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地域だより[2005年3月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2005年3月]

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平成16年産てん菜の生産と受渡し実績

 平成16年産の収穫は、昨年の9月末から11月中旬まで行われ、工場受入については12月31日に終了した。各工場では、集積・貯蔵された原料を、それぞれの操業状況に合わせて順次原料を搬入・製糖される予定となっている。
 今年産は、9月上旬の台風の影響により、一部のほ場で被害があったが、1ヘクタール当たりの平均収量は68.48トンで、過去最高であった平成14年産の61.60トンを大きく上回り、昨年に引き続き高水準となった。また、平均糖分は17.2%となり、高糖分であった過去3年実績を下回ったものの、糖分取引制度が開始された昭和61年産以降では、ほぼ平均値となった。
その要因としては、[1] 一部の生産地域を除いて、移植作業が平年並みに始まったものの、6月の好天により、生産各地において初期生育が順調であったこと [2] 事前に農家による適切な防除および生育期間を通じて乾燥状態が続いたことにより、褐斑病、葉腐病、根腐病など病害の発生が少なく、健全な根の育成につながったこと [3] 7月下旬から8月上旬に生産各地において猛暑気味の高温が続いたものの、十勝などの主要産地では夜の気温が比較的低かったことから減収要因とはならなかったことなどが挙げられる。
てん菜の平均糖分および単収
平成16年産てん菜の生産と受渡し実績

資料:(社)北海道てん菜協会





「顔の見える関係づくり・食を考える懇談会」が札幌市で開催

 平成17年1月26日(水)、札幌市において、一般消費者を対象に、農林水産省北海道農政事務所および当機構の共催により「顔の見える関係づくり・食を考える懇談会」が開催された。これは、農林水産省が毎年1月を「食を考える月間」として行っている取り組みの一環として行われたものであり、当日は、「北海道食の自給ネットワーク」事務局長の大熊久美子氏による「生産者とともに作る安心な『食』」をテーマとした講演が行われた後、参加者との懇談会が行われた。
 ここでは講演の概要を紹介する。
 大熊氏は、地産地消運動を通じて [1] 家庭食の崩壊によりもたらされる学校給食現場の現状 [2] その結果、子どもたちにもたらされる不定愁訴(ふていしゅうそ)(注)および生活習慣病などの心身への影響について説明した。また、不定愁訴の原因については、食に関する割合が占めていると指摘する専門家もいることを紹介した。具体的な例としては、[1] 飲料やスナック菓子を多く摂取する若者に前頭葉の萎縮がみられる報告があること [2] 小学生の間でもダイエットブームがあり、食をないがしろにした結果、妊娠傷害などを引き起こすなどの症例があること [3] 食べ盛りの高校生が弁当の代わりにサプリメントを摂取していることなどを挙げ、現代の食における状況が崩壊危機にあると警鐘を鳴らした。また、札幌市内における7つの小学校の5・6年生男子456名、女子427名を対象に、市内の栄養士と医師によるアンケート調査結果も紹介した。
 次いで、BSE、雪印の食中毒事件や偽装表示の事件をきっかけとして、消費者の利益を確保するために確立されたトレーサビリティ制度の経緯について説明があった。大熊氏は、同制度が確立された契機となった一連の事件の責任について、消費者の低価格を求める消費者にもその一端があるとし、それによって、製造メーカーなどは低価格を実現させるために低コストを追求し、本来最も重視すべき「食の安全・安心」に対する管理体制がおろそかになったと指摘した。その上で、消費者が安全かつ安心なものを製造メーカーや流通業者に求めるのであれば、消費者自身も、優良な生産者および製造メーカーに対し、コストを負担するだけの覚悟が必要ではないかと強調した。
 さらに、「食育の場としての農業」が最近重視されるようになってきたことを取り上げ、その実例として、修学旅行や総合学習の時間における農作業体験や、農協、JAの青年部の方が学校まで出向いて農業のことについて話すなど教育としての食育を通じて実際農業を体感してもらうことは大変意義深いことであると説明した。特に北海道は、第一次産業の農業が基幹産業であり、かつフィールドに恵まれていることから、農業が食育の場として活用されることを期待するとした。一方、農業生産者にも将来のある子どもたちへ、そのような機会の提供や食育の場への積極的な参加を求めた。
(注)身体がだるい、朝から眠い、目が疲れる、横になって休みたい、夜眠れない、考えがまとまらない、いらいらする、大声で暴れるなどの症状を意味する。
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食と農を考える埼玉フォーラムがさいたま市で開催

 平成16年1月22日(土)、さいたま市において埼玉の食と農をテーマに「食と農を考える埼玉フォーラム」(主催:埼玉県、農林水産省関東農政局、食を考える国民会議ほか)が開催された。これは、毎年1月の「食を考える月間」に併せて、広く一般消費者の方々に食生活や食と農のあり方について考えてもらうために開催されたものである。会場では、埼玉の農業の紹介、農産物の展示、食と農に関する情報を提供する「埼玉の食と農のフェア」の開催や「食と農を考える」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの模様
 パネルディスカッションは、NHK解説委員で番組「たべもの新世紀」のキャスターでも知られる合瀬(おおせ)宏毅氏をコーディネーターに迎え、東京農業大学学長の進士五十八(しんじいそや)氏、埼玉新聞社編集局長の野口晴久氏、さいたま市緑区で農業・農村体験「かあちゃん塾」を主宰する萩原さとみ氏、JAいるま野営農部長の渡辺隆夫氏がパネリストを務め、「都市に住む人達の農業体験」、「食育」、「埼玉の地産地消」、「農業の果たす役割」などを話題に、幅広い視点から活発な意見が交わされた。
 進士氏は「人間は近代化を進めて便利な生活を手に入れたが、都市が生きていけるのは広大な土地と農業生産があるためと考えられる。都市に住む人々がもっと農業のことを考えなければならない。また、農業は経済価値だけで計れるものではなく、農業の多面的機能が果たす役割を評価して、国民が農業にかかわり、農業をサポートすることが大切である」と参加者へ農業に対する理解を求めた。野口氏は「生産者も消費者も誤解がないように互いにもっと知り合うこと、出会う機会を求める努力が必要ではないか」と述べ、萩原氏は「子どもと一緒に親も農業について学ぶことにより、食に対する考え方が変わるはず」と食文化の継承の大切さと日本型食生活の見直しを訴えた。渡辺氏は「農業は産地間競争から消費者を意識したものに変わってきており、今後は消費者との繋がり、いわゆるパイプ作りが課題となっている。地産地消は安くて新鮮なものが買えるだけではなく、それを通して地元の農業生産に対する認識が深まるようにわれわれからも消費者に働きかけたい」と地産地消運動を積極的に推進していく考えを明らかにした。最後にコーディネーターの合瀬氏は「美しい自然、美しい景観は公共の財産であり、それは、元気な農業つまり農家があって成り立つものであると考えている。都市と農村は互いの価値を認めあいながら、豊かな暮らしを作っていくことが求められている」と締めくくった。
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横浜事務所


「消費生活一日教室」が横浜市で開催
〜トレーサビリティで築く食の安全・安心システム〜

 平成17年1月27日(木)、横浜市において、横浜市消費生活総合センターおよび当事務所の共催による消費生活一日教室を開催した。
 これは、「食の安全・安心の取り組み」において、特に1月は農水省にあっては「食を考える月間」として「食」に関するフォーラムやフェアの開催などとさまざまな情報の受発信を行っており、機構としてもこの取り組みに参加し、消費者の関心が深いテーマを取り上げ、先進的な事例を紹介し、理解を深めてもらうために開催した。
 当日は、農林水産省消費・安全局消費・安全対策課企画官の中村啓一氏を講師に迎え、「トレーサビリティで築く食の安全・安心システム―安全な食材を目指して〜農畜産物の素顔を見る〜―」と題した講演が行われた後、参加者との意見交換が行われた。
 中村氏は、現在のトレーサビリティシステムの導入事例として次の3点を挙げた。
(1)  みやぎ生協生産データ検索システムにおいて、「かき」について生協各店頭でタッチパネルを利用して消費者に情報提供を行っている。これにより取扱金額が対前年度(2002年度)比約2%増となるとともに、生協で扱っている商品への安心感、ひいては生協に対する信頼性の向上につながったと考えられている。
(2)  日本卵業協会による鶏卵のトレーサビリティシステムにおいて、パック工程の中で卵殻に識別コードおよび賞味期限を印字している。日本卵業協会のホームページで識別コードを入力すると、鶏卵の情報、生産・パッケージセンター、販売など各事業者の情報を確認することができるため、鶏卵に関する消費者の関心が高まる中、商品に対する信頼性および安心感の向上につながったと考えられている。
(3)  T-EngineフォーラムによるICタグを使用した野菜(キャベツ、大根)のトレーサビリティシステムにおいて、ICカードの情報を内蔵のラベルに記録させることによって、消費者は店頭端末で生産流通履歴を確認できるとともに、ホームページを通じて生産者のメッセージを聞くことが可能となる。ICタグは、端末情報機器の普及に伴いユビキタス(注1)社会における情報媒体の主流になることが予想されており、トレーサビリティシステムへの活用が期待されている。
 また、農水省では、平成17年度新規予算においてユビキタス食の安全・安心システム開発・導入事業が検討されており、本事業は、ユビキタスコンピューティング(注2)技術などの情報処理技術を活用することにより、[1] 農薬をはじめとする生産資材の適正使用の徹底などによるリスク管理の強化 [2] 電子タグの活用などによる生産・流通の合理化 [3] 消費者へ提供する安全・安心情報の高度化 [4] 消費者から生産者などへの情報のフィードバックを図ることにより、農林水産物・食品のトレーサビリティシステムの普及の推進を目的としているとの説明があった。
 講演後の質問・意見交換では、参加者から「食品の表示などに不正があったときのために厳しい罰金または罰則を設けてほしい」という要望が出された。これに対し、「以前違法行為があった場合注意しても守らない場合に、企業名を公表していたが、現在は偽装表示が確認された時点で企業名が公表され、社会的制裁を受けることとなる。実際に、法人は1億円以下の罰金、個人には1年以下の懲役など罰則も厳しくなっている。」との回答があった。
 また、「ユビキタス社会になったときにICタグなどがペースメーカーをつけている人に影響はないのか」という質問があった。これに対し、「今後の課題として、健康面だけでなく、この商品はどこの店で、いくらで買ったかということもわかるなどプライバシーの問題も生じる可能性があるのでさまざまな観点からの検討も必要である」との回答があった。
(注1) ラテン語で「いたるところに存在する」という意味。
(注2) 1988年に米国ゼロックスのマーク・ワイザー(Mark Weiser)氏が提唱した概念。
高度な情報処理能力を有した機器、すなわちコンピュータをどこにいても活用できること。このことから、いつでも欲しい情報が得られる「高度情報通信社会の理想」を実現するためのツールとして考えられている。
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「砂糖と健康セミナー」が三重県津市で開催

 平成17年2月1日(火)、三重県津市において砂糖を科学する会の主催により「砂糖と健康セミナー」が開催された。
 同セミナーは、平成16年9月に神戸市で開催されたセミナーに引き続き今年度第4回目である。当日は、横浜国際バイオ研究所前会長で農学博士の橋本仁氏を講師に迎えて行われた。
 橋本氏は、砂糖が健康に関わる働きについて、[1] 脳のエネルギー源はブドウ糖だけであることから、ブドウ糖と果糖でできている砂糖が脳のエネルギー補給に一番適しており、人間は1日に120グラムのブドウ糖を必要としていること [2] 最近は一般的に砂糖だけでなく甘いものを控える傾向にあるが、脳の老化防止、うつ病の防止などの観点からも上手に砂糖や甘いものを摂る必要があること [3] 甘いものを食べるとほっとしたり、癒される効果があり、精神的にも甘いものを摂ることは有効であることなど医学的、精神的観点から説明を行った。
 さらに砂糖に関する健康上の誤解については、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れることによって、肥満・糖尿病といったさまざまな問題が起きるのであり、砂糖の摂取が直接の原因ではないことをわかりやすく説明した。
 講演後に行われた質疑応答では、「砂糖とブドウ糖の違いについて教えてほしい」という質問に対し、「脳のエネルギー源はブドウ糖なのでブドウ糖だけを摂ればいいように思われがちであるが、ブドウ糖は健康食品売り場などにしか置かれておらず、価格も高い。一方、砂糖はブドウ糖と果糖が結合したものであり、摂取すると体内でブドウ糖と果糖に分解されるので、ブドウ糖を摂取することと同じである。また、砂糖はスーパーやコンビニエンスストアなど購入しやすいなどのメリットがある」との回答があった。





「食に関する勉強会」が一宮市で開催

 平成17年2月8日(火)、愛知県一宮市内において、当事務所は、愛知県消費者協会尾北支部との共催により「食に関する勉強会〜おいしく食べたい〜」を開催した。この勉強会は、食に関する理解を深めてもらうために開催したものである。当日は、講師に愛知教育大学教授西村敬子氏を迎え、愛知県消費者協会尾北支部会員を中心とした消費者が参加した。
 西村氏は、人はおいしいと感じるときに味付けや素材の質が大きなウェイトを占める傾向にあるとしたものの、同じ味付けでも体調や心理状態によってはおいしく感じないときがあるなど、心と味は深くかかわっていることを説明した。また、食べておいしいと感じるものは、体がその食べ物を必要としているためであり、おいしいと感じることは、心にも栄養を与えることにつながると説明された。さらに、現代の子どもたちは、さまざまな食材に出会う機会が減ってきていることから、食べたことがない食材を食べず嫌いになってしまうことが多く、食に対する経験が必要であるとした。
 その後、講師が持参したお菓子(卵ボーロ、ハイチュウ、グミ)やかんきつ類(グレープフルーツ、スイーティー)を実際に参加者全員に食べてもらい、歯でよくかむことにより、そしゃく音や食べ物の硬さ、香りを感じ、それらがおいしさと関係していることや黄色いグレープフルーツと青いスイーティーでは、視覚的にはグレープフルーツの方が甘いように感じるが、実際に食べ比べるとスイーティーの方が甘いことが分かり、目から入る情報が大きなウェイトが占めることなど、参加者は五感を使っておいしさを感じる体験を行った。
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神戸の洋菓子文化を歴史と菓子作りから学ぶ
〜神戸お菓子ものがたり〜

 神戸市立博物館では昨年度から、ふるさと神戸の魅力を学び、再発見しようという小学生向け体験型ワークショップ、「こうべキッズふるさと学」を実施している。そのひとつとして平成17年1月29日(土)、同博物館および市内の洋菓子店において、「神戸お菓子ものがたり」が開催された。
 神戸には1867年(慶応3年)の開港に伴い、多くの外国人が居留し、洋菓子やパン作りの技術が伝えられ、それ以来多くの洋菓子店が生まれてきており、現在でも有名な洋菓子店が集まっていることで全国的にも知られている。こうした洋菓子の街・神戸について、その背景を学びながら、神戸開港から文明開化時代の洋菓子を作り、洋菓子文化の発祥を体感してもらおうと、同博物館がワークショップを企画し、市内の小学校5・6年生25名が参加した。
 当日はまず、同博物館から菓子作り会場まで、老舗の洋菓子店を訪ねながら約20分間の「歴史散歩」を行った。同博物館の職員から、各店舗創業当時の外国人や欧米から伝えられた技術にまつわる話などが紹介された。
 その後、子どもたちは神戸風月堂においてワッフル作りを体験した。神戸の老舗洋菓子店のひとつであり、本格的な洋菓子店の草分けとなった同社では、1897年(明治30年)の開店当初からカステラ、シュークリーム、マロングラッセ、ワッフルなどが店頭にならんでいたという。
 シェフによる生地の作り方と焼き方を見学した後、子どもたちはワッフル作りにとりかかった。最初は鉄板の温度調節が難しく、なかなか思った通りに焼けないようであったが、しばらくすると慣れてきて、キツネ色のワッフル生地を焼き上げていき、カスタードクリームをサンドしてワッフルを試食した。子どもたちからは「空気を抱かせて生地をこねるのが難しかった」「片面を焼いた後、ひっくり返すのが難しかった」など苦労したことについての感想も聞かれたが、普段食べている既製品のおやつとは一味違う文字通りの「手作りのお菓子」を味わうことができ、笑顔がこぼれていた。
 同博物館の担当者は「歴史を探りお菓子作りをするという、子どもたちにとっては盛りだくさんの一日でしたが、神戸と洋菓子との関わりについての認識を少しでも深めてほしい。また今後も、洋菓子以外の視点からも神戸の魅力を感じてもらい、地域を愛する気持ちをはぐくんでいければと思います」と話していた。
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岡山県総社市新本地区のさとうきび栽培と含蜜糖の製造販売について


新本地区における収穫後のさとうきび畑
 岡山県総社市の新本地区では、以前よりさとうきびの栽培から含蜜糖(とろりん黒糖)の製造販売を行っている。総社市は県南部に位置し、人口は約5万7千人、古代城の鬼ノ城や作山古墳など、古代吉備の繁栄を物語る史跡が数多く残る一方、温暖な気候に恵まれていることから、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」という品種のぶどうの生産地としても知られている。
 同市新本地区におけるさとうきび栽培と含蜜糖の製造販売は、昭和63年に新本営農推進組合が、同地区の農業活性化のため、地域特産物育成の検討を行い、その結果昭和30年代中頃に途絶えた「新本黒砂糖」を健康食品ブームに乗って蘇らせることにしたものである。四国の和三盆工場、種子島の黒糖工場、農業試験場などを視察、製造などについてのノウハウを蓄積し、平成3年度に県および市から転作促進特別対策事業の補助金を受け、黒砂糖加工処理施設「吉備ふるさと工房」を完成させた。
 同地区では平成10年度当時、耕作面積20アール、原料集荷量13トンの規模で、約1トンの含蜜糖製品を出荷し、その製品は「吉備ふるさと工房直売所」などで販売された。
 現在は、さとうきび栽培農家のリーダー的存在だった新本営農推進組合長の川村保春氏が高齢のために農作業を行うことが困難となり、さとうきび栽培を中止している。従って同推進組合の活動も休止している。このような現状から、「吉備ふるさと工房直売所」においても含蜜糖製品は販売されていなかった。
 しかし、このような状況が続けば、地域特産物育成の観点から大きな損失につながるとの考えにより、市農林課に勤務する三宅氏他3戸の農家において、少量ながらもさとうきび栽培を行い、含蜜糖製品の製造販売を継続するに至った。

譲り受けたさとうきび
 新本地区全体におけるさとうきび栽培については、品種は農林8号が使われており、毎年4月から5月に植付け、収穫は12月下旬から1月初旬に行われている。耕作面積は5アール原料集荷量約2トン、含蜜糖出荷量は約150キロ程度となっている。
 三宅氏は米の生産を中心とする農家である。さとうきびの生産規模は現在、耕作面積3アール程度、原料集荷量約1トン強となっている。
 今年産の生育状況については、糖熟は悪くないものの、2度の台風の影響により、根が傷んだことから、茎の伸長が悪いなどの被害があった。製品については、従来通り加工処理施設で製造され、農協などの直売所で500グラム単位程度にまとめ、販売する予定となっている。
 この含蜜糖製品の製造販売は、以前から「販売活動における人手の確保」「販路の開拓」など流通面における課題があったが、その解決を図ることは現在でも難しいようである。これは、例えば県内の菓子メーカーと連携した取り組みや消費者に生産から加工までを体験してもらいながら製品の普及を行うなどの取り組みなどを検討してみても、毎年安定した黒糖生産量の確保が難しいためとみられている。
 このように含蜜糖の製造販売については、以前から比べると大きく減少したものの、総社市農林課によれば、若い担い手農家を中心に推進していくこととしており、今後の活動に期待したい。
 なお、三宅氏の自宅を訪問した際、さとうきびはすでに収穫された後ではあったが、一部残されていたさとうきびを譲り受け、岡山県で栽培された貴重なさとうきびとして、中国四国農政局「消費者の部屋」(「知ってますか?砂糖の正しい知識」、平成17年2月1日から28日まで)へ出展した。
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鹿児島県甘味資源作物生産振興審議会が鹿児島市で開催

 平成17年2月3日(木)、鹿児島市において「鹿児島県甘味資源作物生産振興審議会」(会長・林満鹿児島大学名誉教授)が開催された。
 同審議会は、甘味資源作物特別措置法に基づき設置されたもので、県知事の諮問に応じ甘味資源作物の生産の振興に関する重要事項を調査審議することとなっている。今回の審議会では、「平成17年鹿児島県さとうきび生産振興計画(案)」について審議が行われた。
 同計画(案)では、現在、国では「食料・農業・農村基本計画」の見直しの一環として、さとうきびの最低生産者価格制度や製糖会社に対する国内産糖交付金を始めとする糖価調整制度の見直しについて検討が進められており、これまで以上にさとうきび原料の安定確保と生産コスト、製造コストの削減が求められていることから、平成16年度において島別に策定した「さとうきび・糖業安定生産促進緊急計画」に基づき、さとうきび生産の担い手の育成や生産性・品質の向上、安定生産ならびに甘しゃ糖企業のコスト低減を図るため、各種の対策の実施を通して高品質のさとうきびを安定して生産できる体制づくりに努めるとともに、さとうきび生産農家の経営安定と製糖企業の健全な運営を促進することを基本方針としている。同方針における重点施策として、[1] 大規模経営体など担い手の育成と複合経営の推進、[2] 生産の安定と品質向上対策の推進、[3] 効率的な生産・集荷体制の確立を掲げ、関係機関・団体が一体となった取り組みについて、引き続き推進することとしている。これらを受けて、平成17年産さとうきびの生産計画は、収穫面積9,606ヘクタール、10a当たり収量6,408キログラム、生産量615,551トンとされたところである。
 同計画(案)は、同審議会の答申を経て、鹿児島県および農林水産省との協議後、同省の承認を得て決定される。
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