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地域だより[2004年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2004年1月]

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札幌事務所


「砂糖制度と砂糖のあれこれ」
〜砂糖と食文化講座を江別市で開催〜

 平成15年11月18日(火)、当事務所は昨年に引き続き江別市の(財)北海道農業協同組合学校(JAカレッジ)において、同校の学生58名を対象に「砂糖と食文化講座」を開催した。本講座は消費者等に対して甘味資源作物、砂糖及び砂糖制度等についての知識を深めてもらうことを目的としている。同校は、将来農業協同組合(JA)の中堅幹部職員を目指す人々を養成することを目的として、全道のJAグループからの資金拠出により運営されている。
 中出校長の挨拶に続き、てん菜と砂糖についてより深く学んでもらうために、糖業製造者のホクレン農業協同組合連合会の石垣課長から「てん菜から砂糖のできるまで」について説明が行われた。その後、当機構の横浦札幌事務所長が「砂糖制度と砂糖のあれこれ」と題して講演を行ない、砂糖の消費量、甘味資源作物(てん菜及びさとうきび)の基本的な知識、砂糖制度、砂糖に対する誤解・効用等について解説した。
 講座終了のアンケート調査結果によると、「以前から知っていた」とする生徒が多かった事項は「砂糖は即効性のあるエネルギー源であり、疲労回復に有効である」、「砂糖はてん菜やさとうきびを原料とした天然甘味料である」であり、逆に「はじめて知った」事項は「食品の防腐効果」や「砂糖制度に基づく最低生産者価格制度により北海道のてん菜農家の経営安定を図っている」であった。
 また、講座全体を通しての感想としては、「実家でもビートを作っているが、よく知らなかったことも分かり、とても勉強になった」、「砂糖の効用(エネルギーの補給、記憶力の向上、精神の安定)について、知らない知識に触れることができて、有意義であった」、「JA職員になるにあたって、ビートや砂糖等についていろいろと参考になった」などがあった。さらに、パンフレットについて、「図、グラフ、写真などがありとても見やすく、分かりやすかった」との感想が寄せられた。
 その一方、「時間が短かったので、もう少し詳しい説明が聞きたかった」、「話す速度がもう少し遅い方が聞きやすかった」、など、これからの参考になる要望なども寄せられた。
 熱心に受講する学生たちの姿を見て、同校で学んだ彼らが将来農業の分野でも広く活躍してもらうことを願う。
講演中の石垣講師
講演中の石垣講師
講義に聞き入る学生たち
講義に聞き入る学生たち





地域情報交換会の開催

地域情報交換会の模様
地域情報交換会の模様
 平成15年11月27日(木)、当事務所は札幌市内において地域情報交換会を開催した。
 本年度は、地域における砂糖の需給動向を共通テーマとし、農林水産省からは砂糖・甘味資源作物をめぐる事情について、北海道農政部からはてん菜の生産状況等について、(独)農林水産消費技術センター小樽センターからは食品の表示制度についてそれぞれ説明がなされた。また、当機構からも地域情報モニターに対するアンケート結果概要等についての話題提供を行なった。
 共通テーマの説明後の意見交換の場では、消費者等から出された意見、質問等を行政関係者及び糖業関係者が回答する形で進められた。
 消費者の代表である消費者ポトフの会(本誌7月号地域だよりに掲載)の松井氏からは、「甘味料の多様化が進んでおり、例えばオリゴ糖とか、トウモロコシでん粉を原料にしたトレハロースにブルーベリーの味付けをして甘みを出した甘味料などの商品が販売されているが、消費者はどういう方法で作られているのか分からないので、PRの仕方を工夫して欲しい」という意見に対し、行政関係者及び糖業関係者からは「日本でも甘味の多様化が進み、メープルシュガーの需要が伸びている。一方、上白糖・グラニュー糖は、健康に悪く、グラニュー糖の結晶化を大きくした氷砂糖は健康に良いと言われるなど、消費者の持つイメージは、同じ砂糖でも糖種によって随分異なっており、砂糖に対する誤解が根強い。砂糖のカロリー自体は米や麦と同じカロリーであり、砂糖が肥満の原因ではないと考えられる。また、糖尿病は遺伝以外の原因もあるが、砂糖を一切食べさせないと痴呆に早くなるという研究データもあり、適量摂るのがよいと思われる。」との回答がなされた。
 また、消費者協会専務理事の宮本氏からは「消費者にとって砂糖を安く買うことの出来る、糖価調整制度を今後も維持していけるのか」との問いに対しては、行政関係者が「昨今のWTO農業交渉による農産物保護政策の将来に懸念がある」としながらも、糖価調整制度の役割及び必要性を訴え、理解を求めた。
 この情報交換会を通じて、日頃接する機会の少ない消費者の、砂糖に対する意識の把握、機構の広報活動に対する意見等を踏まえて、今後の機構情報業務の取り組みに役立てて参りたい。
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東京事務所


地域情報交換会の開催

会場の模様
 平成15年12月4日(木)、当事務所並びに横浜事務所は、中央区日本橋の東京穀物商品取引所大会議室において、地域情報交換会を消費者、官公庁、砂糖類関係団体及び企業等、計74名を参集して開催した。
 本年度の交換会では、例年行っている農林水産省からの最近の砂糖類行政についての解説及び当機構が消費者モニターや流通業者に対して実施している各種調査の結果報告を行った。それと併せて、ユーザーの砂糖類に対する考え方を出席者に紹介することを目的として、(社)菓子総合技術センター専務理事の早川幸男氏に「お菓子に使う糖類アレコレ」と題して菓子業界の現状、菓子製造における砂糖類の利用法及び最近注目されている新しい糖類について語っていただいたので要旨を紹介する。
 『最初に砂糖を使用した菓子の生産量の推移を見てみると、1973年のオイルショックの年を境に、ほとんどの種類の菓子が、減少、あるいは横ばいに転じている。この年は“砂糖ショック”とも言える年であり、マスコミを中心に砂糖有害論が展開され、砂糖製造業界のみならず、甘味食品業界も大きな打撃を受けた。この状況は和菓子・洋菓子を問わず現れ、特に飴菓子(キャンディー類)は、その後大きく低迷することとなった。この1973年に砂糖が厳しく批判された点は、“虫歯と肥満の原因”というものであった。この影響により、教育現場においても子供達に砂糖を控えるように指導し、その時代に教育を受けた世代が、現在、親となっている訳であるが、潜在的に砂糖に対する“負のイメージ”があるので我が子にこれを積極的には与えない。その結果、消費が回復し辛い要因となっている。これを是正するためには、昨今、農林水産省や文部科学省等で進められている“食育”において、砂糖に対する正しい知識を国民に知らしめることが重要になってくると考えている。
 次に菓子の素材としての砂糖についてであるが、昔から菓子にとって砂糖は欠くことのできないものと位置付けられている。この理由は、糖類の中で砂糖が最も優れた特性(焼色等)を示すことと甘味の強さの中に旨みがあるという2点からである。また、現在でも新しい糖類の菓子素材としての適正試験をする場合、砂糖の10%溶液を基準溶液としていることにも如実に現れている。一方、菓子と言えども身体に対する効用は必要であり、砂糖を用いることによって端的にエネルギー源となることや穏やかな気持ちにさせることから、子供達の情操育成の補助になることなどが挙げられる。
 しかし、食後の歯磨きをちゃんとしないと砂糖が虫歯の要因となることは事実である。これは“しつけ(歯磨き)”の問題で解消されるものではあるが、“う蝕抑制機能”を持つ糖類を開発しようとする動きも当然のことながら生じた。そして、更なる生理機能を持った糖類の開発も盛んに行われるようになってきた。こうして、菓子に甘味プラスアルファを加える素材として、オリゴ糖類が登場した。
会場の模様
 代表的なオリゴ糖類とその機能を紹介すると、ショ糖(=砂糖)を転移酵素で誘導(分子内転移)させて作るパラチノースとトレハルロースは、う蝕抑制機能と血糖値調整機能を、パラチノースを縮合させたパラチノースオリゴ糖は、パラチノースの持つ機能に整腸機能(腸内有用菌増殖機能)を併せ持つ。同じくショ糖に別の転移酵素を反応させたフラクトオリゴ糖には、整腸機能・血糖値調整機能と免疫賦活機能がある。また、ショ糖に他の糖類を転移作用させたものにグリコシルスクロース(カップリングシュガー)とラクトスクロース(乳果オリゴ糖)があり、それぞれにう蝕抑制機能と、整腸機能・血糖値調整機能に優れている。異質なところではビート糖の廃糖蜜から作られるラフィノースはアトピー性皮膚炎に効果(抗アレルギー機能)を示すとされている。
 これら以外にも様々なオリゴ糖や糖アルコール類が菓子素材として登場してきているが、砂糖を中心としてそれそれが持つ特性を考慮しながら使用していくことが重要だと考えている。』
 早川氏の講演内容は興味深い話であったため、出席者全員が最後まで熱心に聞き入っていた。
 今回の意見交換会において、消費者から出された意見で要望が多かったのが「砂糖の良さをもっと上手にアピールした方がよいのではないか」というものであった。これに対する具体的方策としては、家庭の主婦層により身近な店頭でのパンフレットの配布や小売用パッケージへの砂糖を使った料理のレシピの紹介が提案された。また、「スーパーにおける特売用砂糖の販売価格の仕組みについて教えて欲しい」との質問が出され、これに対して精糖工業会と農林水産省からは「特売の価格というのはスーパー等の企業努力(赤字覚悟)によって成立しているものであり、決して正規のコストを反映したものではない。」と回答された。この他にも、黒砂糖の見分け方に対する質問や成分表示についての意見等も出された。
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千葉出張所


「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」が千葉市で開催

 平成15年11月18日(火)、千葉市内のホテルサンガーデン千葉において、社団法人糖業協会、精糖工業会及び砂糖を科学する会の主催により「砂糖シンポジウム〜砂糖は笑顔のエネルギー〜」が開催された。当日は、応募者数536人から抽選によって選ばれた254人が参加した。
 同シンポジウムは、砂糖を日頃使用する機会の多い主婦を中心とした女性と栄養士等の食に関する専門家を対象に、砂糖の正しい知識と情報の提供を目的に開催されたものである。千葉のシンポジウムは、大阪市、仙台市に次いで今年度で3回目である。
 講演は、高輪メディカルクリニック院長久保明氏と元卓球世界チャンピオンの新井教子氏の両氏による2部構成で行なわれた。
 久保氏は「ミドルエイジの生活開発法―食・からだ・こころ」と題して、健康寿命の向上と砂糖との関わりについて講演された。久保氏によると、50歳以後に行う運動は汗をかく運動ではなく、転倒予防のための“片足立ち”が良いとし、具体的には左右30秒ずつ(慣れてきたら目を閉じて)1日3回(朝・昼・晩)行うと効果があると述べられた。本題に入ると、昨今偽りの情報が多いと指摘され、「砂糖は体に悪いものと誤解されている。健康な人が砂糖を毎日50g位摂取しても何ら体に悪い影響を与えるものではなく、元気に生きるためには、間違った情報に惑わされずに正しい健康情報を得ることが大切である。」と砂糖についての正しい知識を語った。また、パソコンを使いながら、血液、糖尿病の症例、肥満、標準体重、BMI等のデータを示し、糖尿病等を内分泌医の立場からわかりやすく解説された。さらに、「21世紀の健康戦略」として、「身体活動」「栄養・サプリメント」「メンタルへルス」の3つのカテゴリー別にアドバイスを行なった。「身体活動」については、運動は毎日行なおうとせず、3日坊主を繰り返してもよいので長続きさせることが大事であるとした。栄養サプリメントについては、健康のバロメーターの指標を、血液データとし、食事に関しては、ひとつの食材が体にいいからといって、毎日それを摂るのではなく、栄養のバランスを考えて食事をすることが大事であるとした。メンタルヘルスについては、「オンリーワン」「プラス思考」など巷に溢れているスローガンを一度疑ってみて、自分に合った生き方をすべきであると語った。最後に久保氏の提唱する「21世紀の健康戦略」を生活の中に取り入れることが、自らの健康を守ることであると締めくくった。
 次に、元卓球世界チャンピオンの新井教子氏が「心も体もA・R・P(アープ)で健康!」と題して、スポーツと砂糖との関連について講演を行った。
 新井氏は、まず、会場の参加者全員に対し、椅子に座ったままでの背筋伸ばし、腹式呼吸、肩上げ、首回しなどのリラックス体操の指導を行った。講演は、参加者に脳と砂糖に関する質問を行う形式で進められた。(1) 脳の重さは全体重の何%ですか?→(答) 2% (2) 脳のエネルギー源は何ですか?→(答)ブドウ糖 (3) 脳が使用するエネルギーは、摂取するエネルギーの何%使用されているか?→(答)18% (4) 脳にブドウ糖の供給が3分ストップしたらどうなるか?→(答)脳が死んでしまう。これらの質問に参加者はほとんど返答できず、新井氏の解説に聞き入っていた。
 新井氏は、「自分が現役時代には、砂糖は太ると誤解し、糖分を控えていたが、SLC(シュガーライフクラブ)(注)のリーダーとなり、砂糖の正しい知識に触れ、砂糖が脳の唯一のエネルギー源だと知った時は驚きました。今は、講演の前後や原稿の執筆中に、砂糖をたっぷり摂って脳をリラックスさせています。」と語り、さらに「A・R・P(アープ)とは軸・リズム・姿勢の3つを調和しながら1つの動作にすることで、無駄な力を入れず自然と一体となって、自然体で体を動かすことが大事です。」と、卓球の動きを交えて説明された。最後に会場の参加者全員で「健康に役立つストレッチ体操」を行なった。
 講演後の質疑応答では、参加者からコレステロール、サプリメント、ストレスについての質問が出され、講師とともに砂糖を科学する会副代表の橋本仁氏も加わり、参加者の質問に回答された。中でも、橋本氏は、ストレス解消法についての質問に対し、「ストレスの解消には、心の安定が必要で、目を使う(美しいものを観る)・聴く(音楽)・嗅ぐ・食べる(甘いもの食べる=砂糖摂取)・運動の5つの要素が大事である。」とアドバイスされ、多くの参加者が肯く姿が見受けられたのが印象的であった。

(注)SLC(シュガーライフクラブ);料理研究家、菓子研究家、スポーツコーディネーター、フラワーコーディネーターなど、幅広い分野の専門家をリーダーとして、砂糖の正しい情報や価値を広く伝えることを目的に結成された。
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名古屋事務所


地域情報交換会の開催

地域情報交換会の模様
地域情報交換会の模様
 平成15年12月2日(火)、当事務所は、地域情報交換会を開催した。行政機関関係者をはじめ、砂糖・異性化糖の製造事業者、流通関係者、学識経験者、栄養士、消費者団体、地域情報モニターら38人が一堂に会した。
 今回の地域情報交換会では、砂糖の需要動向をメインテーマに、農林水産省からは「砂糖・甘味資源作物をめぐる事情」、東海農政局からは「食の安全・安心に関する最近の動き」の説明がなされ、当機構本部からは地域情報モニターのアンケート結果の概要と当機構の情報業務について、当事務所からは東海・北陸地域の砂糖の需要と販売量の動向についての話題提供を行なった。
 その後、消費者からの質問や意見を聴き、担当する関係者が回答する場へと移り活発な意見交換がなされた。消費者からは、異性化糖が大量に使用するようになった経緯や使用のメリットについて質問があり、異性化糖メーカーから異性化糖は人工甘味料ではなくでんぷんを酵素糖化したもので自然からできていること、昭和50年代から急速に需要が増えてきたこと、砂糖に比べてコストが安いため清涼飲料メーカー等が大量に使用することになったことなどを紹介した。
消費者から活発な意見が出る
消費者から活発な意見が出る
 また、「砂糖は輸入糖と国内産糖との価格のバランスを保ちながら市場に出荷されているとは認識しているが、円高差益はどのように還元しているのか」との質問には、砂糖の価格は海外相場、為替、市価を見極めながら3ヵ月に1回価格を見直していること、海外相場の変動にも日本の市場では価格が急激な乱高下を引き起こすことなく安定的に市場に供給されていることを紹介し、消費者の理解を求めた。
 その他には、「砂糖は「太る」「虫歯の原因になる」などと言われているが、脳の活性には必要なものでもあることから、科学的な根拠を徹底したら良いのではないか」との意見に対し、当機構からは「砂糖について科学的な知見の収集をしているところであり、医学的、栄養学的なアプローチにとどまらず、心理学、体育学へも広げていく」考えを示した。また、管理栄養士からは砂糖を正しく理解する重要性をもっとPRするために、栄養学の立場から協力するなど心強い意見があったほか、消費者からは機構が行っている砂糖の講演会や今後機構が製作するパンフレットの充実を求める声が多く出された。
 交換会において消費者から活発な質問や意見が多く出されたことは大変有意義であるとともに、今後とも様々な場を通じて、砂糖に関する多くの情報交換の場が必要であるものと考えられる。
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大阪事務所


関西砂糖特約店協同組合が講演会を開催

 平成15年11月13日(木)、関西砂糖特約店協同組合は、大阪市中央区のハートンホテル南船場において、秋季総員懇談会を開催した。
 今回の総員懇談会は、農林水産省生産局特産振興課の中野健一砂糖類調整官を講師に招き、「近年の砂糖情勢について」と題して講演が行われ、関西地区の特約店、代理店及び精製糖企業から計85名が参加した。
 中野調整官は、昭和54年から砂糖行政に携わってきた自己の経歴について簡単に述べた後、食料・農業・農村基本法に基づく平成17年以降の基本計画(新たな砂糖・甘味資源作物政策大綱)の見直し作業の現況、WTOにおける農業分野の交渉の進捗状況、来るべきFTA(自由貿易協定)へ向けた動きに重点を置いて講演を行った。さらに、砂糖・甘味資源作物をめぐる事情についても説明を行うなど、その内容は非常に幅広いものであり、有意義かつ貴重な講演であった。
 質疑応答では、参加者から「タイとのFTAに注目せざるを得ない」といった発言があり、この問題に関する参加者の関心の高さが伺われた。
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神戸事務所


地域情報交換会の開催

砂糖と病院食について説明
砂糖と病院食について説明
 平成15年12月8日(月)、当事務所と大阪事務所は、神戸市内で地域情報交換会を共同開催した。会議は「地域における砂糖の需給動向について」をメインテーマに、農林水産省生産局特産振興課、農林水産省近畿農政局、神戸市生活文化観光局消費生活課、砂糖類関連業界、管理栄養士、消費者団体、生活協同組合、神戸・大阪両事務所の地域情報モニターなどが参加して行われた。
 会議では、主催者である当機構調整役の挨拶の後、農林水産省生産局特産振興課による「砂糖・甘味資源作物をめぐる事情」、当機構による「機構実施のアンケート調査結果について」、管理栄養士(須磨浦病院栄養科 松岡氏)による「砂糖と病院食」の順で話題提供が行われた。
 松岡氏からは、砂糖が病院食に果たす役割や、調理上の特性、地域特有の砂糖を使った病院食の例などが紹介されたほか、「糖尿病患者に対する病院食は、適切なエネルギーとバランスの良い栄養素を提供するためのものであって、決して砂糖を制限した料理ではない。」など、日ごろから現場で患者と接している管理栄養士ならではの説得力のある意見を聞くことができた。
フリートーキングで発言する地域情報モニター
フリートーキングで発言する地域情報モニター
 その後行われたフリートーキングでは、モニターを中心に砂糖に関する質問、意見が多数出された。質問内容は、砂糖と健康に関することだけにとどまらず、表示、包装に関するものまで広範囲にわたったが、中でも表示についての消費者の関心は高く、複数の出席者から「製造年月日」及び「原産地」について詳しい表示を求める声が相次いだ。
 原産地表示の問題については、コストとともに技術的な問題もあり、業界としては「現時点では困難。今後の検討課題として受けとめたい。」とのことであったが、モニターから「消費者の安心感を高める目的で、『どの国の原料糖を使っても製品である精製糖の品質は一定』という広報を行なえば、原産地表示を行う必要はないのではないか。」という提案もあり、活発な議論が行われた。
 また、「砂糖はダイエットの敵ではないか」「糖尿病患者に対して医師などは砂糖を制限するよう指導しているのではないか」など依然として健康に対して砂糖をマイナスイメージでとらえる発言もあったが、これらに対して松岡管理栄養士から、(1) 太るのは摂取エネルギーと消費エネルギーのアンバランスが原因、(2) 糖尿病で問題となる血糖値のコントロールについては、砂糖ではなく食事の量が問題という回答があり、「砂糖本来の良さを理解してほどほどに砂糖を摂取し、食事を楽しんでほしい。」というコメントも出された。
 限られた時間内ではあったが、活発な意見交換が行われ、各出席者が砂糖に対する様々な認識に触れることができたことは有意義であり、出席者相互の交流も図ることができたと思われる。
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岡山出張所


ふるさと逸品
〜砂糖を使用した地域特産品の紹介〜

ブルーベリーソースを製造
180リットルの釜でブルーベリーソースを製造
 岡山県真庭郡川上村にある蒜山(ひるぜん)高原は、県北西部に位置し、西日本でも希な高原状の地形に恵まれ四季折々の自然景観を活かし、県内でも有数の観光地として発展している。同村の主な産業は、観光の他に日本一のジャージー牛飼育頭数を誇る酪農及び黒土を活かした高原野菜栽培である。
 この高原の一角にある「農業生産法人ひるぜんワイン」では、砂糖を使用した地域特産品『ブルーベリーソース』を製造している。原料は、ブルーベリー及びグラニュ糖とシンプルであるが、これはブルーベリー本来の味覚と香りを消費者に堪能してもらうためである。
 なお、ブルーベリーに含まれるアントシアニン色素は、目の働きを助ける作用があると言われている。例えば目の網膜には、ロドプシンと呼ばれるたん白質が存在し、光の刺激を受け脳に伝達されて視覚動作を行うことになるが、このロドプシンがどれだけ活発に作用できるかが目の働きにとって重要である。しかし、パソコンやテレビの見過ぎ等で目が疲れたり、年齢を重ねることによってロドプシンの能力が低下し、様々な目の不快感をもたらすことになると言われている。
ブルーベリーソース
グラニュ糖を使って製造した
ブルーベリーソース
 これに対し、ブルーベリーを摂ると、アントシアニンがロドプシンを活性化することによって、目の疲労等の防止にもなる。健康志向の高まりの中、ブルーベリーの持つ、このような働きがその人気上昇の理由の一つとなっている。
 ブルーベリーの大半は、同村の農家40戸(作付面積全体で4ha)で栽培から収穫まで行われ、収穫されたブルーベリーについては、同法人が全量買上げを行っている。
 グラニュ糖を使用することによって、さっぱりとした甘さを作りだすとともに、防腐効果を高めることが可能であり、これら砂糖の機能が地域特産品と密接に結びついている。
 製造方法は、マイナス20℃で貯蔵している冷凍庫からブルーベリーを取り出し、異物の除去を行い、180リットルの釜にブルーベリー140kg及びグラニュ糖40kgを入れ、業務用のしゃもじで約2時間煮詰めるというもので、1回の製造につき約800個の商品(1瓶230g)を作ることが出来る。ブルーベリーの実を残して瓶詰めするため、煮詰める時のかき回す力加減が難しく、手作業での製造に苦労が伺える。
 同法人では、このブルーベリーソースの他にも同高原で採れた果物等を加工し、砂糖の甘さと効用を最大限利用して製造したジャム及びジュース等の地域特産品を販売しており、砂糖がこの地域の経済に一定の役割を果たしていると言える。
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福岡事務所


地域情報交換会の開催

地域情報交換会の模様
地域情報交換会の模様
 平成15年11月19日(水)、当事務所は、福岡市内で地域情報交換会を開催した。
 同交換会は、砂糖及び甘味資源作物に関する情報提供や意見交換を通じて、会議出席者相互の理解を深めてもらうとともに、関係機関・団体との良好な関係を構築し、本機構の業務運営の参考に資することを目的に毎年実施しているものである。
 当日は、消費者、糖業関係者、ユーザー、栄養士及び行政関係者など幅広い範囲の方々が参加され、前半がさとうきびの生産関係の話題、後半が地域における砂糖の需要動向を話題に行った。なお、当事務所の業務区域に鹿児島県が含まれていることもあり、砂糖の国内産原料の代表例として同県南西諸島で生産されるさとうきびを話題に加えた。
 前半は、長町雅美農林水産省生産局特産振興課課長補佐が「砂糖・甘味資源作物をめぐる事情」について、我が国における砂糖の需給動向を中心に分かり易く解説され、柿迫順一鹿児島県農政部農産課参事が「さとうきびの生産状況」について、同県においてさとうきびが、離島地域における基幹作物として重要な位置づけにあることを熱心に説明された。甘蔗糖企業からは島の地元関係者が一体となって合理化努力を重ねているものの、台風・干ばつ等気象条件の影響を強く受けることから、厳しい環境下でさとうきび生産を行っている現状を訴え、参加者に理解を求めた。
 後半は、当機構から地域情報モニターを対象としたアンケート調査結果の紹介と九州・山口地区における砂糖の種類別・季節別の販売数量の調査結果について説明を行った。
 さとうきびの生産関係では、「さとうきびが不作の場合、砂糖の価格にどのような影響があるのですか」との質問があり、行政側から砂糖の価格調整制度により、国民に合理的な価格で安定的に供給されていることを説明し、理解を求めた。
 地域における砂糖の需要動向について、代理店、特約店から発言があり、「年間の販売量のピークは夏と冬であるが、最近は、家庭でおせち料理を作らなくなり、元日からスーパーストアが開いているなど、昔に比べ販売動向に季節感がなくなる傾向にある」ことが紹介された。
 また、砂糖のユーザーの立場から福岡市和菓子組合の松本氏が、日本人と欧米人の味覚の違い、特に甘さに対する感受性の差について述べられ、「日本人の味覚は素晴らしいもの。それは甘さを表現する際の言葉の奥深さにも表れている」と語られた。社団法人福岡県栄養士会の鹿子島氏からは、地域で長く培われた食に関する嗜好があることを紹介した上で、「昔ほど、家庭でお正月やお盆に砂糖を使った料理を作る機会が減っていることは残念である」と参加した地域情報モニターの主婦の方々に訴えた。
 消費者からは、「砂糖の甘さ以外の調理上の特性について、例えばお肉に砂糖をつけるとやわらかく仕上がるなどもっとPRしてはどうか」との提案があった。また、配布されたさとうきびを見て、「子供の頃、おやつ代わりに良く食べていました。昔は節の間がもっと長かったように思いますが」との質問に、甘蔗糖企業から「節間が短いのは干ばつの影響です」と説明があった。さらに、地域情報モニターからは、「家に持ち帰り子供と一緒に食べるのが楽しみです」との発言があり、さとうきびを通して生産者と消費者が交流する貴重な機会となった。
 当機構が紹介したアンケート結果による一家族当たり平均の砂糖の年間消費量について、「わが家では平均より多く消費していますが、一人当たりの理想的な摂取量はあるのですか」との質問が寄せられた。それに対して同栄養士会の鹿子島氏から「砂糖の摂取基準量(食品構成[第6次改定日本人の栄養所要量(注)])はあります。摂取量は対象の年齢や健康状態等によってそれぞれ違ってきます。他の食品をどの位食べているか、大切なのは栄養素のバランスです。日常の食事の中で偏った砂糖の摂り方をしなければ良いのではないでしょうか」とアドバイスされた。
 同交換会において、当事務所管内の消費者、糖業関係者、ユーザー、栄養士等の間で活発な意見交換や質疑応答がなされ、情報の共有化が図られたことは大変に有意義であった。今後も我が国における砂糖及び甘味資源作物の重要性について広く理解を得られるよう努めるとともに、地域における情報収集及び情報提供活動のより一層の充実を図って参りたい。

(注)第6次改定日本人の栄養所要量とは、健康人を対象として健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために標準となるエネルギー及び各栄養素の摂取量を示すもので、健康増進施策、栄養改善施策等の基本となるものであり、栄養指導、給食計画等の基準として幅広く利用されており、厚生労働省生活習慣病対策室が、5年毎に同所要量の見直し・改定を行っているものである。
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那覇事務所


長寿県沖縄における食品の安全性に関する地域フォーラムの開催について

 平成15年11月11日(火)、内閣府食品安全委員会等の主催により「長寿県沖縄における食品の安全性に関する地域フォーラム」が、那覇市内のメルパルク沖縄で開催され、一般消費者や企業、行政関係者ら百数十名の参加があった。
 これは、食品安全基本法及び食品安全委員会の活動について理解してもらうため、農林水産省本省から各農政局へ食品の安全性に関するフォーラムの開催を依頼し、実施されているものである。
 まず、行政の取り組み状況について、内閣府食品安全委員会事務局、厚生労働省、農林水産省から本年7月に施行された食品安全基本法の経緯・背景とその概要、新食品衛生法の概要、食の安全・安心を目指した農林水産省の取り組みについての説明があった。
 続いて、内閣府食品安全委員会委員長代理から、「食品の安全性確保のための新たな仕組みについて」と題し基調講演が行われた。中でも、食品のリスク分析について、リスクの定義として健康への悪影響が生ずる確率と影響の程度とし、リスク分析とは、健康への悪影響の発生を防止又は抑制する科学的手法であると説明された。そのリスク分析には3つの要素があり、リスク評価、リスク管理、リスクコミュニケーションをそれぞれ紹介した。(本誌12月号今月の視点でも紹介)最後に、食品安全委員会の役割についても説明され、食品の安全性は消費者や生産者、国民が一体となって確保する必要があると語った。
 次に、「長寿県沖縄における食品の安全性について」と題し、パネルディスカッションが行われた。学識経験者は、亜熱帯である沖縄では全国の中でも食中毒の発生が多くないことを指摘し、先人の知恵に学びつつ安全な食生活をおくるためには、新鮮な食材を使い、調理の際に加熱を充分に行い、世界の食材を賢く使うことをアドバイスし、食育を進めていくことの重要さを説いた。消費者代表は、発色材などの添加物を使わない県産豚肉を使用したランチョンミートをメーカーの協力を得て約2年かけて開発したこと等食の安全に対する取り組みの事例を紹介した。今後、食の安全問題は沖縄県全体で取り組むべきであることを呼びかけ、供給側に対して消費者への正しい情報の提供を求めた。
 これらを受け、食品安全委員会からは、一般消費者はリスクのない食物はこの世にはないことを認識すべきであること、食品添加物や農薬の使用については、その使用基準を守れば安全であること、食品添加物や農薬の使用を減らすことによるデメリットも理解する必要があると説明があった。
 私たちを取り巻く食品の多くは常に安全性が確保されていなければならず、製造業者も細心の注意を払うことが求められるが、それと同時に、今後は消費者にも食品の安全性を見極める「責任」が求められると考えられる。





地域情報交換会の開催

 平成15年12月3日(水)、当事務所は、那覇市内において地域情報交換会を開催した。同会議には、地域情報モニターをはじめ、消費者団体、農林水産省生産局特産振興課、内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、製糖企業、農協、代理店等50人が参加した。
 まず、「砂糖の需要動向」をメインテーマとする話題提供があり、農林水産省生産局特産振興課からは「砂糖・甘味資源作物をめぐる事情」、内閣府沖縄総合事務局からは「さとうきびの生産向上を目指して」と題して、さとうきびの台風被害を克服するために、近年特に被害が多発している久米島の現地調査を通じ、防風林設置などの重要性について、沖縄県からは「沖縄県におけるさとうきび生産の重要性」と題して、さとうきび生産の経済波及効果等についてそれぞれ説明があった。
 当機構本部からは地域情報モニターのアンケート結果の概要と当機構の情報業務についての説明があり、沖縄県黒砂糖工業会からは「沖縄県産黒砂糖の需要動向について」について説明がなされた。平成5年度の調査において、沖縄産黒糖の用途別消費状況として全体の8割が沖縄県外で消費されているが、現在もその状況はほとんど変化が見られないなどの指摘があった。
 その後の意見交換会では、消費者団体からは「『砂糖は太る』といった砂糖に対する誤解を払拭させてもらったことなどこの会議に参加できたことは有意義であった」との意見があった。また、地域情報モニターからは「お菓子など外で買ってきて食べることに慣れている子供達が多く、手作りのおやつを与えても、素朴な味だと食べない子供が増えている。そういう中で手作りの味の良さをいかに子供達へ伝えるかを地域全体で考えていきたい。また、消費者の砂糖に対する意識の改革と同時に、砂糖を使ったおやつづくりの定着を目指したい。」との意見があった。また、地域情報モニターから「アトピーと砂糖の関連について」の質問に対し、当機構からは「砂糖は米やそば等と同じ純粋な炭水化物であり、砂糖とアトピーとの関連は考えられない。」と説明した。
 以上のような、活発でかつ貴重な意見交換がなされたことを踏まえ、今後の機構情報業務の取り組みに役立てて参りたい。
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