子を伝えます。多いに勉強になりました。」 との回答もあり、一般消費者への砂糖に関する正しい知識の提供という観点から、今回の展示は、少なからずその役割を担えたように思える。
 また、「岡山でも、てん菜を作れるのですか?」 などの質問もあり、一般消費者への甘味資源作物や砂糖に関する正しい情報を提供していくことが重要との認識を強くした。
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福岡事務所


地域情報交換会の開催

 当事務所は2月18日(火)に福岡市内で地域情報交換会を開催した。甘味資源作物及び砂糖類に関しての情報提供、意見交換を通じて、会議出席者相互の理解を深め、関係機関等との良好な関係を構築することを目的としたもので、会議は消費者、糖業関係者、ユーザー、栄養士及び行政関係者が参集し、それぞれの立場、分野から砂糖に関しての情報提供・意見交換が行われた。内容は 「消費者が持つ砂糖類に関する認識について」 をメインテーマに、福岡事務所では国内産原料の代表例としてさとうきびを取り上げ「砂糖が出来るまで」を話題として加えた。
説明
さとうきびを手に取って説明
 「砂糖が出来るまで」 では、鹿児島県南西諸島の甘しゃ糖企業が島から収穫したばかりのさとうきびを会場に持参し、消費者に実際に手に取って見てもらい、苗として使う場合の芽の位置、昨年の干ばつによる節間の短さなどを具体的に示した。また、生産地の糖業関係者の立場からさとうきびは島にとってなくてはならない重要な作物であることを説明した。「さとうきびを絞った残りはどう使われるのか」 という質問が寄せられ、「絞りカスであるバガスは工場のボイラーの燃料として使い、一部は畑に堆肥として還元。環境を汚す廃棄物ではない」 と説明。甘しゃ糖関係者と消費者がさとうきびを通じて触れ合う貴重な機会であった。
 「消費者が持つ砂糖類に関する認識について」 の意見交換では、当事務所の地域情報モニターから高い関心が寄せられた砂糖メーカーによる砂糖の誤解を解く啓蒙記事(地域ガス会社の広報誌に掲載)が紹介され、地域情報モニターから 「わかりやすく子供にも読ませている」 と感想が述べられた。また、消費者団体から 「最近、甘さ控えめとよく聞くが甘さ控えめのお菓子は美味しくないように感じる」との意見があり、砂糖のユーザーの立場から福岡市和菓子組合が 「和菓子の老舗のレシピは昔から変わっていない。美味しいと言われるお菓子は甘味度が高いものである」 と説明。地域情報モニターから 「昔はお菓子を食べなかったが、砂糖は太る原因ではないという情報に接し、食べるようになった」 ことが披露され、「体重も変わらないし、今はお菓子が大好き」 と主張。糖業関係者にとって心強い発言であった。また、「100円を切る価格での安売りが目に付く」 という発言に対して、流通関係者は 「特売は客寄せのため量販店が経費持出しで行っているもの」、精製糖メーカーは 「普通の砂糖と同じで、作り分けなどしていないので安心してお使いください」 と説明し理解を求めた。福岡県栄養士会からは 「砂糖の消化吸収が早いことは利点ではあるが、逆にそのことが誤解を生む原因になっている面もある」 との指摘があった。事業団から栄養士向けのビデオ製作が紹介されると 「それを見せていただいて砂糖について栄養士もしっかり勉強したい」 と述べられた。
 限られた時間内ではあったが、消費者の砂糖類に関する認識をテーマに各立場からの貴重な意見を聞かせていただき、たいへん有意義であった。今後の当事業団の情報業務の取り組みに役立てていきたい。





 
鹿児島県甘味資源作物生産振興審議会が開催される

審議会の模様
鹿児島県甘味資源作物生産振興審議会の模様
 平成15年2月14日(金)、鹿児島県は甘味資源特別措置法に基づく、県甘味資源作物生産振興審議会(会長・林満鹿児島大学名誉教授)を鹿児島市で開催し、須賀龍郎県知事から諮問を受けた平成15年さとうきび生産振興計画(案)について調査審議を行い、原案通り答申を行った。
 同計画(案)によると、さとうきびを地域農業を支える基幹作物であるとともに、地域経済を支える重要な作物であると位置づけた上で、15年は高品質のさとうきびを安定して生産できる体制づくりに努め、さとうきび生産農家の経営安定と製糖企業の健全な運営を促進することを基本方針とし、重点施策として (1) 大規模経営体の育成と複合経営の推進、(2) 生産の安定と品質向上対策の推進、(3) 効率的な生産・集出荷体制の確立を大きな柱として掲げ、関係機関・団体が一体となった取り組みを推進することとしている。以下、同計画(案)資料より、各重点施策の具体的な取り組み及び施策の実施計画について抜粋して掲載する。


平成15年さとうきび生産振興計画(案)より抜粋
1 基本方針(略)
2 重点施策
【大規模経営体の育成と複合経営の推進】
(1) 担い手への農地集積
農地の利用権設定等の調整、あっせん活動等による農地流動化の促進
(2) 機械化一貫体系の確立
収穫機械等の計画的導入
オペレータの技術向上
トラッシュ率低減のための精脱葉施設の普及、梢頭部回収機の開発
(3) 農作業受託組織の育成
農作業受託を行う営農集団や農業生産法人等の育成
(4) 地域農業の複合化の推進
地域の実情に即した合理的な輪作体系の確立
他作物との適切な組み合わせによる経営の確立
(5) 農業共済制度への加入促進
(6) 土地基盤整備の推進
畑地かんがいや区画整理等の整備
【生産の安定と品質向上対策の推進】
(1) 優良品種の育成・普及
地域に適した優良品種の育成
原苗ほ、採苗ほの設置による優良種苗の計画的な普及・更新
優良種苗大量増殖技術の確立
(2) 土づくりの推進
堆きゅう肥やバガス等の地域資源を有効活用した有機物の施用促進
緑肥作物栽培、深耕、心土破砕、客土等による地力の増進
(3) 病害虫防除対策の推進
フェロモンを利用したハリガネムシ防除など「環境保全」に配慮した病害虫防除の徹底
高性能防除機の普及による省力化や共同防除、一斉防除の促進
(4) 基本技術の励行
適期植付、適期管理、株出の萌芽促進等栽培基本技術の徹底
(5) 畑地かんがい等の推進
畑地かんがい施設や防風・防潮林等の整備
ため池等の整備による水資源の確保
かん水技術の実証・普及
【効率的な生産・集出荷体制の確立】
(1) 生産者・生産者団体・甘しゃ糖企業の役割分担の見直し
(2) 品質取引の円滑な推進
品質取引の手法の検討
3 地域別振興方向(略)
4 施策実施計画
  甘味資源作物生産振興審議会の答申を踏まえ、生産振興計画を達成するため、生産者、生産者団体、製糖企業、行政機関等の関係機関・団体が一体となって、さとうきびに関する諸施策を効率的かつ総合的に推進する。
【推進計画】
作付面積及び生産数量に関する計画
 
土地改良その他生産基盤の整備に関する計画
 
事業費 18,386百万円 かんがい排水427ha、区画整理319ha
心土破砕・心土肥培99ha など
優良種苗の普及及び生産に関する計画(栽培面積ベース)
 
小型ハーベスタでの収穫作業
栽培技術の改善及び農業経営の合理化に関する計画
  ア ハーベスタ等の導入
 
  イ 経営合理化に向けた重点取組み
 
  ウ 集荷及び販売に関する計画
 
【さとうきび生産振興計画の策定】【施策推進体制】(略)
5 作付面積及び生産数量に関する計画(略)
6 土地改良その他生産基盤の整備に関する計画(略)
7 優良種苗の生産及び普及に関する計画(略)
8 栽培技術の改善及び農業経営の合理化に関する計画(略)
9 集荷及び販売に関する計画(略)
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那覇事務所


那覇市内において地域情報交換会を開催

 当事務所は、2月25日(火)に那覇市内で地域情報交換会を開催した。地域情報モニターをはじめ、栄養士会、農林水産省生産局特産振興課、内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、製糖企業、農協、代理店等総勢54人が参加した。
はじめに、主催者を代表して当事業団副理事長が挨拶を行ない、続いて農林水産省生産局特産振興課により「砂糖・甘味資源作物をめぐる事情」と題した発表がなされた。その後、内閣府沖縄総合事務局による「沖縄県におけるさとうきび生産の現状と課題について」、沖縄県による「沖縄県内におけるさとうきび・糖業の重点施策」、当事業団による「事業団の情報業務等について」、日本分蜜糖工業会による「甘しゃ糖企業の取り組み等について」の順で発表がなされた。

その後、「消費者が持つ砂糖類に関する認識等について」と題した意見交換に移った。
以下主な発言内容を紹介する。

<沖縄県栄養士会下地副会長発言要旨>
 沖縄県の家庭で砂糖消費量は全国平均と比べても決して多くはない。しかし、沖縄の26ショック(沖縄県における2000年の男性平均寿命が、前回1995年における4位から26位へ急落したこと)が今も県民に大きな影響を及ぼしていて、「もっと砂糖を使いましょう」と安易に言いにくくなっている状況にある。栄養士としてはタイミング的にとても難しいところであるが、砂糖をもっと消費して良いはずである。沖縄の男性平均寿命が低くなった原因は油にあるのではないか。料理方法として「油を減らして砂糖を使いましょう」、「もっと工夫して砂糖を上手に取り入れよう」と栄養士会で勧めなくてはいけないと思う。

<地域情報モニター発言要旨(1)>
 料理全体のカロリーを考えた上で、その中の砂糖や油の摂取量をどのようにすべきかをPRしていけば、砂糖や油に対する恐怖感を持たないのではないか。
 私は自分の子供がスポーツを終えた後に甘いものを与えており、そうするとすぐに元気になる。このような情報を流すことが大事なのではないか。
 最近のスーパーなどでは普段砂糖1kgを200円前後で売っているが、バーゲンなどでは100円で売っている時がある。これは原価割れではないかと心配になってしまう。

<地域情報モニター発言要旨(2)>
 事業団による全国の地域情報モニターへのアンケート調査の結果によると、60代以上の家庭における砂糖の年間消費量は9.7kgとあり、50代以下の各年代より多くなっている。この年代の方は、昔は現在のように食べ物が豊富ではなかったので、食生活において、お菓子であろうと何であろう手作りという考え方が身についていることが影響しているものと考えられる。30代以下の方は4.8kgと消費量が特に少ないようだが、本来であればこの年代の方こそ子供の安全な食生活のために家庭でお菓子などを手作りすることが大事なのであり、砂糖の消費拡大にもつながることである。私はおはぎなどを手作りしているが、現代の若い方は作る手間暇かけることを嫌い、手近な出来合いのものを買い求めていく傾向があるのではないか。ゆえに砂糖の消費量が減ってしまうのではないかと感じている。

 以上のような活発な発言がなされた。意見交換終了後、当事業団が 「今回いただいた貴重なご意見を今後の事業団業務に生かしていきたい」 との結びの挨拶をし、盛会のうちに同交換会は終了した。
会場の様子
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