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最終更新日:2010年3月6日
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会場の様子 |
熱心に聞き入る消費者協会の方々 |
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製造 事業者名 |
各社からのコメント |
新光糖業 | 本年産は、台風の影響も少なく収穫期前までは順調な生育であったことから、高糖多収を期待し操業に入ったが、12月の急激な冷え込みに加えて季節風や雨天が重なったため、さとうきびの登熟が停滞し、その後も回復することなく低迷し、当初見込んだ11.50%を大幅に下回る10.50%の歩留が確保できるかどうかの状況となっている。 |
富国製糖 | 夏期の干ばつ被害は比較的軽微であったが、収穫面積が夏植面積の減少により対前年約50ha減少したこと、また、株出についてもハリガネムシ被害による茎数減で単収が低迷したため、生産量が伸び悩んだ結果となった。 |
生和糖業 | 本年産の原料処理量は、当初70,000tの見込みでスタートしたが、その後の見直しで3月28日には63,200tの下方修正となった。その原因は、本年のさとうきびは台風の影響も少なく茎数は例年より多かった反面、干ばつ気味であったために茎長が短く1本当りの茎重が軽かったためと思われ、さらに12月の台風並みの強風により塩害が発生し生育が阻害されたことも影響しているものと思われる。 |
南西糖業 | 17/18年産のさとうきびは、台風の影響もなく順調に生育し、11月までは高品質で推移していたが、12月中旬 の寒波、その後の季節風による海岸地域の塩害などにより品質低下を招き、歩留は当初予想の13.0%から12.65% へ、生産量は187,679tから184,803tへ下方修正となった。 |
南栄糖業 | 今期の原料処理量は、当初見込みの44,988tに対し1,406t減の43,582tとなり、過去最低の生産量を記録した。その主な原因は、作付面積の減少もあったが、7月〜10月の間に40日連続の雨量無し日が二度もあり、例年にない大干ばつで大きな生育阻害を受け単収減となったためと思われる。 |
与論島 製糖 |
6月23日の梅雨明け以降、生育旺盛期の7月〜9月に長期の大干ばつに見舞われたことから生育が大きく阻害されたため、史上最低の原料処理量となった。また、操業終了についても3月16日と大幅な短縮を余儀なくされた。 なお、高糖品種への更新は進みつつあるものの、糖度が上がる後半に原料不足を生じたことから、歩留は11.90%と低位となった。 |
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さとうきびを搾っている様子 |
黒糖製造の実演 |
さとうきびの展示 |
黒糖製造のために用意されたさとうきび |
配布された「セル苗」に添えられた栽培資料 |
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新色のスーツ |
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新色製品の数々 |
従来色の製品もさらに充実 |
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現在、沖縄における黒砂糖の生産は、島尻郡伊平屋島、粟国島、宮古郡多良間島、八重山郡西表島、小浜島、与那国島の七島で生産されており、各島で栽培されたさとうきびを原料にそれぞれの島の工場で生産され、沖縄県全体で年間約7,000トン程度が生産され、「沖縄黒糖」という地域食品ブランドとしての認知度が高い。一方、沖縄ではさとうきび生産振興の啓発の一環として地域で行われるイベントなどでの実演や、小中学校での総合学習などで、小規模な黒糖作りが広く行われている。
このような黒糖作りは、昭和30年代ごろまでは、地域(集落)で黒糖を作っていたため、黒糖を作ることができる人材が各地域に何人かいたが、高齢化により年々その人数が減少している現状にあり、黒糖作りを教えられる指導者の養成が急務となっている。
このため、南部地区さとうきび生産振興協議会が中心となり、このほど、JAのさとうきび担当者、役場など行政の担当者、子供会の指導者など35名ほどが参加し「黒糖作り指導者養成講習会」が、平成18年3月23日に南部地区さとうきび生産振興協議会(南城市大里)で開催されたので、その模様と黒糖作りの作業工程を紹介する。
なお、黒糖作りの指導は、翔南製糖農務部の指導員(新垣氏・金城氏)の協力・指導の下で行われた。
今回は、作業工程の指導と共にさとうきび品種による味の違いを確かめる試みも行われ、品種ごとに黒糖作りを行った。
品種は、さとうきびの主要品種である農林8号、現在、優良品種として植え付けが増えている農林15号、農林17号の3品種を使用し、3品種の中では、農林15号が参加者の間で評価が高かったが、品種による味の違いに参加者は一様に驚いていた。
養成講習会では、通常はなかなか習うことができない、黒糖の作り方のコツ、失敗しない方法などを丁寧に指導していた。
今後、参加者各人が行う地域での黒糖作り指導の参考となることが期待される。
(仁科)
○黒糖作りの作業工程(3時間程度) |
1.圧搾工程(さとうきびはブリックス18度以上)
(1) 圧搾機でさとうきびを絞る
(2) 汁はバガスのくずなどをスクリーン(100メッシュ程度)を通して取り除く
(3) 濾過したさとうきびの汁を行程2の鍋に移す
*圧搾機で絞る |
*絞ったさとうきび汁を釜に移す |
2.清浄工程
(1) さとうきびの汁をガス釜で加熱
(2) 沸騰する前に丁寧にアクを取り除く
(3) 石灰乳(消石灰100グラムを水1リットルに溶かす)を添加し、リトマス試験紙で正確に(昔は、色と香りで判断)PH7.0〜7.2に調整する
*丁寧にアクをすくう |
*石灰を加える |
*リトマス試験紙でPHを確認 |
3.濃縮工程
(1) 攪拌しながら煮詰める
(2) 煮詰めながらさらにアクを取る
(3) 沸騰し、泡が全体に広がっていく
(4) 泡の状態がなめらかになったら弱火にして焦げないように攪拌
(5) 火を止める
*火を止めるタイミングが一番難しいが、見分け方は水を入れたコップに糖液を垂らし、固まりながら底へ落ちればちょうどよい(昔は、攪拌する棒ですくって、糖液の垂れ具合で判断)
*攪拌しながら煮詰める |
*火を止めるタイミングを確認する作業 |
4.冷却工程
(1) 火を止めたら素早く攪拌しながら冷却
(2) ある程度冷却したら固まらないうちに、型に移す
*火を止めた状態 |
*火を止めたら別の鍋に移して冷却 |
*さらに攪拌しながら冷却 |
5.製品工程
(1) 流動性のあるうちに容器に(型)に流し込み、固まればできあがり
(2) 型にサラダ油を塗っておくとはがれやすく、完全に固まる前に切れ目を入れておく。
(3) 容器は、アルミ、木箱でもよいがプラスチックは不適
*型に流し込む |
|
*味比べ |
*講師の説明に聞き入る参加者 |
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