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地域だより[2003年10月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2003年10月]

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東京事務所


畑作物・資源作物研究成果発表会の開催について
〜サトウキビの可能性を活かした品種・商品開発〜

 平成15年9月1日(月)、東京都大田区蒲田の大田区民ホール・アプリコにおいて、独立行政法人農業技術研究機構の主催により、“個性豊かな地域作物のブランド化に向けて”をテーマに畑作物・資源作物研究成果発表会が開催された。
 主催した農業技術研究機構は、従来、国の機関として12の試験研究機関で行っていた水田・畑作、園芸、畜産の専門研究と、北海道から九州・沖縄までの農業経営及び技術革新を目指す研究を一元的に実施するため、平成13年4月1日に設立された独立行政法人である。
 同機構は当シンポジウムを開催した理由について、これまで「転作作物(平成11〜13年度)」、「21世紀プロ(平成14年度)」と続いた農林水産省委託プロジェクト研究が、この度「ブランド・ニッポン(新鮮でおいしい農産物提供のための総合研究)」として新たな枠組で開始されることを機に、ここ4年間の技術開発の成果と取り組みの現状をナタネ、雑穀(アステカ)、ソバ、ジャガイモ、サツマイモ、サトウキビの6作物について、実需者並びに消費者等に対し解かり易く紹介するのが目的であるとしている。
 当日は、企業、関係団体、官公庁、そして消費者団体から230名(主催者発表)の参加者があり、決して狭くはないホールが手狭に思えるほどの盛況振りであった。
 発表会は丸山作物研究所所長の「本日の会における皆様からのご意見ご要望を今後の更なる畑作物研究の展開に役立てて行きたい。また、皆様がそれぞれの地域に戻られた際には、是非とも当研究成果を広く周りの方々へお伝え願いたい。」との挨拶で開会した。続いてセッション1のセミナーでは、九州沖縄農業研究センターさとうきび育種研究室長杉本明氏が『サトウキビの可能性を活かした品種・商品開発』と題して講演を行った。
 同氏は、講演の冒頭で、砂糖は身体の大切なエネルギー源であることと現在の日本の消費量が約230万トンであるのに対し、国産が3分の1しか生産されていない現状に触れ、砂糖の自給率の向上がいかに重要であるかを述べた。
 続いて、サトウキビを緑の宝にたとえて「南の島の緑の宝」、「緑の宝の贈り物」、「緑の宝を磨く」、「緑の宝が育てる」の4つの項目順に説明を行った。最初の「南の島の緑の宝」では、人類が約1万年前に熱帯パプアニューギニアでサトウキビと出会ったことや、沖縄での栽培は700年以上も続いていることなどの歴史と、徳島県、・香川県の和三盆や岡山県、静岡県及び埼玉県での黒糖作りが紹介された。次に「緑の宝の贈り物」では、砂糖製造以外のサトウキビの利用法として、梢頭部とフィルターケーキは肥料や飼料へ、バガスは燃料や木質原料等へ、糖蜜は飲料アルコールや燃料アルコールへ、また変った使われ方として糖汁からキビ酢を製造したり、生葉を用いた染色などについて述べられた。続く「緑の宝を磨く」では、サトウキビによる社会生活の向上を目指して、新しい栽培技術・加工技術の開発とサトウキビ食品の機能性解明の研究を続けているとされ、最後に「緑の宝が育てる」では、これまでにないサトウキビの生産・利用加工体系を確立することでサトウキビが島・地域における新しい産業の創造を実現すると締めくくられた。
 杉本氏の意見としては、「我が国においてサトウキビの秋収穫を実施することにより、収穫期間の拡張につながることとなれば、農業機械や施設の稼働率の向上が可能となり、低コスト化、省力・軽労化が達成できる。また、台風等に対する生産の安定と株出し栽培の改善などによりサトウキビの収量がアップすることは砂糖生産だけでなく、癌細胞を自滅させる効果を持つ機能性食品であるキビ酢やアルコール等の生産の拡大につながり、さらには鹿児島・沖縄地域の高収益化につながる。これらの実現のための夏植え移植苗栽培とキビ酢の機能性解明の基本技術は既に開発したので、今後はこの研究をさらに一歩進める所存である」というものであった。
 引き続き行われたセッション2の展示・試食タイム(各発表者ごとにブースを設置)では、発表中に登場した新品種のサトウキビやキビ酢などの現物を前にして活発なやり取りが行われていた。なお、今回は発表の機会がなかったてん菜もブースを設置し、オリゴ糖等の展示やパネルによる直播栽培の紹介等を行っていた。
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星に願いを「天の川祀り」
〜愛知県犬山市〜

シュガーアート
シュガーアート
 愛知県犬山市にある菓子メーカーの「お菓子の城」というテーマパークで「天の川祀り」と題したイベントが8月1日から31日の期間中毎日17:00から20:30まで開催され、1万人を超える来場者で賑わった。
 「お菓子の城」は1986年にオープンして以来、多くの来場者で賑わっている。同城内には高さ14.2mもあるシュガーウェディングケーキや未年(ひつじどし)にちなんでひつじをモチーフにしたオブジェなどのシュガーアートが展示され、どれも目を見張るものばかりである。
 今回のイベント名である「天の川祀り」の「祀り」を「祭り」とせず、あえて「祀り」としたのは、同テーマパークが清らかで厳粛な気持ちを持って、落ち着いたイメージで楽しんでもらいたい思いからそのように表記したようである。
 訪れた人はまず、会場内でバイキング形式の食事を楽しんだ後、各コーナーへ思い思いに出かけ楽しむようになっている。
天の川アーチ
天の川アーチ
 夜空に輝く星の美しさを眺めながら、夢を育んでもらう「天の川祀り」では星に見立てた金平糖のつかみどり「幸せのつかみどり」や、そこを通り抜けると願い事が叶うという笹の葉に覆われた「天の川アーチ」、願い事を短冊に書いて炎で星に届ける催し、星に願いを込めて歌う生演奏会など盛りだくさんの内容となっていた。特にその中で「天の川アーチ」に飾られた星座を描いた砂糖で出来たキャンバスや、シュガーアートで出来た織り姫と彦星のオブジェはどれも見事なもので訪れた人々を驚かせ、関心を集めていた。
 この催しは夏休み期間中に開催されたため、若い女性のほか家族連れが多く訪れ、ひとときの夏の風情を楽しんだようだ。また最終日には、同テーマパークが近隣の福祉施設の子供たちを招待して夜空の美しさや菓子の素晴らしさを体験してもらうという催しも開催された。
 同テーマパークの支配人である岡田俊紀氏は「夢と希望を与えてくれる菓子の催しが各地で多く開催されることを期待したい」と語っていた。
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「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」が大阪で開催

 平成15年9月4日(木)、大阪駅前のホテルモントレ大阪にて、(社)糖業協会、製糖工業会及び砂糖を科学する会が主催する 「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」が開催された。参加者は、応募者597名から抽選によって選ばれた272名であった。参加者の大半は、知識欲旺盛で健康に関心が深い主婦層であったが、若い女性が目立った。
 シンポジウムは、2名の講師による講演が行われた後、司会を含めた講師等との質疑応答が行われた。
 最初に、元常盤短期大学教授で農学博士の日高秀昌氏による「食生活と健康〜糖質の大切な働きを中心に〜」と題した次のような講演が行われた。
 まず、食事と栄養摂取のメカニズム、人の栄養状態、健康ピラミッド、BMIなどについての説明があり、現在、日本人の多くが、栄養過剰による生活習慣病が問題になっていると提起した。食事には、P(たんぱく質)、F(脂質)、C(炭水化物)のバランスが重要であり、日本人の食生活は、総体として、理想に近いと言える(ただ、日本食の欠点は、塩分を多く摂りすぎる)が、最近は、中食、外食の割合が高くなっており、脂質の過剰摂取が問題になって来ている。これが肥満、心臓疾患等の生活習慣病の一因になっているといえる。この対処法としては、エネルギー消費の60〜70%を占める基礎代謝量を増やすことであり、また、糖質の摂取割合を増やすことであると説明した。
 基礎代謝量を増やすためには、運動を行うのが一番であるが、基礎代謝量は加齢とともに減少するので、意識して維持に努める必要がある。また、最近の日本人は、太ることを気にし過ぎて糖質が足らなくなってきていることから、食事のバランスを崩している例があると述べ、肥満度はBMIを参考にすべきだとした。
 さらに、テレビ番組で言われるような「どの成分が足らない」ということにこだわるのでなく、食生活指針にあるように、バランスのよい、豊かな食事を楽しく食べることが重要であり、最近、スローフードと言われるように、家庭での時間をかけた手作りを多くし、脂質過剰な食事を抑制すべきであるとした。
 最後に、豊かな食事には、砂糖や食物繊維などの糖質が重要で、また、砂糖は、セロトニンやメラトニンなどの精神の安定に必要な物質の脳への取り込みに当たり、重要な役割を果たしつつ、エネルギーの20%が脳で消費され、脳のエネルギー源としては、糖しかないことを具体的データを示しながら分り易く説明した。
 次に洋菓子研究家の今田美奈子氏が「幸福を届けてくれたお砂糖」と題して講演を行った。
 外交では、食卓外交も重要であり、そのクライマックスには、甘いデザートなどの各国それぞれ自慢のお菓子が供せられる。外交交渉で精神的に疲れているときに甘いデザートがその疲れを癒し、当事者達をゆったりとした気分にさせ、交渉を成功させている例を挙げ、速効的に気持ちを優雅にさせるには、砂糖が重要な役割を果たしていると述べた。砂糖はデザートなどを通して人々の心を、速効的に、気分良くさせてくれる。砂糖はこのように永遠不滅であり、幸福を届けてくれるものである。
 オーストリアやドイツなどのヨーロッパの伝統菓子は、歴史的な外交交渉で重要な役割を果たすなどして、発展してきた。この伝統菓子をヨーロッパの国立製菓学校で伝承しており、これを知ることも国際教養につながることであり、伝統菓子を通じて国際教養を日本に広めたいと語った。
 最後に、講師等との質疑応答がなされ、BMIと体脂肪率の関係、実際に糖尿病を発症した場合の砂糖の摂取方法、砂糖の種類の違いによる栄養分の違い、日本での外交交渉の際に提供されるデザートは何かなどの質疑応答があった。 今回の参加者は、やや専門的な内容の質問を多く出し、また、シンポジウム閉会後も講師に個別質問するなど、総じて知的関心が高いようであった。
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南種子町のさとうきび精脱葉施設について

施設での選別作業
施設での選別作業
 さとうきび生産の維持・増大を図るためには生産規模の拡大、農作業受託組織の活用や機械化一貫体系の導入により省力化を図ることが大きな課題である。特に労働時間の過半を占める収穫作業については各地域の実情に即したハーべスタの導入が計画的に推進されている。鹿児島県の平成14年産さとうきび生産量のうち、ハーべスタ収穫の割合は49%(前年より6%増加)に達している。しかしながら、ハーべスタ収穫の進展に伴い、製糖工場に持ち込まれる原料に混入するトラッシュ(梢頭部、枯葉、根株、土砂等の夾雑物)が多くなり、製糖歩留りを低下させるなどの問題も生じている。このため効率的なトラッシュ分離対策が重要な課題となっており、糖業関係者において検討されているところである。
 種子島はさとうきび栽培の北限であり、奄美地域と比較して甘蔗糖度は例年1度程度低く、厳しい栽培環境にある。同島においてはトラッシュ対策としてハーべスタ収穫前にほ場で人力により梢頭部を除去しているが、近年、梢頭部込みで収穫し、その後まとめて梢頭部を選別除去する精脱葉施設の整備が進んでいる。同島では平成14年産において4施設が稼動し、さとうきび生産量の約17%が処理された。その中で昨年、南種子町に作られた精脱葉施設について紹介する。

さとうきび生産組合が力を合わせて設立
柳田米男氏
組合長の柳田米男氏
 南種子町には9つのさとうきび生産組合がある。いずれも機械化によるさとうきび栽培、収穫作業の省力化を図るために作られた営農集団であり、組合でハーべスタを購入して、組合内の収穫はもとより、地域のさとうきび収穫作業の受託も行っている。その9生産組合の代表者が集まって南種子精脱葉利用組合を設立し、14年度に国の補助事業を活用して精脱葉施設を設置した。同組合の組合長である柳田米男氏は「ハーべスタ収穫の前に行うほ場での梢頭部カットは、風は吹く、雨は降るできつい作業。特にこの地域は冬場の季節風が強い。これからは高齢化と労働力不足から梢頭部を除去する人手の確保は容易ではなく、このような収穫体系(ほ場での梢頭部カット)の維持が困難になると考え、精脱葉施設を利用した収穫体系に変えていくことになった」と施設導入の理由を語った。種子島には平成12年に中種子町に初めて精脱葉施設が設置(旧事業団砂糖生産振興事業を活用)されており、同施設が順調に稼動し実績をあげていることも大きく影響を与えた。

14年産さとうきびの収穫から稼動
 14年産は1日当たり107t、作業日数111日で11,829t(計画対比98.5%)を処理した。これは南種子町の14年産さとうきび生産量の約42%に相当する。トラッシュ率は4.25%であった。これは最初の頃に選別基準の不徹底と選別技術に未熟な点があったためで、収穫期後半には3%台まで下がったとのことである。初めての施設稼動で苦労した点について柳田組合長は「キビと梢頭部がごちゃ混ぜになってコンベアで運ばれてくるので、素早く見分けて選別しなければならない点が難しいが、慣れてくるとスピードも精度も高くなる。施設全体で最も困ったことは、選別後のキビをホッパーにストックし、トラックに積み込む際にホッパーから落とすのであるが、キビがホッパー内部で引っかかるような状態になって詰まってしまい落ちてこなかったこと。原因はホッパーの四隅の角にあったようで、角を丸く潰すことによって上手く落ちるようになった」と振り返る。

精脱葉施設の評価
 南種子精脱葉利用組合がまとめた関係者の精脱葉施設の評価は次のとおりである。(1) 梢頭部付きのままハーべスタ収穫するため、収穫ほ場でのハーべスタ1台当たりの梢頭部カット作業員は6名削減できた。(2) 精脱葉施設での梢頭部除去作業員はハーべスタ1台当たりに換算すると3名必要であった。(3) 梢頭部除去作業員もコンベアでの作業に慣れれば梢頭部カットの作業より労力的に楽であるとの感想であった。(41) ほ場で梢頭部カット作業が不要であるので、梢頭部カット作業の遅れによりハーべスタが停止することがなく、ハーべスタが計画どおり稼動した。
 補足すると、施設に要する人数は選別作業に16〜18人、機械操作等管理要員3人の計21名である。選別作業は2レーンに分れており、1レーン8〜9名である。また、ハーべスタ収穫が計画どおり進むことは、今後の収穫作業の機械化推進にとって望ましい方向である。ちなみに南種子町のハーべスタ収穫の割合は14年産で66%と県内でも高い水準である。
 なお、除去された梢頭部は畜産農家に販売され、冬場の貴重な自給飼料として利用されている。

今後の課題
 今期が初めての稼動であったことから機械等の調整・改善に追われたが、来期は順調な稼動を見込んでおり、処理量は前年同の12千トンを予定している。柳田組合長は「ほ場からの搬入が順調にいかないと原料が途切れて施設が止まったり、施設から工場への搬出が滞ると、原料の受入ができなくなる。施設を効率的に稼動させるには計画的な収穫による原料の搬入と速やかな工場への搬出をうまく調整することが重要」とみる。
 このような収穫面での対策と併せてさとうきびの生産対策については、南種子町は種子島内の他の地域に比べて単収が低いことから、単収をあげるよう栽培管理を徹底することが課題である。前述のように種子島は奄美地域より北に位置することから植付後と株出管理後のマルチ(注)が不可欠である。しかし、マルチは手間がかかる等の事情から実施率が低下傾向にあるという。特に株出しは収穫後のほ場管理として株揃え、根切・排土、マルチが大切であり「生産組合を中心に協力しながら課題の克服に努めていきたい」(柳田組合長)とのことである。
 来期の南種子町の精脱葉施設の効率的な稼動と生産組合が中心となった単収増に向けた取り組みに期待したい。
(注)マルチ:畑の畦の表面をポリフィルム等で被覆して土壌管理を行う栽培方法。地温上昇により萌芽や生育の促進、雑草の抑制、乾燥の防止等の効果がある。
さとうきび収穫作業の流れ
施設での選別作業
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