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地域だより[2005年2月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2005年2月]

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横浜事務所


食品に関するリスクコミュニケーション
(輸入食品の安全性確保に関する意見交換会)が横浜市で開催

 平成16年12月3日(金)、横浜市において、厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課の主催により、食品に関するリスクコミュニケーション(輸入食品の安全性確保に関する意見交換会)が開催された。
 これは、検疫所で行われている輸入食品などに対するモニタリング検査を義務付けている輸入食品監視指導計画が、食品衛生法に基づき毎年度策定することとされており、その策定に当たり趣旨および内容などを公表し、かつ広く国民からの意見を求めることとされていることから、同計画を含む輸入食品の安全性に関する施策について、消費者、事業者および専門家などの関係者が理解を深めるとともに意見交換を行うことを目的としたものである。
 当日は、[1] 横浜検疫所による輸入食品監視の現状、[2] 厚生労働省食品安全部による輸入食品監視指導計画(案)の発表、[3] 輸入冷凍野菜品質安全協議会による輸入冷凍野菜の農薬管理の事例発表、[4] 西島基弘実践女子大学教授を講師に迎え、「食品中の化学物質に関わる安全性について」をテーマとする基調講演が行われた。
 基調講演では、輸入食品の食品添加物違反問題のほかに化学物質の安全性についても言及し、食品には必ずといっていいほど食品添加物が使用されているため完全に無毒の食品は存在せず、毒物といわれるものでも微量であれば問題ないことや添加物などにおける一日の摂取許容量ADI(Acceptable Daily Intake)(注)についての説明があった。
 また、食品添加物および残留農薬における今後の課題として、[1] 親はテレビや新聞などを通じて子どもに正しい知識を教えること [2] 企業はコマーシャルに責任を持つこと [3] 行政は正確な情報をわかりやすい言葉で迅速に伝えることなどを挙げた。
 その後、行われたパネルディスカッションでは、行政、消費者、事業者などそれぞれの代表がパネリストとして参加し、参加者から行政の施策や輸入食品の安全性、違法性の確保手段の一つとして、検疫所におけるモニタリング検査の信頼性(検体採取量、検体数)ならびに通関後の自主検査および自治体検査による違反数の増加について質問があった。これに対し、モニタリング検査の検体数については、FAO/WHOの食品規格計画の分析サンプル部会において示された手法(食品群ごとに95%の信頼度で違反率が1%以下であることが確認できる検体数)を基本として、食品群ごとの過去の違反率、輸入件数、重量、違反内容の重要度を勘案して実施されている。また、輸入時の検査において違反が検出されず、国内で違反が発見された場合には、検体数を増加させる以外には必要に応じて食品衛生監視員が現場検査を実施し、食品衛生上問題ないことを確認しているとの回答があった。
 さらに、海外の食品安全の規制・基準などに関する情報提供サイト(国内/国外)において、コーデックス、EU、FDAなどのウェブサイトの紹介も行われた。
(注) 学問的知見に基づき、実験動物による各種毒性試験を通じて、人間の場合通常1/100の安全係数を乗じて基準値が算出されることとなっている。その基準値は年齢、体重、健康状態などを考慮して、それぞれ定められており、一日の摂取許容量の範囲内であれば全く問題ないとされている。
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名古屋事務所


自然が生み出す甘さ・砂糖と異性化糖の紹介
〜東海農政局消費者の部屋〜

 東海農政局では消費者と農林水産行政、さらに消費者と農業生産者、食品産業との交流を図るため「消費者の部屋」を設置し、農業、農政、食生活、食料品、食品表示などについての情報を提供しているほか、消費者からの相談や問い合わせに答えている。特に展示コーナーでは毎月テーマを変えて、パネル、パンフレットなどにより話題性のある展示を行っている。
 平成16年12月6日(月)〜22日(水)までの間、「甘味を正しく理解していますか〜自然が生み出す甘さ・砂糖と異性化糖の紹介〜」と題した展示が開催され、当機構からパネル、パンフレットなどを提供した。同展への出展は、今年で8回目を迎えた。
 展示内容は消費者に砂糖や糖化製品を身近に感じてもらおうと、砂糖の生産工程、砂糖と健康をテーマにしたパネルやてん菜・さとうきびの模型の展示、砂糖や異性化糖を紹介したパンフレットや東海地方の精製糖企業・異性化糖企業の会社案内の配布、異性化糖を使用した加工食品サンプルの展示や試供品の配布など、関係者の協力を得ながら行った。
 来場者からは、砂糖のパンフレットの内容が分かりやすいという声が多く、特に砂糖と健康の関係について興味を持った人が多かったようである。また、糖化製品が広く食品全般に使われていることをはじめて知った人が多かった。また、糖化製品を利用したサンプルの配布も来場者に好評であった。





食育セミナー〜食と健康、心を探る〜が名古屋市で開催

 平成16年12月11日(土)、名古屋市において、当機構は東海農政局との共催により「食育セミナー〜食と健康、心を探る〜」を開催した。これは、ライフスタイルの変化や食に対する理解不足などによって食生活が変化し、生活習慣病が増加している現状や、食行動の乱れや家族団らんで食事する機会の減少が子どもたちの精神面に影響を及ぼすとの指摘などを踏まえ、生産者、事業者、栄養士、教育関係者、消費者など食育に関わりのある関係者の参集を得て、それぞれの立場から意見交換を行い、食のあり方について考えることを目的に開催されたものである。

パネルディスカッションの様子
 同セミナーは分科会形式で行われ、第1分科会では「食と健康」、第2分科会では「食と心」をそれぞれテーマにパネルディスカッションが行われるとともに、参加者との質疑応答も行われた。
 第1分科会では、コーディネーターに岐阜女子大学教授小川宣子氏を迎え、パネリストに管理栄養士種子田雅子氏、郡上市職員中嶋恵里子氏、森田農園森田英治氏、ユニー(株)加納秀郷氏、消費者代表として深見沙織氏が務め、[1] 旬のものを美味しく食べることの大切さ [2] 食を通した健康の大切さを若い人に訴えるには、メディアを活用することが有効であること [3] 地域に根ざした伝統ある食文化を伝えていくことの必要性 [4] 食品の素性を確実なものとするためには、地産地消も有効な手段であるなどの意見が出された。
 第2分科会では、コーディネーターに愛知教育大学教授中野靖彦氏を迎え、パネリストに愛知教育大学教授佐藤和子氏、管理栄養士香川千秋氏、大東牧場森京子氏、農業体験者代表として祖父江美陽氏が務め、 [1] 家族そろって食事を摂ることにより心の満足度が高くなり、会話があることでさらに高い満足度を得られること [2] 朝食を摂っていない保育園児が多いといった保育園勤務を通じた実態の紹介 [3] 酪農体験者がその体験を通じて食事の大切さや食と心は一体であることをあらためて痛感したという実例の紹介など食と心の関係について意見が出された。
 参加者との意見交換では、第1分科会においては、食育を推進するためには関係者による連携の強化を図り、総合的に取り組んでいく必要があるとの意見が出され、第2分科会においては、「母親が食事を作らないことで子どもが食事を摂れない場合の指導はどのように行ったらよいか」、「中高生のダイエットに対しバランスのとれた食生活を浸透させる方法」などについて質問などが出された。これに対し「学校などで子どもでもつくれる簡単な食事を指導していること」や「ダイエットによる骨密度の低下が、身体に好ましくない影響を与えることについて理解してもらうように努めている」との回答があった。
 最後に、食を通した心と体の健康について、各人が日常生活の中でできるところから実践していく必要性を参加者全員が確認し合い、同セミナーを終えた。
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大阪事務所


「砂糖シンポジウム」〜砂糖は笑顔のエネルギー〜が大阪市で開催

 平成16年12月10日(金)、社団法人糖業協会、精糖工業会および砂糖を科学する会の主催によるシンポジウムが札幌市、福岡市に続き大阪市で開催された。
 今回のシンポジウムでは、肥満はもちろんのこと、心臓病や脳卒中といった病気にはコレステロールが大きく関係していることや、脳のエネルギーはブドウ糖だけなので、正しい砂糖摂取の知識を得て脳が十分な働きをするためにはどのような要素が大切なのかをテーマに行われた。
 前半は帝京大学医学部の寺本民雄氏が「コレステロールと心臓病・脳卒中」と題した講演を行った。心筋梗塞や狭心症などの病気がわが国でも増えてきている。寺本氏は [1] 本来、コレステロールは栄養素であるが、その種類(LDL,HDL)によりほかの病気を併発する可能性があり、いわゆる悪玉と考えられているLDLコレステロール値の高い人は十分注意を払う必要があること [2] 薬によりコレステロール値を下げることも可能であるが、最初は食事量を調節することにより下げるべきである [3] 脳卒中は従来、高血圧が原因と考えられており塩分の摂取を控えることにより劇的に発症率は減少したものの、昨今はコレステロール値の高い人や糖尿病の人が発症する頻度が高くなっていることなどを指摘した。
 また、肥満や心筋梗塞などの予防方法について、食事のバランスを考えることや適度な運動を行うことなどの説明があった。通常人間にとって総エネルギーの脂質摂取割合は25%が妥当と考えられるが、最近の若い人たちは約27%であることから、食生活を一度見直してみてはどうかなど具体的な提案があった。
 後半は、埼玉医科大学の野村正彦氏が「あなたの脳はお砂糖をほしがっています」と題した講演を行った。体重に占める脳の重量は約2%であるが、脳に流れる血流量は約15%、酸素使用量は約20%であることについて言及した。また、脳の役割としてモノを覚えること、判断すること、自律神経の働きを司ることを紹介した上で、脳のエネルギー源はブドウ糖だけなので、ブドウ糖に近い形である砂糖の適切な摂取と頭を積極的に働かせることがボケの防止にもつながると説明した。
 最後に質疑応答が行われ、砂糖の適切な摂取量とBMIの適正値について質問があった。これに対し、砂糖を化学する会副代表の橋本仁氏から、「砂糖はごはんやそばと同じ炭水化物であり、カロリーはそれらと同じで1g当たり4kcalである。また、われわれの実験によると、砂糖は調味料であることから一度に摂取できる量はせいぜい70〜80gであることがわかった。従って1日の摂取カロリーに影響を及ぼすほど摂取することはできないと考えられるため、遠慮せず料理やお菓子作りなどに使用しても構わない。また、BMIの適正値は21〜24の間となっており、この範囲内で調整することが体にとってよいことである」との回答があった。

講演中の寺本氏

会場の様子
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「南大東島におけるハリガネムシ防除に関する研究」が
第26回沖縄県研究奨励賞を受賞

 平成16年12月10日(金)、財団法人沖縄協会が第26回沖縄研究奨励賞を発表し、自然科学部門でさとうきび害虫研究グループ(代表=県農業試験場さとうきび害虫研究室長新垣則雄氏)が、「南大東島における交信かく乱法によるハリガネムシ防除に関する研究」で沖縄研究奨励賞を受賞した。
 同賞は、沖縄の地域振興および学術振興に貢献する人材の発掘ならびに育成を目的に創設されたものである。
 今回受賞したさとうきび害虫研究グループの「南大東島における交信かく乱法によるハリガネムシ防除に関する研究」は、当機構の助成事業「さとうきび栽培技術高度化事業」を活用し、沖縄県農業協同組合南大東支店が実施主体となり、南大東島において実証事業として行っているものである。大規模な交信かく乱法によるハリガネムシ防除の実証研究は、世界でも初の試みであり、「農薬を使用しない害虫防除法として、新たな活路を開く世界に通用する技術」として高く評価された。
 沖縄本島から360キロ南東に位置し、東西5.78km、南北6.54km、面積3,057haの珊瑚礁の隆起によりでき、周囲を断崖に囲まれた人口約1,400人の小さな島である南大東島は、「砂糖の島」と呼ばれるほどさとうきび栽培と製糖業が島唯一の産業であるとともに、島の基幹産業として重要な役割を担っている。
 そのため、さとうきび農業の維持発展を島の重点的施策としてハリガネムシ防除に取り組んでいる。
 ハリガネムシによる被害は、ハリガネムシ(かんしゃくコメツキ)の幼虫が、さとうきび地下部の芽や芽の成長点を好んで食害するため、さとうきび苗の不発芽、欠株、株出し不萌芽の原因になっている。株出し不萌芽は、植え替えによる更新が余儀なくされるばかりではなく、耕起、植え付けに係る労力、苗に対する投資、株出し回数の減少による農家収入の減少をもたらすことになる。また、同島では年間の農薬代の65%がハリガネムシの防除薬代に当てられている。
 防除に係る農薬の大量散布は、環境への影響なども危惧されていることから、「性フェロモンを利用した環境に優しい交信かく乱法により防除ができないか」と2001年より県農業試験場さとうきび害虫研究室が中心となり、実証研究を行ってきたものである。
 同島では、フェロモンチューブをさとうきび畑と保安林に合計110万本設置し、島外周のススキ原野には40万本のフェロモンチューブをヘリコプターで散布している。この結果、ハリガネムシの減少により萌芽率が向上し、株出し面積の増加(平年の1.5倍)につながっている。しかし、ハリガネムシの発生源である島外周のススキ原においては海風が絶えず吹き込むため、フェロモンが滞留しにくく、交信かく乱効果が中央部ほどみられない。
 このため、今後は「不妊虫放飼法」との組合せによる新たな防除法で根絶を図る計画であり、環境に優しいさとうきび作りを目指している同島にとって、交信かく乱法によるハリガネムシ防除によって着実に成果が上がっている。
 研究奨励賞贈呈式および受賞記念講演は、沖縄市において平成17年1月20日(木)に行われる予定となっている。

<交信かく乱法>
 「交信かく乱法」 とは、雌が放出する性フェロモンと同じ匂い物質を大量かつ継続的に空気中に放出し、性フェロモンを頼りに雌を探す雄の行動を邪魔し、交尾をできなくすることにより虫の数を減らそうというものである。交信かく乱に使用される性フェロモンは、それを一定量徐々に放出するように工夫された細いチューブ(フェロモンチューブ)に液体状で封入されている(写真1)。交信かく乱にはチューブを支える支柱だけあれば十分であり、トラップや取り付け用具などの資材を必要としない(写真2)。広い面積を処理するには簡便で、かつ防除効果も高いと期待される。現在、性フェロモンの害虫防除への応用については、交信かく乱法が世界的な主流となっている。

フェロモンチューブ

チューブの設置
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