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地域だより[2005年7月]

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最終更新日:2010年3月6日

砂糖類ホームページ/国内情報

地域だより
[2005年7月]

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東京事務所


虎屋文庫が「和菓子 素材がいのち」展を開催

 平成17年5月17日(火)から6月16日(木)までの間、(株)虎屋の虎屋文庫が主催する「今も昔もスローフード 和菓子 素材がいのち」展が東京都港区赤坂の虎屋ギャラリーにおいて開催された。虎屋文庫は、同ギャラリーで毎年1〜2回、「虎屋文庫資料展」を開催している。今回が第65回目であり、豆類、米、寒天、砂糖、くずといった和菓子の代表的な素材の特色、製法などの解説を中心に、和菓子作りの道具なども展示された。ギャラリー内では、和菓子の素材別に展示コーナーを設け、説明パネルと共に原材料の実物や素材を使用した和菓子が展示された。その中から幾つかの素材について紹介する。

 餡の決め手は小豆
 小豆は和菓子にとって重要な餡の原材料となるもので、栄養価も高く食物繊維も豊富である。国内産の約8割は北海道で作られているが、輸入される小豆は値段も安く、加糖餡も含めると輸入が国内需要の4割以上を占める。また、収穫された小豆は色、形が一定ではないため、より分け作業が必要となり、実際により分ける前の小豆とより分けた後の小豆が並べて展示され、質の高い小豆の選別が美味しい餡作りには重要であることが紹介された。高級和菓子の白餡の原材料として珍重される白小豆も展示され、来場者の関心を集めていた。

 干菓子に和三盆糖
 和菓子に甘味は欠かせないものであり、使われる砂糖もさまざまな種類がある。今回の展示では、和三盆糖と黒砂糖が取り上げられた。和三盆糖は四国の徳島県、香川県の一部でのみ作られている希少な高級砂糖で、繊細で上品な風味が特徴である。竹糖と呼ばれる品種のさとうきびから昔ながらの製法で、何日もかけて手作業で精製される。さらりとした口溶けの良さから、主に干菓子によく使われる。黒砂糖はさとうきびの搾り汁を煮詰めただけの砂糖であり、灰汁が強いが独特のこくがある。会場では収穫されたさとうきびと沖縄の各島産の黒糖が展示され、沖縄県黒砂糖工業会に加盟する製糖工場で作られた黒糖には「黒糖マーク」が付いていることが紹介された。

 練りようかんに糸寒天
 寒天は天草などの海藻から作った「ところてん」を凍結・融解を繰り返して乾燥させたもので、国産の天然寒天は特に保存性、保水性が良く、練りようかんを作る際に粘り気、固さの決め手となる。寒天作りには冬の厳しい寒さと乾燥した空気が必要で、寒冷な山間地で作られているが、最近は大量生産される工業寒天や輸入品もある。普通の角寒天に比べて細い糸寒天は練りようかんに適しており、独特の風味と味わいに欠かせないものである。
 他にも大豆からはきな粉が作られ、米からはさまざまな米粉が作られ、和菓子の幅広い用途に使われている。また、くず粉はくずの根から取るでんぷんであり、会場には大きなくず根の実物が展示された。くず根をとる人が少なくなったことなどから国産くず粉は高価で貴重なものとなり、馬鈴薯でんぷんなどの代用品も多く使われている。
 和菓子の原材料にはこのように日本の伝統的な食材が多く使われており、和三盆糖、寒天、くず粉のように昔ながらの手作業によって高い品質が維持されている貴重な原材料も多い。大量生産が難しく、後継者不足や安価な輸入品、代替品の増加など、和菓子の原材料を取り巻く環境は厳しいが、生産者の方々の努力により、和菓子の味は支えられている。和菓子を食べるときは、その色、形はもとより、和菓子を構成する素材の数々にも思いをめぐらせ、ゆっくりと味わいながらいただきたいものである。
(三山) 


和三盆糖などの展示の様子
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名古屋事務所


砂糖で出来た名古屋城の登場

  徳川家康が西国の諸大名に築城を命じ、1612年に完成した名古屋城は、東海道の要所として栄え、400年あまりたった今日でも、愛知県民、名古屋市民に愛されている。この名古屋城を名古屋マリオットアソシアホテルが砂糖工芸として精巧に再現、展示しているので紹介したい。
 これは名古屋マリオットアソシアホテル開業5周年と愛・地球博(愛知万博)開催を記念し製作されたものである。愛知万博にあわせて来日する多くの外国人にも喜んでもらえるように、日本独自の建造物であり、名古屋を象徴する「名古屋城」が題材に選ばれ、同ホテルの製菓料理長松島義典氏を中心とする製菓スタッフ総勢37人が、通常は最低4ヶ月かかるところを2ヶ月という短期間で製作した。
 製作には、まず名古屋城の資料集めから始まり、過去の文献・本、図面などを研究し、さらに名古屋城にも何度も足を運び、今回製作される名古屋城の設計図を起こした。それをもとに各パーツを別々に作り、卵白に粉糖を溶かして泡立てたグラスロワイヤルで接着していった。特に石垣はよりリアルに見えるように、粉糖にゼラチン、胡麻をすりおろしたものを混ぜ合わせ、石の型1枚ごとに形成し取り付けていった。また、名古屋城のシンボルである「金の鯱ほこ」も金箔を貼り再現するなど、細部にまで手が込んでいる。展示開始5月1日の前夜に各パーツを展示場所であるフロント前に運び、約6時間かけて組み立て完成した。
 このようにして作られた名古屋城は、20平方メートル(約12畳)、実物の1/96の大きさで、築城当時の勇壮な姿が再現されている。全体が白いため、まるで雪が積もったかのような優雅な名古屋城に、同ホテルを訪れた人たちは足を止めて見入っていた。


再現された名古屋城

 一番難しかった点を聞くと「西洋の建築物はきちっと真っすぐになっている。それに比べると日本の建築物は独特の曲線がある。お城の屋根の微妙なカーブを表現するのが難しかった。」とのことである。展示は保存状態を見ながら、展示する予定である。
 同ホテルでは過去にも、ノイシュバインシュタイン城(ドイツ)やモンサンミッシェル(フランス)などの砂糖工芸を定期的に製作しており、今後もこのような取り組みを積極的に行っていきたいとしている。
(大槻)

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大阪事務所


関西砂糖特約店協同組合が講演会を開催

  平成17年5月26日(木)、大阪市において関西砂糖特約店協同組合による講演会が関西地区の特約店、代理店、国産糖企業および精製糖企業など多数参加の下、開催された。今年度は組合設立50周年となるため、農林水産省生産局特産振興課の久保田一郎課長補佐および精糖工業会の久野修慈会長を講師に迎え、記念講演が行われた。
 以下、講演会の概要を紹介する。
 農林水産省では、本年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」に沿って、砂糖および甘味資源作物についても「砂糖及びでん粉に関する検討会」において一定の方向が策定されたところである。
 砂糖および甘味資源作物の改革の背景として、砂糖需要の低迷、大幅な内外価格差、精製糖および国産糖企業の合理化問題が挙げられるが、これらに加えて、昨年7月にWTO農業交渉における枠組み合意がなされるなど国際化が進展する中、内外価格差の是正など我が国農業・農政の在り方が問われ、改革議論が行われてきた。
 そして、本年3月に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」において、農業の構造改革を加速化するとともに、国際規律の強化にも対応し得るよう、品目別に講じられている現行制度を見直し、施策の対象となる担い手を明確にした上で、その経営の安定を図る対策に転換することとされ、その一環として、砂糖に係る政策の在り方について、「砂糖及びでん粉に関する検討会」において検討がなされ、基本方向がとりまとめられた。
 検討会における制度改正の基本方向としては、行政価格である最低生産者価格を廃止し、市場の需給事情を反映した原料取引価格が形成される制度への移行、政策支援の財源は現行の糖価調整制度の財源(調整金)を基本とすること、国産糖製造事業者に対しては、最大限の合理化を前提に政策支援を実施、工場ごとの原料集荷区域の廃止、生産数量が一定数量を超える場合には政策支援の上限を設定することなどが示され、来年の通常国会に法律案を提出し、平成19年産からの適用を目指している。
 一方、WTO農業交渉における市場アクセス分野について見ると、重要品目は高関税ほど大幅に引下げる階層方式とは別の取扱いとされているものの、砂糖のように高関税品目は、将来、大幅な削減が求められる可能性があり、糖価調整制度に影響を及ぼすと考えられることからその動向を注視している。
 また、久野会長は、国の審議会や補助金の支出のあり方について、自身が関与している組織のことも引き合いに出しながらユーモアを交え提言を行い、砂糖需要の拡大のためには価格を下げることも必要だが、米国のように砂糖は健康に良いというイメージを消費者に与えていくような宣伝活動を積極的に行う必要もあるのではないかという内容の講演を行った。 (古河)


久保田課長補佐講演の様子

久野会長講演の様子

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神戸事務所


「洋菓子のまち・神戸」を冊子でPR〜Sweets Navigator〜

 (財)神戸ファッション協会では、阪神・淡路大震災から10年を迎える今年、神戸の生活文化産業の復興までの軌跡と、これからの同分野における都市づくりの取組みを、広く内外に情報発信するために、さまざまなファッション(衣・食・住・遊)関連イベントを行っている。
 この一環として、毎年ゴールデンウィークの時期に兵庫県洋菓子協会との共催で行っているデパートでの集客イベント(注)に加え、今年は5月6日〜29日までの間、洋菓子店マップを用いた回遊型(参加者が神戸市内に広く点在する洋菓子店を訪ねて歩く)イベント、「洋菓子タウンフェア」を実施した。


小冊子「Sweets Navigator」

 同イベントの内容としては、神戸市内26の洋菓子店を掲載した小冊子(マップ)「Sweets Navigator」を消費者に配布し、スタンプラリーをしながら「洋菓子のまち・神戸」を体感してもらおうというものであった。
 同冊子は、ハガキサイズ(107mm×154mm)で32ページ、5万部が発行され、上記のデパートでのイベントのほか、京阪神間の喫茶店など約160ヶ所で無料配布され、各店の代表的な商品を写真付きで紹介しているほか、1868年の開港以来、神戸における洋菓子が歩んできた歴史も掲載されている。単なる「お店紹介」だけではなく、神戸の洋菓子のバックグラウンドも紹介する内容の同冊子は、多くの若い人たちにとって、食文化としての神戸の洋菓子を見直すきっかけとなったようである。
 掲載店でケーキなどを購入して冊子にスタンプを集めると、抽選で賞品がもらえることから、数多く(557名)の応募が寄せられた。中には指定記載事項のほかに「写真が多く、地図もわかりやすい優れた冊子です。神戸に来た友人にもこの冊子を見せながら案内したい。洋菓子のあゆみも興味深く読みました。」「初めてのお店に挑戦して新しい味に出会うことができました。また企画してください。」といった積極的なコメントを応募ハガキに書き込んだ応募者もおり、神戸の洋菓子店が従来よりも幅広く消費者に認知されたと言えそうである。
 同協会の担当者は、「『Sweets Navigator』は、洋菓子店の紹介のみでなく『神戸の洋菓子の歩み』を織り込むことなどで市販のガイドブックとの差別化を図りながら、あらためて『洋菓子の街・神戸』を体感していただくことを目的に作成いたしました。このマップを持って色々な洋菓子店を訪れていただきながら、震災後10年を経て従前にも増して美しくなった神戸の街並みや元気を取り戻した人たちの姿を感じていただければと思います。」と話していた。
 同協会では、今後も兵庫県内、神戸市内のファッション関連企業の振興を図るために、上記の洋菓子イベントをはじめ、さまざまな生活文化産業の情報を発信するイベントなどを通じて、消費者に対する働きかけを積極的に行っていく予定で、地場産業としての洋菓子の育成・発展にも貴重な役割を果たしていくものと思われる。
(脇谷)

(注)「洋菓子Kobe展」として本誌2000年7月号、2001年6月号、2002年6月号で紹介。本年は「2005 洋菓子フェスタ in Kobe」として4月27日〜5月5日に開催された。
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岡山出張所


地産地消をテーマに「産・官・学・民」連携による食品の共同開発
〜北海道産てん菜糖を使用したフルーツトマトゼリー〜

 岡山県北部に位置する津山地域では、「地産地消」の促進で地域産業の振興を図るため、大学・企業・行政と生産者・消費者の連携による商品開発事業が進められている。
 「美作大学技術交流プラザ」と名づけられたこの事業は、平成11年にスタートし、「食品分科会」をはじめとする4つのグループなどで構成されている。
 このうち食品分科会では、津山の食品メーカーや美作大学食物学科、行政、生産者、消費者らが参加して、地元農産物を利用した特産品の開発を目指している。開発された商品は、入念な品質チェックや試食などを経てから地域ブランド品として認定され、商品パッケージには地域ブランドの統一ロゴマークを表示して販売されている。
 会員である菓子製造会社の菓子司「わかな」では、このほど鏡野町の契約農家と共同開発したフルーツトマトゼリーの販売を始めた。これは、一般のトマトに比べ、タンパク質、ビタミンC、ベータカロチンが高いフルーツトマトを使用し、トマト本来の味を生かすため、イオン水と北海道産てん菜糖で味を整え、仕上げたカップゼリー状であり、口溶けが良く健康志向を前面に押し出したデザート感覚で食べられるものである。
 菓子司「わかな」の大塚貴将工場長は「てん菜糖の使用割合は、商品1個(約50g)につき1割程度だが、てん菜糖が柔らかい甘味を演出してくれることと、国内産であることにこだわりました」と話す。また、「第一次産業が発展してこそ、二次、三次産業があると思われ、フルーツトマト生産農家の顔が消費者に見え、話ができる関係にしたかった」と続ける。
 一方、生産農家も担い手の育成・確保を目指して「鏡野町農業後継者クラブいずみ会」を結成し、専業の若い農業者を中心に異業種との交流を深めるなど、活発な活動を行っている。今後の課題としては、(1)商品PRと販売量の拡大、(2)新たな加工品の開発、(3)フルーツトマトのブランドの確立、である。
 同交流プラザの事務局である「つやま新産業開発推進機構」の近藤浩幸産業活性化アドバイザーは、「平成17年度の計画としては、販売チャネルの開拓が目標。そのためのニーズの調査を現在行っているところです。また、農業支援に結び付けていく観点から、今後、振興を図っていく農作物の品目選択の作業も同時に進めています」と話す。
 この事業は、他の市町村からも問い合わせが寄せられており、地域内で異業種同士が交流を図って知恵を出し合い、その中でも、農業と食品産業との結びつきを強化している県内の代表的事例といえよう。 (古澤)
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福岡事務所


「平成17年度さとうきび生産振興対策会議」が鹿児島市で開催

  平成17年6月2日(木)、鹿児島県農政部、社団法人鹿児島県糖業振興協会の主催による「平成17年度さとうきび生産振興対策会議」が鹿児島市の鹿児島県市町村自治会館において開催された。
 同会議は、前年産のさとうきびの生産実績や当該年産のさとうきび作付け進捗状況などについて、鹿児島県内のさとうきび関係者が検討・協議を行い、各島・各地域においてさとうきびの生産振興に寄与することを目的として、毎年度開催されているものであり、今年度は、鹿児島県、市町村、農業試験場、甘しゃ糖企業、農協、関係団体などから60名が参加して行われた。
 はじめに、平成16年産のさとうきびの生産実績について、鹿児島県から、さとうきびは種子島および奄美地域の農家の6割以上が栽培し、普通畑の5割に作付けされており、関係者一体となった取り組みにより、収穫面積・生産量ともに増加傾向にあったが、平成16年産は台風・干ばつの被害により、506,773トンという史上最低の生産量となり、10a当たり収量も5,308kgと平成15年産を下回った、との報告があった。
 次いで、各島・各町から平成16年産の低収要因分析と今後の対策について報告があり、低収要因については、6月から10月にかけての相次ぐ台風の襲来による潮風害・折損茎被害、生育旺盛期における降水量不足による干ばつの影響、メイチュウなどの病害虫被害、イノシシ被害などがあげられ、今後の対策として、Ni17といった台風に強い品種への更新、早期かん水推進や土づくりによる干ばつ被害の軽減、薬剤散布などによる病害虫防除などの具体的取り組みについて協議された。
 平成17年産さとうきび作付け進捗状況については、鹿児島県は先に収穫面積9,606
ha、10a当たり収量6,408kg、生産量615,551トンとする生産振興計画を定めているところであり、NiF8、Ni17といった優良種苗供給体制の確立など、同計画の達成に向けた取り組みについて協議が行われた。
 今回の会議で検討・協議された台風・干ばつ、病害虫被害などの対策が、鹿児島県のさとうきび関係者一体となった取り組みによって結実し、平成17年産さとうきびの生産が安定して行われるとともに、生産量の増大へと結びつくことを期待して止まない。
(池野)


さとうきび生産振興会議の模様
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