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地域だより[2005年1月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2005年1月]

●札幌事務所  ●横浜事務所  ●名古屋事務所  ●大阪事務所
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札幌事務所


土曜日こども講座が札幌市で開催
〜ビートからあま〜いシロップを作ろう〜

シロップをつくる
シロップをつくる
 札幌市厚別区にある北海道開拓記念館では、同館所蔵の資料を使いながらわかりやすく、遊びながら学ぶことができる小学生を対象とした「土曜日こども講座」を年12回開催している。平成16年11月20日(土)、「ビートからあま〜いシロップを作ろう」と題した講座が開催され、小学1年生から6年生の20名が参加してビート(てん菜)から甘いシロップを作る体験を交えながら、北海道におけるビート栽培と砂糖生産の歴史を学んだ。
 まず、参加した小学生はビートがホウレンソウと同じアカザ科の植物であることを学び、ビートを手に取ってそのにおいを嗅いだり、手触りを確かめるなどしてビートはどのような植物なのかを体感した。
 次に、ビートからのシロップ作りを体験した。手順としては、まずビートを洗った後裁断し、鍋で煮たビートをこし、さらに煮つめてシロップを完成させた。煮詰める際に炭を入れることにより、糖分以外の不純物を取り除くという昔の農家で実際に行われていた製法を用いた。こどもたちは自ら苦労して作ったビートシロップの出来栄えに満足そうであった。
 さらに、参加した小学生が「ビート探検隊」を結成し、同館の展示室を探索し、同館が保存・展示しているビートの栽培・収穫などに使った道具や、主に砂糖産業創成期に市販されていたビート糖の製品ラベルや袋など、ビート栽培や砂糖に関係するものを探し出すことや、これらをスケッチすることを通じて、北海道におけるビート栽培と砂糖生産の歴史について学んだ。
 この講座に参加した小学生にとって、同講座に参加して学んだことは普段学校では得られない貴重な体験になったと思われる。
昔の道具
ビート栽培に使用した昔の道具
昔のラベル
昔のラベル
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横浜事務所


「砂糖と健康セミナー」が横浜市で開催

 平成16年11月17日(水)、横浜市内において、砂糖を科学する会が主催する「砂糖と健康セミナー」が開催された。
 今回の横浜での開催は、千葉市、さいたま市、福岡市に次いで今年度4回目となった。
 講師の横浜国際バイオ研究所会長で農学博士の橋本仁氏は、
[1] 砂糖はごはんやパンに比べて消化吸収が速く、すぐにエネルギーを供給できる
[2] 脳の栄養源はブドウ糖だけで、砂糖は即効性に優れている
[3] 砂糖を口にすると快感中枢を刺激され、脳内にエンドルフィンが分泌されると人の心をくつろがせるとともに病気への抵抗力を高め、体の調子を整える効果があり、その結果、感情が豊かになるので、子供の情操教育にも甘いものは大切である
との説明を行った。
 講演後の質疑応答では参加者から「誰でも砂糖を摂取するとセロトニンを分泌するのですか」、「砂糖は1日どれくらいの量を摂取してよいのですか」、「白砂糖と黒砂糖はとどちらが体によいのですか」などの質問が出され、参加者の砂糖と健康における関心の深さがうかがえた。
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名古屋事務所


「食品の表示についての勉強会」が豊橋市で開催

 平成16年11月12日(金)、愛知県豊橋市内において、当事務所は東海農政局との共催により「食品の表示についての勉強会」を開催した。
 これは、愛知県消費者協会三河支部が「食品の表示」をテーマにした勉強会を行うに当たり、当機構へ講師の人選を含めた勉強会の協力依頼があったことから企画されたものである。当日は、東海農政局消費・安全部表示・規格課内藤孝秀氏、地域第二課水谷浩康氏を迎え、愛知県消費者協会三河支部を中心とした消費者約90名が参加した。
 まず、内藤氏が「JAS制度について」と題した講演を行った。JAS制度はJAS規格制度と品質表示基準制度の2つからなっており、どちらも消費者の皆さんが食料品などの買い物をするときの手助けとなるものなので、内容をよく理解し、賢く活用してほしいと述べた。さらにJASマークには特定JASマークのほか、有機JASマークおよび生産情報公開JASマークがあり、それぞれの意味や表示のアウトラインなどを説明した。JAS法に基づく食品の表示が正しく、わかりやすい表示になっているかどうかについては、農林水産省、農林水産消費技術センターが監視・調査を行っており、事業者や消費者を対象にした相談窓口も設けられているので積極的に利用してほしいと述べた。しかし毎日買い物をしている消費者の目が一番の監視機関であることから、食品などの表示について関心を持ち、疑問に感じた点などは相談窓口まで意見を寄せてほしいと強調した。
 次に水谷氏が「知っておきたい 食品の表示」と題した講演を行った。鮮魚、干物、お米、青果物などの食品にはどのような表示が正しいかを、実際の例をもとに詳しく説明した。また、消費期限と賞味期限の違いや、新米の意味、野菜の広く知られている生産地などについても述べた。最後に食品表示のクイズも行われ、両氏の楽しく、わかりやすい説明に参加者は熱心に聞きいっていた。
 勉強会終了後に参加者から感想をうかがったところ、「今までJASマークを見過ごしてきたが、今後は商品を選ぶときの参考にしたい」「スーパーなどの買い物に非常に役に立つ話であった」などの感想が寄せられた。
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大阪事務所


「幕末の京菓子展」が京菓子資料館で開催

 京都市にある京菓子資料館の開館3周年の特別企画として、「幕末の京菓子展」が平成16年10月22日(金)〜11月23日(火)の間、同資料館にて開催された。
 この特別展では、江戸時代の菓子の製造方法が記載されている文献に基づき、当時の菓子を再現・陳列し、和菓子における技術の成熟期と呼ばれる江戸時代中期から後期に至る菓子および皇女和宮が長州征伐に向かう徳川家茂に贈った菓子が紹介された。
糖芸菓子
糖芸菓子
 資料館の入口には、大きな「飾り菓子」(糖芸菓子または細工菓子とも言う。)が2点展示されていた。これらは、花や松などの植物を模したもので、芸術の域に達するほど美しい「見るための菓子」である。これは、南蛮からもたらされた金平糖や有平糖(あるへいとう) (水、砂糖、水飴を原料とするあめ菓子)という色彩を施した砂糖細工の菓子に由来する。また、この菓子は、幕府や所司代が京都御所に参上する折に献上したり、婚礼、元服などの祝儀において座敷に展示されたと言われる。
 座敷の展示では、当初は、現在私たちが生花を展示するように、実物の花や植物が展示されたと言われるが、冬の季節にそれらの花や植物が入手できないことや展示できても日持ちがしないことなどから、それに代わるものとして飾り菓子が使われはじめ、発展したと言う。
 この飾り菓子の生砂糖部分は、原料として粉砂糖、寒梅粉(もち粉)を使用し、「練り→着色→伸展→型抜き→模様細工加工→組み合わせ」という工程で製作し、有平糖の部分は、原料として砂糖、水飴を使い、「加熱→冷却→着色→伸展→模様細工加工→組み合わせ」という工程で製作する。また、江戸時代に実際に作られていた生菓子を再現・展示するに当たり、全てが生であることから、毎日展示品を入れ替える形式で運営されていた。
 展示されていた生菓子の中には、「らくがん」、「あこや」、「羊羹」、「椿餅」、「葛餅」、「ふのやき」、「雪餅」、「玉川・夕霧」があり、それぞれの菓子を簡単に紹介すると以下のとおりとなる。
「らくがん」は、現在の落雁と基本的には同じ製法であるが、当時は粉の粒子が大きいため、現在の食感とは異なるようである。
「あこや」は、原料として上新粉、砂糖、水、晒し粉、白砂糖を使い、あこや貝を模した形の餅で、子宝や子孫繁栄を祈念して3月の上巳の節句に食された。
「羊羹」は、現在のような寒天を使用したものではなく、小麦粉を加えて蒸して固めるもの。
「椿餅」は、源氏物語にも出てくる古い餅菓子であり、原料に餅、黒砂糖、水、肉桂、くるみが使用された。
「葛餅」は、葛粉、水、きな粉のみで作られ、砂糖の使用がみられないシンプルなもの。
「ふのやき」は、千利休が好んで茶会に使用した春巻きのような形の菓子で、原料は小麦粉、卵、水が使用されたもの。
「雪餅」は、雪のように白いまるい餅で、上新粉、砂糖、餅粉、水で製造されたもの。
「玉川・夕霧」は、原料として上新粉、晒し餡、砂糖、小麦粉、水が使用され、羊羹と団子で層状にしたもの。
 これらの展示品をみると、和菓子は、やはり茶の湯の強い影響の下に発展してきたような印象を受ける。
 このほかには、和菓子を御所や大名に献上する際や皇女和宮から送られた菓子を運ぶために使用された漆で装飾された美しい容器なども展示されていた。
 なお、当資料館は、現在京都観光のツアー・コースの一つにもなっており、これまでに約8万人の来館者があり、好評を博している。
(注)
1.参考文献; 同資料館「幕末の京菓子展」解説書
2.資料館の概要については、本誌平成11年10月号参照
葛餅
葛餅(写真:京菓子資料館)
ふのやき
ふのやき(写真:京菓子資料館)
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神戸事務所


近畿地域食品表示フォーラムが神戸市で開催

 平成16年11月18日(木)、神戸市において、農林水産省近畿農政局、厚生労働省ほかの主催により、近畿地域食品表示フォーラムが開催された。これは、近年、食の安全・安心への関心が高まる中で、食品表示制度が製造業者・流通業者と消費者にとって食の安全・安心のための制度となり得るかについて考えるために開催されたものである。
 食品の表示については、農林水産省が所管するJAS法に基づく表示基準と厚生労働省が所管する食品衛生法に基づく表示基準があるが、相互の審議を調整する仕組みが存在しなかったことから、両省は平成14年12月に「第1回食品の表示に関する共同会議」を開催、以降1カ月に1回程度同会議を開催しており、消費者にわかりやすい表示基準を示すために一元化ルール策定の検討が行われているところである。
パネリスト
意見交換を行うパネリスト
 フォーラムではまず、順天堂大学医学部教授で現在、食品の表示に関する共同会議座長を務めている丸井英二氏が「食の安全・安心とリスコミュニケーション〜わかりやすく信頼される食品表示に向けての動き〜」と題した基調講演を行い、モノにおける「安全」、人における「安心」、アレルギー食品の表示、外食・中食依存の生活、食品とリスクの関わり、食品表示に関する共同会議の意義や論点などを説明した。
 次に、「食の安全・安心のための食品表示制度」と題してパネルディスカッションが行われ、コーディネーターは基調講演を行った丸井氏、パネリストは神戸市消費者協会会長藤原礼子氏、フジッコ(株) 品質保証部部長石郷岡隆氏、生活協同組合コープ神戸理事伊藤潤子氏、厚生労働省医薬食局食品安全部基準審査課海老名英治氏、農林水産省消費・安全局表示・規格課長水田正和氏が務めた。
 藤原氏は消費者の立場から、「『食の安全性』について消費者が食品の購入時に食品を理解し選択するには、適正な表示が望まれるが、消費者も食品添加物に対して絶えず正しい知識を身につけておくことが食の安全・安心に結びつく」と述べた。
 製造業者である石郷岡氏は、「食品の一括表示の見えない部分には、商品の仕様書、一次・二次・三次原料、アレルギーの有無などさまざまなデータが必要となり、正確な表示を目指すならば、しょうゆに使った大豆の原産地まで表示しなければならず、統一基準を設ける必要がある。味に対する評価表示は、含まれたものが多い順であり、甘味を多くした場合はしょうゆより砂糖を先に表示する」と表示における現状と問題点に言及した。
 流通業者として伊藤氏は、「食品表示は食品を選ぶに当たっての重要な情報源」とし、その上で、表示の内容、方法および正しさについて、製造者が法令を遵守すべきであると指摘した。
 行政からは、「平成14年以降食品表示に違反が続出したため法改正を行い、最大で1億円の罰金を課すほか、違反事実や業者名の公表を行うなど違反に対する罰則の強化に努め、再発防止に努めている」と説明があった。
 最後に、来場者からの質疑応答があり、「『開封後なるべく早めにお召し上がりください』とあるが、開封後何日くらいまで消費できるのか、表示が無いためわからない」という質問に対して、「製造業者としては、開封後の保管状況にまで責任を持たなければならないのかどうか疑問があるが、商品には試験的に5日後と表示されている例もあり、順次充実させて頂きたいと考えている」と回答があった。
 今回のフォーラムで、「食の安心・安全」における正しい食品表示の重要性を改めて認識した。





「砂糖と健康セミナー」が神戸市で開催

 平成16年12月9日(木)、神戸市において砂糖を科学する会の主催する「砂糖と健康セミナー」が開催された。
 同セミナーは既報(本誌地域だより平成16年11月、12月号)のとおり一般消費者50名程度を対象に、今年度全6回の開催が予定されているもので、神戸市での開催は5回目となる。講師には神戸大学名誉教授・賢明女子学院短期大学教授で農学博士の岸原士郎氏と横浜バイオ研究所会長で農学博士の橋本仁氏を迎えて行われた。
岸原氏
講演中の岸原氏
 岸原氏は「糖質とは〜ヒトとの係わり〜」と題し、分子構造、調理上の特長、甘味度、融点などの観点から、砂糖を中心とした糖質の特性を化学的に明らかにすることにより、糖質とヒトとの関係を解説した。講演の要旨として、「砂糖を代表とする糖質のヒトとのかかわりは栄養面のみでなく物性(特性)がいろいろと関与しており、特性には分子中の水酸基が大きく関係している」とのコメントがあった。
 同氏の講演では、分子構造や融点など普段は敬遠されがちな専門的な話題についても、わかりやすい説明がなされた。
 次いで橋本氏は「砂糖と健康」と題し、砂糖に対する誤解および砂糖の効用に関する話題を中心に、砂糖が摂取後に人体とどのようにかかわるかについて解説した。
 砂糖に対する誤解については、主として「砂糖は肥満や糖尿病の直接の原因ではない」ことについて、栄養学や医学的な根拠に基づいて説明し、砂糖そのものは健康に害を及ぼすものではないことを示した。また、砂糖の効用については、砂糖がうつ病の予防と治療に効果があることやアルコール性肝障害の予防に有効であることなど、最近の研究に基づいた話題も織り込みながら、砂糖が健康に果たす役割を紹介した。
 講演後に行われた質疑応答においては、「製品によってグラニュ糖の粒度に差があるのは、結晶構造の違いによるものか」、「国内の砂糖の生産量は消費量全体のどのくらいか」など多方面にわたる質問が出され、参加者の砂糖に対する関心の高さがうかがえた。
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岡山出張所


砂糖を使用した芸術を地方にも
〜岡山でシュガーアートサロン〜

 シュガーアートはシュガークラフトとも呼ばれ、19世紀ヴィクトリア女王時代のイギリスで生まれたケーキデコレーションの技術である。欧米では結婚式はもちろん、婚約記念、結婚記念日、誕生日などあらゆるお祝い事の場面で、シュガーアートのケ−キが登場する。とりわけ3段ウエディングケーキは、一番下の段を結婚式に出席した方々へ切り分けるとともに、中央の段は結婚式に出席できなかった方へ贈り、最上段は結婚記念日まで保存して当時の感動を新たにするという習慣があるほどである。
 日本では、シュガーアートが初めて紹介されたのはわずか20年程前にすぎず、そのため、東京などの大都市圏を除けば知名度は依然として低いと言える。
 岡山市国体町在住の本徳里砂さんは装飾砂糖菓子の芸術を地方にも普及させるため、自宅でシュガーアート教室を開校している。
ウェディングケ−キ
本徳氏の作成した装飾豊かな
3段ウェディングケ−キ
 本徳さんの作品は食品衛生法上の問題もあり、「食べるもの」ではなく「見せるもの」、つまりインテリア・ギフト用としてのものが多い。しかし、素材作りの基本的な技法についてはいずれも変わるものではない。
 自ら購入した1kg袋詰めの粉砂糖を使用して、水あめ、ゼラチン、グリセリンなどを混ぜてケーキをカバーリングするロールドフォンダン、造形に用いるためのシュガーぺースト、粉砂糖と卵白を混ぜて練り上げ、ケーキの仕上げの土台として、ケーキに塗るほか、絞りならびにコーティングに使うロイヤルアイシングという作業を施し、1〜2日かけて作りあげていく。
 ケーキデコレーションは湿気に弱いため、作品にカバーをかけるなどの湿気対策をすれば、年数を経ても、多少の色落ちはあるものの、常温でも溶けることはない。
 シュガーアートは、日本では主婦層の趣味のひとつとしてとらえられることが多く、「コンテスト」「作品展」「芸術祭」などによって紹介される機会があるが、本徳さんの作品も平成16年10月2日(土)〜11日(月)まで開催された倉敷チボリの秋の文化祭(オータムフェステバル)に出品された。  本徳さんは「作者の作風によってそれぞれ色やデザインの違いは当然ありますが、技法を駆使して、新しい創作のためにはアイデアや工夫が必要です」と製作に当たってのポイントを説明した。
 また、日常の講師としての体験から「主婦層の方々は、実用性を重んじるようです。インテリアとして飾っておくだけのものではなく、例えば紅茶、コーヒーを飲むときに使う砂糖を入れるシュガーボックスなどを作りたいようです」と生徒のニーズについても紹介してくれた。
 最後に、「これからはホームぺージを開設し、その中でシュガーアートに似合う、夢があってロマンチックなインテリアや雑貨を提案しながら、岡山にもっと広めていきたい」と、砂糖を使用した芸術への熱い思いと今後の活動への意気込みを語ってくれた。
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福岡事務所


「日韓共同研究福岡会議・公開シンポジウム」が福岡市で開催

 平成16年11月17日(水)、福岡市において、(財)九州地域産業活性化センター、(財)九州経済調査協会及び韓国の研究機関である国土研究院の主催により「日韓共同研究福岡会議・公開シンポジウム」が開催された。
 同シンポジウムは、「日韓海峡経済圏の形成に向けて〜日韓FTAの影響と可能性〜」というテーマで行われたものであり、九州大学大学院教授の鈴木宣弘氏が「日韓FTAの評価と日本の対応」と題した基調講演を行った。同氏の講演要旨は以下のとおりである。

日韓FTA推進の意義
(1) 欧州圏や米州圏の統合の拡大・深化に対する政治・経済的拮抗力としてのAU(Asian Union)形成によるアジア各国の発言力拡大が必要であり、最も経済条件が類似し、GDP規模も大きい日韓両国がFTAを成立させることは、アジアの連携強化をリードする第一歩として、また、両国のアジア、世界における交渉力向上につながる最重要課題である。
(2) 国境をまたがる緊密な地域ビジネス圏が形成されつつある東アジア、特に日韓両国にとってFTA締結による取引費用の低減は大きな相互利益である。

日本農業とFTA
(1) 日本は欧米諸国以上に国内の価格支持政策に決別し、国境の平均関税も12%と低く、自給率40%(海外依存度60%)の世界に冠たる農業保護削減国である。品目によっては国内の価格支持もなく関税も低いにもかかわらず大きな内外価格差が存在するのは、保護の結果ではなく、品質向上努力による「国産プレミアム」などであり、生産者の努力の結果と言える。
(2) 農産物の平均関税率は12%と低水準で、かつ、高関税品目の数は農産物全体の約10%に限られるため、大半の野菜の3%に象徴される低関税品目をFTAに含めるならば、先に締結された日本とメキシコとのFTAの実績にも示されているように、多くの農産物を含んだFTAが可能である。
(3) 約10%の高関税品目は、国家安全保障、地域社会存続などからの最重要(センシティブ)品目であり、そうした品目は各国とも存在するため、WTOでも例外化が合意され、各国の既存のFTAでも例外化されているが、データに基づく説明とオープンな議論を通じて国民や相手国に各品目の重要性を理解してもらう必要がある。
(4) 水産物については資源管理の観点からもIQ(輸入数量割当)が残されており、IQ制度を前提として、可能な輸入アクセス改善策を議論するのが現実的な選択肢ではないか。

非関税障壁に対する認識の違い
 中国産との比較で、平成16年1月、福岡市のあるスーパーでは、ねぎ一束(3本)が大分産158円、中国産100円で販売されていた。これを大分産の158円のねぎに対して中国産ねぎが58円安いとき、日本の消費者はどちらを買っても同等と判断しているというふうに解釈すると、この58円ないし比率で58%が大分産ねぎの「国産プレミアム」であり、非関税障壁とは呼べないのではないか。

海外市場に目を向ける
(1) 競争のないところに発展はないので、中小企業や農家の努力に期待する。「国産プレミアム」の強化は、輸入に対する防御的な効果のみならず、海外からの安さで奪われる市場は、海外における高品質を求める市場を開拓することで埋め合わせるという一種の「棲み分け」につながる。製造業も農業も基本的考え方は同じである。これは日本が高品質で韓国が安さという意味ではなく、双方が高付加価値と低コスト化の両面で、拡大した市場で発展的な競争を行うことが成長につながると認識する。
(2) 日本農業からみた韓国市場
 日韓の貿易品目でみると、韓国側の農産物の平均関税は84%と日本の11%を大きく上回っており、韓国の高関税が撤廃されれば、地域的特色がある農産物には輸出が期待できるものもある。仮にコメが日韓FTAに組み込まれた場合、日本の高品質米の輸出がむしろ見込まれるとの見方もある。また贈答文化が根強い韓国では、高級な果物は需要がある。贈答用果物1セットの平均価格は、日本より韓国の方が割高である。韓国側も日本の過度の検疫が緩和されれば、なし、りんごの日本への輸出が拡大できると指摘しており、日韓双方がお互いに自国にとって有利となるケースもある。生乳についても、韓国から九州への輸出、北海道からソウルへの輸出といった可能性もある。
 耕種作物の生産費は韓国が日本の半分から1/3、畜産物は日本の6割程度の低さで、生産費からみると韓国の有利は明らかだが、日本産の多くの野菜はすでに3%程度の関税でも「国産プレミアム」で奮闘している。食料品の小売価格は福岡とソウルを比べると、むしろソウルの方が高いとのデータもあり、流通経費節約で日本産品にも韓国への輸出の道が開ける可能性がある。

歴史を乗り越えた「心と心」の対話
 韓国国内において、日本とのFTAは両国の共通市場化を目指し、両国商品の交易は国家間の輸出入というより、産地間競争の範囲の拡大という捉え方も存在している。
 日韓FTAの締結、Asian Union実現のためには、歴史を乗り越えた両国国民の歩み寄り、双方への思いやりが必要であり、両国の感情的わだかまりを超越した「未来志向」の結びつき強化が不可欠である。





第3回九州地産地消推進シンポジウムの開催

会場の様子
会場の様子
 平成16年12月2日(木)、熊本市において、昨年に引き続き九州農政局との共催により、第3回九州地産地消推進シンポジウムが開催された。これは、近年九州各地で生産者と消費者の顔の見える関係の構築、農畜産物の情報発信および農畜産業と観光産業の連携による地域活性化など多様な取り組みを紹介し、関係者の一層の連携や地産地消運動のさらなる展開を図ることを目的としたもので、九州各県の生産者、消費者、流通業者、行政関係者など約300人が参加した。
 当日は、基調講演とパネルディスカッションの2部構成で行われ、前半の基調講演では「九州のムラ」編集長の養父信夫氏と大分県大山町農林振興課長の黒川今朝光氏を講師に招き、講演が行われた。
 また、後半のパネルディスカッションでは、九州大学大学院助教授の福田晋氏をコーディネーターとして、鹿児島県経済連有川唱次安心安全システム推進事務局長、キリンビール(株)斎藤信二九州地区本部長、熊本消費者協会坂口真理副会長、由布院観光総合事務所米田誠司事務局長の4氏に加え、養父氏と黒川氏が参加して行われた。
 以下、概要を紹介する。

基調講演の概要
 養父氏は、生産者が生産方法にこだわって手間をかけて作った作物が価値に見合う適正価格で販売することは容易でないため、安心・安全など商品には見えない価値を消費者にアピールしていくことが大切だと説明した。その実例として、ムラの生産者が丹精込めて作った安心・安全で新鮮な食材をマチに暮らす人々に提供するために、福岡市に「九州のムラ市場」を開設し、生産農家が直接購入する人と会話を交わし、顔の見える関係を作りながらさまざまな情報を消費者に伝えることにより、生産物の価値を高めていることなどを紹介した。
 次に黒川氏から、NPC運動による自立自助の町づくりにより農家所得が向上した大山町では、バブル崩壊後の農家収入が減少したものの、その要因が農畜産物の流通販売コストに起因していたことから、これまで以上の収入を得る方策として、グリーンツーリズムの先駆けとして消費者を大山町に招き、生産物を消費者に直接安価で販売することとしたことなどを紹介した。

パネルディスカッションの概要
 まず福田氏から、既存の流通に対する反省から自らのマーケットへ進出しようとしている生産者がみられることや生産者サイドと消費者サイド間の流通媒介プロセスが複雑化しているため、農と食の距離が拡がり、顔が見えにくくなっていることなどの状況説明があった。
 続いてパネリストから、各県ごとにテーマ食材を決め、各県JA・新聞社などと協力し、ビールにあうアイデア料理コンテストやレシピ集の配布などの活動を展開し、生産者と消費者をつなぐ地産地消活動の応援や、西郷(隆盛)マーク認証制度による地元産の安全な農産物の提供を行っているなどの報告があった。
 最後に、生産者自らマーケットへ進出する場合(直売場など)、サービス業や食品産業と同じような競争をするのではなく、地域の風土や文化に根ざして独自理念を持つことが重要なことであることや、食に対する消費者の意識が向上すれば、消費者と産地の連携につながることなどの説明が行われた。
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平成16/17年期における沖縄県の各社製糖工場の操業開始予定について

 平成16年度の沖縄県における甘しゃ糖の各製糖工場の操業開始は、JA沖縄伊江支店製糖工場が平成15年産限りで操業を中止したため9社10工場で、平成16年12月20日(月)から来年4月にかけて製糖が行われる見込みとなった。
 各製糖工場の操業予定(別表参照)は、年明け1月中旬以降順次開始され、一部の工場を除き3月末には製糖終了見込みとなっている。
 今年の台風は、農産物以外にも日本全国に多くの被害をもたらしたが、沖縄県においても例年に比べて多くの台風が上陸したこともあり、株出しの折損被害や葉変裂傷、塩害など台風被害の影響による登熟の遅れなどが心配されている。日本分蜜糖工業会によると平成16年11月16日現在のさとうきび生産量は、71万8千トンと昨年に比べて8%程度の減少見込みとなっている。
 このため、登熟を待ってから操業時期を開始したい意向もあって、例年より操業開始予定が遅れている。
 一方、今期は翔南製糖(株) が34年ぶりに年内操業を行うこととしている。
 同社は、従来の品種構成から早熟性品種を中心とした構成への切替に取り組んできており、収穫サイクルの早期化による適期肥培管理などを行うことにより、単収の向上は可能だとしている。また同社では、「歩留り低下のリスクはあるものの、製糖開始時期を早めることにより、将来的に単収アップにつながるのではないか」と期待している。
 また、沖縄のさとうきびの生産は、台風などの天候に左右される厳しい環境にさらされている中で、さとうきびの生産振興を図るためには、機械化の促進をはじめ、土づくり、病虫害防除、優良品種の開発・普及、栽培体系の改善などの総合的な推進が必要であるとの観点から、昨年沖縄総合事務局が中心となって県、各地域の市町村や農業試験場、糖業振興協会などで立ち上げた「さとうきび生産性向上対策検討会」の設置など関係者が一体となって増産への取り組みが行われており、今後の具体的な取り組みによる単収向上の期待が高まっている。

製糖会社名(工場名) 製糖開始日 製糖終了日(予定)
球陽製糖 H17.1.13 H17.3.24
翔南製糖 H16.12.24 H17.3.21
JAおきなわ伊是名支店 H17.1.10 H17.3.19
久米島製糖 H17.1.27 H17.4.1
大東糖業 H17.1.21 H17.4.4
北大東製糖 H17.2.2 H17.3.13
沖縄製糖 H17.1.19 H17.3.18
宮古製糖 城辺工場 H17.1.19 H17.3.19
伊良部工場 H17.1.11 H17.3.31
石垣島製糖 H16.12.20 H17.4.4

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